2024/06/01 のログ
ご案内:「無名遺跡」にメルさんが現れました。
メル > 最近見つかったばかりの名もなき遺跡
まだ探索され尽くされていないそこには、手の付けられていないお宝が眠っているかもしれない。
そんな夢を見るのが冒険者という人種であって。

長期間の探索となれば、当然に食料や水、薬の類に衣類と荷物は嵩張るばかり。
いくら消耗品と言っても、そこに倒した魔物の素材や取得したアイテムが加われば、結局は同じこと。

初心者ならいざ知れず、中堅冒険者ともなると稼ぎのための投資は惜しまない。
そうした投資のひとつが運び屋(ポーター)であり。
自分と背丈と変わらないほどの大きなリュックサックを背負った少女も、そのひとりだった。

「――――この辺りはまだ安全な階層だって、聞いてたんだけどなぁ…」

けれど、その荷物の持ち主である他のパーティメンバーは周囲には見当たらず。
少女の方も、軽くぼやきながらも、普段は隠している耳を露出させて警戒態勢。
すぐ目の前には、仄かに光を帯びた魔法陣が描かれている。
見るものが見れば、すぐにそれが転送の陣だということに気付くだろう。

ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
タマモ > 好奇心と言うもの、それに勝るものはない。
まさに、それを体現した少女は、どこにでも現れる。

普段のように、気紛れの散歩道からの発見、偶然に、何かしらの話を聞いたりして。
何かしら、興味を抱いたもの、それが行ける場所ならば、少女はどこにでも行くのだろう。
…そう、例え、後先考えていないような行動、そう言われようとも。
さて、今回は、と言えば…

「………おかしい、こちらだと、示しておったんじゃがのぅ」

手に持った唐傘を、くるりくるりと回しながら。
少し先を狐火で照らしながら、今のところ、真っ直ぐしかない通路を少女は歩く。
そんな呟きと共に、視線を向けたのは、手元で回している唐傘。
分かる者には分かるだろう、今回の行く道は、その唐傘を倒して、その方向に進んでいたのだ。

もっとも、そろそろ、それなりに経ってしまっている。
いい加減、戻った方が良いのではないか、とは思っていても。
ここまで何もない状態、せめて何かなかろうか…と、そんな考えも浮かんでしまう。

そんな考えを浮かべながら、歩いているからもあるのだろう。
次の曲がり角、それを曲がって行こうとすれば、そんな場面に出くわすか。

メル > ピクッと栗色の毛に覆われた耳が痙攣するように動く。
近づいてくる足音を拾ったのだけれど、聞こえてくるのは二本足。
その他にも、風を切る何かの音―――剣か槍か。どちらにしても何かの武器のようなものも持っているらしい。

厄介なことこの上ないと判断すれば、辺りを窺ってみるのだけど。
隠れる場所はおろか、逃げ道は背後の来た道にしか残されてはいない。
強いて言えば、まだ光を保っている魔法陣くらいのもの。

「ここに飛び込むのはちょっと……勇気じゃ済まないよね……」

この先に行けば、此度の雇い主のもとには行けそうだけれど。
十中八九は、モンスターの巣窟に繋がっているだろう。
ポケットから炸裂球を取り出すと、いつでも投げつけられるように準備して待ち構え。

先手必勝。

相手が曲がり角から姿を見せれば、最初に侵入者へとそれを投げつける。
やや遅れて、炸裂球の効果が露になる。
無防備に屋外に出されたままになっていれば、それは盛大に光り輝いて。

タマモ > 己が向かう曲がり角、そこで先に反応を見せた少女だが。
その少し後、そんな少女の呟きに、ぴくん、と己の耳が軽く揺れる。

「おや、誰か居るのか…?」

それが呟きだと聞き取れるのは、鋭い聴覚もあってのものか。
ただ、そこで何をしているか…そればかりは、さすがの己にも分からない。
まさか、そこで炸裂球なんて代物が、使われようとしているなんて、思いもしないのだろう、が。

「ともあれ、こんな場所で人…人? まぁ、会えるのは、なかなかに僥倖と言えy」

くるり、と唐傘をもう一回転、とん、と肩に当てながら。
己は己で、そんな言葉を呟いて、曲がり角から姿を現すも。
その瞬間に聞こえたのは、己に向かい、何かが投擲された、空を切る音。

反射的に、手にした唐傘を前へと差し出し、ばさり、と広げてみせるのだ。
ナイフ等の投擲武器であれば弾くような、妖力の込められ強度も増しているものだし。
魔法であれば、それも防ぐ事が出来る、ティルヒア滞在の頃に加工もして貰った便利な唐傘である。

もっとも、今回の場合、投げられたのは炸裂球。
眩い輝きが一帯を照らすも、これもまた唐傘を前にしていたお陰で助かりそうだ。

少女から見れば、投げた炸裂球の先の人影が、傘のようなものを広げた、との場面が見えるだろう。

タマモ > 広げた唐傘で、正面をしっかりと見る事は出来ないが。
さすがに、何が使われたか、と言うのは何となく分かるだろう。
まぁ、多分、正確には分かっていないのだろうが、そこは気にしない。

「む…なかなかに、面白い真似を…」

あれを直撃させられたら、いくら己であっても、目が痛かったろう。
ぱしん、と唐傘を閉じれば、それを投げたであろう、人物の方へと手を差し出し。

「ならば、妾も応えねばならんじゃろうなぁ」

この状況、不意打ちが正しいのか、間違っているのか…判断は難しいところだ。
とりあえず、そんな言葉を紡ぎはするが、別に本気でやり返す、なんて気はさらさらない。
差し出した手を軽く開き、ぐっ、と握り込む。
その途端、ずずず…と周囲の闇が、差し迫るように縮まっていき…

その場のすべてを飲み込み、ゆらりと揺らげば、そのまま消えてゆこうとする。
ちなみに、何もかもを食らう闇、みたいな物騒な力とかではなくて。
とりあえず、このままだと面倒そうなんで、一度己の領域に引き込み大人しくさせる算段だ。

まぁ、上手く巻き込めば、後はどうとでもなるし。
巻き込み損なっても、当初の危険は無くなるので良し、としておこう。

ご案内:「無名遺跡」からタマモさんが去りました。
ご案内:「」にメルさんが現れました。