2025/05/07 のログ
ご案内:「タナール砦」にヨハンナさんが現れました。
ヨハンナ > 魔族の軍勢に奪われては取り返す、一進一退の攻防が続くタナール砦。
今回もまた、魔族の占拠するそこを奪い返さんと王国軍は熾烈な攻撃を仕掛けていた。
攻城兵器を並べ、隊伍を組み、魔術師や魔導機械の援護のもと数を頼んで一斉に押し寄せる。
そんな人間の軍勢を迎え撃つ熾烈な戦いを城壁で繰り広げている最中、
魔族の軍勢は自分達の上空に舞う複数の陰に気付いた。

「……降下せよ、突撃」

ヨハンナの手短な指示の後、喇叭が吹き鳴らされる。
空に舞うはヒッポグリフに騎乗した騎士達。彼らはランスを構えると、
眼下の砦に向けて一斉に急降下し始める。
それは、獲物を狩る猛禽そのもの。

不運な魔物の兵士に、ヨハンナのランスが勢いよく突き刺さる。
同時に、急降下していたヒッポグリフは、激突するスレスレで華麗に急上昇に転じてみせる。
貫かれ痙攣する魔物を、ランスを振るって遥か下の地面に投げ落としながら、
ヨハンナは次なる獲物を空から探す。

「防備を崩します。攻撃の手を緩めないで」

地上の友軍の為にも、厄介な敵を優先的に狙いヨハンナは再度急降下を仕掛ける。

ヨハンナ > 当初は空からの奇襲に混乱していた魔族側であったが、次第に落ち着きを取り戻し、魔術や弓矢による迎撃を試みる者もちらほらと現れる。
しかし、騎士を乗せたヒッポグリフ達は怯む事無く対空攻撃を掻い潜って降下し、哀れな犠牲者を一人また一人とランスの餌食にしていく。
その頭と胸は背に乗せた騎士と同じく鎧に覆われており、弓矢程度で傷つくことはない。

「…敵の飛行戦力です。迎撃を」

だが、そんな中に飛び立つ魔族の姿が見えたのを、ヨハンナは見逃さない。
背中に蝙蝠じみた翼の生えた魔族達が、一斉にこちらに向かってくる。
ヨハンナの声に騎士達もランスを構えると、飛行魔族の群れに一気に飛び込んでいく。
武器のぶつかり合う音、そして敗北し落下する者達の悲鳴。
空中での激しい戦いが始まる。

ヨハンナ > 魔族相手に続く熾烈な空中戦。既にヨハンナのランスは折れ、抜いた剣を片手に戦っている。
だが、不意に、戦場の空気が変わったのをヨハンナは感じる。

「……!」

こちらに背を向け、散り散りに飛び去って行く魔族達。
ヨハンナが砦の方を見れば、地上の魔族軍も魔族の国に逃げ帰っている。
そして、既に砦の内部に突入していた王国軍が、それを追撃していく。

「ふぅ…終わったようですね」

ヨハンナは一息つくと、配下の騎士達に戦闘中止を命じる。
どうせ魔族の国までは追撃が出来ない。騎士団の仕事は終わりだろう。
ヨハンナの指示で、ヒッポグリフ達はゆっくりと砦に凱旋の降下を始めた――。

ご案内:「タナール砦」からヨハンナさんが去りました。