2024/01/27 のログ
ご案内:「無名遺跡」からミラさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にサウロさんが現れました。
サウロ > (古い遺跡の中をカンテラの明かりを頼りに進む。
 無名遺跡、九頭龍山脈に点在する入口から入り込めるこの国に古くから存在する地下遺跡。
 様々な曰くがついて、魔物や魔族まで棲みついているという話。
 一攫千金を狙う冒険者が挑んでいても尚、全貌が明らかにならないというのだから驚きだ。
 単身で挑むような遺跡ではないが、単身でなければ入れない部屋もあるという。目的はそこだ。

 白銀の鎧に剣と盾。
 騎士風のいで立ちをした青年は冒険者ではなく、自由騎士。
 困っている者がいれば手を差し伸べ、弱きを守り強きを挫く、そんな騎士道精神を持った者。
 所定の拠点を置かずに、転々と各地を流浪する形で旅をしており、その時々で依頼を請けている。

 探索に入ってどれぐらいの時間が経過したか、だいぶ奥地のほうまで進んでいる。
 迫る魔物は切り捨てて倒し、魔物に対しての対処は慣れているが、時折罠にかかりそうになっていた。)

「っ……危ないな、」

(一瞬の浮遊感を、反射的に身を引くことで避けた落とし穴。
 覗き込めばそこには即死の針山────ではなく、悍ましい色合いをした蚯蚓の群れのようなナニカが蠢いている。
 一瞬で命を奪われるわけではない辺りが、この遺跡のエグい罠だ。
 ないものねだりではあるが、こういう時罠感知に長けたスカウトがいてくれると助かるのにと、何度目かわからないため息を吐いた。)

「しかし、目的地までもうすぐのはずなんだが……」

(手にしていたマップを見ながら、壁に手を添えて周囲を何度も見比べている。)

サウロ > (複雑怪奇な暗号の石板。
 古い時代の文字にかぶさる土。
 錆びれた扉に、埃と黴のにおい。
 人の出入りが多い場所は、比較的そうしたものは縁遠い。
 魔物が徘徊するにしても、骨に憑りつく霊魂によるアンデッド化か。
 長命であったり、古代言語や様式美など、そういうものの知識があれば多少なり理解も出来ただろうけれど。
 そう言ったものはこれまで仲間頼りだったため、勉強してこなかった。
 端正な眉尻を下げて困った表情を浮かべながら、目的地を目指してぐるぐると同じ道を辿る。
 些細な変化も見落とさないように。
 そうした点はやはり、ダンジョン慣れしている冒険者の千里眼や観察眼には劣るところだ。

 知識が足りない分は、経験に沿って時間をかけて動いて補うしかない。
 そうした根気でついに見つけたのは、動きそうな壁。
 女児か女性か、小柄な種族なら通れそうな排水口の柵があり、その奥に部屋があるはず。)

「問題はどうやって開けるか…何か仕掛けらしきものでもあればわかりやすいんだが…」

ご案内:「無名遺跡」にさんが現れました。
> 遺跡に不慣れか辿々しく時には危なっかしく然し戦闘といった分野には慣れた気配のある、人間。……を、じい~~~っと、先程から隅っこのほうで小さく纏まりながら見ていた不定形生物(スライム)がその体躯をむくりと膨張させると姿形迄真ん丸なそれから女の姿を取って、

「何してル?」

彼の真後ろから、ぐにょんというかびちょんというか、
軟体なんだか液体なんだか判別に困る音を立てて凭れるよう抱きつきに……
敵意害意の類もなければ生き物らしい気配も少ないので分かりにくいハグは、
さて彼は避けれるだろうか。
避けられなければ、抱きつく、避けられても、うん? と首を傾げたあと何もなかったように喋り始める。

「さっきからぐるぐる。ぐ~るグる。迷っタ?」

抱きつきに来るよりも喋る事のほうが驚かれるかもしれない。
スライムが、スライムらしい見目ながらも不完全にとはいえ人の形を取って人の言葉を喋っているのだから。

サウロ > (襲い来る魔物は倒し、調査し、同じところをぐるぐると。
 そうして壁の前で考え込んでいた青年の背後からかかる声に碧い眼を見開いた。
 カンテラがなくては視野も狭い暗がりの中、不定形のそれであれば気配も辿れなかっただろう。
 粘液の滴る音と共に背後から質量と重量のある負荷がかかれば、その重みにガシャンと音を立ててカンテラが落ちた。
 壁に手をついて倒れることは避けたが、彼女が抱き着いたのは盾を挟んでになるだろうか。
 そのまま重心を少し動かして圧し掛かられれば、膝をつかざるを得ないだろう重量。
 鍛えているとはいえ、ただの人間には耐えきれない重さに汗が伝う。)

「ッ、ぐ…ぁ、っ…、喋る、個体…!?」

(知性を得て進化する魔物があることは知っている。
 だがそれらは総じて危険だ。人間の道理は通じない相手だ。
 不完全ながら女体の形をとったスライム状の魔物に腰に下げた剣に手を伸ばす。
 喋ることは喋るが、どこか拙い印象。
 倒す、という敵愾心を向けて、渾身の力を込めての振り払おうとするが、質量に重量、共に魔物たる彼女の方に分があるだろう。
 それでもまだ油断をしているなら、壁を転がるように利用して抜刀し、その首を狙って切り裂こうとする動き。
 それより早く動くのなら、ハグという拘束をされた時点で此方の敗けだ。)
 

