2023/11/26 のログ
朧月 > 「そう生きてきたんだ、簡単にバレてしまったら困るだろう?
ま、鬼って時点でまずは警戒されてしまう為の…ってヤツさ。
よっぽど出来るヤツじゃないとバレないしねぇ」

彼女の言葉に満足そうな表情を浮かべる。
鬼は大酒飲み、だからと常日頃から酒を飲み、常に酔っ払った相手を警戒対象とするかどうか。
よっぽど達者な相手でなければ難しいだろう。
こうして、彼女の様に目の前にしなければ。

「…勿論、そのつもりだった、って言ったら?
私からすれば、寧ろ誘ってきたのはアマツキ、お前さんさ。
あんな事を言われてしまったら、試したくなってしまうってもんだろう?
私が、お前さんに覚えられるのか、忘れられるのか…どっちだろうってねぇ」

勿論だが自分としてはやれるなら、その機会を得られる事を望むだろう。
そうした機会を作ってくれた彼女には、ある意味ではありがたく感じているものなのだ。
理由を与えてくれ、そして、自分の言葉に応えてくれるならば…

「その時は、私の居ないところでやって欲しいものだ。
私がそれを見てしまったら、きっと止めてしまうだろうさ」

そこまでの言葉を交わし終え、次の一杯ずつをお互いの器へと注ぎ込む。
何杯目であろうか、その頃には野鳥の肉も無くなっているだろう。
まずは自分が、それをグイッと一気に呷れば。
彼女へ、そしてこの洞穴の外へと、意味深な視線を送ってみせるのだった。

天ツ鬼 >  
然り、と酒を呷る

「そのような見目では誘蛾の如く人の雄も寄るであろう。それでバレたりはせぬのかー?」

くく、と嗤いつつ大分酔いが回ってきたのか眼が座っている…

「──呵呵、面白い。
 とてもそんな気性には見えぬ貴様が如何程か、興味しか湧かんわ」

なみなみと注がれた器の酒を一気に煽り、行儀なぞ気にせず深く吐息を吐いてみせ…

「その時は力ずくで止めてもらうも一興じゃな。肉といい酒といい馳走になった。
 礼ばかりではないが、本気で叩かせてもらおうぞ♡」

まるで遊びを前にした子供のように笑みを浮かべ、立ち上がり視線を合わせる
酒盛りの間に雷雨も止んだであろう、外を見据えて──

朧月 > 見た目に誘われ寄って来る人の雄。
鬼が雄に望む事が何であるのか、それを理解していれば、その結末も予想は出来る事だろう。
彼女の言葉には、それに応える様な楽しげな笑みを向ける。
そんな事、言わなくても分かっているだろう?と、言わんばかりに。

「見目はどうであったって、結局は鬼は鬼って事さ。
お前さんの興味と期待、応えられるかどうかは…ま、すぐに分かるだろうねぇ」

空になった器を地面に置いて、ユラッと見た目は危なげに揺れて立ち上がる。
フラリフラリとやはり危なげな千鳥足で歩いて外へと向かうのだが…
しかし、お互いに言葉を交えた後で、それを踏まえてしっかりとこちらの動きを見ていたならば。
酔っ払いらしきに見える動きも、行くべき先には何かに寄り掛かったり転んだりする事もなく進んでいるのが窺えるだろう。
足元にどれだけ凹凸があったりと歪になっていようとも。

そしてまずは自分が雷雨は去るも、まだ残る少し強めの風が吹く外へと出た後に振り返って。

「さぁ、月見の酒ならぬ、月見の喧嘩と洒落込もうか」

空を覆う雲が強風に流される夜空をバックにし、楽しそうにこれからの喧嘩の相手を迎える様に。
やって来るその姿をこちらも見据え、そう言葉を投げ掛けた。

天ツ鬼 >  
言うまでもない、という笑み
その笑みに返すは同じくして笑みだろう
聞くだけ野暮であったか、と千鳥足で洞穴を抜ける鬼を見遣っていたが
弥々見事。ただの酔っ払いに非ずであることが十二分に伝わろう
これだけ酒に酔う鬼も珍しいものと、先に出た少女鬼を見据えれば
雨上がりの月を背負った見目麗しき鬼は実に絵になろう
やがて薄暗い洞穴を抜け、女鬼も強風吹き荒ぶ山肌へと姿を現す

月明かりの下、その鬼の姿はよる屈強な体躯にも見えようか
互いに対照的にも見える鬼ながら浮かべている笑みは同種のものであることがなんとも可笑しい

「肉を喰らい、酒を飲んで、そして喧嘩か。呵呵っ、愉しき夜よな!」

笑みが深まる
牙を剥き、獰猛な笑みへと

おそらく遠慮は不要
否、遠慮せずとも太刀打ちの是非を疑う、そんな相手であると感じていた
故に、一つ踏み
ズン、と空気の振動すら感じさせる一踏みが地を蹴り、少女然とした矮躯目掛け飛び掛かる

「往くぞ朧月っ」

振り上げた右腕、鋭い爪を振りかざしたそれを斧のように、少女目掛け愉しげに振り下ろすのだ

朧月 > 人との戯れも、大いに楽しめるものだっただろう。
美味しい酒に美味しい食事、それらも十分に堪能出来るものだった。
だが、どうしても人の中で生きるには足りないと感じるものがあったのも、また事実。
それが今宵、少しでも満たされる事が出来るのだろうか?
その姿は見目麗しきと思える少女なれど。
その奥底に眠るのは、目の前に立つ屈強な体躯を持つ鬼女と同質のもの。
で、あるならば…

「ああ、まったくだ。
これ程に心弾む夜の、何とも久しい事か…」

その小柄な体躯は、対峙しても尚、危なげに揺れ動く。
しかし、彼女が踏み込みを一つ、地を蹴って飛び掛かって来れば。
それを迎え打たんとばかりに、グラリと大きく身を後ろへと撓らせる。

「……なぁ、アマツキぃ!」

彼女の雰囲気から、間違いなく純粋な力押しのタイプだろう事はすぐに分かる。
一切の遠慮を振り払った全力の一撃、振り上げた右腕、その鋭い爪が振り下ろされれば。
フッと短い息を吐き、それと共に小さな体に力を巡らせる。
呼吸法を交え、元々に頑丈な身を瞬間的だが更に飛躍的に上昇させる防御法。
僅かに体の位置をずらし、その爪を敢えて左肩での直撃で受け止める。
ゴッ!と壊れぬ鉱石へと爪を叩き込んだ様な感触を彼女へと伝え。
それと共に、踏み締める足元の地面に亀裂が入る…それだけ高い威力であった事が窺えるか。
壊れぬも、その威力は肩から響き、打たれた場所から痺れが走った。

しかし、それを受けた後に、お返しとばかりにこちらの一撃も彼女へと叩き込まれる。
彼女と同じ右腕を、撓らせた体を大きく振い戻しながらの拳の一撃を、自分と同じ左肩へと打ち込んでみせるのだ。
彼女にはそうした身を守る為の動きはないのだろうが、その拳を防ごうとすれども、その軌道を器用に変化させてより確実に打ち込む、そうしたものではあった。
こちらの身の丈から、少し下の位置から斜め上へと打ち込む攻撃は、受ける位置次第では彼女の体を少しは浮かすものとなるだろうか。

ご案内:「九頭龍山脈・洞穴」から天ツ鬼さんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈・洞穴」から朧月さんが去りました。