2023/12/03 のログ
■イリーナ > 高所からの飛び降り……、受け身はとったが、すぐさま身動きはとれない。
いよいよ砦の正門も軋みを上げて崩壊は時間の問題か。
哀れな女冒険者と砦に駐留していた兵士たちの行き先はどうなるか。
本格的な冬の前に行われた魔物たちの攻勢。
とってとられてを繰り返すタナール砦の歴史によくある戦として記録が残るのみである。
ご案内:「タナール砦」からイリーナさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にジェイミ・アイニーさんが現れました。
■ジェイミ・アイニー > 戦乱が常に起こるタナール砦だが、今回はおかしなことになっていた
争いの痕はあるものの、どちらも完全に占拠はしていないのだ
戦いに勝利した後、砦を防衛するにも食料や人員が多量に必要になる
それらが足りず、わずかな人員と罠だけ残して仮占拠というべき状態になっている
勝ったのは人間側のようで、1日2日すれば完全に人間のものとなるだろう
ただし、今は警備も最低限しか割けない状態
ならば、かくれんぼが得意な双子が忍び込むのは容易である
「ふぅーん。中はこんな感じになってるんだな」
『外から見ることは多いですが、中まで見学できるなんてラッキーですね』
今は羽と尻尾を服の中に隠し、ニンゲンの子供の様にふるまっている双子
争っても大抵の相手には逃走、あるいは撃破が可能であるという自負がある
そんな思いから、現在誰にも見つからず地下牢獄が並ぶ通路を無防備に歩いている
ご案内:「タナール砦」にレイリエさんが現れました。
■レイリエ > 仮占拠と共に引き払われ、静寂に包まれた地下牢獄の中。
しかしその中で忘れ去られたのか、或いは何らかの意図で残されたのか、鉄格子の向こう側で囚われとなった侭の姿があった。
「―――誰、ですか………?」
枷に捕らえられた両手を天井から吊るされ、牢獄の中に居たのは金の髪と長い耳を持ったエルフの女。
静まり返った地下牢獄に響き渡る声にその長い耳がぴくりと揺れて、項垂れていた顔をゆっくりと持ち上げながら。
淡い緑色の瞳はまだその声の持ち主の姿を捉える事は出来なかったが、暗闇の向こうへと尋ねかけるように声を掛けた。
■ジェイミ・アイニー > >
「ん?」
『…?』
最早死体か精神が壊れた者しかいないと思われていた占拠後の砦の牢獄
厄介が無いように、ある程度いたぶって戦闘不能にしておくのが鉄則だろう
だから、牢獄の中から声が響いてきた時は、双子も少し驚いた
迷わず声の聞こえたほうへかつかつと歩を進め、牢獄の中に居るエルフを見つける
呼吸をしていることを感じ取れば、扉の前に二人で立つ
「お、まだ生きてるのが居たのかぁ」
『ごきげんよう。あなたはどうして捕まっているのですか?』
双子の知識では…相手はニンゲンの近親であるエルフだ
何かしでかしたのか、それはわからないが
既にある程度牢獄も見て回ったことだし…少し情報も集めてみようと話しかける
■レイリエ > 「こども………?如何して、こんな所に………。」
投げ掛けた声に気付いたのか、かつかつと響く足音が此方へと近付いて来る気配。
やがて自分の居る牢の前で足を止めた来訪者の姿に、捕らわれたエルフの女は淡い緑色の瞳を驚いたように丸くする。
魔族か人間か一目では判断が付かないが、見た目の上では十代前半くらいといった風体の二人組の少女。
「私は、ただ………近くの森へ採集に出向いた所を、魔族の方々に捕まって………。」
此方へと話しかける声に視線を向けて、問い掛ける言葉には素直に起きた出来事を答えて返す。
砦の関係者や、戦の為に赴いた傭兵と呼ぶにはお世辞にも不似合いな容貌をしたエルフの女は、
ただ不運にも彼等の欲望を満たす為の玩具として捕らえられたのだろう。
その証左として、牢の中には不気味な色彩をした薬品や、如何わしげな器具が幾つも取り揃えられていた。
