2023/08/13 のログ
ご案内:「セレネル・宿泊施設【海の庭】」にティカさんが現れました。
■ティカ > 「きゃ―――っ!♡ マヂでマヂでマヂでぇっ♡ マヂであたし、ここに泊まっていいのかっ?♡ ほんとにっ? たちの悪い冗談とかじゃなくてっ??」
普段のティカを知る者ならば驚きに目を丸くするだろう年相応の声を上げて、小麦色の肌とのコントラストも眩しい白ビキニで飾られたトランジスタグラマの肢体が振り向いた。
その華奢な背筋に背負うのは、水上ヴィラのテラスの先に作られたインフィニティプールと、透明度の高い遠浅サンゴ礁のサファイアめいて美しいオーシャンビュー。
一泊のお値段が平民の一月分の稼ぎと同程度という、ハイクラス御用達の高級宿泊施設の景観だった。
ひょんな事からそんな部屋への連泊が決まったティカは、それはもう喜んだ。ぴょんぴょん跳ねて、水着の豊乳もぽよんぽよん揺らしまくるくらいに。
時にはドブネズミどころか虫食にさえ手を染めようか迷うレベルの極貧駆け出し冒険者。
それでも年相応の感性だって持ち合わせる少女にとって、これはもう白馬の王子様が迎えに来たレベルのとんでもイベントである。
そんなチビのはしゃぎっぷりを微笑ましげな表情で見守った案内役は、出来るだけ早くこの状況を楽しみたいだろう少女の気持ちを斟酌し、最低限の説明だけを行い鍵を手渡し出ていった。
■ティカ > 「にゃぁぁぁああああっ!♡♡」
そんなスタッフの大人なおもてなしに対し、残されたチビのテンションは完全に振り切れていた。
子猫めいた奇声も高らかに、準備運動さえ行なわず両手を突き上げた大ジャンプでプライベートプールに身を投げる。
ベルボーイが部屋説明を行っている際に、他のスタッフの手でプールに浮かせたフローティングブレックファーストに飛沫が散るも、そんな事はお構い無しだ。
「にゃああっ♡ にゃあああああっ♡ ふにゃぁぁあぁああああはははははははっ♡♡」
もう完全にアホの子である。
こぢんまりとしたプールの中で、ばしゃばしゃじたばた暴れに暴れ、最後はもう嬉しくて仕方がないという笑い声を大いに響かせようやく落ち着く。
その身に纏う白ビキニは水につけるとすっけすけとなるクソ商品なのだが、それすら今は気にならない。
ちなみにこのヴィラ、高級なれど最高級という訳ではない。
侯爵・公爵・王族といった高位貴族が使う一戸建てではないのだ。
左右には解放感を阻害せぬ高さの衝立と、狭苦しさを感じさせぬ距離をおき、建売の集合住宅めいて同じ造りのヴィラが並んでいる。
そのため、お隣さんが既に宿泊しているのなら、ビキニ姿のチビがはしゃぐ様子は余す所なく聞かれ見られていてもおかしくはない。
ご案内:「セレネル・宿泊施設【海の庭】」にシアンさんが現れました。
■シアン > 泥に塗れて駆けずり回ったり……触手部屋に転送されて尻を狙われたり……最近碌な事がない。
冒険者なんて稼業をやっていて高い金が支払われる依頼には危険は付き物だが鬱憤は溜る、故、休暇に奮発した。
外観の豪奢でありつつ嫌味のない設えもさることながら、内装ときたら玄関の敷物一つ取っても態々数打ちの繊維工場でなく其れ専門の職人に頼んだ思わしき細かな縫製と踏み心地ときた。椅子も思いっ切り、ではないが、遠慮なく筋肉の塊みたいな体躯を預けても壊れそうな心配もなく、プールまで付いて水平線との境目をあえて意識したインフィニティプールとまぁいちいち嘆息も出る。
そこなテラスで寝そべり椅子に腰掛けて、サングラスを掛け腕を枕に、のんびり寛いでいた時だ。
「……ん?」
真ん丸な氷が入った真ん丸なグラス。琥珀色の酒を注いで口にして、偶には葉巻でも……
と、手を伸ばしたが、びくっ、と驚いて手を引っ込める事になったのは隣からの歓声。
というかほぼ悲鳴?
