2023/11/02 のログ
ご案内:「無名遺跡」から『嬲る者』さんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にさんが現れました。
> 無名遺跡、その中でも深い位置にある自然の洞窟を思わせるような空間がある。
中央に大きく水が張られているような地下水による泉に、その周囲は苔などが生息しているのが見て取れる。
そんな空間の上方を見上げれば、大きくぽっかりと開いた穴。
その穴から流れ落ちる水が、この泉を造り出しているのだろう。

そんな水の流れ落ちる穴から、水以外の何かが流れ落ちてくる。
それは流れ落ちる水と共に泉へと落下していき…

「あれ?やっと出口に到着ですかねぇ?
…あ、大きないずm」

それは、落下中であるにも関わらず、のんびりとした口調でそんな呟きを漏らす。
その呟きは、そのまま泉の中へと着水し、盛大な音と共に水飛沫を周囲へと撒き散らす事で掻き消えた。
水が張られている泉とはいえ結構な高さ、それなりには痛そうな感じもするのだが…

> 大きな波を起こし、それは次第に収まっていき、小さな波紋になって、泉は元の姿を取り戻す。
が、中央、先程何かが落下した辺りから、ブクブクと泡が立ち始め…ザバッと落ちた誰かが浮き上がる。

「ただの落とし穴と思ったのに、あっちこっち滑ってしまっていったのは予想外でしたねぇ。
あれじゃ、戻るのはちょっと難しそうですかぁ」

それは一人の黒髪の少女。
ただ、浮き上がって更に水の上にまで姿を現せば、その水面にフワリと着地。
水の上を地面の上のように歩いていき、そのまま泉の畔へと到着する。
もっとも、やはり水の中に入ったのはあってか全身はずぶ濡れだ。

体に張り付いた黒く長い髪、周囲を見渡すのは同じ黒い瞳。
ぐっしょりと濡れたワンピースドレスに、これも濡れてしまっているが肩に下げている鞄。
一応ここは遺跡なのだが、どう見ても散歩かどこかに向かうような格好の少女であった。

> 「うぅん、ここはぁ…洞窟みたいですねぇ…
さっきまでは遺跡でしたから、あの落とし穴がここに通じてたんですかぁ」

ここには遺跡探索の護衛として付いて来た。
よく分からないが、何かを探していて見付けて、その帰り道の途中だった。
やる事もやって後は帰って報酬を受け取るだけ、特に大きな戦いもなく、楽な仕事だったと…そんな話を同じく護衛を受けた冒険者の人と話していたところ、うっかりこの罠に引っ掛かってしまった、との流れである。

確かあの辺り、奥へと向かう途中に足元に注意と言われていた気がするが忘れていた。

「とりあえず、まずは戻らないとですねぇ。
……洞窟ですし、どこか出口に通じているに違いないでしょう」

ゴソゴソと鞄を開いて中身を確かめるのだが、やっぱり着替えも濡れていた。
どっちも濡れてるならこのままでも良いか、そんな結論を導き出した少女は、濡れたままでその場を後にする。
進む先が出口に向かっているのか、更に奥に向かっているのか、それは分かっていないのだが。

ご案内:「無名遺跡」からさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にリフィエルさんが現れました。
リフィエル > 「──えーと…こっちでしょうか。」

(幸運にも魔物との遭遇を避けながら、通路を進み踏み入れたのは地下に広がる大きな広間。きょろきょろと不思議そうに周囲を見渡しながら迷宮の奥へと足を踏み入れる。好奇を抑えきれないのか、背中から伸びる長い翼はぱたぱたと揺れていて。纏う神気は周囲に天使の気配を伝え、天使の身体から放たれる淡い光は広間の闇を引き裂き、天使の少女が向かう先を照らしていく。)

ご案内:「無名遺跡」に『嬲る者』さんが現れました。
『嬲る者』 > 眩い存在と言うものは、闇の存在すら引き寄せてしまう。
無名遺跡の物陰で休んでいた一体の魔物が、地下空間に入り込んだ神聖な気配を察知し、目を覚ます。
おまけに身体から放たれている薄明かりと、背中から生えている天使を思わせる羽。
全てが魔物の興味を引いてしまう。

(…ふうん、結構可愛いじゃない。)

無名遺跡には数多の冒険者が現れるが、流石に天使の類は珍しい。
魔物は地下空間内に点在する瓦礫の陰に隠れつつ、少女の元へ近づいていく。
多数の触手を持つスキュラだが、遺跡の構造を知り尽くしているだけあり、音を立てずに近づく術を知っていた。

リフィエル > 戦いに慣れている訳でもなければ、気配を殺して這い寄る魔物の影に天使少女は気付くこともできず。困惑したような、好奇心を滲ませたような表情で遺跡の地下に広がる空間を彷徨い歩く。神聖な魔力と淡い光、そして背中の純白の神翼が波打つ音を響かせながら。

「──ん。…あれ、なにか…」

波打つ背中の翼がぴくんと震え、少女は不意に立ち止まり周りを見渡す。近づく魔物の魔力を探知したのか、辺りをきょろきょろと見渡している。魔物の正確な位置を把握したわけでもないけれど、警戒するように壁際に背を寄せ、ごくりと小さく喉を鳴らして周囲の薄暗闇を観察しようとして──。

『嬲る者』 > 遺跡の中での動きを見ていれば、少女が熟練の冒険者や戦士のそれとは異なることが分かった。
魔物は静かにほくそ笑みつつ距離を詰めていく。
少女の身体から放たれる光は魔物に警戒心を抱かせるには十分すぎる程。
弱い魔物ならば少女が存在に気付くよりも先に逃げ出していたことだろう。

(…気づかれた!?)

少女の足が止まり、魔物は息を飲む。
どうやら少女は周囲を見渡し、他者の存在を確かめて居る様だ。

魔物は瓦礫の背後に身を隠しつつ、状況が動くのを待つ。
少女の右側にいる魔物だが、触手を伸ばしたところで僅かに届かない距離。
逃げられてしまえば元も子もない為、少女に隙が出来るのを伺う様だ。

リフィエル > 背中の神翼が輝きを帯び、天使少女は暫し壁に背を付けながら周囲を観察する。種族の特徴かその華奢な身に内在する魔力は相当のもの。隠形に長けた魔物の幽かな瘴気すら感じ取り、天使少女に気付きを与えることになる。けれど──

「──きのせい…かな…?」

その天使の魔力を扱うには少女はあまりに幼過ぎて。少女は銀髪を揺らし小さく小首を傾げ乍ら、再び壁から離れて歩き出そうとしている。修道服の剥き出しの背中を魔物へと晒し、翼を波打たせながら再び歩き出す少女は魔物の接近に気付いていない様子で。