2023/12/05 のログ
アドラー > そういえば、彼女は冒険者になって日が浅いようだった気がする。
人間とは違う本能的な直感はあるのだろうが、知識と経験が乏しいから効果的な対処法を知らないのだろう
同じパーティーメンバーとして自分が補助をしていけば、きっと彼女は優秀な冒険者になるに違いない。

宣言の下りに笑顔になりつつも、敵が近寄れば表情は変わる。
真剣な眼差しで彼女の戦いぶりの方に視線を移動させると…

「目がいい、か」

相手の能力を小さく復唱する。
自分も視力に関しては悪い方ではないが、それとこれとは次元が違う。
人間ではない故に夜目も効くのか、あるいは魔力の流れや何かを見て相手を察知したのか…

「私は傍観に徹しよう。
 必要ないとは思うが、危険と判断したら…ま、いいか」

自分の言葉を言いきる前に飛び出す彼女に、その後ろを一定の距離を保ってついていく。
比較的相手の動きが遅いような気がするのは自分に配慮している故だろう。

「…へぇ」

耳を澄まし、相手のつぶやきを聞く。
すると言葉通りの武器が袖から飛び出し、相手の全力の攻撃を細腕で受け止める様子を確認する。
あの刃、暗闇で詳細に確認はできないが、普通の鋼ではないように見える。

次にノーマがつぶやくと右の袖から射出する物体がコボルトに突き刺さる。

仕込んでいた武器を取り出したというより、彼女の身体から作り出した武器を言葉と共に繰り出しているように感じる。
自分ならわざわざ次にする攻撃を発言などしない。結合部が見えないから結論は出せないが、そんな予測を立ててみて。

ノーマ >  
「ふふ……ふふふ……」

一匹めを倒したところで可笑しいと思っているようにも聞こえない、妙に空虚な笑い声を漏らす
そのまま、爪を背後から迫る二匹目に振るう。
それは熟練の剣士、とはいかないまでも一端の剣士が振るう剣くらいには鋭くモンスターを刻んだ。

一瞬だけアドラーの方を見る。
どう?見てた?みたいな意図だろうか。心なしか自慢げな表情にも見える。

「……これなら、コレで十分かなー?」

そんなつぶやきを漏らし左の鋼の爪を振り回して、次なる獲物を追う。
コボルトも目の前の相手が一筋縄ではいかないと気づいたのか、連携、のような動きを見せる。
要するに、囲んで同時攻撃、だ。
完全に囲いこむには、すでに時が遅かったが。


「おやー?知恵が回るなあ」

一方のノーマは振るわれる斧に対して、のんびりと感想を述べていた。

アドラー > 「おお」

彼女の零れるような笑いを聞いて、目を細める。
戦いを楽しんでいるのか?自分も時折、戦闘の中で高揚感を得る時があるからわからなくもないが。
そしてモンスターを爪が斬り刻む様子には感嘆の声を上げる。あれだけの切れ味の刃は中々お目にかかることはできない。

自慢げな表情はしっかりと確認して、小さく手を振る。
が、相手は自分のリアクションを確認することなくコボルトの対応をするだろうか

「相手も相当慣れているな」

無名遺跡で生き永らえている群れだけあって、手札が少し多いようだ。
囲んでの攻撃。単調ではあるが、単体の相手に対しては多いに効果的だろう。

しかし、カードを切るタイミングが悪い。全員が揃っていた初動のタイミングがベストだっただろう。
まぁ、第一、相手が“彼女”であるなら、ベストタイミングであっても…

「さてと」

どう対処するのか楽しみにしつつ、こちらに飛び火したときの対処が出来るよう、両手にナイフを握っておいて

ノーマ > 「よしよし」

男の反応を確認して、に、と女は笑う。
そういえば、戦う姿をわざわざ誰かに見せたのは初めてかもしれない。
変な高揚があるのは、そのせい……ではないとは思う、が。

その油断、というわけでもないが相手の同時攻撃を許すことになる。

「ま、いいけどー」

左は先と同じく大爪で受け……右は、素手で斧を持つ手を掴んでを受け止めた。
そもそも絵面として大爪を振るうだけでも奇妙であるが、さらに斧を振るう手を受け止める姿も異様であった。

「どうするか、なー。んー……」

一瞬、右腕が光り……コボルトが弾かれたように後ろに下がる。
その隙に。再度右袖の中に腕を戻して振り、杭で下がった個体を仕留める。

「で、締め!……で、いい?」

左の個体は……無理やり払い飛ばして、そのまま爪を突き立てた。
ぞぐり……と、それはバターでも貫くように突き刺さり……相手は事切れる。

「……やりすぎたかな」

当然のように、というべきか。
女は返り値を浴びて、あーあ、という顔をして見せた。

アドラー > 「…!」

自分に気を取られたせいか、相手の同時攻撃が襲い掛かるも
器用かつ大胆な動作で受け止め、反撃する様子に目を見張る。

そしてモンスターが斃れ、死体となったことを確認して
周囲の音に耳を澄まして伏兵が居ないことを確信すれば…

「お疲れ様。なんというか、圧倒圧巻という様子だったな」

ナイフをしまって、返り血を浴びている彼女に清潔な布を渡す。
圧倒的な膂力、爪と棘の攻撃。暗闇をも見通す視線。
自分とは全くもって違う力に、戦略の幅が広がる予感がしてにんまりと笑う

「色々と聞きたいことはあるが…そうだ。こいつらは食べるのか?」

以前のサイクロプスの件を思い出し、コボルトたちを指差す。
もしコボルトたちの力を蓄えるならば、食べておいて損はないだろう。

ノーマ >  
「んー、まあそれほどでもー?」

褒められて悪い気はしないのか、体を拭きながら嬉しさを隠せない笑いをうかべる。
その頃には、巨大な爪もどこかに隠されてしまって姿も形もない。

「……う。
 そっか、その話アドラーにはしてたっけかー」

食べるか?と聞かれて、色々観念した喋ったことを思い出す。
それ自体は仕方ないことだし、結果悪いようにはなっていないが。
それでも、イロイロと思うところはある。

「んー……こいつらだと、どこまで役に立つか、だなー。
 別に無理して食べなくてもって感じかな?
 そんなに長くはないけど時間だって使うしさ」

しばし、真面目に考えてから答える。
人から見れば強力な種ではあるが、個体として考えるとそこまで強力な個性特徴はない。
ゆっくりしていられるならともかく、今の状況だと利があまり感じられない。

「う、聞きたいこと、ね……」

まあそれはあれだけイロイロすれば、それはそうだろう、と思う。
なにより、二度目の邂逅のときといい、この男はだいぶ鋭いところがある。
次は何を聞かれるのか……

アドラー > 自分の言葉に嬉しさを感じていることを察して、顎に手を添える。
人間ではないが、人間並みの感情はある彼女。
であれば、彼女が涙し、悲しむ時はいつだろうか…

などと、愚考をしながらもいつの間にか消えた爪に目を見張って

「あぁ…以前、好奇心で問い詰めただろう。無理に言わせたのは改めて謝罪しよう。
 そうなのか。一応聞くが、食べる基準なんかはあるのか?強い個体や種族、とか?」

以前は好奇心が勝り、色々と聞いてしまったが今思えば失礼と思い謝罪をする。
そして、食べる必要がないという回答には不思議そうに顎に手を添える。
力を蓄えるのであれば、コボルトのような個体では効率が悪いのだろうかと思案して。

「前回のように深く詮索されるのは嫌だろう。
 …そうだな、最後に右腕が光ったように見えたが、あれは何だったんだ?」

前回のことは自分でも反省して、今回は端的に気になったことを聞く。
どこから爪を出しているか、武器の性質は何なのか。聞きたいことは様々だが。
最後、右腕が発光し、コボルトが弾かれたように見えたのが一番の疑問で、それについて問いかけてみる。

ノーマ >  
「? どうかした……?」

考察の中身まで見えたのかどうか。
ただ、なにやら思案した様子だけは見えたようで、一瞬きょとんと問いかける。


「そこはなー……アドラー、勘が良すぎなんだよね―。
 いいとこ突いて聞かれるからさあ。まあいいんだけど。」

自分という存在がどこまで受け入れられるのか。
そういうところも含まれるので、流石に慎重になる部分はある。
とはいっても、このアドラー自身がいい例で隠し通せるとも限らない。

それなら少なくとも信用が置ける相手に、ある程度開いて見せるのは悪くない……はずだ。

「まあ、そうねー。だいたいその通り、だよ。
 前にアドラーが予想した通り、力にする、んだから。ある程度強い相手じゃないとあんまり意味ないって感じ。
 あとは、同じやつをいくつも重ねても価値はないっていうのもあるね。」

基準、とすればそんなところだ。
細かいところを言い出せば趣味、とかはあるがそこは言っても仕方ないし説明しづらい。

「んんー……まあ、そりゃ? 丸裸にされちゃうから?
 いやか、といわれたら……ものすごく嫌、とまでは言わないけれど……
 どちらかというと、困るっていう感じなのか……
 まあでもパーティー組むんだし、とか。」

言葉通り、イロイロなことが剥ぎ取られれば裸の自分が残るだけ。
とはいえ、ぱーてぃー、となるならあんまり隠し事してもな、とも思う。
そんな色々と複雑な思いがあるので、尚更になんとも言えない気分になる。

言い出すと自分でも整理しきれないので、さらっと流して質問に答えることにする。


「ああ、まあ、それはいいや。

 で、さっきの最後の? ……んんん……えっと……どういったものか……
 い、雷の、魔法?」

そして、素直に答える……といいたいところだが、少し悩んでの答え。
誤魔化そう、というよりはどう説明していいかわからないので妙な言い方になってしまう。
……うーん、これ疑われちゃうかなあ?