と、同時、ばしゃばしゃばしゃと鳥の大群が水浴びでもしているかのような大騒ぎ。
「……」
どこぞの子供でもはしゃいで暴れ回っているのだろうか。いや、にしても暴れ過ぎでは?
流石に文句言ってやろうと身を起こして衝立のほうへと近寄り、ひょいと顔を覗かせたら……
何だかやたらと発育がよく、且つ、発育をこれでもかと見せつける水着の女の子が燥ぎ回っている。
しかも。こう。知人、というわけではないが。
何処かで見覚えあるような、ないような。
「ぁ。思い出した。ティカだっけ? おぃす」
そう。たしか。ティカ。冒険者ギルドで見ないでもなく挨拶を交したり軽い雑談程度なら何度かした覚えのある顔だ。
彼女が此方を覚えているかどうかは解らないが兎角ひとまず衝立からひょっこり顔出したまま。ついでに、手もひょいと出して、緩々揺らす。
■ティカ > 「――――っは~~~~♪ すっげぇなぁ。高級リゾートまぢやっべぇ! 値段聞いた時はアホかと思ったけど、これなら納得………んぉ?」
涼しげではあっても冷たさなどは感じない程よい水温に爆上げテンションもようやく落ち着いて、ラッコのポーズでぷかぷかしつつフローティングトレイから一口サイズのサンドイッチをつまんでいた少女戦士は、不意に聞こえてきた男の声にぴょこんと眉根を持ち上げて仰向けに浮いた頭部を傾けた。
上下逆さの視界の先、白雲たなびく蒼穹を背景にこちらを見やるはドレッドめいた癖っ毛と、肉食獣を思わせる黄金の眼光、そして何より隆々たる筋骨の見事な巨躯が目を引く大男。
もう完全にプライベートビーチ気分であったチビはその魁偉に思わずびくりと細肩を跳ねさせるも
「お? おぉぉ……?? あ、お前見たことあんぞ! えぇっとたしか……シ、シ……シア……? なんかそんな感じの可愛い名前のぉ……って、なんで冒険者がこんなトコいんだよっ!?」
少し前まで男嫌いで通っていたチビである。
異性の知人は(同性の知人も同様にだが)相当に少ないのだけれども、何かと声を掛けてきて、時には先達としての助言なんかも与えてくれた気のいいデカブツの事は名前も後少しで正解となるくらいには覚えがあった。
よもや、そんな大男と斯様な場所で出会う事になるとは思いもよらず、ぷかぷかしていた少女戦士はその身を反転させてプールサイドに泳ぎ寄り、ぱちくりする猫目で改め巨躯に目を向ける。
濡れ透けた白ビキニが縁に載せたたわわの悩ましく拉げる様どころか、先端のピンクまで盛大に見せつけている事にも気付かぬ驚きぶり。
まぁ、この場に見合わぬのは結構な稼ぎを叩き出すベテラン冒険者の大男よりも、数匹のゴブリン相手に死にそうになるチビの方なのだけれども。
■シアン > 「惜しい。シアンだ。シ・ア・ン。何ってオメェ……
冒険者がこんなとこで依頼やってるわきゃねぇだろ。休暇。バケーション」
ボリューミーな癖っ毛も筋肉で盛り上がった肩もアロハシャツも揺らしながら喉をくつくつと笑気で鳴らす。
刃物のような切れ味尖そうな目付きだけでも大概だが赤い化粧と金の瞳孔で余計に強面感増す瞳も、
漸くプールで暴れなくなったと思ったら今度は威勢の良い声を上げる彼女を見て可笑しそうに撓んだ。
挨拶に上げた掌は落ち、衝立の上に二の腕を組んでだらりと下げて、体躯をしなだれさせる。
荒縄で編み込んだのかという印象も与えそうな引き締まりきった上腕や分厚い爪がふらふらと揺れた。
「そーゆーティカも、まー休暇、だわな。一人か? はー……稼げるようになったんだなぁ?
