2024/07/14 のログ
ご案内:「タナール砦」に宿儺姫さんが現れました。
■宿儺姫 >
―――かの男はこの戦場に現れると聞いた。
なるほど、奪って奪われての戦の地とあらば頷ける。
突如戦場のド真ん中に隕石が如く着弾した褐色の女鬼は咆哮をあげ、両軍を相手取り暴れはじめる。
「くくっ、しかし此れでは──」
「あの男が不満気であるのも、頷けるッッ!!」
その場に"強者"と呼べる存在はなく、有象無象、雑兵が集るのみ。
ヤツの下に一刃切り込んだ時に見せた笑みは、つまりはそういうコト。
己が闘争欲求満たさんがために攻めるも、強者と出会えず!!
為れば両軍ともども相手どり、人間、魔族、そのどちらの強者でも構わぬ、炙り出してくれよう。
■宿儺姫 >
取って取られてのいたちごっこといえど、成果を持ち帰れぬではどちらも立つ瀬があるまい。
両軍共に撤退などということが続けば、どちらも本腰をいれ砦を攻めに掛かる筈。
それで傾国傾城の猛者すらが現れてくれるならば、それこそ重畳というもの。
物量では決して砕ききれぬ力を以って、両陣営を相手どり暴れまわる。
なんと傍迷惑な存在か。
人間の兵を鎧ごと爪にて引き裂き、悪鬼の一撃を真正面から剛力で以って跳ね返し蹴り飛ばす。
場には血風が吹き荒れ、更にそれを吹き飛ばすほどの覇気と咆哮を以って、戦場を瓦解させる。
「さあ、どちらからでも良いぞ♡ まず我を崩さねばこの砦を取れまい」
多少の傷など意にも介さず、戦場の中央にてただただ力の向くままに破壊の旋風を巻き起こしていた。
■宿儺姫 >
鋼の肉体と揶揄されど、鋼そのものでない以上は傷もつくし血も流れる。
ましてや鋼など拉げさせんとする様な、オーガやトロルといった一撃は流石に効く。
四半時間暴れに暴れた結果、身を包む襤褸もより頼りなさげなものとなり、疲弊も視えてこようと言うもの。
「くく、まだ我はやれるぞ…」
さしもの暴れ鬼も、といった姿ではあるが、それでも闘志にギラついた眼はまだまだといった様相──。
振り上げた豪脚一閃、背後から襲いかかった人間の兵を跳ね飛ばし瓦礫へと埋めながら、高らかに嗤う。
「どうした。我に恐れを抱かせる様な強者はこの場におらんのか!」
このままでは力尽きるまで暴れるだろうことは明白。
理知的であるならば、兵を引かせるほうが得策だろうと判断されるのも時間の問題だった。
ご案内:「タナール砦」にラストさんが現れました。
■ラスト > 「―――――……燃え尽きるまで終われないとは
正に狂戦士だな、貴様は。」
(声が、響いただろう
戦場のただなかでは、大抵の声など搔き消されて仕舞う物
其れでも確かに、其の声は通る。 少なくとも、鬼姫には届く。
其の存在が、果たして相手にどんな感情を抱かせるのかは判らぬ、が。)
「……好き放題に暴れてくれたものだ。
まぁ、今回は俺の軍では無いから構わないが…。
……余りおいたが過ぎると、又仕置きが必要になるぞ。」
(――以前の様な統率された行軍ではない。
鬼姫に蹴散らされれば、其れこそ蜘蛛の子を散らす様に薙ぎ払われる様な連中だ
だが、其れでも一応は、同胞の、同盟と言うくくりに属する軍では在る
――声の方に振り向けば、以前と変わらぬ雄の姿が其処に有るだろう
今回は、他に側近たちの姿も戦場にはない。 ただ、単独での参入。
故に――邪魔は、在るまい)。
■宿儺姫 >
「呵々。聞き覚えのある声よなぁ…」
聞きまごう筈もなし。
己を打ちのめし雪辱を晴らす相手となれば忘れる理由もなし。
「ふん。何かに気兼ねして暴れる鬼がおろうものか。
仕置なぞ、やれるものならやってみよというものじゃ、それに──」
一見にすれば満身創痍にしか視えぬ女鬼。
しかし顎先の血を拭い嗤う姿は傷つけド余力は有り余っている様にも見える。
「貴様の様な強者を、待ち望んでおったのでなあっっ!!!!」
瞬間、地を蹴り爆ぜさせ、真っ直ぐに男へと疾ぶ女鬼は、その屈強な首めがけ渾身の蹴りを叩き込まんと豪脚を放っていた。
手合わせするにも様子見であるとか、そんな腹積もりなど一ミリも感じさせない。
一撃で首を圧し折り、それで決まっても何も構わぬという遠慮もなにもない一撃である。
■ラスト > 「……は、そうか。
それ位の意気が、うちの連中にも欲しい位なんだが。」
(いっそ、根性を叩き直してやってくれないか、と、戯言交じりに問いながら
躊躇なく跳躍する鬼に対して、構える。
――其の一撃に対して、今度こそは僅かの見誤りも無く、受ける
防ぐ片腕に対して、もう片方の腕で支えを作り、両腕で鬼の蹴りを防げば
