2025/02/10 のログ
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ >
戦場
アスピダは昔は今をときめく血の気が多い者達の一際集まる場だった。
だが、今ではもう何度目の冬が過ぎただろうか。
うっすらとした雪が白く色づかせている大地。
ここが積雪で不可侵領域と化していたらもうクシフォス・ガウルスが煮詰めているなにかしら
その一計が進めていかれるばかりとなっていたに違いなかった。
メイラ自身も、タナールやゾス村周辺
以前の地盤変動で起きたタンジョンの入り口が増設されてしまったことによる魔物の散発的な出現
それに参じることが多くなってしまっていた。
今の入ることすら叶わないアスピダ
もはや“アスピダに入らせろ病”で止める周囲を殴り飛ばしてでも行こうという気すらない。
極めつけは魔導機械エイコーンによる、一対一では不利になる結果しないとわかってしまったアレだ。
盗賊も減り、傭兵も得体のしれない状況に足を鈍らせる。
範囲を調子づいて広めようとしないかぎりは、無理に刈り取る必要もなかった。
都市には近づけば魔導機械型迎撃装置
内部への侵入を拒む結界と城壁。
以前は恐れ知らずに近づいて、色々とこなしていた身も今は響きもしていなかった。
――――が。
■メイラ・ダンタリオ >
―――音
今のアスピダ戦線城壁外山間部
魔導機械迎撃を必要としないエリア
無理に人間傭兵も出張る必要が少なく、城門へと別ルートへと出入りしてしまえばいいといえる空間。
なにせ其処では届く対象は狩って駆って刈って齧り尽している。
薄く積もっている白は赤が飛び散る場所が其処ら彼処にある。
其処で、音が響き渡っている。
無数の音 硬くて 重くて 大きくて、それらが何度も打ち合う音が聞こえている。
音、音、音、音
まるで金属が撓んだかのような波状の響きが上がる現場は、骸と赤が目立つ薄雪の大地
そこで攻防を繰り広げている、異形の女兜を身に着ける黒真銀の全身甲冑
両手に携えた身長を超える丈と胴体を隠すほどの身幅の非特大剣
それが、何度も火花を剣花として散らす鋭い攻撃と防御。
エイコーンの特性上、相手よりもわずかに上回り続ける技術という点
それを今まで接するだけ無駄だとしていたメイラが、迎撃範囲以外でこうして打ち合い打ち合いを続けることで
悲鳴の上がる体 盛り上がるまま緩められない両腕の筋肉
兜越しで目の挙動が止まらない赤い二つの視点。
何がメイラの胸の内に火をつけたのか 倒すことができないまでも、それを利用して飢えている力への欲求
それの糧にせんと、先ほどから剣撃が止んでいなかった。
ついてこれる者はおらず、できるのはタイミングを計ることのみ。
「――――シィィィ゛ィィイ゛イイイ゛イイッッッ!!」
右 脇 胸 足
間合いの長さも相まって、届く範囲で防ぎ切りつけ、しかし古代鍛鉄でも魔導機械金属を断ち切ることは難しく
間合いを一度取るように切りつけるではなく、突きの動作で飛ばしの要領で押し込むと足の摩擦が雪と相まって後方へと下がった。
■メイラ・ダンタリオ >
―――いや、正確には数人、エイコーンに死角や背面から叩き込む者
ヘイトすら移動させる者すらいる。
メイラと似た者同士は、少なからずいる。
数年前ならいざ知らず、今ではメイラと肩を並べ駆け抜けようとする者だって。
これがメイラが混ざる一団での、強烈に痺れ伝わった狂奔のような気狂いだったらメイラだけだった。
周囲は足場崩しや罠張り 鎖と鉄球を用いた縺れ技など絡め手しかない。
それについてくる者らがいることで、破壊欲求と同等の自身へのより高みを求める飢餓にも似た何か。
それが必死に動かし続ける両腕とは違い余裕めいて思考させている。
全ては あのお方の為。
全ては あのお方の為
頭の中で巡る行動原理は未だ枯れ果てることはない。
魔族とブレンドされたこの身体は未だ止まること老いることを知らない。
まだ高みへと至れるはず 掛け下がるだけの老いに任せた兵とは違う。
「お前ごときお前如きオマエゴトキナンガニィイウイウウウウウウウウアアアア!?!」
狂いが見え始める言動と共に、体は冴え頭は血を欲し、鎧が呼応して未だ冷めと反動を与えない。
破壊できなくても 勝てなくても “負けない戦い方” なら幾らだってあると言わんばかりに
剣撃の果て、 擦り切れた内側の手革から血が滲み始めたのがわかるほどの中
聞こえるのは噛み締めた自慢のギザ歯が織りなす 耳障りな異音。
「―――ッッ!!」
歯軋り一回 二回 三回
それと共に力が増産され、瘤は堅くなり、足場関節部位を狙って逆側から一撃。
転倒目的で加えた一打と転倒。
山間部により横転を繰り返すそれを見ながら、外側に反り返った乱杭歯の並びが目立つ兜
其処から左右に細く、細く、フシュウッと白い濃い吐息が熱量と外気温差で色づいて吐かれた。
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。