何かちょっと俺感動しちゃったかもしれん」
見て解るがプールにも室内にも目を向けたって同伴者らしい者の姿はない、となると……一山当てたか。
駆け出しが一山当てるのは簡単ではない。駆け出しで体躯も技術も心構えも半人前という印象はあったものの、そのうちに一角の冒険者になってもおかしくはないというポテンシャルも伺えた彼女だ、故、余計なお節介も幾つかした覚えが思い起こされては、何だかちょっぴり保護者目線になってしまって感動が云々と。まあ、勘違いなのだが。
プールサイドへ泳いでやってくる彼女に、視線が向く。
ぐっにゅん♡ なんてオノマトペが飛び出そうに撓む胸元に、そして濡れて透けた桃色に、視線が吸い寄せられて。
「ティカ。ここ。何でそんなもん着てんだ……」
見えてるぞ。と、自分の、二つに割れて隆起した逞しい胸筋を太い指と爪でどすどすと突いて見せる。
■ティカ > 「おー、そうそう、そんな名前だ。シアンな。シアン。ほんっと、顔に似合わねぇ綺麗な名前だよなぁ。後、そのカラフルなシャツもすっげぇ似合わねぇ」
ナチュラルに毒を吐くが悪気は無い。
最近のティカは男に対する嫌悪も薄れ、何より今は高級リゾート効果でなんでも許せそうな心持ちなのだ。同業の中でもそれなりに仲良くしてくれている大男に喧嘩を売るつもりなどサラサラ無いのだ。
ずびしと指差し突きつけるおまけのコメントまでもがイラッ☆とさせられるのだから、男を苛立たせる才能でもあるのではないかと思えるほどだが、重ねて言って悪気は無い。
実際、膨れた筋肉でぱつんぱつんな感じのアロハの軽薄さは、腰蓑と石槍だけを身に着けてジャングルの奥でワニと死闘を繰り広げていそうな威圧的な外見とのギャップが酷い。
まぁ、そういうむっきむきな筋肉に憧れる少女戦士的にはちょっと見惚れそうな体躯なのだけども。
「おう! すっげぇだろ! 信じらんねーだろ! あたしが、こんなトコで、しかも数日間!! やばくねっ!? やばいよなっ!! …………あー、稼ぎについては、まぁ、うん」
そんな大男の問いかけにぱぁっと輝く猫目の童顔。
しかし、稼ぎについて聞かれれば、紅色の瞳はすー…っと水平線へと逃げていく。ここに泊まる事となった経緯も胸を張って言える様な物ではないのだ。
無論、犯罪行為に手を染めたとかそういう理由ではなく、すっけすけのエロ水着に欲情した豪商が、急な仕事で休暇をキャンセルする事となり、連泊予定だった水上ヴィラを代わりに使ってもいいという交換条件の元一晩たっぷりあれこれした結果だ。
ティカの胸やら尻やらばかりに目を向けている大男はチビの潜在能力を過剰に評価してくれているけれども、小躯の非力は一生変わらず、武器振る技術もド底辺である少女が冒険者として名を馳せる事はまずあるまい。
「―――あ? そんなもんって、水着なのは別に………、ッ!!」
きょとん。
鉄板みたいな胸板をつつく所作に小首を傾げ、ゆっくりと紅瞳を下ろした少女は僅かな間の後で――――ぼふっと童顔を真っ赤に染めてすっけすけの白ビキニを両手で覆い隠してプールに沈んだ。
■シアン > 「ッハハハハハハハ! ほっとけ!!」
名前が顔に合ってないの格好が似合ってないの散々な言われ様だが……
只でさえ吊り目がさらに釣り上がる事も顔を真赤にする事もなくて、
喉が震えて漏れていた笑気が口を大きく開いて大きく飛び出すだけだ。
参ったね! 何て具合にぴしゃりと大きな掌で目元を覆って喉を逸し顔も上へ反らして大笑い。
一体何を想像してるんだか、見えやしないのだがこう、なんとなく、
腰蓑に石槍で密林で鰐云々……
透けて見えるような失礼な妄想していそうな顔を見て殊更可笑しくて堪らないとばかり大笑い。
半人前、以前の第一印象は、男に酷い目遭わされた野良猫だった。
挨拶なり雑談なり助言なりしていく内に、彼女も彼女で色々あったのか、今も酷いが前より随分マシになった対応に気分を害したという顔もとんとせず、
「おう、やべぇな? おめでと。ん? 何だ。稼ぎは稼ぎだろ。俺が思ってたんとちと違うみてぇだが……