アドラー > 「いいや、何でもない。
 君の美貌に見惚れていた」

きょとんとして問いかける彼女に、笑顔で調子のいいことを答える。
そんなこと気にしても仕方ない。今は相手の能力について知るべきだろうと思考を切り替える。

「こんな所に単身で乗り込んで、五体満足でいられるのは勘が鋭いからだな。
 些細なことに疑問を持たなければ、足元をすくわれるのは自分だ」

勘が良すぎると言われて、やや自慢げに胸に手を置いて語る。
相手がどんな存在であるのか。仲間である以上、全てとは言わないが知る必要がある。
それが自分を守ること、そして相手を守ることにつながるのだから。

「なるほど…力を蓄えるというより、相手の特性の吸収と捉えるべきか」

きっとコボルトの攻撃を易々と受け止めた剛力はサイクロプスやほかの生き物の力を吸収した結果なのだろう。
とすれば、この一つ前に請けた海竜の討伐依頼。彼女にも声を掛けるべきだったかと思案する。
…巡り合わせが悪かったと諦めるしかない、か。

「…私の心が不純なだけかもしれないが、言い方。
 本来はあれこれと詮索しないんだよ、私は。でも同じパーティーとして背中を預けるには、相手のことを知る必要があるだろ?
 
 逆も然り、君も私のことを知るべきだ」

丸裸だとか、嫌とは言わないとか、引っかかる言い方に目を細めて唇を尖らせる。
相手と同じようにパーティーを組むのならば、隠し事は少ない方がいい。
故に、相手も自分のことを知るべきであって、質問があるならば答えるといった雰囲気を醸し出す。

「……そうだな。今回はそういうことにしておこう」

言葉に詰まりながらも、発せられた雷の魔法という回答。

眉間に皺を寄せ、数秒目を閉じて考え込む。
場所が場所だ。今は深くは詮索しないようにしよう。
もし深堀して相手の集中力を低下させるのも嫌だし、と半ば自分を納得させるように頭の中でつぶやく

ノーマ >  
「前も思ったけど、たまにそういう言葉出るよねアドラー。
 うちは気にしないけどさ」

美人だとか美貌だとか。女を褒める言葉なのは流石にわかっている。
そしてそういうのをほいほいと口にするのは……というのも。
ただ、ノーマ自身はそこに特にコレと言った感慨を抱かないので言葉通り、気にしていない、のであるが。

こんなふわついた人格で今までやってこれたのも、そこは大きいか。

「あー、まー、そうか。 動物の勘、みたいに考えれば納得だねー。
 そこだけじゃなくて、知識とか考える力もありそうだけどさ」

単なる勘働きだけでは考えられないような当て方もある。
そこは洞察力、というか考察力というか。そういったものがあるのだろう。
いずれにしても味方なら頼もしくく、敵ならば怖い相手だろう。

「……」

口からこぼれた考察の言葉、それを珍しく軽口も叩かずに聞いていた。
……本当に、鋭い。

「ん、なんか言い方に問題在った?
 思ったこと言っただけなんだけど……うーん……

 と。うん。別に文句ってわけじゃないんだ。
 というか、もうね。こっちが言うまでもなく察しちゃってるところもあるからさ。
 なんか、隠すのも馬鹿らしい、みたいなトコとかはあるんだよ。
 さっきだって、そう。ほぼ想像通り。」

もう此処まで来たら、と思ってしまう。
そもそも、必要なことだと言われれば確かに、とも思う。
相手が読んだことはもう、伝えてしまっていいだろう。

「うちは、食ったものの力を手に入れられる。ある程度の量を食べないとだめだけどね。」

いずれ、奥底。芯の芯まで読み取られてしまうのでは……と少し思う。
そのとき、彼は自分をどう見るのだろうか。

「……で、アドラーのこと、かあ」

少し考える。
まだ知り合って間もないといえば、そう。
そもそも、自分の思考的に他者のことを一々詮索するような発想がない。
何を聞いたものか……

「……2つ。 
 まず自分でいうのもなんだけど……信用してくれるの、うちのこと?
 で、もう1つ。鋭い、とはいったけどさ。やっぱりなんか図抜けてる気がするしー。
 なんかトクベツなこととか、あるの? あー、いやこっちは別に答えたくなきゃいいや。」

1つ目は、相手のことというべき質問家はわからない。
ただ、流石にここまで剥き出しにされれば聞いてもみたくなる。

そして、2つ目。尋常ではないように思える相手の、素性。
……ただ、自分もそこは隠しているといえば、そう。
だから好奇心でしかないそれは、却下されても仕方がないとも思う

アドラー > 「あぁ、ははは、私なりに場を和ませようとしたのだが。君には必要なかったか」

相手も勘が鋭く侮れない部分がある。
自分の余計な考えを読まれぬよう、調子の良い言葉で誤魔化そうとするが不要だったようだ。
例え相手は自分の考えていることに気付いていても、それを問いただすようなことはしないだろう

「動物の勘、と言えるほど野性的なものではないさ。
 ま、知識とかに関してはそうかもしれないな」

自分が持っているのは野性的で本能的な直感というよりかは
戦いの中で蓄積させた経験や知識から来る“確信”めいたものである。
故に、経験や知識の外からやってくる脅威には弱い。

最初に会った彼女の言動がまさしくそれだ。

「…いや、なんでもない。
 そうなのか!やはり食べた対象の力を吸収するのか。

 …うん、話してくれて助かった。今後の戦いの参考にしようか」

言葉回しについて無自覚な彼女に、説明はせずに流し。
自分の考察がドンピシャで合っていたことに驚きつつも、問題に正答したような気分になって顔色がやや明るくなる。
しかし、相手はやや釈然としない様子で、顔色をもとに戻して、口元に手を添える。

相手の正体がぼんやりと見えてきたが、確信に結びつくまでには至らず。
ともあれ、相手が能力について包み隠さず話してくれたことに感謝を述べる。

「…ふふ、以前は半信半疑だったがな。
 色々と君の事を知るにつれて、疑惑は消えて行ったさ。
 気になる点はまだいくつかあるが。…信用しているからこそ、パーティーを組むと宣言したんだ。」

一つ目の質問には、笑顔で堂々と答える。
彼女はまだ底知れぬ部分があるが、その力を悪意や害意を持って振るっているわけではない。
それ処か、自分の傷を治すことに使ってくれた。それだけで、信用に足る存在であることは明らかだ。

「……勘が鋭いのは、臆病だからだ。
 私には友が居た。高貴で威厳があり、慈愛に満ちた、誇れる友が。
 彼と私は兄弟同然であったが…

 彼は居なくなってしまった。

 …あのような想いは、もう十分だ」
 
2つ目の質問には、間を開けてそのように語る。
表情の陰を濃くしながら。今まで誰にも見せなかった、後悔と悲哀が篭った表情で。

「…ふ、それだけの話だ。
 そろそろ進もう。依頼を終わらせて、こんな窮屈な場所からおさらばしようか」

そして、次の瞬間には笑顔を取り繕い、進むべき道を指差す。
彼女より先行して道を進むその背中は何かを背負いながらも、それに苦しめられているような苦難に満ちた背中だった―――

ノーマ >  
「んー……これは、いつか丸裸、かなー……
 さもなきゃ脱がされるか、かあ」

自分の考察が当たったことに喜色を帯びる男。
無自覚に、もしくは自覚的に考察し……いずれ自分の芯にまで思いが及ぶのだろうか。
もしくは、自分で開示することになるか。

仮にそれが目の前の男ではないにしても、そんな日はきっと来るのだろう、と。
なんとなくそんな予感めいたものを感じた。

「ま、信用してくれるならそれでいいや。
 うちだって信用できる相手はつくっておきたいし、ね」

少なくとも、自分は相手を信用できる。
それで十分か、とも思う。
万が一、のときは……まあ、ソレもやむを得ないだろう。

「あー……なんか悪いね。
 嫌なら言わなくてよかったのに。」

いかに察しが悪かろうが、流石に友、とやらの話はアドラーにとって重いものなのはわかる。
取り繕われた笑顔も……それが、あまりいいものではないことはわかる。

お詫びに、いっそ色々言ってしまおうか……と脳裏をよぎるが。
しかし、それはたぶん折角話してくれたことを台無しにするような気がして、口をつぐむ。

「うん、まあ、そうだね。さっさといこうか。
 ”目”はやるから、めんどくさいことは任せるよ」

変に口を開けてもきっとうまくやれないだろう。
そんなことを思ったので、余計なことは口にしない。
ただ、背中に向けて必要なことだけ口にしてついていく。

ご案内:「無名遺跡」からアドラーさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からノーマさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にエスクレンタさんが現れました。
エスクレンタ > 「いやあ、いけないいけない……♡」

 己を魔物と侮り商品を盗んだ挙句、己を衝撃の魔術で吹き飛ばして逃走した冒険者を追跡する烏賊頭の魔族。
 元より遺跡に住み着くが故に抜け道近道は心得ており、頭上から飛びつき頭を触腕で包み込むようにして捕らえ、
大きく開いた口吻で丸呑みにする。

 突然のことに恐慌し、腕を振り回す冒険者のもがく腕が徐々に抵抗を弱めていく。

 脳吸い。
 そう呼ばれる精神捕食。獲物から沸き立つあらゆる感情を食い尽くし、一時的に脳を蕩かせていく。
 激しく溢れ続ける恐怖の感情を啜り立て、迷惑料として取り立てる中、やがて体をヒクつかせて冒険者がその場に倒れ込んでいく。

