2024/02/02 のログ
ご案内:「タナール砦」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 タナール砦
 重要な境界線である場所は現在、戦の佳境にあった。
 剣撃の悲鳴と矢貫の呻鳴
 聞こえる声に愉悦をほのめかすような笑みはない
 互いが 互いを敵視し 絶対的な殺意と好奇へと切り替えて打ち鳴らし続けるものとなっている。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 アスピダ戦線へと復帰しようとしたメイラが負傷兵らのタナール方面からの離脱と報告により始まった
 一部の進路変更 メイラを含める戦狂いの一勢 及び アスピダのような変化の薄い場所
 特にエイコーンのような映し鏡のように変質する絡繰りとやることをお遊びと切り捨てる王都の友人
 鼬ごっこであるタナールのほうがまだマシという言葉に乗るようにもう一部が追従した。

 完全制圧と塗り替えが行われたのなら相応の準備が必要なものを
 未だ血も乾かず、伏した肉も食むどころではない現状ならばと勢いだけで参陣した場。
 場は、荒れに荒れた。


   「―――■■■■■■■ッッッ!!」


 言葉すら無くしたようなメイラの絶叫
 異形の女型兜 乱杭歯が外側に反れた口元から振動して辺りに言葉を捨てた声
 鏃を弾き、魔国の剣事叩き折るように右手に携えた大黒鉈の内反りの一撃が頭蓋を穿つ。
 二つの球体が目元から零れはみ出るそれ 一瞥することもなく、手首断ち 指を落とし
 脇腹から横薙ぎに一線し、その赤と白の内容物が溢れ出る現状を作り出す。

 梯子すら掛ける必要もなかった現状 中へ 砦の中へ。
 皆殺しにする意識一つだけで追従する剣と槍とメイスが入り込んでいく。
 術師らの一撃がわき目を通り過ぎて目の前で弾け合わさろうと メイラの撃は止まらず
 もう片手に握った大振り斧を手に、剣で防ごうと構える巨躯へ飛び移り、両手の武具
 それが 右へ 左へ 変わる変わる打ち込んで武具を破壊し、その顔へと鉈が食い込む姿から
 倒れ伏すままに腹の上 喉からうなりを上げるような声を上げ 飛沫を一杯に受けた鎧で前方を見やる。


    「ヴロロロロロロ……ッッ」


 どちらが どちらなのか もう相手にもわかりもしないような騎士ですらない戦い方。


 
 

メイラ・ダンタリオ >  
 鏃が弩から飛んでくるそれを、羽のように二枚で広がり背を包む黒革の外套が片方摘ままれ
 弾き捨てるようにして防ぐ姿。
 獣のように 脚と腰のバネ その弩の集団へと黒真銀が弾きながら目元と両腕
 斬りつける箇所を限定させて無力化していくまま、右足がその貌を踏みつける。

 勢いの乗った姿勢は、敵型の貌を踏むままに着地と共に


              『パンッ』


 と実に軽やかな音が広がり、白い器と桃色の中身が放射線状にはじけ飛んでいった。

 鎧姿と黒兜 異形姿のようにも見えるそれで、背すじから一本のライン
 平たい金属が接続されていき、刃尾が自身の魔力反応と呼応してギラリと尾を持ち上げる。

 怪力と俊敏 人を捨てたような在り方で人を捨てた動きは、両手に振われる
 その大黒鉈とバイキングアックスが乾く暇もないまま、次へ次へ 前へ、前へと
 一人舞台ではなく、その後ろで斬りつけていった者らを漁夫のように刈り取っていく者ら
 怪我をした者ほど、メイラのように突撃していく。
 まるで捨て身のよう 狂気を帯びた者の動きは狂気を伝染させる。
 もう先がないのならと捨て鉢にさせ、痛みと疲労が湧き出る脳内麻薬分泌液により麻痺。
 腐った騎士 肥え豚鎧包とは違う在り方に倣う。

 

 

ご案内:「タナール砦」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。