幸い、それらが役目を果たす前に戦いが起こり彼らは撤退を余儀なくされたようであったが―――
■ジェイミ・アイニー > >
「さあ、なんでだろーなー?」
『…ああ、介抱も面倒だから放っておかれたのですね』
双子の片方、強気に見える子供がくすくす笑う
まだ予断を許さない状況で、人間側に捕虜にまで構う余裕はなかったのだろう
昏い牢獄の中に見れば、明らかにそういったお楽しみをされそうになった痕跡
確かに綺麗でかわいらしいエルフだ。欲望が刺激されるのもとてもわかる
「それは災難だったなー、ま、ニンゲンと仲いいなら助けてもらえるだろー」
『ええ。後もう何十回かはその体を…次は人間に味見されるかもしれませんけれど』
ナグアルの第二位もそうだが、戦いの後で昂った兵士の慰み者にされる娼婦などは多い
それが無抵抗で、こんなに状況が整っているなら猶更だ
相手の意気を奪うような言葉を投げかけていくが
「今すぐ脱出すればこれ以上は何にも起こらないだろうけどなー」
『例えば、こんな風に。……どうしたいですか?』
瞬間、音もなく牢獄の扉が切断され、更にはその破片すらもばらばらになって音もたてずに『出口』が開く
後は枷を外せば、エルフは自由だろう。
ただしそれはせずに、その瞳に欲望…、言い換えれば希望が芽生えるか
にやにや笑いながら牢獄の中に入り、エルフの顔を双子がのぞき込む
■レイリエ > 瓜二つの顔立ちを持った双子の少女、その片割れがくすくすと笑う様子にエルフの女の表情が不安げに曇る。
慌てた様子で地下牢獄を出て行った件の魔族達と、彼女達の口振りから砦の情勢に何かしらの動きがあったであろう事は察せられたが、
その言葉の通り、砦の主が魔族から人間に代わった所で我が身が無事で済む保証などは何処にも無くて。
そんな悪い想像を掻き立てるような片割れの言葉に、淡い緑色の瞳が僅かに揺れた。
「―――貴女がたは、いったい………。如何したい、と言われましても………。」
瞬間、女と双子の間を隔てていた鉄格子が音も無く粉砕され、エルフの女を閉じ込めていた牢獄は姿形を無くす。
後は両手首に嵌められた枷と、それを天井から吊るす鎖さえ無くなれば、今の状況下であれば自力での脱出が叶うだろう。
けれども、にやにやと笑みを浮かべながら此方の表情を覗き込む双子の真意が見えず、エルフの女は表情を強張らせる。
■ジェイミ・アイニー > >
「この状況でアタシたちのことを知ろうとするなんて、もしかして罠かぁ?」
『どちらでもいいですけどね。…私たちは魔族の国に住んでいます。私はアイニー』
「アタシはジェイミだ。…あ、でもここを占拠してたのとは別だぞ。今はただの見学~」
軽い調子で、自分たちの素性を明かす双子
更に、女を捕えた魔族とは違うということも伝えていく
それを信じるかは女次第だが、関係なく話を続けよう
周りに誰も居ないようだし、悪魔の羽と尻尾をにゅ、と服の内から出して魔族の証明としてから
「いや?人間以外信じないような奴ならこのまま放置して、その人間にぐちゃぐちゃにされるのを眺めててもいいなー、と思ってな」
『私たちは隠れるのも得意ですからね、見物も余裕です。
…ただ、貴女が欲望を見せて…ここから出たいというなら私たちとしては叶えるのも簡単な事です』
「もちろん、お礼は貰うけどなっ。お礼を貰って…お前が望むなら、好きなところに送ってやろう~」
ちょっとした悪魔の誘いである
このままでいてもいつかは帰れる可能性はあるだろうが保証はない
そして、お礼をすれば確実に帰れる。ただし相手は魔族である…
その選択をどうするのかが双子にとっての興味である
■レイリエ > 「魔族の………アイニーさんと、ジェイミさん………。」
魔族の国に住んでいる、と告げた双子。
その証左のように、服の内側から姿を覗かせた悪魔じみた羽と尻尾の存在に淡い緑色の瞳を瞠るものの、
