2023/11/24 のログ
■アドラー > 「分岐点での魔物襲撃、と仲間からは聞いたが…ここに居るモンスターは思っているよりも狡猾だったようだな
捜索し、発見・救出の成否を問わず1時間経過した場合は出口で合流する手筈になっている。
君の仲間たちも同じ轍は踏まないだろう。待っているさ」
一番厄介なのは、更にパーティが分断されること、入れ違いになることだ。
そういうのを回避するため、パーティはパーティで行動してもらい、自分は単独で行動をしていた。
既に捜索開始から1時間は経過しており、事故がなければ彼女の仲間も出口で待っている頃合いだろう。
「古傷でもないのだがな。
君のような治癒術を持っていない私からすると、この手の怪我は包帯を巻いて治るのを待つしかないんだ
…もしかして、少し失礼なことを考えなかったか?」
相手の思考を読んでいるわけではないが、なんとなく失礼なことを考えているのだろうと彼女の表情と、発言から読み取る。
別にそういう黒歴史的なことは…ないわけではないが。目に見える形で残すのはもう辞めている。
「はは、急に元気だな。
乗り掛かった舟だ。ここで一人で帰れ、というのも酷だしな。一緒に行こうか。」
先ほどまで瀕死だったとは思えない言動に笑顔を見せながら、同行には快く応じる。
ちょうど自分も目標を達成したところだし、後は帰るのみだ
「…あぁ、遅れたが。
アドラー・アリストテレス。王都で冒険者をやっている者だ。
得物はナイフ…と見てもらったからわかるか。よろしく頼む」
右手を差し出しながら、自己紹介を。
この先、また敵が出てくるかわからない。お互いを知って連携できるようにしといて損はないだろう。
■ティアフェル > 「さほどの強敵……という訳でもなさそうだったけど、冒険者襲うのには慣れているらしいわね……痛いとこ突いてくるんだからもう……。
うん、ならいいわ。おっけー、じゃあ急がなくちゃね。
……ちゃんと待っててくれるといいけど、ね……」
ヒーラーたった一人で放り出されたのだからもう生きてはおるまいとさっさと見限られて時間を待たずに撤収していないといいが、とありそうな可能性に肩を落としつつ。
いつも行動を共にしている気心の知れた連中……という訳ではなく寄せ集めたパーティーだったのでそこのところは連中の良心に賭けるしかない。
一時間経過後だしまだ出口にいるかどうかも怪しいものだ。
「んー……? 回復魔法が効かない、とか? いや、あの……答えたくないことなら、全然、いいんだ!ほんと!
その歳で拗らせているとか、ない、だろう、から……あったらいいな……いや、ないのか~……詰まんないな……」
黒歴史もそこまで引き摺ったら大したもんだ、いっそ崇めたくなる領域。
しかし反問の声にどうも違うっぽい、と察すれば、残念そうに、ちぇー、と唇を尖らせていた。
イタイ人はおいしいので好きだ。というこの女も存分にイタイ。
「だって回復したもーん。気力も大事なのよ、こういう時は。
やったー! ありがとう。そうそう、せっかく助けたのに別れて即死してたらさ、助けた甲斐もないだろうし、わたしもさっき助けてもらったばっかなのになんか悪いなって死に際に思うだろうしー」
なんだか、いい人そうだったのでここで断られないような気がしたが同行を快諾してもらい、よっしゃとガッツポーズ。
ちょっと調子のいいことをのたまいながら上機嫌でにこにこと。
「アドラーさん。アドさんって呼んでい?
わたしはティアフェル。微妙に長いしティアでいいわ。
冒険者仲間ー。こちらこそよろしくよろしく。わたしか弱い後衛ヒーラー。このスタッフは得物じゃない。そしてゴリラと呼ぶなかれ」
ぎゅ、と差し出された手を両手で握ってぶんぶん振って、微妙に参考にならないような自己紹介を返した。
双方遠距離攻撃が難しいことが判明したくらいだ。
■アドラー > 「あぁ…特にゴブリンにとっては、女性の冒険者はどうしても確保したかったのだろう。
急ぎつつ、先ほどのようにはならないように罠には警戒だな。
…待っていなくとも、私と一緒にギルドに到着すれば君の分の報酬は受け取れるだろう。焦るなよ」
彼女のパーティ仲間と出会った時の焦燥感は彼女を見失ったというより、回復役が居ないということに焦っているようにも見えた。
恐らくは即席のパーティ、相手の心配よりも自分に回復が来ない心配、ということだろう。
撤収され、ギルドで依頼主に報告し、事務処理をする段階で間に合えば彼女の分の報酬も用意されるはずだ。
今は焦らず、出口を目指そうと彼女に微笑みかける。
「回復魔法は効く。君と同じで依頼中にゴブリンに攻撃を仕掛けられたんだ。隠すほどのことじゃない
…あまり揶揄うのはよして貰おうか。」
相手の疑問に端的に回答していく。
が、最後には関係ない質問になり、唇を尖らせる彼女の頭に軽くチョップを当てようとする。
表情自体は笑顔で、怒りというよりも年下の妹を叱るような感覚で。
「元気だし、よく喋る。ふふ」
こういう天真爛漫さは見ていて、こちらも笑顔になっていく。
自分よりは年下であろう様子を見ると、妹などが居たらこういう感覚だったのだろうかと思案する。
「…あ、あぁ、問題ない。ティアだな。記憶した。
いずれ共に依頼をこなすこととなったら頼りにしておく。その時は、私より前に出るのを控えてくれると嬉しいかな」
先ほどの戦闘を見て、彼女のファイトスタイルはなんとなくわかった。
熱しやすい性格故に恐らく後衛のヒーラーには向いていなさそうだろう。それをあえて全否定はしないが、やんわりと優しく咎める。
そして…
「…アドか」
初めて言われた愛称を復唱し、やや心のつっかえていたものが取れたような気がする。
■ティアフェル > 「そうなったら舌噛んで死んだ方がマシだわ。
焦らず走らずゆっくり落ち着いて急いで行こう……いやムズイな。
えー? だって「わたしを置いてくなんてひどいじゃないのー!」のくだりはやっておかないといけなじゃないっ」
悲壮感ゼロ指数で真面目にのたまった。詰ってシーフとかリーダーに「ごめんよ不甲斐なくて」まで云わせるのが冒険、とおかしな持論を翳し。
正直見捨てて行かれたところで大してショックも受けない。だろうなと納得するばかりだ。自分も冒険者なのだから分かること。自分の身の安全を最優先にするなんて当然極まりない。
それよりも、こうして見ず知らずの連中に云われたからってわざわざこうして足労してくれた彼の方が珍しいくらいだ。
落ち着いたように微笑を向けられて、いい人だ。騙されませんようにと胸中で祈り。
「じゃあ、回復してもらいたくないのは見ず知らずのヒーラーの腕は信用ならないってこと?
