2024/05/22 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にノイさんが現れました。
■ノイ > とあるホテル。
――このホテルという単語。純粋な宿泊施設としてではなく、宜しくない意味で用いられる事も多々なのだが。
此処は港湾都市に於いて古参も古参。由緒正しいと言って良い、立派な宿屋である。
高楼に数多の部屋が存在し、毎夜無数の客が泊まり込む。
眼下には日中なら海の彼方、夜間なら不夜城の灯り、それぞれが眼を愉しませる。
寝るだけ泊まるだけでなく、客を愉しませ時間を忘れさせる為に。
カジノ然り劇場然りレストラン然り。様々な施設を抱え込んでいる。
――此処は。少女が常日頃、この都市で拠点とする場所だ。
そうやってあれこれ愉しむ事も出来るし、取った部屋では好き勝手にごろごろ出来る。
後は適当に引っ掛けたお登りさんでも居れば…宜しくない方の意味合いに、たちまち早変わりしてくれる。
そんな宿にて本日は――
「ん、 っ。…… く ふぉぉ……」
満足気な吐息は、口一杯に拡がる甘さと冷たさによる物だ。
…ラウンジの喫茶にて、食後に氷菓子を愉しんでいる真っ最中。
日中随分と暑かった事も、この美味しさを後押ししているのだろう…
だったら何時も通りの黒衣をやめれば良いのに。とは言わないのがお約束。
■ノイ > 「 …んぁ は。 …怒られないのも良い…よ、ねぇー…」
直に食べ終え満足気な吐息。
夕食後の甘い物、追加。大人達の目が有ればまぁ苦言を呈されるだろう。
…実際の所。淫気精気を糧とする魔性の身にとって。
別にどれだけ糖分を摂取しようと、何ら栄養にも…害にもならないのだが。
それでも少女が食べたがるのは、ヒトの中で産まれて育ち、その良い所はしっかり親しんでいるからであり。
同時に食べさせたがらない親目線の存在は。ヒトの中で暮らし生きるから、目立たぬ為、守るべき物が有るからだろう。
重ねて言うが…歯に悪いだの肉が付くだの、といった身体的な影響は無い。
あくまで。この少女の肉体を維持するのも、育てるのも。淫らな魔性としての糧なのであり――
さて。気分的な意味での腹拵えも済んだ。弧を描く背を晒し、伸びをして。立ち上がる。
そろそろ明日に備え宿へと戻ってくる者や、食事を終え遊興施設に赴く者等…
本来の意味での「食事」となりそうな誰かに目を付け、誘うには良い頃合いだ。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にクレイプニルスさんが現れました。
■クレイプニルス > ―――とあるホテル、ラウンジの喫茶にて。
「ん~」
背伸びをしながらホテルから出てきたのは、一人の眼帯をした青年であった。
そこまで煌びやかではない、ラフな服装ながらも、貴族、あるいは上流の人間であることはわかるだろうか。
右目には、宝石のついた眼帯をつけている。
この青年、クレイプニルス・アークスは普段は冒険者として活動をしているのだが、今日は貴族として、実家の付き合いでこのホテルに泊まっていた。
とはいえ、部屋で放蕩三昧な行為にふける父や兄弟に混じるのもなんだか気が乗らないので、こうして抜け出して喫茶までやって来た。
「あー、しかし暑いなぁ……」
最近まで涼しかったが、日中は暑くなってきた今日この頃。日が沈んでもまだ暑さが残っている気がして、右目の眼帯が蒸れるから暑いのは好きじゃないんだけどな、と一人心地。
とりあえず、夕食代わりの軽食は済ませているので、冷たい氷菓か、キンキンに冷えた最近流行りの「ココア」なる甘い飲み物でも頂こうかなと思っていた。
「しっかし……なぁ……」
部屋の放蕩兄弟たちの事が浮かぶ。
クレイプニルスも男である。こういう夜は一人ココアを啜るより、もっといい過ごし方があるのではないかと思う。
しかも、最近はダンジョン攻略で禁欲的な生活を強いられていた。
そろそろ、発散したい頃合い……
「……よし!」
ココアを飲み終わり、立ち上がる。
そうだ、俺も女遊びを今日くらいはしよう。
なんて思い、周囲を見回すと……黒いドレスの、青眼と、目が合った気がした。
■ノイ > わ、わ、こんばんは…!
