2025/05/16 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」に宿儺さんが現れました。
■宿儺 >
──山賊街道で賊を襲い、連中の戦利品を戦利品として戴いた、その帰路。
道なき道、九頭龍山の山中を駆ける女鬼はふとその脚を止める。
「火竜…の類ではないか」
焼け跡にも似た、何らかの生物が移動した痕跡。
この山に住処を移してそれなりに時を経たが、其れでも物珍しい。
戦利品の中にあった葡萄酒の栓を抜き、ぐびりと呷る。
山に住まう火竜の類とてその歩みを焼け跡にまではするまい。
──何らかの特異な生物。それも有象無象でない。
■宿儺 >
全盛の力と肉体を取り戻し、丁度喧嘩相手も欲しいと思っていたところ。
無名遺跡の洞穴、人間と魔族が戦乱を続ける砦、とあちこちに遊び場を移してはいるが。
そう、此処のところ血湧き肉躍るような相手と巡り会えてはいない。
そんな闘争本能を燻らせている女鬼にとって、何らかの異形が遺しただろう不穏な痕跡には沸き立つものがある。
「どうれ。追ってみるとするか?」
ご、ご、と。
葡萄酒を丸々一本飲み干して、瓶を焼け跡となったその痕跡へと放り捨てる。
葡萄の酒は喉を灼かず、甘く芳醇に身を満たす。
気分もよく、よろ酔う女鬼はその痕跡を辿るように山中を進んでいった。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」から宿儺さんが去りました。