2024/09/23 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」にオリビア・フレイグラントさんが現れました。
オリビア・フレイグラント >  
 不殺が掲げられた闘技場内
 武技を競い合う場ではなく、武舞台の上はもはや肉で沸き立ち地で冷める血ではない
 凌辱と狂いで溢れる慟哭と蛇蝎 国を世を死ねと呪いながら死んでいくかそれすら諦めた者の体液。
 控えのタコ部屋同然の場所で待ち、出てくるときもそうだ。

 関節を解す様な柔軟のみ 槍捌きすら見せずにジッとしていた首輪掛かる自身を、周囲
 闘技場側が用意していない奴隷
 挑戦側の私物らの視線が特にひどかった。
 腕に覚えのある者らが出す舐め、味を見出すようなそれとは違う

          な ん で お 前 だ け

 そういう視線が、この首に掛けられている拘束具の内側
 多少のゆとりがあるはずなのに、真綿で締めるように圧迫感を感じた。

 そうして出た場所では、出来レースな鑑賞会とは違う純粋な賭け試合
 自身らの所有物らと闘技場側の用意が混ざり合って競い合う今回
 手にするそれで殺しこそ禁じられながらも、相手の間合いを只管に殺しながらの槍術
 戻る度に増える羨みと嫉妬の視線の中、水すら下手に飲めない環境だと一人溜息を心情だけで吐く。


   「―――喉が渇いたな。」


 独り言をつぶやきながら、発汗と発熱で香りが強まる金木犀の甘さを撒きつつ、唾液を飲み込んで喉にまとわりつかせた。

ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」からオリビア・フレイグラントさんが去りました。