2024/04/28 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」にノイさんが現れました。
ノイ > とある宿、一室。
それなり以上に値の張るその部屋は、少女が「遊ぶ」為に用意している拠点の一つである。
誰を連れ込むにしろ。其処で行うあれこれにしろ。最初からそういう事前提、と見なされている施設なので。見咎められる事もない。
…ヤるべき事をやっているのが、例えニンゲンではないのだとしても。気にされずに済むのである。

そんな便利な餌場の一つにて、今宵少女は――

「   っ、ふ。 … ふ――― ♡」

最近は獲物めいて喰われる(勿論それはそれで大歓迎)ばかりだったので。
気分を変えて、逆の立場になってみる事にした。
既に乱れ半ば以上ほつれたドレスもその侭、ベッドに腰掛け力を抜いて。引っ張り込んだ「誰か」の頭を抱いている。

――抱いているといってもそれは。胸元に押し抱くでも愛しげに掻き抱くでもなく。
差し出した股座へ押し付けさせるように、相手の頭を押さえているのである。
其処には、気分で「喰う」側に回る為、今宵は牡の屹立を生やしたりなどしてみせて。舐る事を求めるのだ。

――獲物、と見なされたその人物は。さて、如何にしてくれるのか。

「きもちよく――して。 そしたら、一緒に…もっと。もっと良い事…しようね――?」

ノイ > 少女の宿してみせたソレは。
引っ張り込んだ獲物の口に、喉に。決して苦しくはない程度の――だが、それだけで丁度満たされる程の。
より正確に言えば相手が「満たされている」と感じるだけのサイズへと。太さも長さも変幻自在。
そもそも淫魔という性からして。快楽を与え、分かち合い、其処から力をお裾分けして貰う事が前提なのだ。
意図的に苦しい、痛い、等と相手が感じるような事をするつもりは、毛頭無いのである。
――相手が、寧ろそういう事をされて悦ぶ、といった趣味嗜好の持ち主なら。また話は変わってくるが。

「ほら。 …ほぉ、ら…もう直ぐ。…もう直ぐ、出て来るよ…――?
  …っ。 っ、ぁ、  ぁ―――― ♡」

ぞく。ぞく。走り抜ける快感に震える背筋を丸めるようにして。
押し抱く頭へと上から身を伏せ、包み込み…
耳朶を軽く食んでみせながら。直に滑り込ませていく声音。吐息。
熱さと湿っぽさ、そして少女が心地良さを得ている甘さ。全てを籠めた吐息は、淫の力を融け込ませ。

間接的な、口から発する物だけでそれならば。直接染み込ませる、量を増すばかりの体液…
屹立に沸き上がる先走りなど。言うまでもなく、相手にとっては毒その物。
精の苦味をすら、堪らない甘露めいた物へと錯覚させ。舌を灼かれる感触を、心地良さと誤認させ。
魔の牝少女が宿した仮初めの牡へと尽くすのが。堪らない快感あのだと認識させる、毒。

勿論。それが生じるという事は。少女にとってれっきとした快感であるという証。
次第耐えられなくなっていく気持ち良さに。差し出し耳孔を舐る舌先が、呼気が震え。
粘り滴り滲み入る、牡の…それと同時の、牝の臭い。どちらでも、どちらも、感じずに居られない性器。

頭上で。耳元で。ヒトならざる少女が悦に感じ入り、心地良さ下に、快さ気に。
相手の奉仕で悦んでいる、という姿を素直に晒してみせながら――

ノイ > 「   っっぁ」

ずる ぅ り。

我慢しきれず出てしまった。快楽の証が、精が――ではなく。
欲望の証。魔の証。薄暗い室内を満たした陰影の其処彼処から、影その物が形を成して伸び上がる。
もっと。もっと。哀れな獲物を気持ち良くしてあげて。自分も気持ち良くなる為に。
さざめく枝葉にも、深海に潜む食腕にも似た、その影達は。
少女の下肢へと蹲らされ、今も肉幹を咥えさせられているその獲物へ。背後から一斉に飛び掛かり、絡み尽き。
決して顔を上げる事を許さないまま、所狭し、女体を貪りだしてしまう。瞬く間に孔を埋め、肌をまさぐり、身動き一切を封じ込め…

はぁ。そんな、自分で自分の行ったであろう、堪えきれない肉欲の具現化に。隙間無く喉を満たされた侭故、嫌でもくぐもる獲物の声に。
他人事めいた吐息を零す少女は…

「ん―― …がまん、出来無くなっちゃった…の。ごめんね?
けど、うん。 …良いよね。うん、良いんだよね。だってその分。今まで以上に、貴女が始めて知る位に――いっぱい気持ち良くなれる筈だから…」

悪びれる事はない。生じたのならばその侭。彼女には、影の分まで与えて、与えて、快楽で飽和させるだけである。
…それは気持ち良い事なのだ。気持ち良くなってくれるのだ。だったらとても良い事であり…やめる必要などないではないか。
例えその快楽が。人外のもたらす度を超した快楽が、ニンゲンにとっては到底耐えきれない物であるのだとしても。
大丈夫、ニンゲンにだってとてつもない精豪、淫魔泣かせ、そうした手合いはいくらでも居る。
犯され、犯され尽くし、壊されてしまう事だって。この国なら良くある事で…それに比べれば優しいではないか。

ヒトとはズレた善意。価値観。それを以て獲物を狂わせ。悶えさせ。溺れさせてあげるとしよう…
人界の片隅、宿の一室。其処に生じた淫界が。哀れな獲物を解放するのは――当面、先の事である。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”」からノイさんが去りました。