 これから、正当な取り立てを行おうと、頭を開放し、襟首を掴んで遺跡の奥へと引きずっていくだろう。

 ……その場に出くわせば、冒険者が醜い魔族に襲われていると誤解もしようか。

ご案内:「無名遺跡」にローウェルさんが現れました。
ローウェル > 「ギャァアアアアアッ! うっ、嘘だろ、おい…!?」

丸呑みにされた男から程近いところで悲鳴が上がる。
そちらに目を向ければ、ありふれた容貌をした冒険者風の青年が、目の前の光景に腰を抜かしているのが見えただろう。
今朝、ギルドで知り合ったばかりの互いの名ぐらいしか知らない冒険者が、目の前で見たこともない魔物然とした存在に食われてしまったのだ。
物資を調達してきてやるから少し待ってろ、と言い残して男が去っていったのが少し前。
荷物と血相を抱えて走ってきた男につられて走り出したものの、直後に現れたのがローブを羽織った謎の魔物。
振り返れば男が頭から丸呑みされていたという有様。

「こっ、こういうヤバい魔物は、もっと深いところにしかいないんじゃなかったのかっ!?」

立ち上がって剣を抜こうとするものの、腰が抜けてしまってうまく立ち上がれない。
縺れる脚を動かしてズッっていたら、あっという間に背後には壁があった。

エスクレンタ > 「おやおや……。」

 それなりに体格の良い冒険者を容易く捕らえて、ローブをまとった猫背の異形頭が引きずろうとしたところで、
 さて、もう一人の冒険者がいたかと悲鳴に対して視線を向ける。
 なるほど、分不相応に突撃してきたはいいが消耗品が底を尽き、先行して探索していた、今しがた捕まえた男が己に行きついたのだと合点が行く。
 が、納得はしない。遺跡にあって魔族との取引一つ踏み出せない、中堅にもなってない類がまだ踏み入れて良い領域じゃない。

「ヤバいって、失礼だね。お前さん達人間だって毒を使ったり、王都じゃナンパするのに催眠洗脳魅了とかやるんだろう?
 そう言う奴だよ。

 ……お前さんは取引を破談にしていないからね、話す機会はもとうかね。
 私は魔物じゃない。ヤバくない。ちょっと感情と精神力を啜ったぐらいなものだよ。

 私はエスクレンタ。セピア族のエスクレンタ。君、頭が人型じゃないからって魔物呼ばわりはちょっと失礼だよ。」

 襟首を掴んでいた冒険者をその場に転がし、向き直り。
 ……見れば、恍惚とした表情で冒険者は意識はあれど動くことはなく。
 そのズボンは、それほどの奇襲を受けたというのに、大きく膨れていて、興奮している様子が伺えて。

「そうして怯えているのはいいが、名乗らないのかい? 君の仲間は私の商いを邪魔したどころか盗みを働いた。
 ……己の弁護も出来ないなら、君も同罪だとみなすがいいのかい?」

 烏賊の目玉をぎょろつかせ、目の前でからかうように口吻部の触腕をねちゃりと蠢かせて。
 未だに深く着込んだローブで猫背であるが故に、あなた好みのいやらしくも肉感的な体は伺えず、
 市場などで見る烏賊の全容そのものが首に据えられたような魔族が迫ってきて。

ローウェル > 「いやいやいやオレは毒もヘンな術も使えないし失礼なことをしたなら頭下げて謝るからこの通り……って」

あまりに平凡すぎる能力を、プライドのなさと機転と、下げる頭の速さで切り抜けてきた青年である。
こちらが悪いと咎められていると察すると、剣の柄にかけていた手を目にも止まらぬ速度で地面に置き、がばっと音すら聞こえてきそうな勢いで遺跡の床に額を押し付けた。
反射的な行動に出ていたせいで、仲間の男の頭を丸呑みしていた不気味な存在が、理解のできる言葉を発していたことに気づくまで時間がかかり。
顔色というものが分かるのか定かではないが、相手の表情をうかがうようにゆっくりと顔を上げて視線を合わせた。

「セピア族のエスクレンタ……。聞いたことはないけど、知らないことのほうが多いんだから当然か。
 オレはローウェル。見ての通り、ただの人間。
 そこで転がってるのは今朝ギルドで知り合ったばかりの……ええと……名前、忘れちまった。
 とにかく暗くなってきたのに食料も確保できてないから焦ってたんだけど、
 そいつがツテがあるって自信ありげにいうから任せたんだけどさ。
 まさか、あんたの商品をパクってくるなんて思いもしなかったんだよ。
 知ってたら止めてたさ、冒険者にだって最低限守らなきゃならないルールがあるからな」

弁明の機会を与えてもらえたと理解すると、この事件が起こってしまった経緯を洗いざらい説明する。
頭こそイカにしか見えないが、相手の声はどこか落ち着いた声色のおかげで、もう恐怖めいた感情はほとんどなくなっていた。
それにしても、と。
お仕置きを受けて床に転がっている男の、間違えようもない股間の膨らみを見て溜息をついた。

「命の危険を感じると、男って生き物は子供を残したくて勃起するっていうけどさ……。
 殺されるかもしれないってときに、なんでこいつはこんなに締まりがない顔してるんだろうな」

恐怖で顔が引き攣っていたなら理解できるもの、こちらを向いている男の顔は射精の瞬間のような発情した牡の顔に見えた。
発情した男の顔など見て楽しいものでないためすぐに視線を反らしたが、相手に理由があるのだろうかと探るように、まだ膝をついた姿勢からローブ姿の相手を見上げる。

エスクレンタ > 中々の平凡、という具合の反応。人間としては普通だがこの領域まで来るのは珍しい。
大方、同伴したこの”犠牲者”が誰か腕利きの随伴か教導を受けて、己の噂でも聞きつけたか。

そう考えるとなんか見た気がする。目の前のローウェルが名前忘れてるように印象にない。
彼以上に平凡で、そのくせ己を過大評価する類なのだろう。阿呆め。

「我々は人里離れたところに潜む魔物だからね。中々お目にかかることもないだろうさ。
 私はこの遺跡に住み着いてる魔族の一人で、主に商いをしてるんだよ。

 そうだねえ。君はこの名前を覚える価値のない阿呆と違ってまともに話はできそうだ。」

 最初こそ恐慌はあるが、平凡であるが故に、目の前のことにきちんと向き合う姿勢を持つ。
 この遺跡ではある種危険な思考ではあるが、好ましい姿勢ではある。

「ああそれはしょうがないよ。能力の常でね、精神力を吸われた者は理性が飛んで気持ちよくなっちまうのさ。
 元は捕食の能力だからねえ。取り出して扱いてしまえばすぐに果てるだろうよ。
 こいつの精を取り立てて魔力として取り込むつもりだったが、なんかこいつ嫌になってきた。

 さて、しかしどうするねローウェル。これが盗みを働いた辺り、先立つものはあるのかい?
 私はきちんと取引をするのなら相応の対応も出来るがね。」

 と、まあここじゃ落ち着かないだろうと、盗人を縛り上げて片腕で軽々と持ち上げると、
 貴方へついておいでよと声をかける。

 いう通りについてくるなら、通路の先で小部屋に行きつき、絨毯の上で商品が散乱した犯行現場に行きつくだろう。
 しかし、その絨毯のその奥に置いてある背負い袋はまるで後から置かれたように崩れている形跡はない。
 何より、その奇襲を受けた商人もなんら損害を被った様子もなく。

 ……片腕で大の男を抱えている辺り、膂力と潜在能力は伺えるだろうか。

「さて、彼をこのまま引き渡すなら君の必要な商品だけをやりとりすることになるだろうがどうする?
 まあ、この男はこれだけのことをしたのだ、タダで返すつもりもないよ。

 ……後は、そうだね。取引をするにも金銭がないなら、体で払ってもらうこともできるがね」

 と、生み出した水の塊で砕けた商品を取り込むと虚空に消えていき、無事な商品を綺麗に並べていく。
 そしてポーションや保存食、食材や飲み物、遺跡内で手に入る装備品などに至るまで並べてみせて。

……盗人を発情させて精を搾り取ると言う、体で払うというのは、つまりそういうことなのだろう。

ローウェル > 「いやー本当のことを言うとさ、こいつ、オレとたいして経験に差がないのに、やたら偉ぶってて苦手だったんだよね。
 こうして話せる相手なの確かめもせずに盗みを働くヤツだってこと、ギルドにも報告しとかないとな」

どこか古めかしく感じる相手の口調だが、物言いは実直そのもので、青年もつい丸呑みにされた男への本音が漏れてしまう。
金と欲で終始目をギラつかせている苦手なタイプの冒険者より、よっぽど話しやすいとすら感じ始めていた。
なので彼女に誘われると、膝をついていた地面から腰を上げ、二つ返事で後をついていくことを決めた。

「精神力を吸われると……理性が飛んで……気持ちよくなる……!?
 あんまり詳しくないんだけど、魔力っていうのはオレみたいに魔法なんてからきしな人間でも、
 精……ようはザーメンから、吸収することができるってことか?」

そんな吸収もとい射精の仕方などされたことがなく、興味が勝って深入りするように尋ねてしまう。
後ろをついて歩いていく最中、気になるのは相手のローブの内側だ。
大の男を軽々と持ち上げてしまうあたり、筋肉の塊なのかもしれない。
片腕を上げているならローブの裾が捲れていないだろうかと、小走りに歩いて相手の隣へ並び、横目で盗み見しようとした。

「うーん……迷惑をかけておきながら、なんだけど、先立つものがなにもなくてさ。
 なんとか火だけ起こして野宿するかって話を、そいつとしてたとこ。
 悪いことをしたのはそいつとはいえ、遺跡に放置して帰ったらオレがギルドから怒られちゃう。
 そいつが意識を取り戻して、自力で歩けるようになるまで、
 一晩もあれば充分だと思うだけど、小屋に泊めてもらえないかな?
 対価は……」

遺跡を出て無事に街へ戻るには、それなりの物資が必要だ。
そのための新鮮な食料や水、装備品までもが目の前にあるが、持ち合わせが対価に足りているか、どうか。
懐から革の小袋を取り出すと、それを相手の前に軽い音を立てて置く。

「……もし足りなかったら、そのときはオレが払えるもので払う」

エスクレンタ > 「ああやっぱりこいつそういう感じかい。私に対しても随分と偉ぶった様子で、最初から剣を抜いて突きつけてきてねえ。
 剣を絡め取ってやったら商品ぶちまけてって、有様でね。
 ローウェルも付き合う相手は選んだほうがいいよぅ?

