2025/02/22 のログ
:: [一覧へ] :: :: ::

エリビオ > 警戒心を解かんと説明を丁寧にしていた。
その効果は饒舌に可憐な唇を開かせるのだから。

「ぁ……ゃ、どうも。魔法使いの卵。だけどね。
 そう。海にしかない素材集めの課外授業できたんだ。」

照れくさそうにはんなり紅くなる目元を指で掻いていたが。

「ラジエル学院の生徒なの?そりゃ凄い偶然。あそこは生徒が多いから一度もあったことない人がいるから嬉しいよ。
 こうして知り合えて。同級生……いや、下級生かな?」

嬉しそうに小さく跳ねる姿に可愛い……と思うと同時にどうしてもそのたわわな胸に目が釘付け、年齢を見誤ってしまいそうになる。
だが無垢な足がこちらに進めば邪なる考えを黒髪乱れるほど首をふって払いのけ。

「おっと、先に自己紹介させちゃった。
 俺の名前はエリアス=マキシエクス……エリビオって呼んでくれると嬉しいな。」

遅れながら挨拶をして執事のようにマントを腕にかけて頭を下げる戯れじみた仕草を。
そして改めて指先にも乗るほど小さなチューリップブロッサムの貝殻を彼女の方に寄せて。

「ふふ。綺麗だよね。これ。エリスの髪の色とそっくり。
 だからお近づきの印にあげるよ。小物入れにいれるなり、穴をあけてアクセサリーにするなりお好きにどうぞ!」

エリス > 少年が目元を指で掻く仕草を見せると、微笑まし気にその様子を見上げて。

「ふふ、本当ねっ。私もびっくりしちゃったわ。学院生は多いものね。
 私は14歳よ。貴方は? ……きっと先輩ね。だって、見上げないといけない程大きいもの」

少女はとても小柄で、少年との距離が近づけば近づく程見上げなければ目を合わせられない。
殆どの人間は少女より背が高く、歳下にすら背を軽く抜かれる程だ。
が、少年の眼が釘付けになっている胸元は大人顔負けに熟れ切って、
楽し気に少女が跳ねる度、たっぷん、たっぷんと無防備に上下に跳ねている。

「エリアス・マキシエクス……エリビオね、わかったわっ。
 私の事も、エリスって呼んで頂戴っ。ふふ、これでお友達ねっ」

エリスは森奥で過ごす一族の出とはいえ貴族の娘だ。
少年の執事の様な所作は見慣れたものだったのか、懐かしさを感じてクスクスと笑みを浮かべた。

「えっ、良いの? わ、わぁ……男の子からプレゼントを貰うなんて初めてだわ……っ。
 ありがと、とっても嬉しいっ。そうね、アクセサリーにして大事にするわ。
 ……ねぇっ。せっかくだから、一緒に遊びましょう? 採集もお手伝いしてあげるからっ」

差し出された貝殻を手に取ると、ぎゅっと抱き締めて満面の笑みを向ける。
元気を取り戻したのか少女は少年の手を半ば強引に握るとその手を引きながら元来た道へと駆けだして行く。

「早く、早くっ。ぼぅっとしてたら日が沈んじゃうわ、エリビオっ」

いつの間にか心細さは消え失せて、喜ばしい出逢いを得た高揚感が満ちて行く。
その後は、少年を強引に引っ張り回して砂浜を駆けまわり、貝殻を拾い、見失っていた蟹を見つけ、
斜陽が二人を照らすまでたっぷりと遊び倒し、満足気に帰路についた事だろう――

ご案内:「セレネルの海」からエリスさんが去りました。
エリビオ > 「俺は16歳。でも背が高いくらいしか取り柄がない。
 先輩面とかそういうの好きじゃないからタメでいいよ。
 好きに接して。」

ぴょんぴょんとはねても届かぬ背丈にほらほら、と手を頭上に添えてもっと跳躍を促したり。

「そうだね。俺も友達が出来て嬉しいよ。エクス。」

鈴鳴らすかの笑みにこちらも微笑みを携えて、そっと小さな貝殻をその手に乗せてやり。

「プレゼント……と言うにはお金も努力もかかってないけれど。魔素はたっぷりあるよ。
 でも大事にしてくれるのは嬉しい……一緒に遊ぶ?うー…ん。」

カバンを開いて中身を見る。また流し目で水着姿の後輩を見る。
どちらが魅力的かは――

「オッケー。いいよ。素材集めは終わり。残りの時間は遊ぶぞ。
 早速だけれど水着は貸出してくれてるかな。海の家とかもあるよね。
 海水浴場の場所、俺は知ってるからさ。
 エリスはそこで俺が必要なものと場所を案内してくれない。
 ……っと。わかった。行くから待って!」

手を取られてあわや転びそうになるところで体勢を立て直し。
今度はこちらが軽やかな足運びで先に進もうとする。
――その後、彼女とともに砂浜を駆け回り、また思い出の品と貝殻を拾い。
出会いをくれた蟹を見つけ。水平線が茜色に染まる頃には心地よい疲労感に包まれて帰路についたことで――

ご案内:「セレネルの海」からエリビオさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」にアリアさんが現れました。
アリア > 冬の海にも、仕事はある。
そう、生牡蠣だ。
夏には海の幸をバーベキューにしたりして酒を提供している店が、冬にはかき小屋としてオープンする。
もちろん、生牡蠣が売りだけれど炭火で焼いた海鮮を手に酒を楽しむ事もできる。
冷たい潮風が吹き込むので、とてもとても寒いけれど仕事がキツイ分、給金はいい。
今月も月末が刻一刻と近づいてきており、支払いがあるので即日給金を支払ってくれるアルバイトは都合がいい。

