2024/01/17 のログ
ご案内:「無名遺跡」に朧月さんが現れました。
■朧月 > つい先程までは山道を歩いた。
それが今、どこかの遺跡の中に居る。
まさか歩いていた山道の足元が崩れ、落ちた先が遺跡だなんて思っていた訳がない。
「いやぁ、しっかし、こんな事もあるものなんだねぇ」
かなりの深さを落下したはずだ。
それなのに何事もなかったかの様に笑い飛ばし、自分の落ちてきた天井の穴を見上げた。
真っ直ぐに落ちた訳ではない、所々で壁にぶち当たり、最後はこの室内へと激突する。
床を見てみれば、そこに出来ている大きな穴が落下点。
それが自分によって出来たものとは誰が見ても思いもよらない事だろう。
パンパンと服の汚れを払うように叩き、改めて、ここはどこだと見渡してみる。
真っ暗だ、何も見えない。
■朧月 > 「あっはっはっ、真っ暗だぁ。
これだけ真っ暗だと、ここを出るのも難し…」
何も見えないにも関わらず、腰からぶら下げた瓢箪を手にグイッと呷る。
酒気を含んだ吐息を吐き、フラリフラリと歩き始めるも。
当然の事ながら、少し進んだところでゴンッと何かに頭を打ち付けた。
言うまでもない、壁だ。
「おっとと、こっちじゃなかったかぁ。
さてさてぇ、出口はどこだぁ?」
フラフラと千鳥足のまま、ペタペタと壁に手をついて壁越しに歩く。
気が付いた様に酒を呷りながら、真っ暗な中の出口探しを続けていた。
ご案内:「無名遺跡」にミケリアさんが現れました。
■ミケリア > 「うーん……今こっちの方から音がした気がしたんですが……」
天井から落下してきた侵入者が暗闇を彷徨っている頃。
入り口から入ってきた侵入者もまた、道に迷っていた。
癒し手であり、時には冒険者でもある樹木精霊。
自然の中でなら高い感知力を誇る精霊だが、岩で覆われた地下迷宮は比較的苦手な地形。
それも、浅い層からトラップで一気に地下深くの暗闇エリアまで落下し、途方にくれていたのだった。
「誰かー……いませんかー……?」
頼みの綱は、先程こっちから聞こえてきた轟音。
魔物や罠の可能性も高いが、なんだかさっきから人の声も聞こえる気がする……。
同じように暗闇を手探りしながら、あっちへふらふら、こっちへふらふら。
■朧月 > ペタペタペタ、落ちた場所が部屋なのか、どこかの空いた空間なのか。
触れる感触は壁らしきものばかりで扉らしき感触がまったくない。
自分の居る場所はそう大きな室内ではないらしく、グルッと一周するのにはそう掛からなかった。
唯一ここで見えるのは、落ちてきた天井の穴から差す、部屋中央だけを照らすほんの僅かな月明かり。
「ふんふん、なるほどぉ。
しょうがない、出口がないってんならぁ…」
ペタッと触れていた壁を、コンコンと今度は軽く小突くように叩く。
何かを確かめような、そんな行動を取ってからの言葉から、グルグルと腕を回す様に振り回せば。
「拳で一発作るまでさぁ!」
ドゴォッ!と拳が壁へと叩き込まれる。
ピシッ…と拳を打ち込んだ場所から、ヒビが一気に壁中へと走り。
ガラガラッと目の前の壁が崩れ去った。
派手な粉砕はしていないので、壁の向こうに誰かが居ても被害を受ける事はないだろう。
■ミケリア > 「あら、また声が聞こえたような……」
何を言っているかまでは聞き取れないものの、やはり声が聞こえる。
どうやら方向は間違っていないようだ、と安堵したのも束の間。
聞こえて来たのは鈍い打撃音。
どうやら音の割りに被害規模は大きくないようだが、衝撃に体勢を崩しそうになり、壁に手をつこうとして……。
──その先にあったはずの壁が消失していた。
「ひゃわぁ!?」
しかもたたらを踏んだ足を大き目の瓦礫に引っかけ、壁の穴の中へと倒れ込んでしまう。
あなたからすれば、殴り壊した壁の向こうから、何故か女が飛び込んできたような形だ。
■朧月 > ガラガラと崩れ落ちる壁を目の前に、景気付けにもう一口と瓢箪の酒を呷る…のだが。
「ぷは…あ?」
その瓢箪から口を離した、その瞬間。
壁が崩れてワンテンポ遅れ飛び込んできた女、何事かとは思いながらも一緒に倒れる事もなく抱き留めた。
