2024/02/17 のログ
ご案内:「無名遺跡」にエレイさんが現れました。
■エレイ > ある日の無名遺跡。
最近新たに発見された地下ダンジョンの調査に訪れた金髪の男は、その中の小部屋で座り込んで休息を取っていた。
男自身に休息はそれほど必要はないのだが、目的はあくまで調査。
この小部屋が一般の冒険者も休憩所として使えるのかどうかは、ちゃんと検証しておく必要がある。
そういう訳で男はこの部屋でしばらく休憩し、食事も済ませた。
現状では特にトラップ等もなく、休憩所として問題はなさそうだ。
「──うし、じゃあそろそろ先に進むか……ン?」
出発しようと片膝を立てて立ち上がりかけたところで、男から見て左上の位置の空間に突如、
魔力で出来ているらしき謎の穴が出現した。
トラップの類か、と刺激を求めていた男は期待に目を輝かせながらその穴を見つめ……
「……!?」
──そこから人間の身体が飛び出してきた。
女性らしき身体の脇から下が、宙吊りになっていてそこから先が出てこない。
そのなかなかシュールな光景に、さしもの男もあんぐりと口を開けて呆然としてしまった。
「……な、なんだぁっ。なにゆえ胴体だけ……上で引っかかってんのか? アレか、どっか別のとこに
仕掛けられた落とし穴的なヤツと繋がってるとかですかねぇ……」
数秒して我に返った男は、その誰かの体と穴を交互に見やってその正体を推測しつつ、
まずは反応を見るためにつんつんと脇腹をつついてみた。
■エレイ > 「……? 反応がぬぇ。気絶でもしてるのか?」
つつかれた身体は、何の反応もしなかった。
さらに2、3回つついてみたがやはりぴくりともせず、その身体は足先に至るまでだらりと無防備にぶら下がったままになっている。
男の推測通りの落とし穴だとすれば、出ようともがいて暴れたりしてもおかしくはないはずだが……。
結論から言えば、男の推測は半分当たっていた。
現在この体の主は、同じダンジョン内で突如発生した穴にハマって抜け出せない状態にある。
そして、これはお互いに気づいていないことだが──この穴を境に、身体の感覚は遮断されていた。
すなわち、胴体の方に何が起ころうと主は気づくことが出来ないのである。
どうすればこの状況を解決できるのかも全くの不明な中、果たして男は何を考え、
どういう行動に出るのか……。
ご案内:「無名遺跡」からエレイさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」に肉檻さんが現れました。
■肉檻 > 名も無き遺跡の奥深く、魔物が闊歩し数々の罠が待ち受ける迷宮を潜り抜けた先にその場所は存在していた。
長い時の流れを感じさせる程に朽ち果てながらも、在りし日の栄華を窺わせる絢爛な広間。
その最奥、小高く作られた一角に鎮座するのはとりわけ豪奢な細工の施された大きな一脚の椅子――
しかし無人の広間に佇む玉座に腰掛ける為政者の姿は今や何処にも無く、
その代わりとばかりとばかりに座面の上に置かれていたのは大人の握り拳程の大きさをした真球の水晶玉。
周囲の風景とは異なり朽ちた様子はおろかくすみひとつ見当たらない透き通った其れは、
まるで次にその玉座に座する者を待ち続けるかのように、物言わずにその場で微かな煌めきを放っていた。
■肉檻 > もし、その存在に気が付き間近で覗き込もうとする者が現れたならば垣間見る事が出来ようか。
透明な水晶玉の中に映るのは、ピンク色の肉と粘膜に四方を覆われたグロテスクな空間。
そしてその中心部にはこの広間と同じく、豪奢な細工の施された玉座が鎮座しているのが映るだろう。
しかしこの場所と異なっていたのは、その玉座もまた粘膜に覆われ蠕動する肉色で形成されていたことと。
其処に座する一人の人物――装いからしてこの遺跡の探索者と思われる女の姿が其処にはあったことであった。
しかし当の人物は、ぐったりと力無く項垂れたまま動く気配を見せる事は無く、
蠢く肉色の空間と玉座は、次に其処に座る者が訪れるのを待ち侘びた様子で、不気味に脈動を続けている――