2023/11/25 のログ
ご案内:「九頭龍山脈・洞穴」に天ツ鬼さんが現れました。
天ツ鬼 >  
九頭竜山にいくつかあるだろう、天然洞穴
そこを塒にする女鬼がいた
薄暗い洞穴には申し訳程度の生活感があり、まばらに白骨が転がる

浅い洞穴、その奥に適当にボロ布を敷き詰めた寝床
僅かな蝋燭の明かりが揺れる中、夕べ深酒をした女鬼が寝息を立てていた

天ツ鬼 >  
時折悩ましげに寝返りを打ってはいるが熟睡である

…それでも洞穴に侵入する者…
特に敵意を持つ者が訪れれば、すぐさま起き上がり戦闘態勢に入る──かどうかは置いておいて、目覚めはするだろう

このあたりの山賊にはある程度恨みも買っているだろう
人喰いの鬼として昨今は王国で首に金額がつけられた鬼でもある
あるいは山に住む魔物とて、強大なものであれば襲い来るか

決して深くない洞穴を選んで女鬼が塒にしているのは、そういった厭客を大歓迎するためでもある──

天ツ鬼 >  
「───、く、ぁ……っ」

陽が陰る頃、洞穴の奥で女穴が身を起こす
大欠伸を噛み殺しながら、既に闇に落ちた洞穴内の蝋燭のいくつかに火を灯し直す
──術が不得意なれど、鬼火くらいの扱いは出来る

「…腹が減ったのう」

色褪せた跳ね髪を掻き上げ、まだ微睡んでいる瞳でぼんやりと洞穴の外を見やる

曇天、雷の音が僅かに聞こえて
今晩はやや荒れるか、と予想させる

ご案内:「九頭龍山脈・洞穴」に朧月さんが現れました。
朧月 > 山の生活は中々に愉快なものだ。
特に気に入っているのは、この山での自然の風景を楽しみながら飲む酒だろう。
だが、今日の様に自然の悪戯か天候の崩れた時は困りもの。
酒気に酔わせて捕まえた野鳥を肴に今日も酒を楽しもうとするものの、流石に降られては堪らないと雨風の届かない場所を探していた。

そんな折に見付けたのが、今まさに目の前に見えている天然の洞穴。
これ幸いと足を踏み入れようとするのだが…

感じたのは何かしらの気配。
どこか懐かしい感覚を受けるそれに、ヨタヨタといつもの千鳥足で近付いて行くのだ。

天ツ鬼 >  
少女のような見目麗しき酒酔いの鬼が訪れた洞穴の奥には、蝋燭の灯りが揺らめき、そこには赤褐色の肌の鬼が胡座をかいていた
寝惚け眼の女鬼とてその気配にははたと気づく

「ほう、珍しい客じゃな」

口を開く女鬼
闖入者たる同族と似たような感覚を感じたのだろう
洞穴の壁にかけた、更に多くの蝋燭へと鬼火を灯し…洞穴を一面に照らしあげる

此処、マグメールの地では初めて逢っただろうか
恐らく同族の、女の鬼をやや珍しげに見上げていた

朧月 > 奥へと行けば、暗かった洞穴の中に明かりが見える。
つまりは、感じた気配の持ち主がここを使っているという事に他ならない。
そうは考えるがもう入ってしまったものはしょうがないと、その明かりへと近付いて行くも。
先ず気付いて声を掛けたのは相手側だった。

「おやおや、なるほど、納得だねぇ。
こんな場所なのに妙に懐かしい感じがした訳だ」

その声へと向けられるのは真紅の瞳、その瞳が捉えたのは自分とは真逆とも言えそうな姿をした同族の女。
きっとこちらが向けた視線も物珍しいものとなっていた事だろう。

「ここに住んでたってなら悪いねぇ。
外はあんな感じなんでちょいとお邪魔したいんだが、問題ないかい?」

そんな会話の間にも、瓢箪を手にしてグイッと一口呷る。
近付いただけでも漂う酒気が、酒を呷って吐息を吐く事でより強まってしまうか。

天ツ鬼 >  
「呵呵、小綺麗な衣が濡れてしまうところか。構わぬ、雨宿りの屋根くらいは貸そうぞ」

妙に愉しげな笑みを浮かべる女鬼は気前よく迎え入れる
自分と違い頭の側面の角さえなければ少女として通用するだろう立姿
それでいて、気配として感じるのはしっかりとした鬼の、強者たる匂いだ
迎え入れるに相応しい"興味"を、その少女鬼は持っていた