恐怖した様子が薄いのはその可能性に薄々思い当っていた事と、
先のやり取りから彼女達が自分を捕らえた魔族達とは別であろう事は察せられたが為。
「ッ………それは、遠慮願いたいです………。
此処から出していただきたいのは、その通りなのですが………御礼と言われても、私はいったい何を差し出せば………。」
揶揄うような言葉、このまま放置された自身が行き着く先の可能性を示唆されれれば、金の髪を振って拒絶の意思を示し。
しかし救いの手を差し伸べるように囁く目の前の双子は、可愛らしい少女の姿をしていても紛れも無く魔族や悪魔の類である。
求められる"御礼"が並の金銭や物品で済むとは考えられず、暫し逡巡の素振りを見せるけれども―――
「―――いいえ。お願い、致します。………私を如何か、此処から出してはいただけませんか………。」
此処で悩んで手を拱いていても、自身を待ち受けているのは恐らく最悪の結末。
それならば背に腹は代えられぬと、決心した面持ちでエルフの女は双子の表情を正面から見据え、その願いを口にするのだった。
■ジェイミ・アイニー > >
「さん、って、あはは!かたっくるしい奴が多いなあ、最近は」
『好きなように呼べばいいですよ』
相手の丁寧な呼び方に少しだけ笑いを漏らす
まだ時間的な猶予はあるものの、緊張感なく笑顔を見せるのは子供故か
「わかった。じゃあお前はもう安全だ。あ、あと名前教えてくれ~
おっと、ただ…何を、かぁ。…金とか宝石にはあんまり興味が無いからな」
『そうなると、欲しいのは1つしかありませんね。帰すと約束したからにはずっと拘束はしませんが…』
「そうだなー。まずはお前を連れ出して…元気になるまで待って…それから1日、アタシたちの相手をしろ!1日終わったらきっちり好きなところに帰すぞ」
『ええ。屈強な男たちに散々玩具にされるよりは、余程良い体験とすることを約束しましょう』
今は捕らえられ、何もされていないとはいえ助けられるまで不安定な状況に置かれ、精神的に疲弊しているだろう
その状態で嬲ってもあんまり双子的には面白くない
やはり良い反応というのは元気な時に生まれるものだ、と思っているから
そういった理由から、まずは元気を取り戻させてからその体を1日差し出せ、と
程度の違いはあれど嬲られることに変わりは無いが幾分かマシな条件を出す
条件を伝え、再度頷くなら…短い詠唱が同時に双子から漏れ、またしても音もなくエルフの枷が容易く切られ
その腕を双子が両側からぎゅ、と…それこそ子供の様に取って、にんまりと笑顔で相手を見上げるだろう
■レイリエ > 「堅苦しいのは………性分、のようなものでしょうか。」
此処が地下牢獄という場所である事を一瞬忘れさせてしまうかのように、緊張感に欠けた笑いを漏らす双子の笑顔に小さく笑う。
実際、教員として彼女達と外見上は同じ位の年頃の学生と接する際にも似たような口調なので、それが身に染み付いてしまっているのだろう。
「―――レイリエ、です。見ての通りエルフの身ですが。………一日、貴女がたの相手を、ですか………?」
エルフの女の問い掛けに、双子から提示された"御礼"の条件。
これ迄の会話の流れから、彼女達の言う"相手"が意味するものは厭でも理解出来てしまう。
改めて突き付けられたその選択に、再び逡巡の素振りを見せるけれども、一度口に出した言葉を撤回する事は出来ず。
「ッ………分かりました。それで、此処から出していただけるのであれば………。」
突き詰めてしまえば、この場に留まって見知らぬ兵士達の玩具とされるか、この場で頷いて双子の玩具となるかの二択。
どちらも、エルフの女にとっては決して容易く受け入れられる選択では無かったが、背に腹は代えられぬといった様子で、
最後まで躊躇う素振りを見せながらも、双子の要求にゆっくりと頷いて見せた。
■ジェイミ・アイニー > >
「そそ。おっと、こっちは使えそうだな。これも持っていくかー」
