2024/03/31 のログ
■テレノ > 「……いや本当、どうしてこうなっちまったんだかなぁ」
溜息を吐きながら、両手剣を持った男が迷宮を征く。
――話はとても単純だ。
稼業のワインと偽って、売り逃げ行う不届き者を追いかけて。
行きついたのがこの迷宮。
元より追いかける気はあるが故、こうしてここまで来たわけだが。
「……おや? ありゃぁ、探索してる冒険者か何かか?」
丁度彼女の後ろの方よりやってきて、訝し気に首を傾ける。
一応地図は買っているが、さてこんな少女が何故此処に?
――錬成した両手剣、それを肩に担ぐ様にしつつ。
「お嬢さん、何か困りごとでもあるのかい?
聞ける範囲で良いならば、俺が話し相手になっても良いけどね。
ただ、あくまで金が絡まない範囲で、って奴だ。
そこまで金が多い訳じゃないからな。」
陽気に笑いながら、先ずは彼女に声をかけた。
胸に在るのは伊達と酔狂、ならば取り敢えず話しかけてみようである。
相手からすれば迷宮に似つかわしくない程に陽気な若者がいきなり声をかけてきた形になる訳だが。
■テレノ > 【名簿Noの設定失敗を確認、入り直し行います……】
ご案内:「無名遺跡」からテレノさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にテレノさんが現れました。
■リフィエル > 普段は教会から外に出ることも少ない少女にとっては、視界に広がる地下迷宮の光景はとても奇異に見えて。
おっかなびっくりな、そしてちょっぴりの好奇の表情を浮かべながら迷宮へと足を踏み入れた矢先、
「───ひゃっ!?」
響く陽気な男性の声に少女はびくぅ、と大きく肩を震わせる。
ろくな装備を伴わない少女とは異なり、冒険者として真っ当な武装を帯びた男性を前にして、少女は驚きで目を丸くして。
地下迷宮の薄暗闇が少女に誤解を与えたのか、陽気で人当たりの良い男の笑みが血に飢えた肉食獣の笑みに見えた様子で。
「───わ、わ~~っっ!!」
再び少女の純白の翼が光を帯び、臆病な天使の本能のまま、制御も効かない空間転移を発動し、少女の姿が忽然と迷宮の中から消してしまう。迷宮を探索する男からすれば冒険者を翻弄する罠の一つの幻覚や幽霊の類に見えたかも知れず…。
ご案内:「無名遺跡」からリフィエルさんが去りました。
■テレノ > ありゃ、というような顔。
確かに今は天使がいた、はずなのだが。
光輝けば消えてしまった様子。
「……俺ぁ夢でも見たのかね?
それともこりゃ現実なのか、まぁ良いか。」
出会い別れは毎度の事、疲れてるのかね。
そんな事を呟き一つ、迷宮の奥までまた進む。
後はまぁ、そこには誰も居ない。
よくある迷宮の一幕、と言うやつである。
ご案内:「無名遺跡」からテレノさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にE・T・D・Mさんが現れました。
■E・T・D・M > ダンジョンが居る
ダンジョンが在る
迷宮が拡がっている、何の変哲も無く
教科書に出て来るような格式張った構造の
全て基礎を踏まえて行動をすれば致命傷足り得ない
そのような慣れを覚え込ませてからが本番となる
狭い通路が在る、一見すれば何のトラップも無い
魔力感知にも引っ掛からないし、聴覚、視覚、嗅覚、何れにおいても異常性を感じさせる事は無い
余程に鋭敏な第六感の持ち主ならば気付くかも知れないが
迷宮構成のありとあらゆるリソースを注ぎ込んで作り上げた落とし穴が在るという事に
ただの床面に擬態化しているがその周辺だけが驚く程に柔らかい
もしも一定量の体重を乗せてしまえばたちどころに足元は底なし沼が如くに立ち入る誰かを呑み込まんとする
そして更にはその何者かの体型を一瞬で採寸し、把握した落とし穴自体が窮屈に狭まり
腋から上が落とし穴の上に残留して引っ掛かるように留めてしまうのだ
更にはその脇から下の肉体的感覚、精神的感覚、全ての感覚を断ち切ってしまう
それ即ちは感覚遮断落とし穴トラップだ
流行の一端を出入りする冒険者の思考から盗み食いし、その誰かのアイデアを用いる事に定めたまではいいものの
思った以上に再現しようとすると高度な代物であり、凡百のダンジョン構造以外はこれしか作る事が出来なかった
特に大きな盛り上がりの波も無く、もしも辿り着いた冒険者が油断しているならば、脈絡もなくそれに飲まれる事になるだろう
■E・T・D・M > 落とし穴の中は壺状に膨らんでおり、肉の触手を筆頭にした様々な玩具を潜ませてある
相当に余裕を持って建築した為、例え大柄なオーガであってもその両足が地面に着く事は無く宙ぶらりんになってしまう筈だ
魔法作用、及びに経皮吸収させる薬液の揮発した噴霧の蔓延は、引っ掛かる誰かの下半身の感覚機能を完璧に損なわせる準備が出来ている
視覚的に半透過させる特殊なレンズを用いた水晶眼は上下の風景を同時に撮影可能に起動状態を維持していた
地上でも、もしも落下した場合に少しでも時間を稼ぐ為の準備を拵えて在る
機能する両腕だけで遊べる長丁場のボードゲームや、振る舞う為の茶や菓子を、天井に潜伏している触手達は忙しなく支度している
相手が好戦的な態度に出て来た場合の、極力傷付けずに対峙する準備もバッチリだ
ご案内:「無名遺跡」からE・T・D・Mさんが去りました。