2024/04/29 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にクリスティーナさんが現れました。
■クリスティーナ > 【街道沿いのしなびた温泉宿にて】
■クリスティーナ > 九頭龍山脈の間を縫うように走る街道の傍らにある温泉宿……というよりは湯治場とでも言った方がイメージしやすいかもしれない。
周囲の自然に半ば同化しかけている掘っ立て小屋と炊事場、馬小屋。
金を払えば食事も出る。
そして暗闇を怖がらずほんの少し歩けば川沿いに温泉が湯気を上げている。そんな場所だ。
普段なら旅人が雨をしのぎ獣を避けるために利用するだけの場所なのだろうが、今日は少々様子が違った。
旅の芸人一座が宿泊していたのだ。一夜の宿を求めて集まった10人程度の宿泊客たちは
宿の脇の開けた場所に車座になり、手品や歌、曲芸などを披露している。
クリスティーナは酔いやすいだけが取り柄の焼き酒を唇をしめらせるように少しずつ飲みながらそれらに見入っていた。
ここ数日は野宿を続け、少し疲れていたし、少し人恋しくもあった。
山中に澱む霧の中、久しぶりの喧騒を楽しむ。
「あ……」
そろそろ、彼女の出番だろうか。初めから気にはなっていたの、どこか砂漠の国の衣装を
思わせる、ほとんど全裸と変わりないような下着と細い金の鎖に宝石をあしらった踊り子。同性から見ても彼女はとても艶めかしかった。隣の客に倣っておずおずと口笛を吹き、踊り子を出迎える。
■クリスティーナ > 焼いたクルミと干しブドウを口に放り込み、ゆっくりと味わいながら催しが始まるのを待つ。
美人だ。ぷっくりとした唇に引かれたルージュがやけに印象的だ。その豊かな乳房が
踊りの鍛錬で培われたであろう尻が粗末な楽器で奏でられる伴奏に合わせて蠱惑的に揺れる。
その踊りは当然ながら、美しさと同時にどこか男女の交わりを連想させるような蠱惑的なもので。
引き締まった腰が滑らかに円を描き、流し目が観客たちの視線を捕らえる。
時にはゆったりと、一瞬静止して。そして激しく炎の様に体全体を躍らせる。
焚火に照らされた褐色の肌には大粒の汗が浮いている。その表情は
どこか恍惚としていて……
「はぁ……」
思わず、行き場のない熱が籠った溜息を吐き出しながらクリスティーナはそっと内腿をこすりあわせた
■クリスティーナ > 踊りは性行為を模したような、膝立ちでの淫らな揺れるような動きから、跳躍を伴う激しいものへと移り変わる。
長い髪が彼女の回転に連れられてくるくると踊る。膝ほどの高さまで
つま先が浮き上がり
彼女の体重を感じさせない軽やかな着地、そしてまた回転。
歓声は最高潮を迎え、口笛や手近なものを叩いて客たちは興奮を表現する。
大一番のジャンプを終え、踊り子は彫刻の様に動きを止め、周囲は静まり返る。
続いて沸き起こる拍手と喝采。踊り子は口づけを落とした指先を
観客たちに向けながら、客の前をぐるりと一巡する。
「っ」
口を閉じるのも忘れて見入っていたクリスティーナと目が合った
踊り子はくすりと笑いウィンクを一つ。
なんだろう、そんなに間抜けな顔をしていただろうか。
客たちのうち数人が指を立て、価格交渉のようなことをしている。
まだ旅を初めてそれほど立っていないが
恐らく夜伽の価格交渉だろう。
「ん……」
なんだか見ているだけで自分も汗ばんでしまった。残った焼き酒を煽りながら、宴の余韻を楽しむ。
このまま寝るつもりだったけれども、温泉で汗を流そうか。いや
少し距離があるし危険がないとも言い切れない。お湯を貰って
体を拭うだけにするか……なかなか悩ましい所である。
クリスティーナは腰かけに座ったまま、ぼんやりと霧に包まれた暗闇と掘っ立て小屋のような宿を見比べた。
■クリスティーナ > やっぱり、汗を流しに行こう。そう思い決めて立ち上がろうとして初めて女性の敏感な部分に血が集まっていることに気づく。下着に擦れて
喉を小さく震わせ、やがて何事もなかったの様に歩きはじめる。
彼女の踊りの熱気にあてられてしまったらしい。服はそのまま、手ぬぐいとカンテラだけを手に
