2024/09/27 のログ
ご案内:「無名遺跡」にアルマさんが現れました。
■アルマ > 無名遺跡の迷宮を1頭の小さな狼がいる。
青を煮詰めたような黒色の体毛に眼光鋭い獰猛な仔狼。
その身にまとう気配は雄々しい狼そのものであるが仔狼。
なぜここに子供の狼が?と問うなら答えは非常にシンプルである。
この小さな狼はただの狼ではないオオカミをベースに様々な因子を混ぜてつくられた魔獣なのだ。
サイズがコンパクトなのは実際には成獣として生産されるべきところを、何の因果か成熟する前に
製造が停止してしまい、成熟を待たずに外へと排出されてしまったから。
当然の事ながらこの現象は誰かが意図して行ったものではない。
なぜならばこのキメラを製造するノウハウは既に失われて久しく、製造をコントロールする技術も人材も
失われて久しいからだ。
ゆえにある種の奇跡的なそして希少な魔獣なのだ。
――…二頭目であるが。
目覚めたばかりのアルマ/魔獣。
知能も知性もまだ覚醒には遠く、正しくアルマ/兵器である気配はあれど、残念ながらそれが第三者には虚勢に見えるほどに仔狼、けど周囲に巣食う魔物は気配におびえて姿を見せない。
兵器であり魔獣/魔獣であり兵装
今宵は外界に初めて出没した若いアルマは迷宮の中をチャカチャカと爪音響かせさ迷い歩く……生まれながらにしてその本能的が赴くままに獲物を探しながら。
時折であるが身体のあちこちから毛色と同じ触手がくねりうねり様子が確認できる。
まだこの姿ですら完全ではなく、捕食することを優先として活動している為、捕食しやすい姿に身体が勝手に変化してしまうのだった。
■アルマ > 最初に同じ状態で排出された個体より未成熟なのか、歩いていると硬い爪音の中に、くちゃ、ぐち、と濡れた音が混ざり、歩いたその軌跡は迷宮に不釣り合いな可愛い足跡となっている。
姿こそまだ愛らしさの残る小型の狼の姿をしているが、内に溜め込んでいる「飢え」は非常に強く、その「飢え」た気配だけで迷宮の同じ階層に存在する魔物達を自覚なしに威嚇し、怯えさせ続けていた。
今宵の無名遺跡は普段よりも静かで、異様なほどに魔物とのエンカウント率も低いだろう、奥へ奥へと入り込むにつれて、エンカウントできる魔物の数も減り、中には冒険者と遭遇しても我先にと遺跡の外へと逃げ出すものさえいる。
アルマ/魔獣は深く青い瞳を爛々と輝かせている。
通路の薄暗い闇にはそんなアルマの輝く瞳がまるで狐火のように浮かんで見えるだろう。
――…小さな雄は飢えている。
肉を食らいたくて、雌を虐げたくて、湧き上がる衝動欲望すべてを吐き出したくて。
■アルマ > 硬質な爪と石畳みがぶつかり合う音がちゃかちゃかと。
魔物が息をひそめている無名遺跡の迷宮に爪音と共に「くぁ~」と小さなあくびが混じり始める。
小さくも獰猛なるオオカミをベースにしたキメラ型の魔獣は安全な場所を探して巣にすべく、当初の目的とは違う目的をもって迷宮をさまよい続けるのであった。
ご案内:「無名遺跡」からアルマさんが去りました。