フラフラと揺らいでいるだろう割には、そんな突然の事態に完全にバランスを崩す事はない。
「おやおや、どうしたんだい?」
そんな相手を確かめるにはこの屋内程度の月明かりでは少々乏しい。
今のところ、さっきの驚いたような声から抱き留めているのが女だ、と分かっている程度。
状況理解も含め、そんな問い掛けをしてみるのだった。
■ミケリア > 「…………あれー……?」
地面への激突を覚悟したが、そんな衝撃は一向に来ず。
むしろ力強く支えられて目をパチクリさせる。
鼻孔をくすぐる酒精の香り。けれど、その身体は随分と小柄なようだった。
「あ、ありがとうございます……。
突然壁が崩れたもので、驚いてしまって」
ほっと息をつく女は、逆に女性的な肉体から甘い花の香りを漂わせていた。
いくら力強くても、小柄な少女と思しき相手が壁を殴り壊したとは思っていないのか、感謝の笑みを浮かべ。
「実は、遺跡に探索に来ていたんですけど、道に迷ってしまって。
声を頼りに来てみましたが、人に会えて良かったですー……」
体勢は立て直せ、もう支えてもらう必要はないだろうが。
ようやく出会えた人からはぐれたくないのか、寄り添ったまま。
■朧月 > 「うーん…?」
相手が女であるのは分かる。
とりあえず、どんな相手なのだろうと気になるからか無遠慮にペタペタと身体に触れる。
抱き留めた感触から自分よりも高い、大人しく触れさせてくれるなら感触からスタイルが良い。
それ以外で得られる情報はそんなものだ。
「あっはっはっ、この程度だったら礼なんて要らないさぁ。
そもそも、壁壊したの私だしねぇ」
強い酒の匂いを漂わせる自分に対し、甘い花の香りを漂わせる女。
混ざり合って何ともいえぬ香りとなって周りを漂っている事だろう。
そんな事は気にせずに、笑いながらあっさりとそれを伝える。
壁際では、まだちょっと顔が見え辛い。
支える必要の無くなる前に、部屋の中央辺りに一旦移動して、僅かな月明かりで彼女を確かめる。
勿論、彼女からすれば此方の姿が多少なりとも見える様になるだろうか。
「あぁ、やっぱりここは遺跡なのかぁ。
私は適当に山道を散歩してたら、何か穴に落っこっちゃってねぇ。
その先がここだった、って訳さぁ」
此方からも説明をしつつも、支えが不要となれば…とも思うのだが、彼女がそうなっても寄り添っている。
だったら別に良いやと寄り添う彼女を抱き寄せておいて。
■ミケリア > 「あらぁ……力持ちなんですねぇ」
思わぬ答えに目を丸くする。
魔法を使った気配はなかったので、おそらく素の膂力。
この体格から考えると、目の前の相手は人間ではないのかも。
……人型であれば庇護対象な精霊にとってはそこまで気にならないが。
ぺたぺた触られても嫌がる様子は見せず、むしろ嬉しそうにスキンシップとして受け入れて。
あなたと一緒に明るい場所に移動すれば、エルフのような長い耳と、遺跡にはそぐわない花冠が目に入るだろう。
「それは災難でしたねぇ。ご無事でしたか……?
見たところ怪我はなさそうですけどー……さっきの怪力といい──」
こちらの姿が見えたのならば、当然そちらの姿も見える。
足元から徐々に視線を上げていき……目が留まる勿論、両の角。
「魔族、という気配じゃない気がしますが」
あなたの正体に思いを巡らせつつも、恐れる様子はなくて。
むしろ、抱き寄せられて体を密着させながら、あなたの角に興味津々で触れたそうにしていた。
……寄り添っていれば、より濃密に香り立つ花の匂い。
吸い続けていると、どこか酒精と同じように若干の陶酔感を覚える気もした。
■朧月 > 「いやぁ、この程度だったら軽い軽い」
そんな言葉の遣り取りの中、彼女が何を思っているのかまでは分からないが。
触れてみて何ら抵抗も無いならば、彼女のスタイルの良さも触れて理解する。
そうして部屋の中央へとやって来て、やっと見て確認出来たその姿に…
こうした姿をしていたのは何だったっけか、とか思い出すような仕草を取るのだ。
「そうそう、本当に参っちゃってねぇ。
って、違う違う、私は魔族じゃなくって鬼ってやつさぁ?