やたらに包帯を巻いておくと誤解を生むってことですよ、ミスター」
にやりと口角を上げた笑みを見せながら本気で怒られていないのでそんな風に返し。
頭頂に手刀を喰らうとアホ毛を揺らしてそれこそ冗談めかして嫌がり。
信用云々については、まあ現状信用する要素などありはしないので当然の反応とは理解しつつ敢えて口にした。
「こんなところで辛気臭くしてたら気が萎える一方よ。
熊避けみたいなもんよ。小物は寄ってこないわ」
暴論めいた自論。別にうるさいとか鬱陶しいとか黙れとかそういう身も蓋もない科白もいただかないのをいいことに、笑うと結構親しみやすいな、と感じながら長躯の同業者を見上げ。
「よし、んじゃアドさん無事に生きて出ましょうね。
むしろ咄嗟に盾にしたらごめんね。怒らないでね予め云っておくね。
――だけど、あなたにヒーラーは要らないならわたしは頼りにならないと思う」
正直、今は自分の身の安全の為にも前衛を担ってもらう相手の動きの障害となり得る傷は治しておきたいところだが。それは遠慮されるので、無理にどうこうしようという肚はないが。
この調子では別件で組んだとしても役割を果たせない。
そして前に出るのも困るそうだ。少し困ったように眉を下げてうーむと小さく唸り。
「ん……? どうかした? 取り敢えずここ出よっか。罠の検知とかはできる?」
反芻している声は独り言のようでよく聞こえなかったように首を傾げつつ。
ともかく前進すべし、と彼もくぐった唯一の出入り口の方を向いて。
■アドラー > 「はは、そうはならなくてよかった。
難しく考える必要はない。やってきた脅威に一つ一つ対処すればいいだけの話だ。
…なんだそのくだりは。冒険者をやってそこそこ経つが、そんなくだりやりたい人なんて見たことない」
小説の一幕にありそうな表現。それを持ち出すと眉間に皺を寄せて夢のないことを言い放つ。
助けを求めている人が居て、助けられる力を自分が持っていたとして、それで救う選択をしなかったら、きっと心に悪い影を落とす。
自分は周りよりも強いという自覚は持っている。ならば、それの振るい方を間違えないよう生きる。
二度と後悔しないように。
「そういうことじゃない。単に治りかけているから更なる施しは必要ないってだけだ。君の魔力も無限じゃないだろ?
仮に私が瀕死の重傷を負ったら君に頼るかもしれない。…誤解も何も、怪我には包帯じゃないか?」
傷に関しては、この後また襲われる可能性も考慮し、魔力を温存するという意味で断ったのだ。
別に彼女がこの期に及んで裏切るとは考えていない。かといって、状況が状況なだけに、全面的に信頼を寄せているわけでもないが。
そして、誤解という言葉にはクエスチョンマークを頭上に浮かべながら、首を傾げる。先ほどの失礼なことを考えていたのとつながるのだろうか。
「あぁ…ふふ、そうかもな。
大人数だと誤解して襲うのを躊躇するかもしれない」
相手のまくしたてるように述べられる自論に小さく微笑んで返す。
彼女の透き通る声と自分の低音は遺跡内に響き、モンスター相手に逃走という選択を迫るだろうか。
多くの場合は狙われる危険性の方が高いが…
「私を盾にするのは構わない。むしろ、君に前に出られたときが困る。
ほかの術は使えないのか?壁を出したりとか、閃光とか」
回復魔術以外の別の魔術は使えないのかと問いかける。
神聖魔術の中には、透明な壁を作ったり、閃光で目くらましをするものがあると聞く。
その系統は無理なのか、と。…使用できるならば先ほどの場面で使っていたのかもしれないが。
「…あぁ、なんでもない。大まかに罠の種類や設置が予測できそうな位置はわかる。
任せてくれ」
彼女と共に出入口の方へ向かう。
途中、罠を解除したり、他愛のない話をしたり、モンスターの襲撃に対処しつつ、二人で協力して遺跡からの脱出を目指した―――
ご案内:「無名遺跡」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からアドラーさんが去りました。