「住んでいるといっても勝手に塒にしているだけであるしな。
 なに、酒の一杯でも寄越してくれればよい♡」

見た目にそぐわぬ、酒気をたっぷり帯びた少女にそう言葉を向ける
この女鬼も相当な酒飲みであろうことが、蝋燭に照らされる洞穴の様子でよく理解ろう
打ち捨てられたいくつもの白骨に混ざり、空になった酒瓶や酒樽、器が適当に転がされている

朧月 > 「おお、それは助かる。
いやぁ、これが濡れても乾かしゃ済む事だけど、雨の中で飲む酒ってのは微妙だろう?
ま、ここを借りたいってのはそれだけが理由さ」

身に付けている衣、それは人の中で生きるには便利なだけで、考え方で答えれば彼女に近いものがあるだろう。
ヒラヒラとスカートの裾を摘み揺らしながらそう答えれば、ここに来た理由の本質をサラリと伝え。
手にしていた瓢箪を、コレの事だとユラユラ揺らす。

「良いじゃないか、誰も使ってない洞穴なんてのは先に塒にした者勝ちさ。
勿論、それを借りれるってんならコレも序でに分けてやるよ。
酒だけってのも悪くはないが、何かあった方が美味しく味わえると思わないかい?」

チラリと視線が奥へと向けられる。
そこに見えるのは幾つもの白骨、だが、人と共に生きようとも鬼の本懐の一つは人を喰らう事と知っていればこそ。
それに対して、何ら彼女に言う言葉は無い。
尤も、人を喰らう為に敢えて人の里を襲ったのならばそうでもなかったのだが。

それを見遣ったのは一寸だけで、すぐに彼女へと視線を戻せば。
彼女が欲するものに加え、もう片方の手にぶら下げた何匹かの野鳥を掲げて示してみせた。

天ツ鬼 >  
「違いないな。招く座布団も何もないが許すがよい」

雨宿りに少女鬼を招き誘い、適当に腰を降ろせと伝える
生憎地べたではあるが濡れていないだけマシだろう、と

「ちょうど酒を切らしておったところじゃ、助かるのう♪」

ささ、これに、と
少々痛みかけた器を手に上機嫌を見せる女鬼
互いの格好に随分と差はあれど、気性は似通ったものがあるとなんとなしに通じたか

「呵呵、手土産もあるとは用意がいい。
 そうさな、雨宿りの代としては十分が過ぎる」

白骨を見やり、動ずる様子のない同族に笑みを零す
獣の骨だけでなく人骨も混ざるが、今のところ喰らうために人里を襲う真似はしていない
…いずれ飢えに飢えれば、それがどうなるかは、理解らぬ処でもあったが

朧月 > 「雨風凌げるだけで十分に贅沢ってもんだ。
それで我慢しろ、でも私は構わないさ」

それを聞けば、遠慮なしにとどっかとその場で胡坐をかく。
彼女の言う通り、地面が濡れてないだけマシってものなのもあるし。
目の前に居るのが同族なのだから遠慮は無粋との考えもあっての態度だ。

「同族であれば、遠慮なく飲めば良い、食らえば良い。
美酒とはいかんが、私達にゃぁ程好い酒に肴だろうよ。
酒の肴はちと量が足りないがね。
…おっと、私の分も杯はあるかい?
共に飲み明かすなら、同じが良いものだろう?」

彼女が手にした器へと、瓢箪の口を寄せてトクトクと酒を注ぐ。
器を満たすその酒は、鬼であればこそ芳ばしい匂いなれど、普通に人であれば嗅ぐだけで強い酒気に酔いそうになるだろうもので。
注ぎながら自分の分の器を求めつつも、先に食べるつもりで捌いておいた数匹分の野鳥を分けておく。

この先の事は、この先にならねば分からぬ事。
その時になったら、その時の対応で彼女に応える事だろう。

天ツ鬼 >  
豪胆、奔放、享楽
目の前の同族から感じるのは、心地よい懐かしさだ
見目こそ麗しき少女に相違ないが、自分同様に定命の時を生きてはいまい

器の是非を問われればおっと、と

「古いモノで良ければじゃな。誰ぞと呑む機会なぞ滅法なかった」

奥へと手を伸ばし、無骨な木彫りの器をもう一杯
とりあえず汚れてはおらんか、と確認しつつ差し出して

「山奥の洞穴で異国の地、曇天に雷雨の折にまだ見ぬ同胞と出逢うとはまた愉快。名はなんという??」

ぷんと香る強い酒気、しかしこれくらいの酒でなければ鬼は酔わぬもの
器と器を合わせ乾杯のあげれば、それを口へと運びささやかな鬼の酒宴の幕開けとなるか

朧月 > 鬼を知り、人を知る。
最近は人と共に生きている為、人に寄り添う事も日常と慣れたものだ。
しかし、やはりこうして同族と共に居る事こそが本分かと思える程に心地良い。