「いらっしゃいませー!お好きなお席にどうぞー!」

平民服のワンピースにエプロン、三角巾をつけて元気な声で接客する。
笑顔笑顔!子爵令嬢がなんだ、ギリギリ貴族ってだけで領地もなけりゃ下手な金持ちの平民よりも貧乏だ。
今日も元気に労働に勤しみますよーっと、手に持ったお盆にエールを載せてお客さんのもとへと運んでいく

アリア > 「はいはーい、店長なんですかー?」

給仕が終わると、今度は店長に呼ばれた。
カウンターの方で魚を捌く店長の方にひょいと顔を出せば、どうやら牡蠣の在庫が残り少なくなってきているらしい。

「仕方ないですねー、乙女に重いものもたせようってんですから、割増料金いただきますからねー」

鮮度をたもつために、すこし離れた海の中に保存してある牡蠣を取ってきてほしいという店長の頼みに、ぴっと人差し指をたてながら冗談めかして軽口をいいつつ了承する。
牡蠣小屋から外へと出れば、真冬の冷たい潮風が肌に突き刺さるようだった。

「うーさっむいー。」

ひえぇっと両手のひらをこすり合わせつつ、砂浜を入江の方へ向けて歩いていく。
ふつうに保管しているのでは盗まれてしまうため、少しわかりづらい入江のほうに牡蠣の保管場所が隠されていた。
その場所へと、寒いーと悲鳴をあげながら小走りに向かっていく。

ご案内:「セレネルの海」にグスタフさんが現れました。
ご案内:「セレネルの海」からグスタフさんが去りました。
アリア > 入江へと着いたら、岩をどけて小さな洞穴のような穴の中に入っていく。
そうして、その穴の中に牡蠣の保管場所はあった。
海水も流れ込んできていて、牡蠣を生きたまま保管できるという寸法だ。

「痛っ…あーもう、あかぎれだらけ。こんなんじゃ婚約者なんて夢のまた夢だなぁ。」

あかぎれから血がにじんでいるのに気づくと、ぺろっと舌を覗かせてそこを舐めて牡蠣を沈めている籠の紐を引っ張り出す。

「これでも一応…まがりなりにも、子爵令嬢なわけですし?
婚約者の一人や二人…いや、一人でいいんだけどー」

ついついと一人愚痴をこぼしながら、紐を引いていく。
もちろん海水に濡れているわけで、あかぎれに染みるし水は冷たい。

「でも社交界なんかに割くお金はうちには、ありませーん!」

そもそも婚約者を見つけるための、社交界に出れるよう準備するお金がないのだからどうしようもない。

アリア > 「ま、愚痴をいってても仕方がない!そんなことよりも、困ってる人のほうが優先!寝るところがあって、あったかいご飯食べられて、家族そろって健康ならどうにでもなるしー」

あ、よっこらしょっと籠を引き上げて中から牡蠣を取り出していく。
持ってきた乾いた籠に移し替えて、残りはまた海水へと沈めて。

「よし、あとはお店に帰るだけっと」

籠を抱えて来た道を戻り始めていく

ご案内:「セレネルの海」からアリアさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海」にアリアさんが現れました。
アリア > 「よ…っと」

ガシャガシャと、牡蠣の殻が重なり合ってこすれあう音を響かせながらそれらが入った箱をもって小屋から出てくる少女が一人。
ガッシャガッシャ音を響かせながら、小屋から離れた入江の方へと向かっていく。

「牡蠣殻も多くなるとそれなりに重いのよねー。」

よたたっと少しよろけて、体勢を立て直すとガシャンと音を響かせながら箱を持ち直していく。
中身を食べられた後の牡蠣は、捨てるしかない。
小屋の周りに捨てると見た目が悪くなるので、入江の方に捨てる場所を小屋では決めていて、そこに捨てに行く最中だった。

「今日もお客さん多くて助かるわー、売上アップは給料アーップ!」

牡蠣殻がたくさん出るということは、それだけ売上があがるということで、ひいては自分の給金にも反映されるわけだ。
多少重かろうが、潮風が寒かろうがほくほく顔で足取りは軽い

アリア > 「よっこら、しょ、っと」

入江のほうについたら、ザラザラザラーと箱と倒して海の中に牡蠣殻を投棄していく。
牡蠣殻が海のそこに沈んでいくのを見ながら、その場にしゃがんで

「ちょっと休憩ー」

ふぅーって大きめの吐息を吐き出していくと、箱をゆすって牡蠣殻を海に落としながら水平線のほうに目を向ける。

「この辺にも古代遺跡だかなんだかのダンジョンがあるんだっけ。冒険者かぁー、一攫千金。夢がある話だけど…見つかるまでがなぁ。」

地道にこうやってアルバイトに精を出して稼ぐか、一攫千金を狙って冒険者をやるか。
どっちがいいんだろうなーって首を傾けて考える。

アリア > 「さってとー、休憩終わり!働きますかー!」

とりあえず、今は目の前の仕事仕事!
立ち上がって箱を再び持つと、小屋のほうへと戻っていく

ご案内:「セレネルの海」からアリアさんが去りました。