2023/12/04 のログ
ご案内:「無名遺跡」にアドラーさんが現れました。
■アドラー > 地図を広げながら、遺跡の中を歩くのはコートの男性。
傍らには光球が浮遊しており、彼に追従して暗闇に包まれた道を照らす。
「やはりここは入り組んでいるな」
広げた地図を眺めるも、入り組んだ構造と大雑把な地図だけを頼りにしては確実に迷う。
定期的に壁に印を付けて進んではいるが、それでも進む際は慎重かつ注意深く。
途中に通りがかる魔物も可能であれば戦闘は避けて、遺跡の深部へと進んでいく
「…本当にあるのだろうか」
遺跡内にあるというアーティファクト。
今回はそれの回収依頼となっており、遺跡内へと足を踏み入れた。
魔導機械が守護していると言われるそれを目指しているが、進めど景色に変化がない。
目を細めながら、トラップや魔物との遭遇を警戒し、先へと進んでいく。
■アドラー > 「…」
曲がり角の前で立ち止まり、浮遊している光球を先行させる。
その場で足踏みをして、光球のスピードに合わせて音を鳴らす
すると
――――ガキンッ
突如、角から斧を持ったモンスターが飛び出し、光球へ向かって斧を振り下げる。
二足歩行。体毛のある犬のような人型生物。コボルトだ。
光球は切り裂かれてもそのまま光を放っており、斧の刃はそのまま地面に激突し、火花を散らす。
「そら」
獲物を切り裂いたと思っていたコボルト。
斧が空ぶっていることに狼狽えている隙に、右手にナイフを取り出し、接近する。
一息に喉を掻っ切り、心臓を2、3回突き刺す。
血に溺れながら叫び声を上げ、大量の出血を伴いながらその場に倒れる。
とどめに脳天に刃を突き立て仕留める。
「…待ち伏せるとは、侮れないな」
ナイフと服についた血を露払いしながら、息を吐く。
光や音を察知して奇襲を仕掛ける算段だったのだろう。
そこまでの知能と狡猾さを兼ね備えているモンスターが跋扈していることに改めて油断できないと肩の力を入れなおして進む。
ご案内:「無名遺跡」にノーマさんが現れました。
■ノーマ >
「んー……」
どずり、とトラップの槍衾が刺さる。
……ああ、またやってしまったかとため息も付きたくなる。
身を固めてなければ今頃穴だらけだっただろう。
こういう細かい作業は……一々気を使わないといけないから疲れるのだけれど。
流石に慎重にしようか、と思い始める。
そもそもが、遺跡探索なんて依頼、面白半分に引き受けるべきではなかったのでは?とも思うが好奇心に負けたのが悪いわけで。
「……おんや?」
少し離れたところに見える、光球。
それに襲いかかる影。
「モンスター……と、ヒト……ああ、なんだ。」
やや遠いが、目を都合して見据えれば……知った顔。
まさか、今度はこういうところでかちあうとは
でもまあ、よかった。別に手柄とかいらないし便乗させてもらおうか……と思ったが
はて、こんなときにどう声をかけたものか
「ま、いっか。なんとかなるなるー」
そう思って、あえて気配を丸出しにして足音高らかに男に近づいていった。
■アドラー > 「…」
足音が聞こえる。音からして大きさは私よりも小柄。
数は、一つ。敢えて足音を消していないのは、自信の表れか、無知故か。
どちらでも良いが、問題はこちらに近づいてくることだ。
相手が接近するまで待って、振り向きざまに切り裂くのが最適か。
そして相手が間合いに入った瞬間振り向きざまにナイフを振るうが――
「!…君か、ノーマ。」
相手の髪色、瞳の色、そして顔を確認すると首に到達しそうになるナイフをピタッと止める。
驚いたような表情をしながら、そそくさとナイフを首から遠ざけて、光球を傍らに戻してより鮮明に彼女の顔を照らして。
「敵かと思ったぞ。近づく際は声を掛けてから来てくれ。
危うく、将来の相棒を斬るところだった」
もし、刃を止めるのを一瞬遅れたら。そう考えると、冷や汗が少し噴き出て、心臓も鼓動を速める。
それを落ち着けるように胸に左手を置いて、深呼吸をしながら、彼女に頼み込む。
■ノーマ >
「あー、やっぱりアドラーだったかー。」
首元寸前で止まったナイフを欠片も意に介さず、いつもの調子で声をかける。
まるで街なかで出会ったかのような気安さである。
「いやほら、見えてたからさー。
アドラーなら大丈夫かなーって。実際大丈夫だったしー」
ちょいちょい、と先程危うく寸断しかけた首元を指す。
実際、そこにはわずかの傷もついてはいない。
「あー……まあ、その。
変に声かけても逆に迷惑っていうか、警戒させるかなー、とか。
そう思ったんだけどねー。あはは」
流石にのんきすぎた、と思い直したのか。そんな風に空笑った。
「……で、アドラーもやっぱ探索?