「良い良い、古きともそれが乙と言うものよ。
分かっているさ、お前さんみたいなタイプはここいらじゃ、中々馴れ合える相手も居ないんだろ?」

一目見ればそれなりに分かる、彼女は正に性質とて生粋の鬼である事が。
自分だって、そんな時期があったのだから。
そうであれば、彼女を本当に満足させるような相手なんてものは、この付近にはそうは居ないだろう。

差し出された器を受け取れば、そちらには自分の分の酒を注いでみせる。

「そうだねぇ、なんとも私達にお似合いの出会いだろうさ。
私の名かい?そうさね、今はただの朧月、さ」

器を打ち合い乾杯を、彼女に合わせ酒に口を付けながらその名を名乗る。
放浪の時代にシェンヤンの地にも巡った時があり、もしかしたら名だけは知っているのかもしれない。

そうした後に食べる分に分けた準備済みの野鳥の肉を別の器に添えてから。
それ等に口を寄せればボッと小さな火を吹き掛けて燃やす。
酒気も含んだ肉は良く燃えて、酒気を飛ばし火が消えた頃には良い塩梅で焼肉の出来上がりとなるだろう。

天ツ鬼 >  
「くく、まぁ人里には降りぬな。
 どうあっても酒が欲しいとなれば、角を隠して征くこともあるにはあるが…。
 この辺りは野党の類が多くてのう。そやつらが酒や飯は運んできてくれるわ」

注がれた酒を呷り嗤う
無論、この鬼の被害にあっているのが野党山賊のみとは限らないが、
辺りに転がっているのは基本的には戦利品というわけだ

「今はただの朧月、か。
 ふーむ、耳に覚えが…?いや、あったとしても随分遠い話か。
 我には名はないが、郷の山の麓ではアマツキと呼ばれておった故、呼ぶに不便であらば使うと良い♪
 おっと、いただくとしよう…」

酒を頂きすっかり上機嫌の女鬼は、香ばしい匂いを立ち上る野鳥の肉を遠慮なく一掴み
火を吹きかけて焼いた、鬼火とは違う火を扱う様子に器用なことをすると感嘆の表情を浮かべて

「そなたは人の里で生きておるのか?
 鬼と、酒の匂いが強いが人の匂いもするのう」

朧月 > 「馴れ合うつもりもないなら、それで良いだろうさ。
野党か、そうらしいねぇ。
人里からすれば厄介者の集団だが、お前さんから見たら宝の山を築いてくれるありがたい連中か」

物は考え様。
鬼であり、人里にそう降りぬ彼女からすれば、彼等の存在に対しては逆の考え方ともなる事だろう。
彼女の言葉に納得気味に頷けば、グイッと酒を呷って注ぎ足して。

「別に忘れてたって今覚えておけば良いじゃないか、そうだろう?
アマツキか、よし、覚えておこう。
ああ、焼いただけだが十分に酒の肴にはなってくれるさ」

火が収まった後に漂う芳ばしい肉の香りに目を細め。
彼女に続き自分も一つ掴めばガブリと一齧り。

「おお、そうだとも。
人は人で面白いだろう?
それに味だけならば美味い酒も造る、連中が作る酒のツマミも美味い物揃い。
それを知ってしまったからねぇ」

彼女の言葉にはアッサリと肯定の意を示し。
その理由をツラツラと述べる。
人と関わらぬ頃には得られなかったものを作り出す知識と技術。
その点においては彼等には敬意さえ感じるものだと、彼女に伝え。
次に注いだ酒を一気に呷ってみせるのだった。

天ツ鬼 >  
「呵呵、馴れ合うにしても人と鬼ではな。鬼が鬼であることを潜める以外になかろうからな。我にはそんな器用な真似はできぬなあ」

人喰らいの鬼であれば受け入れられるわけがない
人喰らいであることを隠す以外に
鬼と人では数が違う、共にあろうとするのであれば、人として過ごす必要があろう、と

「我は名を覚えるのが得意でない故、忘れても恨まんでくれ♪」

死合った相手ならば覚えているのだがな、と付けくわえ、更に酒を煽り
聞いておいてなんだが、と己の頭が悪いことを仄めかしつつ

「そうさな。酒も飯も、人の世界のほうが美味い。
 我の場合、奪ってそれを味わう…という違いは出てしまうがのう?」

その辺りは、今互いが生きている場所の違いであろうな、と…

朧月 > 「人間は驚異となる存在にはどうしても恐れを抱く。
それを払える程に歩み寄るのには長い時間を掛けたものさ。
とは言っても恐れを忘れてしまったら、それはそれでまた面倒なところはあるんだけどねぇ」