お前が此処に泊まれてるのぁお前の功績に違いねぇんだ。喜んで良いんじゃねぇの」
すー……っと水平線に逃げていく目線に首を傾げたのも束の間で、
まだ止まない笑気で声は震えながらも首を横に振る。
腕力で勝ち取ったものではなかったようだが運にせよ色気にせよ金は金で勝ち取った結果は結果である。
犯罪行為に手を染めた、何て事さえなければ、十分。
彼女の事情も過程も何も知らないが彼女は結果的に半人前じゃ出来ない事してる、
其れを認めて今度は一つ首肯した。
「おう。気付いてくれて助かるわぁ。目の遣り場に困るんだよな、男ってのぁやっぱよ……まぁ……
女もそこらへん変わらんとこあるけど。気付いてねぇーわけじゃねーぞー。
見るか? 触ってもいいぞー。ハッハッハッ」
顔全体、一気に、熟れたトマトかリンゴかといった具合に染まって沈んだ彼女にまた肩を揺らして。
ぐ、と、軽く膝を弛め身体を弛め伸ばすと同時、どでかい身体をしている癖猫のように靭やかに跳んだ。
衝立をジャンプ一つで飛び越えてしまえば音もなく彼女側の敷地に侵入を果たす。
先程からどうも体躯に視線を感じて、悪戯っ気に八重歯を覗かせた笑みで、誂ってますとばかりな物言いしながら、
アロハシャツをこれ見よがしに寛げて見せれば胸板は勿論六つにくっきり刻み込まれたような腹筋も晒して、プールサイド、彼女の方へと近寄っては、屈み込む。
■ティカ > チビの毒舌も朗らかに笑い飛ばすその様は、好漢と呼ぶに相応しかろう。対するティカも思わずにかりと白歯の覗く笑顔を浮かべてしまう。
世界そのものに鬱屈した恨みを抱いているような普段の仏頂面とは大いに異なるその表情もまた、南海リゾートの癒やし効果によるものなのだろう。なるほど、金持ちは喧嘩しないとはこういうことかと思う。
「あー……そう? ん~~~、あたしとしてはなんか素直に喜んじゃダメな気がすんだけども……まあいっか! 何はともあれこんなすんげぇとこに数日泊まれんだからなっ! しかも飯付き! まぢヤベぇ!!」
極貧チビに見合わぬ宿泊施設への経緯には微妙な表情も覗くのだけれど、そんな気持ちも二人を包むからっと爽やかな潮風に流されるかの如くあっさりと霧散する。
そしてそんな屈託のない笑顔が次の瞬間には爆発するかに炎熱するのだから、見ていて飽きることのない小動物ではあるのだろう。
「うぅぅぅぅ……そーだった。畜生あのエロ水着売りめ……」
真っ赤に染まる童顔を緩やかに流れ行く水面に半ば没して恨みがましく呟くチビ。
しかし、続く男の言葉には「おっ?」と何かを期待するかに顔を持ち上げ
「にゃぁぁあぁぁぁあああッ!?」
先程見せた小躯のプールダイブとは、高さも飛距離も比べ物にならぬ跳躍が、蒼穹に巨体を舞わせた。
テラスの木板を踏み抜かんばかりの大迫力はしかし、樹上から飛び降りる黒豹めいてしなやかな無音の着地でチビの所領へダイナミックイン。
紅色の猫目をまんまるに見開いて、なんとも愉快な悲鳴を轟かせた少女戦士はプールの中で後退り、すっ転び、ばっしゃんばっしゃん小躯の足先がギリ届かぬ深みの中で若干溺れ掛けた後でようやく
「び、びびらせんじゃねぇぇえっ!? てめぇの身体、どーなってんだ!!」
しゃがみ込んでもなおデカい巨体にみぎゃーっと吠え掛かる。
鼻から水を飲んだのか、ちょっと涙目の抗議である。
それでもちらちらっと見事な筋骨を盗み見る辺り、このチビの筋肉好きは結構な物。
■シアン > 「そーそー。結果良ければ大体良いんだ、楽しめ楽しめ。飯もやべぇぞ~? 何でもあるが何食っても美味ぇからなぁ。オマケに……テーブルマナーもいらねぇってんだ、最高だよな」
下町にあるような焼鳥やら粉物やらの庶民派なものからジャケット着用必須でフォークにナイフで云々とマナーが求められそうな場所のコース料理まで何でもござれ。何処から料理人集めてくるんだか、此処まで来ると嘆息は出るには出るが力の入りっぷりに言葉を失いそうだ。自分はメニュー表見て言葉失ったクチである。
