2023/08/02 のログ
セレンルーナ > 「でも、子供心に綺麗に思った石なら思い出っていう価値はあったんじゃないかな。星の石、綺麗だったんだろうね。」

金銭的な価値というのは確かに重要だけれど、思い出の価値というのも大切な価値だろう。
可愛い子供だったんだろうなと、微笑んでいく。
サウロが、それ以上言及しないならセレンルーナの中でサウロと少女のサウロは別人という結論に至るだろう。
どちらにしても、どちらのサウロも好ましくて美味しそうに料理を食べる子という好い印象なのは変わりない。
もしかしたら、いつか性別が変わる事が分かって驚くことになるかもしれないけど。

「そうなんだよね。とても美味しそうに食べてくれるから、あれもこれも勧めたくなっちゃうかな。
サウロもそうだけど。やっぱり美味しそうに食べてくれる人との食事は楽しいね。
 ゔ……今後は善処します。」

にこりとした微笑みには、穏やかな口調ながらも、敬語に戻ったあたり、言外の圧を感じて…すでに怪我をして無理をしていたのも知られているから、そそっと視線を逸らしていくだろう。

「そ、魔法の言葉かな」

返しの言葉に、一瞬既視感というか記憶に掠ってあれ?と思うものの、まあいいかと楽しさに身を任せる事にして。

「甘いもの好きで良かった。どれどれ~?」

和らぐ優しい表情が、美味しいねと伝えてくれるのにこちらの気持ちも解されるような心地になりながら、切り分けられた桃饅頭をはくっとセレンルーナも食べていく。
桃の形はしているけれど、桃の味がするわけではないお饅頭は餡の甘いけれど上品な味と、ほんのりと甘い皮とのバランスがいい。
月餅のほうは、中に松の実などちょっと変わったナッツっぽいものが入っていて、独特な味わい。
お茶によくあうので、ジャスミンティーをこくりと飲めば、ジャスミンの香りが口の中に広がっていく。

「ふぅ…、このお茶も最初にのんだお酒みたいお花が使われてるんだけど、これはこれでいい香りでほっとするかな。」

言いながら、ゴマ団子をぱくり。
プチプチとしたごまの食感と風味、中のゴマ餡もちょうどいい甘さ。
エッグタルトは、こちらの国にもあるタルトに似ているが食感が少し異なって餡とは違う砂糖の甘さがじゅわりと広がっていく。
そして、杏仁豆腐は麻婆豆腐と同じ豆腐と名がついているが、材料は異なりつるりとした食感が、満腹でも不思議と匙が進んでしまうだろう。
さすがに、全部食べ終わるころにはお腹いっぱいになっているか。

サウロ > 「自分で見つけたから、という特別感もあったのかもしれないな。
 ……綺麗だったけど、今思うとちょっと恥ずかしいな」

(4、5歳くらいの小さな頃のことだ。
 陽の光でキラキラ光っていただけかもしれないが、幼心に星の石だとはしゃいで、寝る時まで握って離さなかった。
 今思えばすごく恥ずかしい。それ以上の思い出話はそっとしまっておこう。
 いつかは性別が変わることも自然と伝えられるだろうか。
 解決策が見いだせないまま開き直れば、あるかもしれない。
 美味しいと食べるのは、事実美味しいからで。けれどそれ以上に、誰かと一緒に食べることが好きなのだと思う。
 だから彼女の言葉に、笑顔で頷いた。
 目を反らす様子にはふは、と小さく吹き出して。とは言え、心配は心配なので、しっかり食べて欲しいというのも本音だ。)

「なんでも美味しくいただけるから。ん、甘いものも美味しいね」

(触感が良い月餅の程よい甘さは、ジャスミン茶とよく合う。
 変わった風味もお茶ながら、花の香がする。お酒とは違う、花のお茶はよく冷えていて、気持ちがいい。
 杏仁豆腐のつるんとした触感に、爽やかなフルーツと合わさって食べやすい。
 柔らかくとろけるものと、口の中でぐにぐにと弾力のあるものが合わさって面白かった。
 エッグタルトの染み込むような濃厚な味わいにぺろりと平らげてしまい、一瞬でなくなった……?みたいな不思議な顔をしたりもして。
 あっという間にデザートの皿も空になっていくだろう。
 食べ過ぎたかもしれない、と腹部を撫でながらご馳走様でしたと、感謝の言葉を。)