片足で、敢えて自ら地面を踏み抜くように、深く蹴り埋める。
鬼の圧に、揺らぐことを添えて防ぎ、其の場へと踏み止まれば
みしり、肉が骨が、軋む気配を僅か伝えるだろう、が。)
「……相も変わらずの、暴力の化身だな、貴様は…!」
(笑う、嗤う、獣の如くに。
其の儘、力に対して力で以て、鬼の脚を払い返せば
其の顔面に対して、下から上へ、拳を突き上げる形で顎先を撃ち抜こうとするだろう
僅かでも掠れば、脳髄を揺らせるであろう一撃だと
――何よりも、体感して居る鬼ならば、予感出来ようか)。
■宿儺姫 >
「ッ、くく…!!」
鬼の貌に笑みが溢れる。
己が全力の蹴りを受け切る。どころか跳ね除けて見せる。
しかし溢れる笑みもそこまで。
鈍い音を立て、真っ直ぐに撃ち抜かれ跳ね上げられる女鬼の顎先
「っ、が……!!」
頭蓋が抜けるかと思う程の衝撃、顎が粉々になってもまるでおかしくない一撃。
しかし女鬼の強靭な頭骨と頸はそれに耐え───それでも、衝撃を殺しきれずにガクン、と膝が折れかける。
「ッ、相変わらずの、剛力よな…ッッ!」
歪み揺れる視界に捉えた男。
その首めがけ間髪入れずの反撃を繰り出す。
肩の筋肉が隆起し振るわれる、鬼の爪撃一閃。
しかしそれは、威力こそ衰えないものの、揺らされた脳髄によって狙いは甘く───。
■ラスト > 「――――いや、貴様と俺に、差など然程ない。」
(否、と断言する。 己が剛力である事其の物は否定せぬ、が
其れでも、力、と言う純粋な能力で比較すれば、其処に明確な差は無かろう
ならば、その差を埋め、上回るに至らせるのは、其処に付随される業の方
受け方、耐え方、受け流し方。 戦いにおいての、純粋な暴力だけでは為せぬ部分こそが
己と、鬼との差なのだ、と。
――嗚呼、だが矢張り賞賛すべきは、鬼と言う種か、其れともこの女鬼が特別なのか
己が一撃によってすらも砕く事の叶わぬ、其の骨格の、否、肉体其の物の頑強さだ。
意識を保つだけでなく、其処から更なる反撃を試みようとするのだ
有象無象の雑兵とでは、持ち合わせた物が違う事が、良く判る。)
「―――――貴様相手で、手を抜くほど阿呆では無いからな。」
(打ったり打たれたり、等と言う攻防の長期化なぞ
実際の戦場では、そう起こる物では無い。
勝負と言う物は、大抵、刹那の間に決する物。
――振るわれた爪先が肉を割くより先に、片腕が其の矛先を逸らす
髪糸を、僅かに持って行った鋭利な切っ先が空を切り
代わりに体を入れ替え、すれ違い様に鬼の延髄へと手刀を振り下ろしては
もし、意識を断絶できずとも、一時、其の手足の自由を奪いせしめん、と)。
■宿儺姫 >
荒ぶる鬼の爪を空を切る。
全力の一撃が故に、瞬間背後に回った男の手刀を躱すこと能わず。
…否、そもそも相手の攻撃を避けるくらいならば殴りつけにいくのがこの女鬼ではあったが。
「かは…ッッ!」
一瞬、意識が分断される様に視界が暗転し──女鬼はその屈強な肢体を石畳へと突っ伏す様に倒れ込む。
「―――……ッ…!!」
傷つけども肉体はまだ動く。
立ち上がりさえすればまだ腕も脚も振るうに足りる。
されどその四肢は女の意思を伝えず。
命も、力も尽きていないにも関わらずの決着という、女鬼にとってはあまりにも歯がゆいもの───。
■ラスト > (此れが殺し合いだと言うなら、話は変わって居ただろう
昏倒ではなく、その首を落とすべく手刀は動いた筈だ
或いは、手刀ではなく、別の獲物であったやも知れぬ
だが、初めに言った様にこれは、あくまで仕置き、だ
己に挑むことまでを許したが、其の先、遊んで遣る心算までは無い
鬼の身が崩れ落ちるなら、地面へと倒れ伏す前に、其の身体を片腕が受け止めるだろう
其の儘、肩へと担ぐようにして、其の身を抱えれば
未だ混沌として居る儘の戦場、其の趨勢には目もくれる事無く。)
「……聞こえているかは判らんが、一つ忠告してやる。
……貴様の手は読み易い。 必ず正確に、急所を狙いに来る。
大抵の相手ならば其れでも十分だろう、貴様の剛力ならな。」
(だが――己には通じぬ、と。
そう、告げながら戦場の中、海を割るように進み、路を開き、喧騒より離れて行く
元より此度の衝突の責任者はい己でも無く、こうして介入した事に文句を付けられる可能性すらある、が
そんな物は、知った事か。
客人で在るのか捕虜で在るのか、立場は曖昧な鬼を連れ、再び、グレイゼルへと帰って行くのだ――)
ご案内:「タナール砦」から宿儺姫さんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からラストさんが去りました。