2024/02/07 のログ
ご案内:「タナール砦」にパルフェさんが現れました。
パルフェ > 今は人間が占領するタナール砦への侵略。
攻める魔族、守る人間、その戦況は魔族の側に傾いていた。

砦を守っているのは人間の軍だから全てが人間とは限らない。
それと同じように、攻めているのは魔族の軍だから全てが魔族とは限らない。

そんな魔族の軍の中心に居る少女は、まさにその類の者であった。
砦の前までは攻め立てられるが、押し返すのは難しくない程度の戦力差。
それなのに、押し返し切れない理由が彼女にある。

彼女の居る魔族軍の中心、そこへと近付くと、その戦力が何らかの理由で一気に削ぎ落とされるのだ。
その正体は、そこで祈りを捧げている少女による力。
そこに広がっているのは闇の眷属の力を増幅し、それ以外の力を減少させる闇の結界。
もっとも、祈りを捧げてこそ発動する力である為に少女は動けないとの制限がある。
そうした制限がある為に、攻め切れないが、押し返しきれない状態を作り上げているのだった。

これが何度目か、押し返そうと群がり手痛い反撃を受けた人間の軍が一時砦へと引き返す。
それを確かめると、少女は祈りを一時中断して立ち上がる。
徐々にこちらは前進し砦に近付いている、これを後何回か繰り返せば砦に到達し、一気に押し切れるだろう。
前進を始めた魔族の軍へと続く様に、少女はゆっくりとした足取りで砦へと歩き始める。

パルフェ > 今居る軍の実力自体はどちらかといえばこちらの方が僅かに低い。
それでも進軍したのは無能が上官の拙い指揮だった。
偶然にも彼女が居なければ、とっくにこの戦いも終わっていた事だろう。

ただ、この進軍方法にしてももう少し考えるところはあり。
彼女の移動方法さえどうにかなれば、結界を張ったまま進められ、もっと早く決着が付いていた。
今この瞬間だってそうだ。
一時的に結界が切れた状態の為、やり方次第では総崩れになるかもしれない。
それが出来ないのは、やはり少女が人間であり、そこまで信用されていないからだろうか。

そこは、彼女にもどこか思うところはあるらしい。
どこか納得のいってないような表情を浮かべてはいるが、大人しく付いて来ている。
黙々と歩みを進め、時々周囲を警戒するように視線を巡らせて。

パルフェ > それでも、戦況は変わらない。
僅差であったものが、時間が経つにつれて魔族の側へと傾き続ける。

少女が砦の前にまで辿り着けば、もう勝利は目の前だ。
その日の砦の戦いは、魔族側の勝利によって幕を下ろすのだった。

ご案内:「タナール砦」からパルフェさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 タナール砦 午後
 天候 雪


 ―――身が凍えるような午後だった
 石築きの砦なんぞに、温もりのある場所なんて在りはしない。
 温めた体で動き出す、などと言った贅沢はできず皆鎧を着こみ、その冷えた色味を帯びた鉄の色
 歯を打ち鳴らしてから始める剣撃では、糞も同然。
 動き回り体に熱を送り込むか、火の傍で身を炙り続けるしかない。

 そうなってようやく、人間は人間の動きができる。


   「―――ヴォァ▬ア▬ア▬▬▬゛ッッッ!!」


 現在人間勢 メイラ率いるイカれた勢と防衛勢は襲撃を受けていた。
 雪上戦というものは厄介だ。
 視界を鈍らせ、地面は踏み込む際の力が刹那遅れる瞬間がある。
 瞳の中に一粒の雪が入り込むだけで一閃の剣撃が避けられず、体に熱いものが奔ったと思う時には
 もう斬られているとわかる。
 雪の上は赤が何か所も彩つづける中で、メイラを含めた勢は
 それに負けない量 青や緑 紫がかる黒ずんだ色が雪の上を弾けたように散らし、上塗りしていく。

 躰に飛び込んでくる弩の矢じり 剣撃
 黒兜と黒真銀の甲冑が弾き、両翼のような黒革のマントを翻させる。
 大型の片手剣 黒大鉈の一撃が両手で握りこむまま、腕を切り落とし、頭蓋を砕き
 目の前に突き出した贅肉腹を横薙ぎに肋骨下から強引に振り破いて、その湯気立つ臓物をぶちまけさせる。



   「グ▬▬ロロ▬▬ロッッッ」

 
 兜の下部 反り返った乱杭歯のデザインの口元から零れる熱と吐息と怒りを交えたもの
 白く息づいて、口から零れながら女型の狂造を映す兜は、魔族らと何度も斬り結んでいた。
 どちらが、どちらかわからないくらいの動きを添えて。
     

ご案内:「タナール砦」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。