2024/04/16 のログ
ご案内:「タナール砦」にネヴェドさんが現れました。
■ネヴェド >
戦火広がるタナールの砦。
襲撃をかけたのは魔族の国・鎧都市グレイゼルからの一個中隊。
およそ200からなる魔族の戦士、オーガなどの巨人種の軍勢が良い闇と共に襲いかかった。
「…守りは雑多な民間軍か。他愛もないな──蹴散らせ」
淡々と、冷たさを感じるような口調でそう指揮を下すのは黒髪の女魔族。
魔王の妃にして戴かれるべき宝冠。
人であれその美貌に戦いを忘れ眼を奪われるようという女は眼を細め激化する戦場を遠くから見据える。
王国軍の防衛ではなく民間の軍か、寄せ集めか。
早々に指揮が乱れ混乱の渦中にある様子を視界に収め、長い黒髪をゆるりと指先で流し梳く。
「(魔族の国に攻め入るやもと思い殲滅に来たが、不要だったか)」
奪われたタナール砦に人間の兵が集まっているという話を聞き、軍の一部を率い蜘蛛の子を散らしにやってきたというわけだった、が。
そこに在ったのは、報酬に眼が眩んだか有象無象の小粒な傭兵崩れどもの集まりであった。
■ネヴェド >
総崩れもいいところ。このままならオーガどもの力任せだけでも瓦解、全滅か逃亡か。
既に王国側の敗走が見えた砦内。オーガ達は手当り次第、逃げ遅れた女傭兵などへと襲いかかり醜悪な光景が繰り広げられはじめる。
──戦場なれば負ければそんなもの。目の前の餌に喰らいつくなという命令をする意味も特にはない。
「…哨戒を済ませ、防衛と保全にまわれ。私も征く」
オーガと違いしっかりと知能の高い魔族にそう言伝、自分自身も足音高く、砦へと踏み入ってゆく──
ご案内:「タナール砦」にラストさんが現れました。
■ラスト > (砦の中――入口より女が中へと足を踏み入れた辺りで、背後に気配が湧く
楽な勝利に、周囲で騒いで居た一兵卒が、ぎょっとした様に叫ぶのを止めたが
片掌を掲げ、構わん、と許しを与える事で、水を差さぬ
静かな足取りで、急増の改築をした結果か、また様相の変化した砦内部を眺めつつ。)
「―――――随分、早い決着だったらしいな。」
(――女の隣、連れ立つ様に並び、そう声を掛けた。
直属の配下は居ない。 今は――単独で、様子を見に来たのだろう)。
■ネヴェド >
「──ラスト様」
並び立つ、高い女の上背よりも更に上から発せられる声。
女ははっとしたように男を見上げ、その双眸を僅か、細める。
「所詮は有象無象…。ラスト様が軍を手向けるまでもありませんでした」
集結していたのが王国軍の部隊だったならばまた結果は違っただろうか。
むしろ、そういった手合いであったほうが──我が魔王にとっては悦ばしい。
「……物足りぬ。ですか?」
力と闘争を尊ぶ魔王に向け、小さく口元を笑みに変え、そう問いかける──。
■ラスト > 「―――……此処の所、王国の連中は此処に戦力を割かんからな。
余程余裕が無いか…、……其れ所では無いか、か。」
(散発的に、一騎当千級の強者が戦況を変えに来る事は在るが
あくまで時折訪れる嵐の様な物、砦を維持する様な戦力では無い
戦火其の物は起きていても、己が手を下す事は殆ど無く
――故に、女の言葉は、的を射ている。)
「―――――……そうだな。
グレイゼルの防備に支障が無いのは、喜んで置かねば為らん所だが。」
(一応、領主としては。 だが、其れが建前でしか無い事は、女も
或いは周囲の兵ですらも、判って居るだろう
物足りぬが故に、態々と足を運んだのだ。 其れも徒労に終わったが。)
「何にせよ、良く遣った。 ……放って置いても、本軍の連中が五月蠅いからな。」
(素早く、的確な襲撃であったと、軍を率いた女の手腕を評価した
報奨、として無残に兵へと組み倒される女達の、悲鳴の声をも気に留めず
砦の中を、指令室であろう上階の部屋に向けて歩み行く)。