 いや、そこは報告はしなくていいと思うよ。冷静に考えてごらんよ。
 人間の社会で管理をしている者、外に出ない者はさっきまでの君の反応と同じなのさ。
 それは悪しきことじゃない。
 なのでねえ、それを踏まえて全部分かってもらおうとすると、君色々面倒な書類とか聴取受けることになるんじゃないかい?」

 ここでの取引、その反故は君達人間の規範の外であるのだと細かに伝える。
 大人しくついてくる。冒険者をしているにはわりと珍しい部類だが、特筆すべきは対応と反応の速さだ。
 装備はロングソードとバックラー。
 手甲を良いものにし、いなしを重視したものにショートソードでも持てば、その対応力が活きてくるんじゃないかと色々考えてしまう。

「獲物が逃げられないように、それに精を啜るのだからね。合理的な能力さ。
 ああそうだねえ、そもサキュバスなんかが多く餌食にすると格が上がっていくだろう?
 精、命を生み出す要素自体には魔力よりもっと原始的な要素が誰しも含まれてるのさ。

 淫魔の類はそういう魔力を精から変換する効率が格段に高いんだよ。
 ただ、そういうのは他の魔族が持ち合わせていない生態ではないし、人間にも性魔術や淫術というものを扱うものがいるからね。
 ただ、それでも、魔力が強い人間の精は普通の人より格段に”美味しい”んだよねえ」

 などと、魔族の秘奥、というにはまた違う、人間社会から外れた道理での常識を軽く説明する。
 本来金をとるような話なのだろうが、この辺は魔術界隈においては初歩の先、程度のものだから雑談程度にはよかろうと。

 ローブは深く着込んでいるが、猫背のまま姿勢を崩すことはない。
 だが……、魔族の意図もあり、ローブの合わせ目がするりと、垣間見える。

 だぷりとした肉の塊。予想に反して、くびれた腰や巨乳と言うにも憚れるほどの質量が目に入る。
 それが、緩んだローブの合間から、だぷり、だぷりと弾んで見えて。

「……助兵衛……♡」

 と、その盗み見を嗜めるように目を細めて囁いて。

「小屋とかはないよ、こういうところじゃどちらかといえば空いてる小部屋に魔物避けや気配潜伏の護符などを仕込んで安全を確保するものなんだ。
 値は張るが、聞けば王都でもそういうものを売ってる店はあるらしいから探してみるといいよ。

 そうさね、しかし、いいのかい? そんな奴を見捨てるわけにはいかないというが、相当値は張るよ?

 ……じゃあ、こうしようか♡」

 しかし、その善性は金には代え難いものがある。出来れば応えてみたいし、しかしこの凡庸さがこの遺跡ではかえって珍しく。だから、

 それまで猫背だった魔族が、その肢体の陰影を露わにするように背筋を伸ばす。
 貴方よりも少し高く背が伸び上がり、目の前にはローブ越しに、先ほど垣間見えた爆乳が布越しにその質量を浮かび上がらせて、
 魔族の両手が、するりと、ローブの結び目を解き、天幕をくぐるように爆乳を、無毛の裸身を、人ならざる光沢を帯びた青肌を晒す。

「君は私に襲われる。ここは遺跡だからね、魔族に襲われるのは珍しいことじゃあない。
 ……私に襲われて精を貪られる、辱められるのを対価として彼と寝床を取引しようじゃないか……♡」

ローウェル > 「ほっておいて野犬にでも食われてくれたらいいけど、生き延びて帰ってきたらさ。
 こういうやつって恨みを晴らすことには長けてるから、オレが同業者を見放すタイプの人間だって広められちゃう。
 それって心苦しいし、オレみたいな、あんまり実力のない冒険者にとって、手を組める相手が減るのは痛手でさぁ……」

善性はあるが、それのみで行動するわけではない。
さりとて打算しか頭にない、というわけでもない。
生き長らえている経験という意味では、このローブ姿の相手のほうが何倍も上だろう。
少しばかり人生相談じみた愚痴も混じってしまったのは、相手にかなり気を許し始めている証拠。


「ふむふむ……。
 当たり前だけど、魔力が強い人間のほうが得られるものは大きいわけだ。
 サキュバスに誘惑されて死ぬほど気持ちのいい思いをしたって同業者の話をちらほら聞くんだけど、
 そういう話をするやつってかなり実力のある連中だし、
 得られるものが少ないオレのところにサキュバスは来てくれないわけだよなぁ……」

良い思いをするどころか、精を絞り尽くされて昇天したという話も聞くだけに、無用なトラブルに巻き込まれない幸運な体質なのかもしれないが。
そんな話をしている、不意に相手のローブが緩み、熟れに熟れた果実じみた豊満な乳肉が覗いて、思わずそれを直視しながら生唾を飲み込む。

「……でっか♡」

続いて彼女の口から語られた対価の話は、ほとんど右から左へ抜けていくような状態だった。
ほとんど反射的に首を縦に動かして、承諾の意志を示す。
血が集まって固くなり始めていた屹立は、立ち上がった彼女がローブを脱ぎ落としただけで、ズボンを突き破りそうなほど反り返り。
炎に誘われた蛾のようにふらふらと、肌が触れ合おうかという至近距離にまで彼女へ近づいていく。

「すっげ……えっろぉ……♡
 ああ、分かった、取引するよ。
 このえっろい体に触れさせてもらえるんだろ?」

頭部が異様であることを忘れ、どころか、その頭部とのアンバランスさが彼女の凶悪に牝めいた体を魅惑的に見せていた。
体を遮っている防具の留め金を外して毟り取り、下に着用していたチュニックとズボンと一緒にまとめて床へと転がす。
下着を突き破りそうなほど前方に突出した屹立を晒したまま、興奮に呼吸を荒くしてさらに1歩を詰めると、青く艶めかしい爆乳の頂点と、紅潮した人間の肌とが擦れ合う。

エスクレンタ > 「なるほど、ただのお人よしじゃないなら、それは汲み取るべきだね。
 まあ始末してもいいんだが、ローウェルの心根に影を落とすのも面白くないねえ。」

 そう言うよからぬ逆恨みで握手をする相手に手心を加える必要もないが、
 それでこの男の良さを殺すのは非常に面白くない。
 なんでこいつ生きてんだとか思ってしまう。

「そういうことさ。肉を食って血肉になるか、精を喰らって滋養とするかの違いと思えばいいよ。
 まあ、淫魔と交わって生まれた血筋なんかは王都にもいるとは聞くが、
 正しく魔族、良く性と淫夢を喰らったサキュバスは相応の場所に潜んでいるしね。

 ローウェルはまだ駆け出しなのだ、街中でもダンジョンでもそれほどに出会うこともないのかもねえ」

 街に住むような類は淫魔と言う種族のくくりで呼ばれるが、サキュバスと名指しで呼ばれる者は
 相当に格が上がって地位持ちになるか、昔ながらの迷宮に潜む手合もいる。
 どちらも、元より人と相いれない故に”捕食し貪り尽くす”のだろう。

 このダンジョンにもいるけどもっと下層にいる。後たまに買い物にも来る。
 冒険者から剥ぎ取った装飾品とかわりと良く売れる。上得意様なのは秘密。

 それから、取引の話をしてしまえば、何とも素直なことか。

「あくまで君が襲われる体だが、触ってもいいよぅ♡ どうするかいローウェル……?
 安全な場所で一晩、君もブレインジャックを受けてみるかい♡」

 興味があるなら脳吸いをしてみてもいいよという。何事も経験だと。
 己の烏賊頭も厭わず、否、その異形頭と魅惑的な肢体のギャップに背徳感が脳を煮えさせているのだろう。
 肌が触れれば、貴方の腕を掴むと、己の爆乳に押し付けて好きに弄んでもいいのだと。
 ひとしきり好きに触らせれば、ローブをまとったまま、貴方の目の前に跪き、下着を引き下ろすと
まさに捕食するかの如き両腕でのホールドを行う。
 自在に蠢く、関節も骨も感じさせない腕が蠢いて腰を圧迫する。
 それだけで同行者を軽く担ぎ上げた膂力が伺えるだろうが、だぷり♡ と爆乳が起立した肉棒を挟み込む。

「いいかいローウェル♡ 君は私の卑怯な魔術で混乱しているんだ♡
 だから魔族相手に逃れないといけないのにすごく興奮してしまっている♡
 だからうまく逃げられない♡ 君は、私のせいでこんなに興奮して捕まっているんだ……♡」

 商人という本質から、正しい商いが出来る相手、善性が先立つ相手は好ましく思う。
 だからこそ、言い訳を与えて取引の元、ぬるま湯のような温度の肌が吸い付くように竿を包み込んで圧迫する。