いやー、うちもなんだけどちょっと舐めてたなーって思っててさー」
目を凝らせば、ひょっとしたら目の前の女の衣服の所々に裂け目が見えるかもしれない。
ただ、怪我を負っている様子はない。
「報酬とかはもういいから、一緒に行かせてもらってもいい?
……うん? それだとパーティーみたいになっちゃうか?だめか」
自分で言って自分で自問しはじめてしまった。
■アドラー > 「軽すぎるぞ、ノーマ」
相手の呑気な声に目を細めて睨む。
危うくナイフで相手の命を取ってしまいそうになり、心拍数を上げてしまった自分がバカみたいだ。
もしかしたら、相手は人間ではなく、首を刎ねた程度で死なないかもしれないが
友人を斬ってしまったという事実は自身の目覚めを悪くするものになるかもしれない。
「声を掛けないほうが危険だ。
私の名前を一言でも呼んでくれたら声色で君と分かる」
笑う彼女に分かりやすくため息をつきながら、頭を抱える。
「依頼だ。探索と言えば間違いではないが…
ここの何処かにある古代の遺物を探している」
相手の衣服に目をやる。
不自然に破けているが、身体に損傷を負っている様子はない。
これは…彼女はやけに“堅い”ようだ。
「いいのか?あくまで私が単独で請け負った依頼だから、報酬は私のものになるが…
…ま、お互いの実力を見る機会としては丁度いいか。
パーティー、組んでみるか?」
以前は相手の実力がわからないから、気軽にパーティーを組めないと言った。
しかし、単独での無名遺跡の攻略も難しい。状況が状況なだけに、彼女の申し出は願ってもみないことで
報酬のことについて改めて問いかけながら、もし相手がそれでも乗り気なら…右手のナイフをしまい、握手を求めてみようか。
■ノーマ >
「いや、そうかなー。まあ……その程度で傷ついたり死ぬんなら、その程度、なんだもの。
とはいえ、驚かせた……というか、なんだろうな。心配? も、違うか。
なんにしても、困らせたのは悪かったね。うん、ごめん。」
軽すぎる、と言われて流石に反省したのか、一応謝罪する。
うーん、難しい。前は声かけて驚かせたし……
これから学ぶしかないか。
「うんうん、それそれ。古代の遺物。
どんなものか見たかったし、来てみたけれど意外とめんどくさいんだよね此処」
トラップだなんだと色々あるし……
まあ遺物以外の収穫がないではなかったけれど、それも今のところはちょっとしょっぱい。
「ん、アドラーがソレでいいなら……パーティー、しよ?
報酬とかは別にいいよ。うち、そっちはそこまで興味ないし」
そういって差し出された手に、今度は迷わず手を差し出した。
「で、そうとなったら次はどうするの?」
■アドラー > 「頼む。ノーマ」
謝罪をされるとため息をつきながらも、とりあえずは納得する。
未だにこういう感情や感覚のことは理解できていないのだろうが
一応、反省はしているみたいでそれ以上のことは言わずに。
「酒場に行く感覚でこの場所に来る君が奇異なんだよ。
…それでも、“危ない”“怖い”でもなく“面倒”なのが…君の底知れぬ所だな」
普通なら密閉された空間、暗闇にトラップとモンスターと来れば不安や恐怖が先行するだろうが
相手の変わらぬ態度と言葉に、改めて相手の底知れなさを実感する。
「では、アドラー・アリストテレスはノーマとパーティーを組んだことをここに宣言しよう。
お互いを支え合い、協力して困難を乗り越えよう。よろしく頼む」
相手の白い手を暖かい大きな手でやや強く握り、上下に振る。
そして左手を自身の胸に置き、微笑みながら相手とパーティーを組む宣言をする。
「そうだな。君の能力を知りながら、奥へと進んでいこう。
次にモンスターが現れた際は対処を頼めるか」
パーティーを組むうえで重要なのはお互いの能力を知ることだ。
相手は自分の様子を多少は見ているから分かるだろうが、こちらといえば、口頭での断片的な情報しかしらない。
次に敵に出会ったときは彼女に対処を任せようと思い、歩き出す。
すると自分らとは違う、複数のモンスターの足音が奥から聞こえてくるだろうか
■ノーマ >
「だってほら、モンスターは殴れば死ぬけどギミックとかトラップとかは殴ってもどうにもならないじゃない?
