2024/08/25 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 船着き場」にナランさんが現れました。
ナラン > 船着き場の隅に、出来るようになった屋台村はいつからか夜になると簡易的な酒場に変る。
客は主に仕事を終えた船員や遅くに寄港した船の乗員で、普段港のその辺りにある木箱や空き樽をテーブルや椅子代わりにして銘々に食事と酒と宴を楽しんでいる。

とにかく陸一休みできればいいという所から始まって、仲間内での噂話大会になり、そのうち腰を上げるのが面倒になってと意外と長居するものも多く、いつも賑やかだ。

その背景というべきか主役というべきかの屋台に、今宵は一つ見慣れない店員が一人。
看板からすると冷たい麺を商っている店のようだが、今は特に客を呼び込むでもなく、椅子に座って熱心に手元のメモとにらみ合っている。傍らには色とりどりの野菜が詰まった瓶が置いてあって、女はそれと時折メモを見比べている。

今宵は少し海風が強い。店の頒布が時折バタバタと音を立てる中、背後の藪からは秋の虫が負けずと鳴き声を響かせている。