2024/11/04 のログ
■玖妲 >
帝都シェンヤン──始皇の住まう皇城
その地下で毎夜繰り広げられるのは、とある夜会
后の一人である女が開く悪趣味な宴
それは陽が沈むとともに始まり、陽が昇る刻まで続く──
今宵槍玉に挙げられたのは──野心を抱いた皇族が一人
権力争いに己が資産を投じ、次代の強権を狙った男だった
「──無様ね。雉も鳴かずばなんとやら──身の程を辨えないから」
夜会の中央で生気のない瞳の女性に集られ、嬲られているのはその男に他ならない
そしてそれを見世物に、夜会の場では乱交に次ぐ乱交…男女の獣欲にかまけた淫蕩の宴の光景が広がっている
敷布の惹かれた華美な椅子に優雅に掛けた黒髪の女は、周囲に家臣を侍らせ、その血色の眼を細目、歪む口元を扇で隠し、愉しげに嗤っていた
■玖妲 >
妖艶に佇む女の視線の先
女…玖妲によって魂を喰われ意思なき人形となった皇女達に嬲られる男は、ただ情けない声を上げることしか出来ない
「………」
ふぅ、と。
小さな溜息を詰まらなさそうに吐き、興味を失った様に視線すらも最早向けることはない
──もう少し強固な意思の持ち主かと思えば、なんて脆い。喰らうにも値しない肉
場に充満する甘い香りは媚薬の香
精神を蕩けさせ、肉体に熱を灯す
この場に在ってすぐに肉欲に溺れない者は、己の食料足り得る魂の持ち主…
あれのような粗悪品ではなく、強固な意思と己を律する強さを持つ、極上の馳走…
女にとってこの夜会は、そういった己の好みの者を見つける場でもあった
■玖妲 >
美酒が振る舞われ、夜会は更に酒池肉林の様相を呈してゆく
淫蕩への堕落、快楽への爛れ…
肉欲と獣欲を満たし合い、宴は狂気すらも孕みはじめる
ただ女を犯すだけでは飽き足らず、ただ男を貪るだけでは物足りず…
この場に在れば、健常な人間とて惑わずにはいられない
そんな魔性の空間と成り果てた地下の宴の間
「ふふ……醜い光景。──退屈な皇城の風景に比べれば、余程に良いけれど」
女はその場に在りて、輪には加わらず
城下から献上された上等な酒の注がれた杯を優雅に傾けながら、その血の色の眼に宴の光景を映していた
ご案内:「皇城・地下」から玖妲さんが去りました。