2024/08/28 のログ
■ナラン > 手を少し下ろして、月を見上げて数度瞬きをしてみる。
欠けた月の月光は柔らかで、黒い帳に散った星々の色や瞬きも今日は良く見える気がする。
暫くそうして空をみて、それから水平線へ下ろして、波間を縫って砂浜を通って視線が手元に戻ってくる。
(…しばらくすれば、慣れる かも)
昼間にも間近でみて塗っているというより、手元の感覚で縫っているという感覚がある。
暫く思う様に針を進めてみて、それから出来を確かめてみよう。
そう思い切ると、女は針に糸を通す。これから布に現れるカタチはきっと波を模したものになるだろう。
静かな浜辺でのひとりの時間は、空の色が藍色に明け始めるまで――――
ご案内:「セレネルの海 浜辺」からナランさんが去りました。