2025/05/21 のログ
ご案内:「タナール砦」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 “王国第四師団による密書”のやり取り
 現在囲まれたように防衛している砦は分が悪い。
 籠城とはどこまでも外部の力を頼るしかなく、出来上がった裂け目から双方が飛び出ることでビリビリに引き裂いて
 そして蹂躙していくしか方法はない。

 引きこもれば自害か蹂躙が待っていて、もはやこれまでと死兵と化せば痛みは与えることはできただろう。
 完全敗北というものよりは幾分か増しだ。
 だが“女好き司令官”ではどうにもならない。
 優秀な冒険者がいたようだ 現在のあらましまで語った後
 王都に今だいたメイラがそれを耳に挟んだことによる、狂奔といっていいメイラの狂気が伝染しているといってもいい
 まるで逸れ病に侵されたかのような一群は密書のやりとりによる向かう団と合流することになった。

 砦のやりとりはイタチに等しい。
 奪い奪われる場だ。
 しかし、目の前で矛になりましょう 破城槌になりましょう と無駄な損耗を控えさせるし手柄などまるで興味はないような
 そんな狂った視野で語るメイラの甘い言葉は、手柄を横取りされること、“魔混ざり者(まざりもの”)のメイラの手を借りること
 それらを差し引いて同行を許された。

 皆ももう知っている。
 負けて生きればゴブリンやオークのオナホにされるのだ。
 顔が美麗ならば尚の事。
 あれらは腕肉を齧りながらだって尻孔に精液を流し込める。

 メイラの中にある激情は 女好き司令官 も 尻孔オーク も 全てが燃料になれる。
 またがる愛馬も、呼応する。
 首無しで付け根に銅板蓋がされた愛馬が、装甲を纏う姿で蹄を当て、豪脚で砦まで突進する。
 砦に密集している 雨の中進む 今日はほぼ雨が止まない。
 こちら側まで行っていればもう終いに等しい状況の中、メイラはその醜い兜の内側で バキッと歯ぎしりを立てる。


   「―――完全包囲。」


 メイラと共に蹄を合わせる一群 先頭を走るは、弩を構える者ら。
 メイラも同じく、腰に備わる肉厚な短剣を前方に構え、剣の切っ先が砲口へと変化する。


   「―――放ッッてェッッッ!!」


 放射を描いて、落下により速度を付けた無差別な矢のそれ。
 穿つのは砦を囲む者らであり、王都側にいる軍勢が優先。
 完全包囲であろうとも今は片側にしか用はない。


 続いて二者目。


   「―――放てェッッ!!」


 それと共に、弩を投げ捨てる者らは槍を構えて突撃する。
 散らかして 散らかして、散り散りになったところで撃破しつづけてやればいい。
 馬に乗ったまま始まる一回目。 雨の中 それは蹄と雨音の重なりが等しくなるかのように始まった。 

メイラ・ダンタリオ >  
 表面が怯み、削れる。
 大きな歪をつくるように、目の前の首がない馬故に見える軌道上へ穿つ砲剣の一撃が放たれるや
 背の剣を片手で持ち上げる。 肉厚 鉄塊 片手では持ち上げることすら
 引きずるだけで、持ち上げるだけで人が幾人必要かわからないそれを浮かせ、馬はそれに蹄が耐え抜く。
 轡がそろっていた一面から抜け、道を造るように左右の下段へと 右、左 振り上げるような馬上からの撃。

 一騎駆け同然の道を空けさせる強引な手段。
 剣の質量 質量を振りぬく動力 騎馬の速度。
 人型や背が人並みなモノらがはじけ飛ぶ。
 鋭い切っ先で割れようと、中心から付け根で叩きこまれて跳び転がろうと
 道が開けばいいように集団の路が“いやがらせ”をする。

 贅肉のついた巨体が目に付く。
 ゴブリン級ではなくオーク級か それですら、その棍棒とぶつかり合うように剣が棍棒を弾き返す振り抜きを行うや、続けざまの群れ
 それらがすれ違いざまに切りつける 突くよりも、突きの動作で端を斬り破るようにするだけでいい。
 弩も混ぜればよりいやがらせは続く。
 その嫌がらせで両手を顔の前で掃うようにしていれば、帰す脚で戻って来たメイラがその肋骨下の内臓を包む下腹
 剣を邪魔しない肉の塊の部位を横薙ぎに振り抜くことで、飛び散るモツと体液。

 散らかし終えれば一度引き、再び一群となればまた散らかそうと迫るだろう。
 そのころには、こちら側の門から飛び出ることができるだけの者らが飛び出て、挟撃姿勢をとり
 包囲の一部が散り散りになっていく。
 砦の外へと逃げれば周囲の魔物が増える分だけ、第四師団も動き出すだろう。
 周囲の魔物を個別に仕留めるほうが被害も少ない分だけ調子づき、勢いも衰えずに終えていく。


   「―――ッッ(フシュィィィィッ……!!)


 雨の中、冷え切った鎧 こぼれる熱気は動かし続けた体の熱量からこぼれた吐息で占められる薄く白い吐息
 乱杭歯が反り返った兜の口元からこぼれ出れば、向こうもこちらを人間扱いする余裕はない。
 やがては門のほうへと、迎撃する形で包囲から向こう側が攻められているだけの形となって、砦の中へと入っていくことにになるだろうか。



   「―――それで。」


 ガチンッと兜の上顎をずらし上げ、露出した赤い瞳とギザ歯
 それはいまだ熱を帯びて、牙は研がれたまま。


   「無能者の“女好き”は何処にいますの?」


 大剣を持つがまま、馬から降りた姿で自由を得た怪力令嬢は、数人が止めるのを掴み投げながら
 相性最悪な相手としてズンズンと進んでいくことになっただろう。

ご案内:「タナール砦」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。