2023/10/15 のログ
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タマモ > 「ふむ…あの手の者は、すぐ逃げるのやもしれん。
いやはや、次の機会があれば…
………いや、そもそも、相手が分からねば、か。
毎度力押しとか、妾の拘りに反するしのぅ…」

顎に手を当て、軽く思案する仕草。
己の身内に、同じく翼を持った上に、常に怯えていて逃げ隠れする者が居る。
その辺りと、重なるところがあるのだろう。
かと言って、それを毎度想定して、いきなり初手で捕えまくる、と言うのも頂けない。
戦いを望む相手まで、無力化させては、楽しみが減るからだ。

さて、とりあえず、せっかく来たのだから、何かしらしたい。
それが、少女の拘りの一つだ。
つい先ぞ見付けた少女が、目的ではなかったのだから、次の目的を決める必要が出来てしまった。

とは言え、目の前にあるのは廃れた神殿。
何かしら調べてみれば………うん、期待は出来ない。

タマモ > だがしかし、そこで引いては自由人の名が廃る…人ではないが。

ともあれ、己の直感はどう感じるのか。
目の前の神殿に視線を向け、何かしらを図る…のだが。

「………」

ふっ、とどこか遠くを眺めるような、そんな瞳。
己の直感は、この場所に、何かあるのだと…そんな反応を、示してくれなかった。

「よし、分かった、分かったのじゃ。
それならば…いっそ、こうしてやろう」

こうした己の直感は、かなりの信用を置ける。
いや、今回の信用とか、そんなものは要らなかった気がした。
ふむふむ、と一人何やら頷き呟けば、すっと片手を上げてみせて。

ふわりと広がる、力の流れ、それが場を覆う。
正しくは、地面に広がり、一部を変質化させるのだ。
呪詛を用いた落とし穴、普段はただの地面だが、そこを踏み締めれば発動する仕掛け。
呪詛により力を封じ、逃げの一手を阻み、確実に落とす。
別に怪我をするような深さではないものの、底に張られた水に落ちれば、その身だけを残してすべてを溶かしてしまう。

タマモ > 「よし、完成じゃ」

その仕掛けが仕上がれば、その手を戻す。
周囲から聞こえた声から、何かしら、魔物やらが居そうだが。
この罠に落ちた、その時に掛かった呪詛が、力封じと共に、魔物を寄せ付けない効果も付属している。
力が戻れば対処出来るだろうし、それまでの守りとなってくれるだろう…多分。
己が去った後、その辺りの後処理も、しっかりとしておけば、置きっ放しにしても安心である。

この完璧な仕上がり、誰かに自慢したい。
そうは思うも、それを知るのは掛かった相手、自慢も何もあったものじゃないか。
そんな事を考えながら、一旦、その場から距離を取って物陰に隠れる。
さすがに、今すぐに掛かる相手とか、居なさそうだが…一応、やるだけはやってみる、と言うものだ。

タマモ > 待てども待てども、誰も来ず。
…いや、まぁ、普通に考えたらそんなものだ。
場所も場所だし、仕方が無い。

と言う訳で、せっかくなので、罠は放置。
引っ掛かった場面、それを見たかったが、それはまた、別の機会に、別の場所でやってみよう。

迷惑この上ないものとも気にせずに、隠れていた物陰から、よいせ、と腰を上げる。
そのまま、くるりと踵を返せば、その場を後にするのだった。

ご案内:「セレネルの海」からタマモさんが去りました。