「私の体は柔軟だからね、好きに動いたり腰を振ったり”混乱して”好きにしていいよ♡」

 と言いながら、勃立した逸物を、触腕がぐばぁ♡ と広がって一気に半ばまで包み込んでいく。
 触腕の中に潜むくちばし、やわらかいくちびるのようなそれが亀頭を呑み込むやじゅるりと吸い付いてくる。
 爆乳に挟み込んだ竿へも滑る触腕が潜り込み、複雑に竿を締め付け、絞り上げながら乳圧で圧迫し始める。
 捕食。サキュバスに襲われたことがない平凡な冒険者の立派な一物を触手乳マンコがパイズリで貪り始めて。

ローウェル > 「サキュバスだってセックスはあくまで魔力を得るための手段であって、
 人間が気に入らないことをしたら、魔法で消し飛ばすぐらいの力はあるんだろ?
 そう考えると、今の状況がサキュバスに襲われてるみたいでゾクゾクするな……ッ」

許可を求めたはずなのに、気がつけば強引に爆乳へ手を押し付けられていた。
人間ではない彼女の表情が娼婦など比較にならないぐらいに艶めかしく見える。
大きな乳房に目のない青年は、数秒と迷うことなく、指へ吸い付くような質感の青い爆乳を両手で揉み捏ねていた。
抵抗を感じるほど重く、指を広げてもその間から溢れてしまうほど豊かな乳肉。
指が埋もれて見えなくなるほどの質量を思うままに揉み揺さぶり。
異様の爆乳を嬲っているだけで昂ぶっている証として、ズボンを突き上げている頂点には、大きなシミが広がっていった。

「すっげえ、えろすぎだろ……♡ こんなドスケベなおっぱい、今まで触ったことがないよ。
 サキュバスだって、こんなえっろい体のやついないだろ。
 エスクレンタ……♡
 触ってるだけでチンポが痛いぐらいバキバキになってるのに、ブレインジャックなんてされたらどうなっちゃうんだ。
 なぁ、お近づきにもなれそうだし、エシーって呼んでもいいだろ……?」

引き下ろされた下着から露出したのは、平凡すぎる外見とは大きく相反する、淫水焼けした凶悪とも思えるデカマラ。
オーク並とまではいかないが、太さ、長さ、カリのエグさを併せ持った目を引く巨根には違いない。
その竿を左右から爆乳で圧迫され、根本から押し出されるように透明な飛沫が彼女の頭部に散った。

「ぐう゛うぅっ……!!
 ああそうだ、オレは混乱してる……こんな危険な相手に捕まったのに、気持ち良すぎて……
 魔族のドスケベな体に発情して、チンポが気持ちよくなることしか考えられなくなりそうだ……♡
 混乱して……いいんだな?」

発情で上気した顔で、足元にしゃがみこんでいる異型の魔族を見下ろす。
その眼前で、反り返った極太のペニスが嘴に飲み込まれていった。
嘴の硬そうな外見とは異なり、引き締まりつつも口唇のように柔らかい感触に亀頭を丸ごと包み込まれ、青年の腰が跳ね上がる。

「お゛っおお゛っおお゛っ射精るっっ!!」

最初の一発は呆気なく放たれた。
堰を切ったように精液が先端から迸り、それに合わせて彼女の頭部を掴んで、めちゃくちゃに腰を振りたくる。
押し潰されそうな圧迫感の爆乳に竿をこすりつけ、彼女の口内の奥へ奥へと精液を流し込むようにペニスを撃ち込み。
初めて女を知ったかのような快楽に飲み込まれつつある青年は、1度目の射精が弱まっても一切の萎えがない絶倫体質であるのをいいことに、2度めの射精を目掛けて腰を突き動かす。
体はやや前屈みになり、掴んでいる彼女の頭部を嘴が股間へ触れるほどに荒々しく引き寄せ、続けざまに2度めの射精を彼女の喉奥へ放った。

「あ゛ぁ゛ぁ゛っっ♡ このパイズリマンコっ♡ クチマンコもやばすぎるっっ♡」

エスクレンタ > 異常な状況。人ならざる者に誘われる淫猥な事態。
異形の頭とのギャップも相まって、その体の艶めかしさがより深く感じられるだろう。
もはや己から手を押し付ければ遠慮することなく手指を蠢かせて揉み捏ねる。
スライムおっぱい、と表現すべきなのだろうか。張りも弾力もあるが、それ以上に埋もれてしまう指が包み込まれて呑み込まれる。
肌の湿り気とも相まって指を細かに舐められてるかのように錯覚する質感。
それは激しく揉みしだけばそれだけ舐めしゃぶり飲み込んでいく。

「あまり私的な関係は取引に齟齬が生じるが、呼ぶ分には構わないよ……♡
 私は海魔って部類の末裔でねぇ……♡ 海の魔物は得てして人間を惑わすものだからねぇ……♡
 ブレインジャックされたらそうさねえ、受けてみてからのお楽しみ、っていったほうがいいかもねぇ……♡」

 エシーと呼ばれれば触腕を蠢かせて烏賊目玉を細める。
 引きずり出せば、王都に、この国の人間に相応しく謳歌しているのだろう黒ずんだバキバキの勃起チンポ。
 なるほど、平凡な見た目の中の非凡はここに眠っていたかとくつくつと笑い。

「ああいいよぅ♡ 強度の高い怪しい術にかけられて捕食されてるんだ♡
 ああこれは逃げられないねえ♡ なんて悪い魔族に捕まったのだろうねぇ……♡」

「んぶぇ!? んごぅ! んぶふぅ! んぅ♡ んぐぅ……♡ 早すぎやしないかいロゥ♡
 ああ拙いぐらいに絶体絶命だねぇ♡ これは慰み者にされるしかないねぇ……♡」

 呑み込んだままだというのに特殊な器官を帯びているのか、煽るような色めいた声で囁きかける。
 海魔、とはよく言ったもので、本当に怪しい術でもかけられたかのように涼やかな声で囁きかけるだろう。

「んごぇ♡ んぼぉ♡ んぶふぅ♡ じゅぼ♡ ぐぶっぬぶっじゅぼずぶっ♡」

 頭を掴まれれば喉奥を突きこまれるも逃れるどころか顔を傾けて喉奥まで咥え込む。
 雁首にまで喉奥、というには人と構造が違う器官が幾重にも襞が蠢いて締めこんでいく。
 乳マンコと喉マンコで女遊びに過ぎたデカマラを触手で締め付け、くちばしをすぼめてぬぶん♡ とバキバキに張ったエラを扱き立てる。
 ほどなく、二回目。まだブレインジャックもしていないというのに背徳感だけで昂って極まってしまった男のチンポを、今度は激しい吸引音が響くほどに啜り立てる。
竿も亀頭も全て啜り立てる苛烈なバキュームフェラ。異様なまでの吸引は射精しているというのに、吐精の勢いよりもよほど早く啜り上げられていく。

「んじゅずううううううううううう♡ ロゥのザーメンは魔力が多い訳じゃないが中々濃いねえ♡
 さあ、それじゃあ……♡」

 そう言うと、にゅぼん♡ と爆乳から解放したデカマラから精子を舐め取るように触腕を絡みつかせて綺麗にすると、
 腰に絡みついていた腕が、貴方の足と体を器用に絡め取って引き倒す。

 興が乗っているとはいえ、流れにのって合わせる間もなく手慣れた様子で貴方の体を床に転ばせる膂力と手管は
 やはりよからぬ客をいなしなれている商人なのだと痛感させるだろうか。

「ロゥはムチムチのデカケツは好きかい♡ もうお前さんは私のいいなりにされてしまっている哀れな犠牲者だからねぇ♡ こうなれば役得でむしゃぶりつくしかないよねぇ♡」

 などと囁きながら、ローブを翻して覆い被さる。スパイダー騎乗位。
 両手を抑えつけながら腰に跨り、目の前で無毛のぴったりと閉じた秘所が、まるで生き物のようにくぱぁ♡ と広がって亀頭を食むようにしゃぶりつく。

 そのまま、一気に

「んふぅうううううううう♡」

 根元までデカマラを咥え込む。一息に最奥まで呑み込む力強いストロークの中で亀頭から竿まで返しの如く抵抗のある襞が舐めしゃぶり、最中でぐぽんっ♡ とひときわ大きな襞がしゃぶりつくようにカリ首を咥え込んでしまう。

いわゆるたこツボと呼ばれる名器の類。竿とカリ首がそれぞれ咬み合うようにみっちりと呑み込まれて、
しかしデカく漲る魔羅を咥え込んで、まだ根元まで至れなければ更に腰を落としていく。
柔軟な胎内がゆっくりと、粘り気さえ帯びて絡みつきながら拡張していき、男の魔羅の形と咬み合うように、より調整されていく。

「……どうだい、ロゥ……♡ 根元までデカチンポを捕食された気分は……♡」

 腰を軽く揺すって更に馴染ませながら、胸板にだぷん♡ と爆乳を押し付けて、その質量を味合わせる。
 ぐりぐりと子宮口で圧迫し、雄竿を劣情で煽り立てていく。

ローウェル > 愛称をつけられ、その名前で呼ばれ、目を細めたことが分かってしまう。
形状は人間ではないというのに、あまりに人間のような表情の変化。
そのせいで、捕食を始めた愉悦なのか、笑みを深くしていることすらも気づいてしまう。
この女性は同じ種族から見れば、恐ろしさを感じるほどの美人なのだろう。
そう理解してしまうほどの妖しさが、彼女の表情にはあった。

「今でも、チンポが引っこ抜かれそうなほど、気持ちいい、のに……!
 これ以上をされたら、エシーにのめり込んじゃうかもしれないだろ……♡
 お前のことを考えてしかシコれなくなったら、どうしてくれるんだ?」

極太の肉棒で口を塞がれているというのに、彼女の声が耳元で囁いでいるかのように聞こえてくる。
艶を帯びたその声は背筋をくすぐられているように心地よく。
下品な音を立てた吸引で、ザーメンを吐き出すそばから一気に搾り取られる。
まだ発射していない根本に溜まっている精子すらも引き摺り出されるような強烈な吸引のせいで、くの字に曲がっていた青年の体は逆に反り返り、腰部を突き出す姿勢で下半身ごと痙攣させながら子種汁の残滓を放っていった。

