2023/11/08 のログ
ご案内:「城塞都市」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ >
剣撃 悲鳴 阿鼻 悪態
そこらの樹々に弩から放たれた矢の残骸
斧の一撃を避ける盾に返られた幹の傷跡
土色のかしこは一部位が変色した褐色が飛沫模様を描き、吸われて尚 色と形を失わない
―――地獄だ 全てが終わってもきっと 恨み辛みの影法師がそこら中に溢れかえるよう。
その地獄の中で、己こそが騎士だと言わんばかりに、忠義の二つだけで動き続ける狂人と
その背中に染められてしまった者らの、動体の群れ
黒い兜 黒い鎧 女型と呼ばれてもわからないかのような、裏返りの歯列が口元から覗く異形
全身に返り血を滴らせながら、黒が赤を拒むように目に映るのはまるで汗が滴るかのように
その動き続ける体から流れる何かの様にしか映らない。
兜は額の赤い宝玉がどす黒い赤でシルエットを浮かばせている
兜自身、女型の兜のはずが、どこか獣臭を感じさせるものに少し“変形している”
しかしそれに気づく者は、装着者を含めて皆無だ。
目に映るのは、赤 赤 赤 黒 黒 黒
そしてその腕力で握りしめる巨剣風の武具による 立ち向かう人型を真っ二つにし続ける行為のみ。
「―――■■■■■■~~~~ッッッッ!!」
その吠えが、兜越しでより異質に聞こえる。
人ではない声のよう 兜の中で反響し出ていく音は、まるで猿叫だ。
動き自体ですら、その重量級と全身甲冑姿であるというのに、山々を掛ける足は軽い
そして腕や胴体程度の幹ならば、その後ろに居る者ごと胴体が千切れ飛ぶ断撃が飛ぶ。
撓んだ身幅のある鋼の音 硬質的なものがぶつかり合い、片方が負けた音が何度も響く。
その剣の間合いに入り込まないようにしながら、周囲もその黒と同じ進行を続ける。
エイコーンと真面目に足止め役に転じることすら捨てている。
真面目に相手にするくらいなら、転倒 泥濘 足場崩し
なんでもやってなにもできなくなせてやるほうがいい。
一々勝てなくていいとすらメイラに思わせるほど、エイコーンが“大嫌い”だ。
「アスピダがっ まだ あ んな にも遠 い。」
剣を携え、片手で掴んだ敵の顔面
指先まで覆われた鉄拵えが握力で掴むだけで、頬骨を砕き、顔の皮がひしゃげていく。
兜の隙間から零れる白い吐息は、ゴロロロロと唸りを上げるよう。
■メイラ・ダンタリオ >
兜の内側から、赤い瞳は睨みつける
吐息は兜の中では大きくなり、通常よりも聞こえていく。
兜の女型の顔は、やや変形している裂けた牙笑みを浮かべながらも、内側
ギザ歯が見える口元が二重歯のように覗け、それはギリギリと噛みしめるように映っている。
―――あんなにも遠いアスピダをわたくしは睨みつける
―――賊が消えたというだけで、あの都市の中の純度は増したように思える。
―――クシフォス・ガウルスがあそこに居ると思うだけで なぜ前に進めないのかとわたくしは苛立つ。
「―――嫌だ わたくしが あの御方のお役に立てないなんて 絶対に。」
想像するだけで背中が冷える 忠義とは捧げることだ。
見せつけて、結末を出し 捧げて また誓う。
躰を小さく折り曲げて伏し、捧げた言が誓いだ。
有象無象らをいくら千切り飛ばそうと、納得できない。
地獄に居わすあの御方に、失望されたくない。
グシャリと左手で握りつぶした何かが勝手に堕ちる。
ブンッと掃った手から出た赤と肉色の飛沫物体が、べちりと骸の一つに張り付いた。
それに目を向けることもない 柄を握り締め、兜越しに向ける敵の散らばる群れ。
ゆらりと、背中から映える鉄の尾 刃の研ぎが両側から目立つ鋼鐵の平たい剣尾が
魔力を微量ずつ吸い続ける鎧と呼応して、苛立ちを見せるように バチンッ と地面を叩く。
また手近な敵に迫り、その黒い全身像から繰り出す鉄塊の一撃が、一つを二つに変えるまで、刹那もない。
ご案内:「城塞都市」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。