2023/12/13 のログ
ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ >
ゾス村 周辺地域
冬 小雨交じりの午後
降るならさっさと降れと言いたげな、まどろっこしい冬を濡らす半端な雨
凌ぐ気にもなれない徒歩でのそれでも、馬に跨ればそれなりには濡れるだろうか。
周囲に響くのは 悲鳴 罵倒 嘆き 悪態
その一人の口頭に入り込んだのは、一本の竹節凹凸が細工された黒長の柄
首から突き出た大笹穂の曲線を描く刃は、貫くと同時に千切れ、槍が抜かれてしまう。
傭兵崩れ はぐれ盗賊
山脈を抜けた後の散発的な奪略は、補給や物資といった概念ではなく
街道を襲うだけでは到底足りないタナールやアスピダへの道のりとなる場所
やられ続ける中で比較的温い場所を叩かねばならなかった者らは
こうしてメイラが再びアスピダへと向かう最中でのゾス
其処での食い散らかすような逆襲めいた出来事に相成っていた。
別部隊が小事など放っておけと言いながら先行し、アスピダへと向かいたがるのを
メイラは ガキッ とギザ歯を合わせ拒否する。
「行きたければ、勝手に行きなさいな
とっとと行って、勝手に偉くなってなさいな。」
兜越し 異形の女型の兜の乱杭歯が並ぶ口元から声がする
篭って響く、メイラの声 赤い瞳もギザ歯も、今はひどく見えにくい
縦筋に奔る赤い宝玉眼だけが、相手を見つめている。
「わたくしは、此処をある程度綺麗にするまで止まりませんわよ。」
メイラと共に、捕らえるでも尋問するでもなく
刃を突き立てる者らが周囲で激闘の音を響かせる中 メイラが止まらなければ止まらない雑兵は多くいる。
「みんな傭兵や盗賊を見る度に目の色を変えて殺し尽くす。
アスピダでの“経験”の賜物ですわね。」
そう言って、槍を振るえば突き刺さったままだった“ぶら下がり”が抜け落ちる。
■メイラ・ダンタリオ >
メイラは黒衣の防寒具を纏う銅板首無しの愛馬に跨るまま
その上で届く長槍を手に周囲を巡る。
同じく轡を並べる 騎馬 徒歩 全員が逃がさないように殺し尽くしていく。
盗賊も傭兵も、須らくアスピダのそれと見なすかのような容赦のなさ。
逃がせばアスピダに逃げるぞ と強迫観念すらあるかのような。
そんな全員が、必死さで鎧越しに貫くバトルハンマーのピッケルの音
首を貫く片手剣の垂直なシルエット。
メイラは徒歩に対して、刃に固執せず、身がたっぷりと詰まった長柄の先を叩きつけて首を折り
反した刃が首無し愛馬の向こう側をすり抜けて一文字に首を跳ねる。
アスピダ勢ではなく盗賊の一人にまた戻ってしまった者らは
以前という過去よりも苛烈に狙われる現在に、命の短さを覚える。
もはや盗賊にすらなれないくらいに、恨まれ、執着され、貫かれていく。
傭兵も同じこと。
アスピダの今はむしろ傭兵の密度が高いせいか
盗賊よりもより執着される。 一人を数人で狙うかのような容赦の無さ
騎士や貴族のやり方すら投げ捨てるような、周囲のブツで足を絡め転ばせることすら。
跨り、数人で刺し殺す姿はタナールにでも飛んだかと幻視してしまうよう。
綺麗な戦い方を捨ててしまえば、数字を零に戻すこともできる。
綺麗な切り口 鮮やか手並みなど必要ないと言いたげ。
エイコーンすら相手にしていたら当然か。
「アスピダに赴く前に数が減らせたかと思うと随分と、心が洗われる。」
躯の数が地面に対し増えていく。
かと言えど、村襲いの人数が大量過多なわけでもなく、逃がしてしまうものはあれど
剣を赤くできなかった者はきっと、いなかったはず。
兜越しに、メイラはカラカラと笑み、それを別部隊は、狂気的に眺めるしかなかった。
ご案内:「◆ゾス村(イベント開催中)」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。