2023/11/03 のログ
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 蒸し暑かったアスピダ 血肉の匂いが鼻の中で何度も転がってくるアレ
 だが今ではそれも薄い 凍てつくような寒さが早朝夜間で襲ってくることも増え、白い吐息も目立ち始める
 空気が薄くなるほどの頂ならもっとその白は、濃くなるだろう
 昨年の白と霜がちりばめられた地面の上 広がる赤をふと思い出す。

 あれからまた一度、年を重ねたと自覚した今

 まだクシフォス・ガウルスを仕留め切れるに あの首にこの剣を届かせる場所にいないのだと。



   「―――ハァァァァァ…、…。」


 裏返るような乱杭歯の列が並ぶ異形の女兜から、生暖かい吐息が零れ聞こえる。
 黒いそれを身に付け、黒い鎧に身を包み、黒い革の外套が背中を覆う。
 右手に握りしめる非大剣は、そこらで二つに分かれた肉塊らの痕を示すように
 一振りするとともに、地面の上に三日月を描く飛沫の跡
 鉄塊の身幅に残る血糊が、どこから始まりどこへずれ切って、千切れ飛んだのかがわかる。


  「エイコーンが増えてから、ここも静かになりがちですわね。」


 息をひそめてエイコーンを相手にするより、人狩りにしたほうが精が出る
 傭兵や冒険者を相手取るならともかく、エイコーンではメイラのような
 一部規格の螺子が外れているかのようなケダモノでもなければ数合打ち合うことすらできない。

 “簡単に倒せるようにはできていない”

 という側は伊達ではないのだ。
 それが人間も亜人も、王国側をまるで獣のような、狩人のようにすらさせている。 
 

ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。