「んお゛っ♡ ぐううっ♡ ふううぅ゛……♡
 ……エシーのパイズリフェラがエグすぎるんだよ、普通はこんな簡単に2連発もしないって……!
 でもオレだって、チンポには少しだけ自信があるんだ。
 エシーのデカ乳とデカケツを見せられただけで……ほら、すぐにまたバッキバキになるだろ♡」

間を空けずの2連発で少し腰にきていたところを、彼女の膂力に敵うはずもなく、あっさりと床に転がされる。
一滴も残らないほど綺麗にお掃除フェラをされた黒々としたデカマラは、すぐに復活……どころか、ドスケベな牝を目の前にして、びきびきィ♡と血管を浮き上がらせた完全な臨戦態勢のままで。
押さえつけられた両手は微動だにさせることができず、淫猥に広がった性器の唇に膨張しきった亀頭が捕食されていく光景を、鼻息を荒くしながら凝視することしかできなかった。
このまま焦らされながら飲み込まれるのか、と覚悟した次の瞬間――

「ぐううぅうう゛う゛う゛ッ!?♡♡」

巨根は彼女の腟内へ余さず飲み込まれていた。
柔軟でありながら強靭な筋肉にペニスを締め上げられ、呻き声を漏らす。
それはごつごつと野太い肉棒にピッタリと吸い付く、お誂え向きの鞘に収まったような感覚。
あるべきところに戻った、という感覚だけで絶頂に達して飛沫を上げそうな快楽を、声を出すことでどうにか堪えている有様だった。

「……はあ゛っ、はぁ゛っ♡ さ……最高だ、ハメただけで死ぬかと思った……。
 頼むよエシー、腰を振らせてくれ……!
 デカ乳を握りながらサルみたいに腰を振って、あんたの中にザーメンを吐き出させてくれ♡」

これが町中で知り合った女ならば、何も言わずに実行しているところだ。
だが今の青年は捕食される立場。
そして、『許可を得る』ことが快楽に繋がると理解してしまった状態だ。
許可が降りたならば……捕食される立場に感謝をしながら、猛然と腰を突き上げて彼女の貪欲な交尾孔をデカマラで食い荒らしていく。

エスクレンタ > 「ああそれ私と”取引”した人は良く言うよぅ……? ♡♡♡」

 己でしかシコれない、満足できない。そう言う相手とも、普段は仲良くなるのだと。
 だが出来れば金銭でも取引はして欲しいなぁと思いつつ。

 己に搾り取られ、頭を抱え込んでいた男の身が反り返り、ヒクついて腰を戦慄かせて精を搾り取られる。
 その様に目を細めてちろちろと触腕が亀頭を甘やかす。

「何言ってんだいロゥ♡ 君は今私に襲われて捕食されているのだからね♡
 その自信ごと呑み込まれて、君は今から逆レイプで種絞りをされるんだよぅ……♡」

 跨りながら男の目を愉しませるようにだぷん♡ だぷん♡ と爆乳が弾み、尚も漲って竿を漲らせる様に”おやおや元気だねぇ”と
愉快そうに。

 そのまま呑み込んでしまえば、文字通り捕食してしまえば肉棒を締め付ける快楽に呻く男の眼前に
触腕に覆われたくちばしを歪ませて嗤う。
 そして、許可を求める。己が捕食される側で、懇願する側なのだと受け入れてしまっている。

「いいよぅ♡ まずは最初はブレインジャックしないで腰ヘコセックスしようねぇ♡
 一回魔族マンコに中出し射精したら、体位を変えて種付けプレスでも楽しもうか♡
 男を見せなよロゥ♡ でないと搾り取られて遺跡から出られなくなるよぅ……?」

 最後の言葉だけは、どこか冷えた声色で。それはそれこそ、男が先ほど口にした通りの
 死の間際にあって性の衝動を帯びることを促すように。
 そして急き立てるような男の腰遣いに、みっちりと鷲掴みにされるデカ尻が大きく浮かび上がると共に、膣内でも咬み合った肉同士がじゅるん♡ とずれて過大な摩擦を伴い、
 再びデカ尻が鉄槌の如く大きく打ち据えて肉穴を食い荒らさんとする獲物のガン掘りを制圧にかかる。

「平凡な風で♡ 腰はしっかり使い込んでるね♡ ロゥは普通より腰を据えたスタイルか♡
 相手を観察した反撃型のがいいんじゃないかい♡」

 どぢゅん♡ どぢゅん♡ とお互いの腰遣いが激しく打ち据えられる。
 食い荒らすかのような律動に対し、魔族は余裕気に律動を合わせる捕食者の振舞い。
 そのまま、柔軟な体を伸縮させて、男の頭を爆乳で包み込む。
 完全にホールドした捕食者の姿勢で、卑猥な水音を遺跡内に木霊させる。

ローウェル > 「ああ、そうだった、オレは対価として自分のことを差し出して……。
 逆レイプで自慢のチンポが勃たたなくなるまで搾り取られて、
 ブレインジャックでドスケベな体と気持ちよさを記憶の奥深くに刻まれて……
 エシーのことを探して遺跡をさまよう、哀れな発情オス猿にされるんだな……♡♡ あ、ぐっ♡」

カリ首と竿の二段構えで強烈に締め付けてくる性器の奥で、再び漏れそうになった精液を必死に堪える。
少しばかり精子の塊が漏れて子宮口に飛び散ったが、歯を食いしばってそれ以上の暴発は堪えられた。
指を広げて鷲掴みにしようとすれば、その弾力でゴム毬のように押し返してくるデカケツに、ぎちぎち♡と10本の指を食い込ませる。
人間の女性ならば、その力強さに悲鳴のひとつでも上げかねない。
だがその力は限界まで射精を堪えるために必要であり……彼女の体は、その本能めいた力など容易く、そして甘く受け止めるだろうという確信があった。

「おぉ゛っ♡ おおお゛ぉっ!?♡ チンポがっ、オレのデカチンポがっっ♡
 エシーの魔族マンコに喰われるっ……!?」

突き上げる肉棒に合わせて、どころではなく。
その動きを力尽くで捻じ伏せるように連続で叩き落とされるデカ尻。
冒険者なりに鍛えられている体は重量に苦しむことはないが、問題はデカマラの形状に合わせて襞の形が変わり、専用オナホのように肉棒を扱きにかかってくる牝性器だ。
だぱんっ♡ とデカ尻の肉が波打つ音すら生々しく、耳奥を支配されそうになる。
しかし、薄れがちな理性のなかで辛うじて届いた彼女の言葉が、青年の腰を打ち上げる周期と角度を変えた。

「ふ゛ぅ、ふうぅ゛ぅっ……!
 エシーぐらい、極上なメスだと……自分の気持ちイイところ、
 どこチンポをブチ当てられるとマンコ痺れるのかは、分かってるもんな……♡
 おぉ゛っ、ふっ゛っ、ぐうっ、ぉおおお……っ!!♡」

観察し、反撃する。
観察するのはデカマラを根本まで収めたまま、一切動かなくても心地の良い極上な牝孔の反応。
浮き上がった血管や、エグい角度に張り出したカリが擦るときに、性器が悦ぶように収縮をするポイント。
今にも暴発しそうな快楽で肉棒をパンパンに膨らませたまま、青年は反撃を試みる。
デカ尻が打ち付けられるタイミングに合わせ、狙いすました一突きをドスケベ魔族マンコに食らわせ。
押し付けられる爆乳の先端にしゃぶりついて浅く歯列の痕を残しながら、ごぢゅごぢゅごぢゅごぢゅ♡と連続で捕食者の牝孔を突き回し。

「おっぉおおお゛お゛お゛っ……!! 種付けザーメン射精るぅっっっ!!♡♡」

ごりゅっ♡と子宮口にデカマラの先端を捩じ込んで、衰えを知らない大量のネバつくチンポ汁を流し込んでいった。
下半身ごと持っていかれそうな快楽のせいで、彼女を体の上に乗せながらなお、床から体が浮くほどに腰が反り返っている。

エスクレンタ > 「流石にあいつはどうでもいいとはいえ、対価として搾り取られているんだ、ちゃんと覚えておてやりなよ……♡」

 縛られて未だブレインジャックが解けぬままの盗人を一瞥する。
 さるぐつわまで咬まされて二人の生ハメ捕食交尾を見せつけられて、先ほどから幾度となくズボンの中で空打ちしながらも
 それでも腰を蠢かせて衝動も赴くままに瞳を剥き出しにする。
 一言で言えば哀れで無様な有様。本当に捕食されてしまえばこうなるのだろうかと思わされて。

 柔軟な体は存外よく鍛えこまれた手指を受け止めてぐにぃと沈み込んで受け止めてしまう。
 尻たぶを蹂躙するどころか甘やかされるように舐めしゃぶられて、誘うようにデカ尻を揺さぶって。

 だぱん♡ だぱん♡ と尻肉鉄槌を打ち据えて男を貪って哀れな人間を餌食にする。
 自信を打ち砕く勢いで自在に蠢く柔軟ながらも硬さを伴う膣襞は肉棒の形に合わせて自在に”擬態”をして見せる。
 己の為のオナホ、そう思わせてペースを更に狂わせる捕食器官はどっぢゅ♡ どっぢゅ♡と
 更に煽り立てる、が、己の言葉に、肉棒の蠢きが変化する。