そんなお前さんも、人の子じゃぁなさそうだねぇ?」
そう彼女には伝えているも、本当に参っているのかどうか、と思える様な軽さ。
此方を見ていて何の種族なのかと問われる様な言葉には、別に隠す事もなくあっさりと答えた。
鬼、というものを彼女が知っているのかどうかは別として。
そんな彼女の言葉に、此方もそう確かめる様な言葉で返すのだった。
彼女の香りに、此方は普段よりも僅かに深い陶酔感を感じるのかもしれないが。
此方の酒気に、彼女も普段感じるのかどうかはわからないが、同じような陶酔感を感じられるだろうか。
もしそうであったのなら、お互いに普段以上に興味を抱き、何かしらの行動に移すのかもしれない。
■ミケリア > 「オニ、ですかぁ。……確かシェンヤン方面出身の民と聞いたことがありますね。
なるほど、確かに魔族のオーガとは違うようです」
スタイルがわかる程触れられれば、当然女性的な膨らみにも指先が触れた。
くすぐったそうにクスクス笑みを漏らす。
「私はエルフの……ああ、いえ、折角教えていただいたんです。
こちらも正直にお答えしましょう。
……私はミケリア。人を愛し、人に交わって生きる樹木の精霊です」
人の街で暮らすに辺り、精霊という出自は何かと面倒ごとを呼び込んでしまう。
それ故に普段はエルフと種族を偽っているのだろう。
言葉を交わす中でも、混じり合うお互いの酒気と花香。
えも言われぬ芳香にうっとりと目を細め、さらにあなたに身を寄せれば、その角に触れるようにゆっくりと手を伸ばす。
「これも何かの縁。よろしければ……あなたのことも、もっと教えてくれませんか?」
真紅の双眸をじっと覗き込む桜色の瞳。
そこには隠しようもない、あなたへの深い興味がありありと浮かんでいることだろう。
■朧月 > 「おぉ、なかなかに物知りだねぇ、その鬼ってのが私なのさぁ」
彼女の理解に寧ろ感心した表情を浮かべながら、特に何の文句もないなら満足するまで触れて、手を離す。
豊かなスタイルというものは触れていてなかなか飽きないものなのだ。
「エルフ…じゃなくて、えーっと…樹木の精霊…あぁ、精霊かぁ。
愛するどうこうってのは興味は無いが、人と共に生きるってのは私と同じだねぇ。
ま、私が人と交わっているのは色々と面白いからだけどさぁ?」
人の中で生きる上では、やはり変わった種族というのは奇異の目で見られるもの。
エルフならばよく聞いたりするが、精霊はそうそう聞き覚えるあるものではない。
そうした事を考えれば、そう見えるなら偽るのは分かる気がするのだ。
そんな事を考えながらも彼女との会話を楽しんではいるものの…
「おっと、奇遇だねぇ。
なんだか私も、お前さんにちょっとばかり興味を持ってたところさぁ。
お互いに色々と知ってみるのも悪くはない、色々と教えあってみるかい?」
見詰め合う瞳と瞳、そこから感じ取るのは言葉の通りの興味を含む視線。
それは彼女も同じ様に感じている事だろう。
伸びる手が角に触れ様とするならば、特に問題があるものではないと好きに触れさせて。
此方は此方でもう少し深いところにまで、そう触れ合おうかという様に身を寄せる彼女の身体へと再び手を伸ばすのだった。
■ミケリア > 「こう見えてそれなりの樹齢ですので。お会いできて光栄です」
笑みを深め、角の表面を優しく撫でる。
硬質な、自分と同じく年月を得た力強さを感じさせる感触。
自然と距離が詰められ、見つめ合う顔も吐息が掛かる程。
「ふふ、良いものですよぉ。人の愛の形というものも。
そのことも含めて……ええ、知っていただけたら嬉しく思います」
もはやその芳香は部屋の中を甘い匂いで満たしているかのよう。
月の光を背に、神秘的ながらも妖しげな笑みを浮かべる精霊は、あなたからの触れ合いも全て受け入れる。
暗闇に閉ざされた遺跡の中、その後何があったかは、鬼と精霊だけが知る処───。
■ミケリア > 【後日継続】
ご案内:「無名遺跡」から朧月さんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からミケリアさんが去りました。