> 背の丈は彼よりも少し小さいぐらいだが目方ときたら彼の何倍はあるか。2m、或いは3m程度のモンスターよりも場合によってはこの不定形生物のほうが重たいという言動も姿形もあれからこれから妙ちくりんなそれのハグがずっしりと彼の身体を覆った。がしゃん、と落ちるカンテラ、がくん、と落ちる膝に、目……一応、眼球の体を取っているものが動いてから、腕を伸ばせばカンテラをひょいと持ち上げて、

「落ちたヨ」

はい。と、自分の体重解ってないのか、事実解っていなくて、不可思議そうに首を傾げてから落とし物を返そうとした時だ。
質量と重量で勝っているとはいえ鍛え上げた人間がその瞬発力を総動員しての爆発力には、
大した力も篭っていない腕はぼにょんというかぱしゃんというかやはり変な音を立てて振り払われる。

「オ?」

からの、首狙いの、横薙ぎ一閃。それは確かにスライムの首へと入り人間で言うところの皮膚を裂き肉を割り骨を通過して横へと駆け抜けていって首が飛ぶ。首が飛んだ瞬間吹っ飛ぶ頭を手指がすかさずキャッチ、元の位置に戻すと切断面が瞬き一つのあいだに元に戻った。

「何すンだこら。モンスターが折角親切デ声かけたノに。スライム空手食ラわすゾ?」

むむむ。
とでもいった感じに眉根が寄って口が真一文字に引き結ばれる。
真一文字になっていて唇は動いていないが声は明瞭だ。
拳を握ると、右拳は顎のそばに添えて左拳はたわわに実った乳房の左へと添えるようにして構え、しゅっしゅ。と口で言いながらのろのろとジャブの真似をしている。空手といいつつ拳闘の構えであった。……ハグにしてもそうだが此れにしても今のところ敵意悪意らしいものは無い。首は飛んだが正直首の形を取っているだけで急所でもない。流石に斬られたのは少々不満だがまだ苛立ちも少ない。なぜなら今、お腹いっぱいなのだ。

「まったク最近の若いもンはぁ~~~」

ぶつぶつ文句言ってる。

サウロ > (落ちたカンテラに意識を向けた一瞬の隙をついて、抱き着いてきた魔物から離れ、首を飛ばすことが出来た──が。
 やはりというべきか、不定形の魔物。分断したところで動きは鈍れど倒せるわけもなく。
 しかし距離が取れたのであれば間合い一つ分の距離を置いて剣を向けたまま、盾を引き、構える。
 狙うべきはコア、その不定形を纏めている心臓部分。ただのスライムなら剥き出しになっている事が多いが。
 改めて真正面から観察するほど、青年の険しい表情の中には怪訝な色が乗る。)

「……モンスターに、親切心というものがあるとは初めて知ったよ。
 こっちは、圧し潰されて殺されるのかと思ったものでね」

(魔物は、魔物。魔族は魔族。価値観が人に近しい者もあれば、道理が通じない者もいる。
 人間とてそうだなのだから、魔物を警戒するのは自然なことなのだが。
 拳を握って、突き出すような動き。カラテ…というのは格闘技の一種か?などと思考を巡らせながら、動きを観察する。
 しかし、何故、女体なのだろうか。
 蜘蛛の胴を持つ上半身が女体のアルラウネや、魚の下半身に女体の上半身を持つセイレーンなど、
 女性形態の魔物は数あれど、スライムの女性形は初めて見る。
 なんとも戦いづらいのは、敵意や害意が感じられない点か。
 人間慣れしている、ともいえるかもしれない。
 まさか満腹状態なのでこうして穏やかな会話が成立しているとは、青年の想定にはないようで、困惑も滲んでいる。)

「……ただの魔物、というようには見えないが。君は一体何なんだ?」

(種類としては、スライムの進化系、とすべきだろうか。
 だとすれば、ギルドへの報告義務もあるので、会話で引きずり出せるのなら情報を得ようと真っすぐ見据えている。)

> 警戒顕わに構える彼に不定形生物の顔は不満そうな儘である。
成程、此方は気軽な挨拶代わりでも向こうからすれば圧死寸前ともなれば、
種族差相まりこの対応は然りなのだがそんな事の意味は……わかる、が。

「知ルかー!!」

理解と納得は別である。
ぷんぷん怒ってそのうち頭から湯気でも出そうな、いや。体内の水分が蒸発しはじめて実際に頭から湯気が出始めた。が、直ぐにそれも収まり、左手に持ったままのカンテラは一先ずもう一度地面に置き直してから両手をえっへん! と、いった感じに腰へと当ててふんぞり返る。たぽん、と、そのせいで、自分の頭よりも彼の頭よりも大きく大きく実った乳房が重たそうに柔らかそうに揺れて動く。その体躯の実り具合、はとかく、青緑や浅葱色に濃く染まった身体には心臓部(コア)にあたるところが見受けられない。

「涅とイう。親切なモンスターでアる」

満腹状態でなければ親切どころかあのハグは間違いなくパクっといくそれになっていたが満腹状態なのでただのハグ。
普段は人を襲っているのを棚に大上げに上げて名乗ってから腰の手はそのまま首が傾げられる。

「デ? 君は? 誰? 何しテる? 迷っタ?」