「……へぇ……♡」

 己を観察する。だが真正面から打ち据えて突き崩す様にはすぐ、重厚な手数に圧倒されていくだろう。
 だが、凡庸な男は諦めず、己の言葉を受け止めて反撃のスタイルを伴おうとした。

 この男は、ともすれば化けるかもしれない。
 そう思った矢先、

「んっお゛お゛お゛お゛っ!?」

 先ほどであれば爆ぜる頃を堪えた肉棒が打ち据えられる刹那に針を通すような一撃をかちあげる。
 絶妙な貫撃が子宮孔をうちあげて全身が淡い桜色に変じて、すぐに青色の肌に戻る。
 それは、烏賊の魔族が確かにその一突きで快楽を味わった証左だと、知識がなくとも理解できるだろう。

「やればでき、んぅううううううううううううう♡」

 刹那、爆ぜる三度目の射精の奔流をもろに受け止めてしまい、不覚にも腰を戦慄かせて、爆乳に噛みつかれながら桃色に身を染め上げて全身を震わせる。
 これは中々の掘り出し物。確かにこの男は何度か足を運ぶに値する光を秘めていると、胎で奔流を受け止める悦びに酔いしれながら。

「んふふふ……♡ ……はははは……♡ いいねぇロゥ……♡ やはりその視点は光るものがある……♡
 一突きに種付け、一度とはいえ快楽どころか絶頂を味わえるとは……♡
 ……気が変わった……♡」

 子種を受け止めた魔族マンコが、ぬぶうううううううう♡ と竿にまでこびりついた絶倫ザーメンをこそぎ落し
 呑み込んでしまいながら取り込んでいき、にゅぽん♡ と引き抜いてしまうと、
 烏賊の魔族はローブを脱ぎ落せば、床に身を横たえて大きく左右に足を広げて股を広げて魅せる。
 目の前でとろりと、青色の地肌から、秘所から、男が注ぎ込んだ子種の白がにじみ出てきて。

「一手打ち込めたご褒美だ……♡ 一度だけ、私を都合の良い精処理のタダマン扱いしていいよぅ……♡
 一回中出しするまで、ロゥの言うことを何でも聞いてあげよう……♡」

 そう言って、烏賊頭の異形魔族は誘うように両手を広げて誘いをかけて。

ローウェル > 貪り、嘲笑い、愉悦する。
発情こそ微かに見え隠れするが、艶然とした佇まいを崩すことはなかった彼女の口から、メスじみたオホ声が響く。
それは青年もよく知っている、望んだ快楽を与えられたときに女が漏らす法悦の声だ。
全身を桜色に変色させてしまいながら悶える姿は、今まで抱いてきたどの娼婦も敵わないほど淫靡であり。
メスのエロティックなアクメ姿を見てオスの本能が刺激されないはずがなく、迸った精液は濃さも勢いも口マンコに搾り取られたとき以上。

「ぐぎぃぃぃ゛っっ♡ ザーメン、止まらねっ……!!♡」

びゅばっ♡ ぼびゅっ♡ と彼女の胎内で重々しい音を立てながら、トロロのように粘着く濃厚チンポ汁が子宮を満たしていく。
その精はただちに吸収されて魔力に変換されるのかもしれないが……多少の間は、人間のザーメンを子宮に詰め込まれた感覚を味わうことができるだろう。
あまりの勢いで精液が放出されるせいで、精管に鈍い痛みを感じながら、それを堪えるためにさらに強く爆乳にしゃぶりつく。
爆乳の切っ先に勃起した乳首へ、激しい射精の並が収まるまで、乳飲み子のように吸い付き、時に歯を立てて甘く責め立てていた。

「ふ、はっ……!?♡
 正直、なすすべなくザーメン搾り取られて終わりだと思ってた……。
 けどエシーのそんなドスケベな顔を見られたなら、歯を食いしばったかいがあったな♡」

我慢をしている間に歯が食い込んできってしまった唇だが、手の甲で拭うと出血は止まっていた。
隙間なく密着してくる魔族マンコにこびりついた精子を余すところなく舐め取られ、抜け外れたペニスには一滴の白濁も付着しておらず、ただまとわりついた牝汁が薄暗い明かりに反射してヌラヌラと光っているのみ。
床に横たわった相手と入れ替わるように立ち上がると、広げられている脚の足首を掴んで彼女の頭の横に押し付け、反り返ってヨダレの止まらない発情デカマラを白濁を漏らす膣口に近づけていく。

「なんでも……そうだな……。
 エシーがイッてるところ、めちゃくちゃスケベで可愛かったから……
 オレのチンポが気持ちよかったら、オナホマンコでイキまくれ♡♡
 我慢するのは絶対禁止……それでいいな?♡」

ごっぢゅんっっ♡ 最後の問いかけは、先程見つけたばかりの泣き所を強烈にエラで抉り、子宮口にずっぽりと亀頭をめり込ませながら。
あまりの大きさのせいで脚の間からぶるんと突き出て主張してくる異質の爆乳を、左右から手を入れてめちゃくちゃに揉み犯し。
一度だけ、という約束のなかで、彼女を存分に悦がらせようと種付プレスで牝孔を食い荒らす。
まだ吸収しきれていない精液が残っていたならば、それは魔族マンコのなかで撹拌されて泡立ち、結合部から漏れてくるほどの激しさ。

「イけっ、イけっ……!♡ 冒険者チンポでタダマンされてイけっ♡♡」

エスクレンタ > 「人のイクところで更に興奮しちゃって……♡」

 子宮の深くまで覚える愉悦を味わいながら、しかしそれ以上に濃く半ば固形化したザーメンを注ぎ込み、
 過負荷の快楽に振り回される様を見て、しかし捕食しているのだからと煽るように腰をグリグリと押し付けて強要する。

「ロゥはよく観察するがそれを守ることに活用しているようだからねぇ……♡
 王都で女を抱く時はこうしなかったのかい……?」

 せっかくのデカマラを持ちながら様子を伺うようなセックス、もしくは先ほどのようなごり押しでもしていたのかと思いつつ。
 己の姿勢をまんぐり返しの姿勢に持ち込むが柔軟な体はぺたりと容易くこなしてしまうだろう。

「我慢してるわけじゃないが、いいだろう♡ じゃあお望み通り、イキまくらせてもらおうか……♡」

 自ら腰の角度を合わせてぬらつき反り返る肉棒を、子宮口で受け止める。
 だが僅かに慣れているのか桜色に染まりはしても桃色になることはない。
 自由な両腕を背中に抱き着きつつ、めり込む亀頭を咥え込むように子宮口がしゃぶりつく中、
 己の爆乳を揉みしだいて腰を押し付けてくる執拗な雄の腰遣いに目を細める。

「ちゃんと穴として使えばいいものを♡ まった、く♡」

 ひくん、ひくんと青と桜色を繰り返しながら自らも積極的に、しかし先ほどより無防備に腰を押し付けて桜色の比率が段々増えていく。
 ぐっぽぐっぽと引き締まる魔族マンコとデカマラが種付けプレスで激しく打ち据えられれば巨根と巨尻が絡み合うように激しくまぐわいあう。
 一度のオナホ扱い、それを愉しむように頤を仰け反らせて悶えて、

「ロゥ♡ 足離して♡ 組み付きたくなってくるじゃないか……♡」

 と、いわゆるだいしゅきホールドを敢行して、性豪同士が激しくまぐわいあうのだと囁いて

ローウェル > 「逆レイプで好き勝手に搾り取っていればいいのに、興奮させたエシーが悪い♡
 ぐぉ、おっ……! 漏れる……っ♡」

だが彼女の一言がなければ、こうなってはいない。
つまり肌を重ね合わせる男女の睦言だ。
人間よりも人間らしく、メスよりもメスらしい艶姿に、興奮するなというのが無理な話だ。
射精の終わり間際に腰同士が密着するほど飲み込まれ、膣肉で敏感なペニスをしゃぶられると、まだまだ精嚢に子種汁が蓄えられていることを予感させるような濃い塊が最後に吐き出された。

「エシーぐらいドスケベで頑丈な女と、オレみたいな男がそう巡り会えるわけないだろ……♡」

ぐりぐりっ♡子宮口の泣き所を探るように角度を変えて肉棒を押し付けながら、言葉を返す。
爆乳から手を離せばさらにピストンは激しくなろうが、わずかに胎内を小突かれただけでも艶めかしく震える乳肉をほうっておけるはずもない。
乳腺を揺さぶりかけるように指先を埋めて爆乳をぶるぶるっ♡と揺さぶり、膨れ上がった乳首は指先で挟んで優しく潰す。
両手を存分に動かしてデカ乳を嬲りながらも、腰を打ち付ける鋭さはほとんど緩んでいない。
甘い声が漏れるスポットを狙い、彼女の体を桜一色に染め上げんとプレスピストンを繰り返す。

「なんだそれ、可愛すぎだろ……♡
 そら、ぎゅっとしてやるから、エシーもぎゅっとしてくれ♡
 そんで、イけ♡ メスマンコでデカチンに媚びながらイくとこ見せろよ♡♡」

脚を解いた彼女と密着する。
もし彼女がそれを受け入れるなら、2度も精液を搾り取られた嘴と唇を触れ合わせ、まぐわいにキスじみた行為を加えようとした。
吸い付くような異質の肌を全身で感じ、引き締まった胸板で爆乳をぐにゅんっ♡と押し潰しながら、貪るような交尾セックスが激しさを増す。
青年のデカマラ専用に思えるほど柔軟に変形した魔族マンコは、往復するたびに精液が漏れそうな快楽を味わうが、それは彼女にしてもエグい形状のチンポに泣き所も全て抉られるということ。