……まあ、踏めば壊れたりするけどさー」
今のところそれである程度突破してたりはするのだが、それは乙女の秘密である。
探知感知はできなくはないが、そこに感覚を割くのも面倒なのだ。
「はーい、じゃあノーマもアドラー・アリストテレスとパーティーを組むことを宣言しちゃうよー。
お互いを支え合い、協力して困難を乗り越えていこー」
同じような宣言を真似してやってみる。
ノリはだいぶ違う気がするが、まあ大体あってそうではある。
「能力、能力、かあ……うん、モンスターの対処もまあ別にいいけどー」
あるき出すアドラーについていきながら、先を見据える。
「そーだねー。じゃあまず1つ。音、聞こえてくるじゃない?
あれ、多分さっきアドラーが倒してたやつと同じ連中じゃないかな。
見た目そっくりだし」
奥の方、まだ視認しづらい闇を見て女は平然と口にする。
もし、目に注意を向ければ……色合いも輝きも違っていることに気づくかもしれない。
「で、倒す、でいいのかな?
この距離で全部は流石に難しいかなー」
ばさり、と音を立てて緩めの袖をふる。
そこから、黒いナニかが飛び出し――奥からこちらに向かってくる影が一体、醜悪な声を上げて倒れるのが見えるだろうか。
「やっぱり、ちょっと遠いか……
少し近寄らせても、いい?」
そういってこともなげにアドラーを見上げて聞いた
■アドラー > 「そこは知識と経験と直感で回避するのだがな…
破壊するという選択肢が君にはあるのか」
やはりそこら辺の罠は正面突破でなんとかしているらしい。
衣服の不自然な破け方も、避けているというよりは耐えているようにも見える。
それで無傷なのが彼女の驚くべき所だろう。
「ふふ、正式な宣言ではない…というか、昨今の冒険者は宣言をしないようだがな」
自身に合わせて宣言する様子に、子供が大人の真似をするようなものを感じて笑みがこぼれる。
冒険者がパーティーを組む上で正式な宣言ではなければ、最近はしないことの方が多い。
それでも合わせてくれるのは愉快だ。
「あぁ、恐らく複数。先ほど倒したのと同様にコボルトで間違いないだろう
…見た目?」
暗闇の奥。光球で多少照らされているとは言え、人間である自分はそこまで夜目は効かない。
見た目がわかるのか、と相手の顔を見ると、先ほどと目つきが違っていて
「!」
周囲が暗いことも相まって相手が袖を振り、そこから黒いものが飛び出たことしか視認できず。
以前、彼女は暗器を使用すると言っていた。
そうなれば、投げナイフや針などの類だろうか?今の一撃で一体仕留めたようだ。
「…君の戦いやすいようにしてくれ」
譲るように彼女の前方を開け、自分は彼女の後ろから周囲を照らす係を担当する。
彼女にとっては見えるようだが、自分に限っては暗闇の中では見ることもできず、仲間の能力も把握できない。
■ノーマ >
「うーん、その辺、まだまだ足りてないからなー。
直感、くらいならあるんだけどねえ。これから、おいおいってところかなあ」
問題は、勘が働いたところで何を指し示しているかがピンとこない、ということである。
「此処は危ない」だけではどうしても対処が遅れてしまう。
結果、踏み倒していく羽目になるのだが……
「ありゃ、正式じゃないの? しかもみんなやってないなんて……
なんか、ちょっといい感じなのになー。もったいない」
宣言がなにか気に入ったのか、そんな感想を漏らす。
まさしく、子どものような反応、といってもいいかもしれない。
「能力知りたい……って、いったよねー?
1つ目はー……ふふん。目がいい、のさ」
それは目がいい、というような領域ではない。
明らかに闇を見通していた。それでもカノジョはそのように嘯く。
「いいの? やった。
じゃあ、好きなようにいくよー。殺せ―」
物騒な言葉を、いつもどおりの声色で放ち……女は飛び出す。
光の範囲を気にしているような動きは一定の配慮だろうか。
相手方のコボルトもまた、先程の奇襲でこちらに注意を向けている。
先行した数匹が女に向かい……先刻の個体が振るっていたのと似た斧を振るう。
「……つめ」
ぽつり、とつぶやくと左の袖を振る。
その中から、爪のような、剣のような、奇妙な武器が飛び出て斧を受け止める。
その武器は光の中で、鋼に似るがどこか鈍い輝きを見せていた。
そのまま、ノーマは細腕で斧と押し合い……
「……とげ」
右の袖を振るうと、そこから杭めいて見える武器が飛び出し押し合いをしていたコボルトに刺さる。
異様な声をあげて、コボルトが苦悶した。
さっき飛ばしたのも、これだろうか。