2024/04/01 のログ
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
■ゼロ > 日々、奪い奪われているタナール砦も、平穏という時は有るらしい。
『嘘』みたいな、平穏さは、何かの前触れ買えと思うのだけれども、それは確かな状況。
王国軍が駐留できていて、壁なども修復が行われて砦という景観を取り戻せている。
此処の所は襲撃が起こっていないという証左だろう、兵士達は、安堵の息を吐き出しているのだろう。
そんな砦の中で、ぼろぼろの旧第七師団の腕章を身に纏う全身鎧の兵士が一人。
支給品と思われる頑丈さだけが売りの鉄の槍を片手に砦の中を歩く。
位が高いわけでは無い、指揮官だという訳でもない、数多いる兵士の中の一人、騎士ですらない。
白い仮面で顔を隠す事を許されているのは―――許されているかどうかは不明だが、特に誰かが言う事はないのは。
ゼロという名の兵士。
旧と言う名前が示す通りに、過去の師団長が戦時行方不明となり、解体された新体制の第七師団所属の兵士。
一応これでも、古参と言って良いのだろう兵士は、変わることなく、弛むことなく、タナールに居るのだ。
新兵団の駐屯地で訓練するか、タナールで戦線に混じるか。
此処数か月以上、新団長からの音信もない。
故に、過去からの習慣とも言えるタナールでの警備を行う。
出来る事を、唯、やるという意味で、弛まず緩まず、兵士は歩くのだ。
もし、此処にタナール砦の現在の指揮官が表れて命令をするならそれには従う。
何処までも兵士で、何処までも駒。
黒い髪の兵士は、静かな石畳を踏みしめて、一歩、一歩、進みゆく。