「今日は本当にありがとう、セレンさん。
 本格的なシェンヤン料理が食べられて嬉しかったし、どれも美味しかった。
 元気そうな貴女も見れて、安心した。
 ……どうかこれからも、無茶はしないように、ね」

(改めて彼女の方へと向き直り、今日一日の感謝を伝えて、同時にどうか怪我などに気を付けてと。
 程よく食後のお茶を飲み、食休みも済んだら、退出の時間も迫ってくるだろうか。)

セレンルーナ > 「そういうのってあるよね。秋の森でツヤツヤのどんぐり見つけて、もって帰って……。あ、この思い出だめなやつかな…。」

うんうん頷きながら、自分の似たような思い出も思い出してみたら、結末がちょっとあれだったので言いかけて口を噤んだ。

「ま、まああれかな。気を付けないと食事が疎かになりがちだから、また良かったら食事に付き合ってもらえると有難いかな。美味しそうに食べてくれると、こちらも美味しく食べられるしね。」

笑われてちょっとバツが悪そうにしながら、食事に付き合ってと誘って。

「ふっ…ふふっ…っ」

エッグタルトを口に入れたあと、一瞬でなくなった?といった不思議な表情を見て、またクスクスと可笑しそうに微笑ましそうに笑っていただろう。
楽しい時間はあっという間にすぎていって、お腹もしっかり満たされたようだ。

「どういたしまして。喜んでもらえて本当によかったかな。
 うん、本当にサウロ達のお蔭かな。こちらこそ有難う。
 極力無理はしないように、怪我にも食事にも気をつけます。」

改めて感謝を伝えられると、笑顔を向けながらセレンルーナも感謝の言葉を返す。
無茶はしないようにという言葉には、宣誓するように右手の掌を見せながら。
暫くは自由騎士団の事など雑談に花を咲かせて、食後のお茶を楽しんで会計を済ませれば、二人で退店していくだろう。
きっとサウロはセレンルーナの家の近く辺りまでは送ってくれるだろうから、雑談しながら夏の夜の道をゆっくり歩いて帰路へとついていく)

「今日は私も楽しかったかな。またね、サウロ。サウロも体に気をつけてね」

サウロも自由騎士として危険な任務につくことも多いだろうから、気遣う言葉を返しながら手を振って別れていく。

サウロ > 「…………あえて聞かないでおくよ」

(ドングリの中は、けして、開けてはいけない。サウロも知っているようだ。
 口をつぐんだ彼女と顔を合わせて、ふふ、と小さく吹き出す。
 また食事に、と言われれば勿論と頷いた。)

「また是非。毎回奢られては立つ瀬がないから、今度は僕も、いい店を紹介するよ」

(平民地区にあるような食事処にも美味しい店はある。
 貴族でよいものを食べて育っている彼女には物足りないかもしれないが、それでもきっと付き合ってくれるだろうと。
 そんな風に笑いあいながら、楽しい食事の時間も雑談の時間も、あっという間に過ぎ去っていって。
 会計をすませてくれた彼女に改めて、ご馳走さまと心から礼を。
 彼女も右手を見せて誓ってくれる様子なら、きっと大丈夫だろうと微笑んで胸に手を当てる敬礼を返し。

 その後店を出れば、夏の夜風が頬を撫でていく。
 酒精と温かい料理で火照った頬にはちょうどよい涼しさ。
 二人並んで歩きながら、彼女の家の近くまで送った後、別れ際には少しだけ名残惜し気に彼女を見送ろう。)

「ああ、気を付けるよ。ありがとう、セレンさん。 おやすみなさい、いい夢を────」

(楽しかったことを改めて伝えて、手を振る彼女の姿が遠ざかるまで見送り。
 楽しい時間を過ごせたことに感謝し、優しく暖かな気持ちを胸に抱えながら、帰路へとついた────。)

ご案内:「龍輝閣」からサウロさんが去りました。
ご案内:「龍輝閣」からセレンルーナさんが去りました。