恐れを抱けば、その驚異に対して反感を抱く。
恐れを忘れれば、今度は利用しようとしたり、別の感情を抱き見る様な輩も現れる。
中々難しいものだと笑って答え。

「お、良いねぇ、拳で語り合うってのは私も好きだよ。
頭では覚え難いからこそ、体で覚えるのが得意だって訳かい?
ちゃんと覚えられる方法があるってんなら、それで良いじゃないか」

彼女の言葉に、そう楽しそうに答えながら。
それならば、やってみるのも悪くはない、そう考えてしまうのはやはり鬼であるからか。
自然と、そんな彼女の体躯を上から下までと見定めてしまう。

「ま、やるんなら程々に、ってね。
やり過ぎて、作り手を失ってしまうのは惜しいもんだろう?」

それが二人の考え方の違いであり、それを変えさせるつもりもないのだろう。
そうは彼女に言うが、彼女もそこまでの無茶はしないだろう、とは考えているのだから。
あくまでも、そう考えているのは自分で、実際に彼女がどう考えてどう動くかは分からないのだが。

天ツ鬼 >  
時間をかけた、という言葉に薄く笑う
目の前にいる同胞も今、この時に人の世で生きるにはなかなかの苦労があったと見えて

「呵呵、気付いておったぞ。
 可愛らしい見目をしながら内なる力は我の全力で届くかどうか。
 良き闘争をした相手は忘れぬ。傷をつけられた相手は尚の事じゃな。
 しかしそう酔っ払って、やれるものか?」

自身を見定める朧月の視線に絡めるように、天ツ鬼もまた視線を向ける
どうあっても強そうには見えぬ、可憐な少女
一方で赤褐色の肌を惜しげもなく晒す女鬼は如何にもといった風情の体躯だろうか
さりとて、その奥に眠る鬼の力を比較すれば……その総量は果たして

「然り、人を喰らうにも人がおらぬではな」

喰らう時は赤子であろうと喰らう
洞穴に転がる白骨は大半は獣のもの、人のものも交じるが、その中には子供のものだろうと見られるものも、ある
それを不運と見るか、鬼の暴威と見るかはまた立ち位置によって変わるもので───

朧月 > 自らの立ち位置を理解し、自分の立ち位置も理解する。
彼女の笑みからそれを感じ取り、小さく笑いを零す。

「おや、バレていたか。
やはり同じ鬼ならばこそだ、とても似寄っているよ。
あっはっはっ、こうあるからこそ出来る事もある、ってもんだ。
何でもそうだが、型に嵌めた考え方ってのは、時に捨てる必要ってのがあるものさ」

そう、どう見たってその姿を見ただけでは彼女の感想に間違いはない。
同じ鬼であろうと、常に酔っ払った状態の相手が強いなんて思うのは難しい。
第三者を以てしても、彼女と自分を見比べれば全員が全員彼女の勝利を考えるだろう。
自分がどんな存在かを知らないならば、そんなものなのだ。

だから、最後の最後にはいつもこう答える。
やってみれば分かるのだ、と。

「そうさそうさ、それで良い。
それを理解さえしていれば、何ら問題なんてないものさ」

最低限の身の安全を欲しいなら、人の領域を離れず、他の領域を侵さなければ良い。
ここにある白骨は、それを犯したからこそここにある、それがどんな理由であれ。
それで彼女を責めるのは筋違いというものだ。

天ツ鬼 >  
「この距離で相対せねばあるいは騙されておったかもしらんがな」

薄く嗤う、遠目にでは鬼であることこそ理解ったものの
それほどの力、隠すのもさぞ面倒だろうにと
鬼らしい鬼である天ツ鬼は彼女のいう、型に嵌った考えや価値観を多少なり持ってしまっている

「呵呵、まさに。やってみれば理解るか。
 そう誘われては火が入ってしまうぞ?」

自身もまた酒が入り、昂ぶってはしまいそうになる
誘い言葉に聞こえてしまうのも無理はない…かもしれない?

「滅法飢えたら理解らぬぞ。かつてシェンヤンにいた頃は人喰い鬼として人里に降りたこともあるしの」

それこそ数百年前になるが
かつてシェンヤンを旅したという彼女がその時期に見聞きしたかどうか、それまでは理解らぬこと