2025/01/13 のログ
ご案内:「無名遺跡」に宿儺さんが現れました。
■宿儺 >
「ええい…なんぞ此処は…」
九頭龍山脈の洞穴を気儘に進んでいた女鬼。
たまたまその洞窟が地盤が薄く、崩落した先…石造りの遺跡に落ちてしまったのが運の尽き。
強力な魔物なんぞはいくらも出て来い、であるが、出てくるのは粘液じみたスライムや触手モンスターがうじゃうじゃと。
いまいち戦ったところで手応えもなく、しかも力一辺倒の女鬼では戦いにくい相手ばかりが蠢いていた。
おまけに生きているトラップの数々……野生の勘でなんとか突破してきたまいいものの…
「やれやれ…出口はまだ先か…?」
いい加減、辟易してきたという表情も隠せず。
■宿儺 >
ぐじゅる…と、粘ついた音が耳につく。
またか、と暗闇を見通す翠の視線が音に向けば、大型…人くらい軽く飲み込めそうな黒いスライムが蠢いている。
飛びかかる粘液、すかさず剛腕を振るい、爪で切り裂くも手応えなし。
舌を打ちつつやれ疲れるが仕方ないと、遺跡内部に響き渡る咆哮一閃。
闘気で不定形のその核ごと吹き飛ばすという荒業で此処までもどうにかしてきた、のだが…。
「ぜぇ…ぜぇ………まだまだおるのか…?」
咆哮は居場所を他の魔物に教えるようなもの。
しかもそれなりに消耗が激しい。
「…こんな連中、倒そうが喰いものにもならんぞ……」
疲労感たっぷりにその場に座り込み、壁へと背を預けた──、瞬間。
「!?」
足元…というか座り込んだ尻の下に淡い光が広がる。
罠───! 疲労で注意力も散漫になっていた。
「う、あっ…!! しまっ……」
拡がった光は陣を描き、それらが解ける様に光条となって女鬼の四肢を石壁へと拘束する。
「ぐ、ぬ…!!!」
女鬼が筋肉を隆起させ破壊しようと試みるも、それは古の魔術式の縛り罠。
そう簡単に腕力での解除が出来るようには造られていない。
■宿儺 >
何度か罠を破壊しようと試みたが、適わず。
魔術式の罠。起動した後はその稼働魔力が切れれば自然と解けようが、辺りからは魔物の気配がより色濃く匂い立つ。
「…ええい、スライムどもの餌なぞ御免蒙るぞ…!」
闘争の内に喰われ果てるのであれば已む無し。
そう考える女鬼であるがそれすら適わず喰い物にされるのは鬼…悪妖としての矜持が許さぬ。
………とはいえ。
遺跡にはスライム以外にもあらゆる魔物が巣食う。
わざわざ位置を教える様な戦い方をしてしまったことも手伝い、状況は芳しくない。
遺跡の魔物がその場所にじわりじわりと集う中、罠にかかり動けぬ女鬼一匹。
「……むう」
もしやこれは、窮地。
珍しくちょっと焦り始めた女鬼だった。
ご案内:「無名遺跡」に虹石の獣さんが現れました。
■虹石の獣 > 何か、騒がしさを感じた獣が、目を覚ます。
上層階、先刻から振動を感じてはいたが、其れが何かにまでは興味を抱かなかった
其れが、急に、微かな魔力の気配を感じた事が、要因
むくりと、身体を起こし、寝床から動く
遺跡の中、少しばかり遠回りを強いられる位置だが
獣にとっては、興味を抱けば関係の無い事だ
ただ――其れゆえに、姿を現すのは、僅かに後の事
其の間に、粘体生物達が群がっているか否かは、囚われた鬼の運次第だろうか
一歩歩むごとに、足元から植物が芽吹き、蔓を床面へと這わせ
そうして、其の歩んだ一帯が自らの縄張りであると言う証を、自然と刻みつつ
「―――――クゥルルルル……。」
響かせる、鳴き声が。 遺跡の通路に反響するだろう。
■宿儺 >
四肢を光条によって壁に磔とされた鬼に魔物が群がる。
粘体、触手がずるずると床を這いずる。
幸いとすべきか逆に不幸とすべきか知性ある魔物は鬼という強大な種の気配を感じ取ったかその場に姿を見せていなかった。
「──、く……!」
身体を粘液が這い回る悍ましい感覚に思わず眉根を潜め、険しく表情を歪める。
纏っていた襤褸布は既に粘体の持つ腐食性によって融かされ、浅黒の肌の半身程は粘液が這いずり、下肢からは触手が這い上がらんとしていた。
喰らおうにも強固なる鬼の肉体。表面を這っていた粘体もやがてはその柔らかな臓腑を喰らうべく、鬼の股座へ向け侵入を開始せん…といったところ。
遺跡に響く、獣の鳴き声にその動きを一瞬、びたりと止める──。
「……!」
女鬼もまた、そのどこか聞き覚えのある鳴き声に耳を立てる。