「ああ゛っ、あぁあ゛っ♡ 溺れるっ♡ エシーに溺れちまうっ……!
 射精すぞエシーっ♡ 孕ませチンポ汁、どこに欲しいっ……!?♡♡」

なんて呼吸を荒くしながら彼女の顔の横で囁きかけるが、放つ場所はとうに決まっている。
ごりゅっっ♡と今までで最も深い仔袋の最奥にまでデカチンを捩じ込むと、彼女の蠱惑的な体を潰れんばかりに抱き竦めながら、力強い脈動とともに多量のザーメンを子宮へ撒き散らしていく。

エスクレンタ > 「それならアイツにも感謝すると良いよ♡ アイツみたいな阿呆がいるからまともに話をするロゥとは話せるかとも興味を持ったんだから♡
 それはオレみたいな男と言うより、もう少し積極的に動けばいいんじゃないかい♡」

 平凡と称する冒険者が性質を活かした特性を得るならば、後々頭角を現してイイ女も抱けるようになるだろうか。
 だが、抱けば抱くほど感じるだろう。人間よりも人間らしい、というのはまだまだ人間基準の傲慢で、
 様々な種族の女を抱くことがあれば、種族ごとの良さに分かれているだけなのだと。

 しかし、一度体を許せば油断して、媚びろと見せろと言い始めるのは、やはり性根は凡庸かと見定められているとも知らず。

 娼婦の如く悦んでやれば、己が弱いところを狙っているのだと腰を振る様に合わせて。
 だが、感極まって触腕の中に埋もれたクチバシへキスを施してくる様は、なるほど純粋な心根故かとも観察して、口づけを受けて。

「中にたっぷり出して頑張ってみな♡ 溺れてしまって蕩けちまいな……♡」

 良いように使わせた体に、抉っているつもりが溺れるという有様に腰を押し付けて、第酒気ホールドの姿勢でぎゅぅうううううっと包み込みながら、トドメに不意打ちで腰を震わせる勢いで膣コキ逆ピストンでトドメを刺す。

 四度目だというのに未だ濃いザーメンを注ぎ込まれながら、しかし、気づくだろう。

 既に肌が青いままだということを。

「……さあロゥ♡ サービスは終わりだ♡ たっぷりとまた♡ 搾り取ってやろうねえ♡」

 と、再び、捕食する烏賊魔族の優しくかすれて響く、脳に染み込む声で囁いて、自分が本来食われる側だと思い出すだろうか。

 その烏賊の頭が、くちばしが、ぐにゃあああああと目の前で大きく開いて、ごぷりと、頭を丸呑みにしていく。
 そのまま、じゅるうううと、肌を通り越して脳を吸い出されるような煮えた頭が流れ出していくかのような感情。
 否、感情さえも啜り出される。

 端から見れば、だいしゅきホールドから一転、うねる四肢で体を絡め取られ、頭を丸呑みにされてチンポを捕食されたような姿勢。

 思考が、自我が、理性が、記憶が、奪われていく。
 倫理さえも失って、何故レイプしてはいけないのかという疑問が浮かんでくるだろうか。

 ただ、極上のマンコにねじ込んでいる悦びだけが、冒険者の脳髄を支配していく。

ローウェル > 「ぐぁ、おおぉ゛ぉ゛っ……!!
 下から、うごっ♡ ぐぎっ、ぐうう゛う゛う゛っ♡♡
 ねちょ♡ ぶちゅ、くちゅ……♡
 最高だエシー……こんないい女、お前が忘れさせてくれないと、人間の女じゃ満足できなくなる……♡
 ぅうう゛う゛っっ…!♡」

ただの男と女になった、かのようだった。
それほどまでに彼女の肢体は艶めかしく、異種族との交流経験が浅い青年にとって、普段のセックスをより高みに持ち上げられたような悦楽を感じていた。
しかし、それは青年の経験の浅さからくる早とちりだった。
体重をかけた種付けプレスをされているというのに、下から持ち上がってくる強靭な体。
子宮を目掛けて撒き散らしている最中だった肉棒を膣コキされ、くぐもった声を漏らしながら溢れ出す子種汁の量は増していく。
だが、彼女に感じていた一種の愛しさが吹き飛んだわけではない。
ぐっと上半身を倒せば、青年を飲み込もうと開きかけている嘴に唇を押し付け、もう1度と口づけを交わし。

「ぁ、ぁあ゛、ぁああ――!
 エシー、エシーっ……♡
 チンポが溶ける……チンポのことしか……かんがえ……あ゛ぁ゛ぁっっ……!!
 ザーメンっ……♡ とまら、ね……!!♡」

強靭な四肢と触手に体を抑え込まれ、頭は丸ごと飲み込まれ、指先の感覚すらも徐々になくなっていくようだ。
視界は奪われていないはずだが、目の前にある色が青か黒かも分からない。
それと逆に明瞭になっていくのが肉棒の感覚。
表面を擦っていく牝孔の、襞の一枚一枚すらも快感として受け取れるほど。
撫でられるだけで精嚢は精子を作り出し、ポンプのように力強く肉棒が脈打って、魔族マンコの奥へ精子の塊を詰め込んでいく。

「他のことはいい、いいから……!
 お前と会った記憶は溶かさないでくれ、エシー……!!
 あがっ、っぐ、ぁあああ゛゛っ♡♡」

連続で絶頂する、というより、絶頂したままという有様。
体を押さえつけられているせいで分かりづらいが、青年の体は精液を吐き出すたびに全身が震えている。
少しばかりまだ動いた指先が、彼女の尻あたりの肌に触れた。
もっと強く抱きしめて欲しいという意思表示のように。

エスクレンタ > 「ヤらせてくれるだけじゃない女も人間には沢山いるだろうに……♡
 きちんと相手を見るのがロゥの良いところだ、そう言う事言わずにイイ女を沢山見つけなよ……♡」

 己を最高と言う時点で、まだ凡庸なセックスしかしていない、というよりは、精力が旺盛すぎる故に、
 受け止めきれる相手ともセックスをそうしていないのだろうかとも思う。
 そう言う意味は一つ先の、淫術を行使する者や人外とまぐわう上での一つ先の”交尾”とも言うべきまぐわいを始めて味合わせた相手に自分がなるのだろうか。

 願わくば、この稀有なまでの凡庸さ、それゆえのこの思わぬ一歩の踏み込み、口づけをするような在り方が掻き消えてしまわぬように。

「ほぅらいいだろう♡ 何もかもしがらみを捨ててチンポを捻じ込むのは気持ちが良いだろう♡
 さっきの力任せもこのぐらいしなきゃねえぇ♡」

 目の前の青白い肉の蠢きが広がる中、過度に肉棒が敏感になっていくだろう。
 もはや捕食されながら腰を振り立てて中出し射精、否、子種供給するような有様になってしまう。

「心配するんじゃないよ♡ 記憶や理性が飛ぶのは一時的♡ 明日元気になったら覚えてるからねぇ♡
 次は、きちんと稼いでお金で取引しておくれな♡」

 絶頂をし続けてバッキバキのデカマラが更に次の段階へ至るように赤黒く漲ってどぼびゅ♡ と烏賊魔族に精を捧げてしまう。
 その中で、指が動く。己の意志をこの濁流の如き快楽の中で抱擁を委ねれば、ゆるりと、頭をじゅぶりと吐き出せば、
 自我を失いかけているその唇へ口づけをしながら、捕食ホールドから再びだいしゅきホールドに以降して、
 戦慄く腰遣いへ密着させて。

 さて、次に来た時はその精力を活かして睦み合うような逢瀬を、相手を媚びさせず蕩け合うような行為も出来るだろうかと、
 そのただ一度の指先の動きに可能性を見出して。

「……ふう♡ ごちそうさま……♡」

 ロゥが気を失うまでそのまま搾り取り、転がしてしまえば、そのまま床に転がし、にゅぽり♡ と肉棒を引き抜いて。

 そしてその部屋の周囲に獣避け、魔物避けの香、そして一筆を記した護符を壁に貼る。


―この者 名はローウェル セピア=エスクレンタの商いに置いての客人也 今宵一晩何人も仇成すこと能わず―

 記した一文を一瞥して、手早く荷物を片付けて、転がったローウェルの頬を撫でて、
 その場に魔術で熱を逃がさぬ食事を遺し、立ち去っていく。

「次は、女の丁重な扱いを覚えるんだよぅ……♡」

 聞こえるか否か、そんな言葉を遺していくだろう

ローウェル > 彼女の声が響いてくる。
それはまるで、頭の中から囁きかけてくるようだった。
いったい、あの異型の頭のどこから、これほど艷やかで耳に残る声が出てくるのか。
その疑問も頭に湧いたそばから、泡沫のほうに消えていく。
血管が筋のように浮き上がり、一見するとグロテスクなまでに膨張したデカマラから、絶え間なく子種汁を噴き上げ続ける。
彼女が「満ちた」と手放すそのときまで――。

そして、翌日。
青年は遺跡の片隅で目を覚ます。
漂ってくるのは、香ばしく美味しそうな食事の匂い。
記憶も理性も何もかも失われる、溶けて消えてしまう、という感覚が嘘のように、彼女のとの逢瀬は隅々まで覚えていた。
なかでも鮮明に覚えていたのは、搾精を終えようとしたときに、彼女がきつく抱擁をしてくれたこと。

一連のきっかけとなった粗野な冒険者の男の姿は周囲になく、しかし足跡だけは残っており、目覚めたあとに青年のことを気にかけず、一目散に逃げ出していったのだろう。
それはそれでいい、冒険者とは臆病な面がなければ務まらない。

食事を終えて立ち上がり、街の方角を見定める。

「……また、会えるよな」

歩きながら彼女のことを思い出すだけで、少しばかり、股間がズボンに擦れて痛かった。

ご案内:「無名遺跡」からエスクレンタさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からローウェルさんが去りました。