ころころと表情が次から次へと変わっていく彼女は見ていて面白い。
どうにも中々笑みが引っ込まないし顔を真赤にしてもやはり笑って、
「ァハハハハハハッ!!」
決して低くはない衝立を軽々一飛び、に、対する、
それはもうドでかいリアクションも笑ってしまう。
……あわや溺れかける寸前まで引っくり返ったのには、踵が僅かに浮いて爪先に力が籠もり体躯を少し前屈みになり、飛び込んで助けようかと思ったものだが。何事も、いや少し鼻に入ったのか涙目にはなっているが大事ない事に、いや悪い悪い、とはまったく悪びれもせずに胸の前で手を立てて見せ。
「ハッハッハッハ。十年もやってりゃこんなんなるわ。ティカもそのうちできるようになるって。
ほら。遠慮しなくていいぞー? ……ったく、しゃーねーな、筋肉フェチなティカちゃんに大サービスしてやんぜ」
本当に野良猫みたいな威嚇してくるからそろそろ可笑しくて涙が出てきた。
太い指で目端を拭いながら、チラチラチラチラ解りやすく向けてくる視線に肩竦めると……
羽織っているだけのアロハシャツを肩から落としてしまえば日光にしかと顕になる筋骨の塊。
何処が、ではなく、何処も彼処も手の指一本に至るまで脂肪を削ぎ落として筋肉を膨らませ、
肌にその繊維がどう流れていて血管がどこを通っているかも張り上がった筋肉質な体躯。
それでいて、背丈もあり手足も長いから筋肉達磨には見えない身体が、よいしょ、一声上げては水に入る際にも本当に僅かな音しか立てずにプールの中へと足から入って胸元まで一気に浸からせ。ひょい、と、手を伸ばせば、彼女の肩を掴んで抱き寄せてしまおうか。
■ティカ > 「いやいや、ふつーの人間には一生そんな動きはできねぇよ。っだ、誰が筋肉フェチだこらぁっ!」
無茶を抜かす大男にはじっとりとした半眼を向けて、紛れもない事実を指摘する言葉には再び頬を赤らめながら抗議する――――のだけれども。
胸板が厚すぎてボタンを留められなかった様なアロハが落とされ、先程まではカラフルな布地が織りなす筋チラだったのが、今度は全力全開で見せつけられる。
見るなという方が無理な造形美。
非力なチビがどれほど腕立てと腹筋を繰り返しても手に入れる事の出来なかった剛力の象徴には、戦士としての憧憬のみならず、逞しいオスに引かれるメスの疼きも下腹に生じた。
「す……っげぇ……。あんたの身体、やっぱすっげぇな……」
思わずぽー…っと見惚れる紅眼は、巨躯の重量を感じさせぬ動きでプライベートプールに入り込んで来る不躾に文句を言うのも忘れ、無意識に伸ばしていた小さな手指がそっと、擽る様に腹筋の連なりを撫でる動きで男の背筋にぞくりと来る妖しい愉悦を送り込んでいた。
そんな有様だったので
「―――――あ……っ♡」
巨体に相応のデカい手で肩を掴まれ抱き寄せられれば、あっさり泳ぐ小躯は乳首のピンクもはっきり透かす白水着の双丘を硬質な肉の凹凸にふにゅりと密着させてしまう。
どっ、どっ、と先の驚きも尾を引く胸の鼓動。
潮風の中にふわりと香る柑橘めいて甘やかな少女の体臭。
驚きと恍惚を半々に覗かせる童顔は、血色の良い桜色の唇も半開きのまま威圧的な男の容貌を見上げていて――――女好きの彼で無くとも分かるだろうヤれる気配をむんむんに漂わせていた。
■シアン > 「まぁ、筋肉は、元の質だの骨格だの色々あるし性差もあっから一概には言えんがなぁ。
身の熟しは地道に訓練してきゃあどうにかなるさ。今度機会あったら見てやんよ」
一人前の冒険者が半人前の冒険者に訓練を見てやったり稽古付けてやったりは鍛錬場でも稀に見る。
金にはならない話であるので多くの冒険者がそうやる事でないし己も積極的にというタイプではないが……
前から話さないでもない仲であるし此処で多く語らったのも何かの縁という事で一つ頷いたりして見せつつ。
「ハハハ。だろ、すげぇだろ? まー結構頑張った方だ」
