2024/04/20 のログ
■宿儺姫 >
一人目の相手は筋骨隆々の大男だった。
如何にも、といった風情の巨漢は棍棒を手に真正面からの殴り合いを選んだ。
──実に心地良い。
壮絶な殴り合いの末に先に倒れたのは巨漢の男。
観客も見応えのある殴り合いには血湧き肉躍った者もいただろうか。
しかし誰よりも高揚していたのは、他ならぬ鬼自身。
人間といえど十分に鍛え上げれば鬼と殴り合う猛者もこうやって現れる。
上がった口角、滴る赤黒い血潮を腕で拭い、先を見据える。
──次の相手はどのような者か。
まだまだ戦れるぞという意思に満ちた鬼の咆哮が闘技場を揺らす。
一人の影が闘技場に踊り飛び込む。
勇気ある者かはたまた無貌なうr者か。
闖入者とも癒える女鬼のその後は。
結末はこの日闘技場を訪れていた者のみが知ることとなる。
ご案内:「港湾都市ダイラス アケローン闘技場」から宿儺姫さんが去りました。