お越し下さり有難う御座いますっ。
■ノイ > そう、目が合った。決して気のせいではなく。
…理由は簡単。周囲を見渡す彼の方へ、少女の方からも視線を向けたのだ。
曰く餌の気配というべきか――蓄積された欲の存在。それを発散したいという願望。それを察した為である。
奇しくも同じラウンジの程近い席。立ち上がったのも殆ど同じタイミング。有る意味気が付いたのも必然めいていた…かもしれない。
重なる視線を少しばかりずらす様。小首を傾げてみせた少女は――数瞬を置いて、にまり。
極一瞬だけ、唇の端だけ緩ますような笑みを浮かべ。それからするりと歩み出す。
足音もなく影の如く、紛う事なく目の合った彼の方へ、此方から近付いていくのである。
「う――ん。…お兄さん、其処のお兄さん? …もしかして…誰かと遊びたい…のかな――…?」
そうして直ぐ前に立ってみせれば。否応無い身長差で、下から覗き込むかのような目線。
瞳を細め、ちろり、舌なめずりめいて。口元に舌の赤さをちらつかせ。
「わたしも。……ん、ん、わたしも今――ね。そういう気分、だから…宜しければ。ご一緒、する…?」
■クレイプニルス > 合わさった片目と青眼。そして相手が小首を傾げる仕草を見せ、驚いたことに足音もさせず近づいてきた。
(結構気配探知とかは鍛えてるつもりだったのに…)なんて気配への察しが悪かったことに内心ほんのちょっぴり落ち込みつつも。
「あ。え、俺、かな?」
丁度目線が交わったこともあり、一瞬ドキリとするも、下から見上げられ、のぞきこまれるかのような感じで「そういう気分だ」と伝えられれば……
「……あはは、そこまで欲望にまみれた気配を振りまいてたのかな、俺…」
修行不足だなぁ…なんて思い、頭を軽くかきながら。
相手の舌の赤さ、官能的なその色に、さらに胸をどきりとさせて。
「でも、丁度いいか」
ちょうど、禁欲の値が限界値を突破しそうなのだ。相手が了承してくれているのに、頷かない理由は無く。
「ああ、君がいいのなら、部屋にてご一緒させていただけませんか?レディ」
そう言って、少しかがめば相手の手を取り、軽くその甲にキスを落とすように。
そして、彼女を紳士のしぐさで……だが、その手から感じる熱、心拍は、確かに行為への期待とドロリとした欲を伝えるかのようで。そのまま、部屋へと…
■ノイ > 「ちょっと…ね。わたしは、そういうの。…敏感だから。普通のヒトは分からない…けれど」
或いは少女でなくとも。例えば、その手の事柄が本職である夜の某等だったなら。彼の欲望を見透かしていたかもしれないが…別に。
それが悪い訳ではないだろう――此処はダンジョンでも戦場でもないし。相手は半分魔物だが…彼等と敵対する気も、喰らい尽くす気もないのだから。
…いや、違う意味で喰う気満々ではあるのだが、別段命に関わるアレコレではない。共存共栄、その為にちょっぴり元気を摘み食いするのである。
寧ろ欲望の気配が有り余っている、そんな風にすら感じられた相手である。少女からすれば据え膳を見せ付けられたようなものだ。
あらゆる娯楽の揃う、勿論性的な諸々のサービスも、ごまんと有るだろうこの都市で。
今の今まで禁欲していたと言わんばかりの気配。そんな人物はなかなか珍しいが――街に到着したばかりなのか。別の理由が有るのだろうか。
その辺気にならないと言えば嘘になるが、結局、お陰で空きっ腹を抱えずに済みそうなのだ。此方としては有難い話。
声を掛けてみれば、どうやら相手も。初対面の少女による、怪しい誘い文句に対しても。
気にせず同意してくれる辺り、この国のニンゲンらしいとも言えるし…身形の良さや、甲への接吻などという気障さから鑑みると。
普段なら「こういう」経験も豊富であろう貴族か何かに見えるから。
それでいて「溜まっている」というのなら。余程別件に関わる理由でも有ったのか。
色々気にはなるのだが――その辺は。覚えているか余裕が有れば、寝物語にでもしてみれば良い。
大事なのは、先ずは――
「ふふ。だーいかーんげー…… お部屋は有るの、だから――…よろしく?」
手を取ってくれた相手へ。これこれ此方、と自分が潜り込んでいる部屋を指定して、歩き出す。
途中軽く話をすれば。相手のお部屋は、どうやら、身内がお楽しみの真っ最中、という事らしいので。やはり少女の部屋が良さそうだ。
…それとも。邪魔さえ入らないのなら、そして彼が我慢出来無いのなら。辿り着くのを待たずして、いけない事柄に雪崩れ込む…そんな姿が有る、かもしれず。
■ノイ > 【移動いたします】
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からノイさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からクレイプニルスさんが去りました。