腰が細くは決してないのに腰が細く見えるのは、腰付き高さ。加えて、引き締まった腹筋と脇腹そして緩やかではあるが前から発達を伺わせる広背筋の存在であり、肉食動物を思わせる太ましくも靭やかに隆起を繰り返していく大腿筋の存在であり、棍棒のような脹脛の存在であり……と、膨らませながらも身体のバランスを考えて付けられた各所の筋肉達のおかげである。
彼女の小さな手指に触れる腹筋も、一つ、一つ、一つが凹凸も豊かで段差があり、
且つ岩のような見目をしているくせ触れれば指が固くも沈み込む弾力がある。
……手付きが妙に艶やかで、擽ったい以上に背筋をなぞるものがあり、擽ったそうな吐息に交えて少し熱を吐いた。
「……♡」
あっさりと捕まえられる小柄な体躯。ぐにゅう、と、密着した傍から腹筋と胸筋の凹凸が柔らかな乳房も凝りのある乳首も押し潰す。
水と潮の香りにまぎれて鼻に届く香りに鼻先を少しひくつかせ、下を見てみれば、ヤれる気配むんむんに童顔に雌の色も濃くした顔。
つい、ついつい、にまっと意地悪そうな笑みを口の端に浮かべ、抱き寄せた手はそのまま肩をなぞり背筋をなぞり肌をくすぐりながら腰へ下がり、まだ下がっていけば、胸にも負けず劣らずによくよく実った尻の肉を水着越しにだがその大きな掌で、ぐっにゅ、と、鷲掴みにしてしまおう。
「なぁ。水ん中じゃようく味わえねーだろうし。中行こうぜ?」
くい、と、顎を反らし目線を反らし、建物の中を指す。目線は、ベッドルームの方に向いていた。
訓練付けてやると親切心は出す、彼女を応援するのも本音だが……
ヤれちまうならヤッちまいたい助平心もある。
■ティカ > これまでもちょっとしたコツだとか、冒険者としての心構えの様な物などを対価も求めず教えてくれた大男だが、直接的な指導ともなればそれこそ値千金。
大柄で膂力にも恵まれたフィジカルモンスターと少女戦士では戦い方はまるで異なるだろうが、それでもベテラン冒険者の引き出しには小躯を上手く使う方法も収められている事だろう。実にありがたい話だった。
そんな太っ腹な提案を向けてくれた大男の身体は、間近にそれがますます圧倒される代物。
見栄えの良い上半身のみならず、下半身までバランス良く鍛えられたその体躯は、そこらの彫像が霞んで見えるほどに完成された物。
この身体を売りに出したなら、貴族のご令嬢やご婦人方がこぞって金貨を積み上げる事だろう。
その上触れた手指に伝わるのは部分的にはふんわりとした弾力すら感じさせる実用に即した本物の筋肉なのだからとんでもない。
「は、ぁ……っ♡ んん……ッ♡」
肩から背筋へと降りていく無骨な手指が谷間を半分ほども覗かせたビキニの尻肉を鷲掴む。
乳房に加えられたなら痛みばかりを感じるだろう握撃も、お尻であるならマゾの興奮を昂らせる肉悦だけを浸透させる。
たっぷりの柔肉に深々沈み込む太指を小生意気な肉の弾力で押し返し、ぞくんっと震える背筋に合わせて収縮する子宮の蠢きは、そこに密着する男の太腿にも伝わろう。
「―――――――………ん♡」
若干の逡巡。
迷い泳いだ紅瞳は、最終的には肉の欲望に従い男を見上げ、子供めいて幼気な、それでいてこの先に行なわれる事をしっかり知悉した淫蕩さを伴い頷きを返した。
一端男の腕から逃れ、先立ってざばりとプールから小躯を引き上げれば、むっちりと肉付いた尻、太腿とその付け根にて濡れ透けた白布を食い込ませる割れ目のピンクをちらりと見せる。
魔導具で塩分を抜かれたプールの真水とは明らかに異なる粘ついた透明蜜がほんのりとほころぶ雌華をぬめり光らせる様は、巨体の股間にもダイレクトに響く劣情を催させる事だろう。
壁一面を解放感たっぷりのガラス扉で隔てる寝室は、まさに目の前。
当たり前の様な顔をしたキングサイズベッドは、チビのたわわも巨漢の重量も安定感たっぷりに受け止めてくれるはずだ。
■ティカ > 【後日継続予定です】
ご案内:「セレネル・宿泊施設【海の庭】」からティカさんが去りました。
ご案内:「セレネル・宿泊施設【海の庭】」からシアンさんが去りました。