『ああ、貴女には使いませんので、ご安心を』
頷けばそのまま、エルフは一時解放される
枷は無くなり、体自体はある程度自由に動かせるようになる
ある程度、というのはその両腕に双子が纏わりついているからである…
ついでとばかりに、牢獄に置いてあった怪しげな薬や拘束具をいくつか見繕って持ち帰ろう
「じゃ、出るかあ。とりあえずアタシたちの国に来てもらうぞ」
『ここでは落ち着けませんからね。少し遠いですが飛べばすぐです』
さらりと休む場所も伝えてから、牢獄を出よう
途中、見張りは居たものの、双子は魔法によって音を立てて視線や注意を誘導し、エルフを先導しながら砦を抜け出していく
数が少ないこともあり、特に問題なく脱出できるだろう
外に出れば、砦から少し離れて風の魔法を発動
三人を強い魔法の気配が包み…やがて空へと浮き上がり
特に何事も無ければ、エルフはそのまま、彼女らが一区画を統治する国…ナグアルへと飛んでいくことだろう
非常に広く、時計のように十二に区画が分かれ…着いたころには夜だろうが、煌びやかな魔族の街
門を通り、中へ入れば…その中でも混沌とした建物が並び、歓楽街として非常に賑やかな第八区へと案内される――
■レイリエ > エルフの女が頷けば、両手を繋いでいた枷と鎖が音も無く崩れ去り幾許かぶりの自由を許される。
その両腕にまるでじゃれつくように纏わり付いた双子の所為で完全に自由とまではいかなかったが、その不自由さは決して不快では無く。
ついでにとばかりに牢の中に散らばっていた薬や拘束具を持ち帰ろうとする双子の姿に、困惑した様子を見せはしたものの。
「―――はい………約束は、約束ですから………。」
彼女達の国、というのは即ちエルフの女にとっては未知の領域である魔族の国。
何気なく告げられたその言葉に対して恐怖や不安が無いといえば嘘になるが、今はただ、双子の先導に従いながら砦の外へと向かう。
そうして地下の牢獄を抜け出し、砦の外へと足を踏み出したと同時、双子の魔法によってふわりと浮き上がる身体。
慣れない浮遊感に戸惑いながらも女が来た王都とは反対側、魔族の国の方角へと三人は飛んでゆく。
そうして気が付けば日が暮れた頃、煌びやかな明かりに包まれた魔族の国の街並みへとエルフの女は案内される事となって―――
ご案内:「タナール砦」からレイリエさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からジェイミ・アイニーさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にアクラさんが現れました。
■アクラ > 膠着状態と言えばそれが一番現状に近い
人間達の準備不足の防衛に対して急ぎすぎた魔族の急襲
結果としてこの砦をそれぞれが全力をもって奪取するための空白期間に突入している
そんな場所でアクラはハイエナ行為に勤しんでいた
「武器に防具はある程度…けど食料が全然ないじゃないか!
人間達は食事も無しに籠もるつもりだったのか?」
空の木箱を蹴り飛ばせば勢いよく壁にぶつかり砕け散る
武器防具等も別の者なら金稼ぎに放ったかもしれないがアクラの目的はあくまで食料
それも軍需品の中でも糧食に当てはまる
「缶詰とか瓶詰とかがあると思ったのにぃ…食事の準備ぐらいちゃんとしてから攻めないから負けるんだ」
不満からそんな事を口にする
何かないか何かないかと砦の中を探し、時には壊しまわるがうまくいかない
溜まるのは徒労とストレスだけである
■アクラ > 「どこにも無い…無駄に長居してもあれだしなぁ」
今すぐに開戦とはならないだろう
しかし開戦前の斥侯はいてもおかしくないない
収穫もなくここに居座り続けるのは愚策だとは思うがそれでも何も無しに帰るのは悔しい所
せめて何か面白いものでもないかと諦め交じりに探し回る
ご案内:「タナール砦」からアクラさんが去りました。