宿から離れていく。温泉迄の道のりは下り坂で、1、2度道を折れれば木立も深く宿の灯は見えなくなる。
これは……少し怖いな。獣や野党も多いと聞いており今まで警戒は
かなりしていたのだが
お祭り気分に少々気が緩んでいたようだ。小さな小枝を踏み折る音を響かせながら、クリスティーナは
歩みを進めた。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にグスタフさんが現れました。
■グスタフ > 湯治場に旅芸人一座が来るとかなんとか盛り上がっていたが
あまり興味なく古傷を癒しに男はそこを訪れていた。
宿から温泉に行く道の先に、おぼろげな光を見つけた。
女性が一人ふらふらと歩いているように見える。
男は我知らず足音を殺して近付いて声を掛けた。
「お嬢さん、流石に夜道の一人歩きは不用心だな」
声を掛けてから、こんなところで声をかけられるのも怪しまれるかと
騎士の腕章を見せて、怪しいモノじゃないと示しながら
相手の肢体を上から下まで観察してしまう。
「ま、何かの縁だ一緒に行こうじゃないか」
彼女をエスコートするつもりで腰に手をやり、勝手に一緒に行こうと決めて。
■クリスティーナ > グスタフが足音を殺していたこともあり、また前方から聞こえてくる川の音に気を取られていたこともあり
その気配に気づいたのはグスタフに声をかけられるのとほぼ同時だった。
「っ……あ、今晩は」
振り向いてカンテラを向けながらやや緊張した声音で挨拶をする。
先程の観衆の中に見た顔だ。騎士……団員なのだろうか。少し警戒
していたが、腕章を見せられ、少しほっとしたように顔が緩む。
「少し、失敗したかなと思っていたところで……うれしいです、是非」
男装が似合いそうな凛々しい顔立ちだが、人懐っこい笑顔はどこか子供っぽさも残している。
隙が多いともいえる。服装は簡素だが生地はいいもので、立ち居振る舞いや言葉遣いも丁寧だ。
どこか育ちの良さを隠せないでいる。腰には帯剣してはいるもののどこか古びて陰惨な気配を漂わせていた。
「っ」
腰に手を回されれば僅かに頬に朱が差すが、振り払おうとはせずそのまま歩きはじめる。
「旅の方、ですか?それとも湯治に?」
■グスタフ > 動向の意を得られて、男は嬉しそうに大胆に手を回してきた。
彼女の質問には、密着するほど近くに寄ってから腹をまくって見せる。
「湯治。古傷が疼いてね」
大きな傷跡だ。すでに体の一部として刻まれている傷。
鍛えられた腹筋と、ゆるい服装で、下半身も半ば見えているような状況だったが。
「おっと、失礼。余計なものまで見せたかな?」
身体を服の下にしまって彼女のペースに合わせて歩きながら訊ねる。
他愛もない話をしながら、彼女の身体を確かめるように指がなぞる。
「君こそ、一人でこんな夜更けに……顔に似合わず」
ぽつりと最後に付け加えるように呟いて。
目的の場所に辿り着いた。扉を開きながら、誘うように告げる。
「まあ、ちょうどよかったよ。俺も一人でどうしようかと思ってたしな。入ろうか」
■クリスティーナ > 「っ……!?」
殆ど密着したような状態になりさすがに少し慌てるが、どこか振りほどこうとすれば離してくれそうな
絶妙な力加減で、恐怖はなかった、これはナンパされているのだろうかと寧ろどぎまぎしてしまって。
「!?」
そして露わになる岩肌の様に鍛えられた腹筋。鼠径部迄視界に入り失礼な話だが……
いわゆるガン見をしてしまった。かすかに感じる異性の体臭に体温が僅かに上がる。
「え?え?いえ……そのっ、寝る前に汗を流そうかと」
まさか、誘っていると思われたのだろうか?いやまんざらでもないのだが。
そんな風に見えたのか聞いてみようかと混乱しているうちに、あばら家のごとき脱衣所につけば、流れに身を任せ、クリスティーナは
グスタフとともに扉をくぐった……。
■グスタフ > 【移動します】
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からクリスティーナさんが去りました。