2024/06/17 のログ
■ラスト > (――刹那。 戦況が動いた。
其れ迄橋寸前での折衝を繰り返していた前線が、逆に敵軍へと押し返され始める
其の中に、明確に一人、他とは違う動きを、輝きを放つ"個"を見つけた
自軍の兵が切り崩されて行く、圧倒されて行く。
間違い無く其れこそが、敵軍の、この戦における、"核" )
「――――――……ボーウム。 俺には構うな。
全体を動かす事にだけ集中しろ。 ――アレは、他には荷が重い。」
(椅子から立ち上がる。 丘上から、配下の傍をすり抜けて踊り出せば
なだらかな地面を獣の様に蹴り上げ、戦場へと向かう
戦況を読み、一か八かの攻勢に出た事で、漸く明らかとなった"核"の存在
事実、趨勢が変わり始め、敵軍の士気も一気に増して居るのが分かる
故に、己は其れを断ち切らねばならぬ。
丘を駆け下る勢いのまま、平地と戦場を疾風の如く駆け抜け
目の前に飛び出した敵鎧兵の頭を、飛び上がりながら足の裏で踏みつけ――)
「――――――俺を愉しませろ、英雄」
(其の右掌に迸る雷撃が、一瞬戦場を眩い閃光で包み
―――後の事を、語れる者は最早、居なくなるのだ)。
ご案内:「タナール砦」からラストさんが去りました。