2024/08/04 のログ
ナラン > 示された方向へ歩いて行くにつれ、馬の嘶きが届いて来る。
興奮しているものが多いようで、次第に手綱を引く馬の脚が重くなってくる。
何とか宥めて数戸の井戸を囲む広場に辿り着くと、どうやら係りの者がいるようで順に馬を預かるという。
多少心配ではあったが、ここで馬を盗まれると言うこともないだろう。

見守っているから、と囁いてやってから見送ると、他の戦場を常とする馬に混じった女の馬はいかにも優し気だ。目立つので見失う心配もなさそうだ。

ナラン > 本当はどこかで仮眠を撮れれば良いが、馬の休養が済んだらできるだけ早くここを去った方が良いだろう。
王国の兵士があふれるここに自分はいかにも場違いだ。

やがて井戸で汗を流して貰って十分に喉を潤した馬が戻って来る。
雌と勘違いされたのか、追ってこようとする馬が居てそれを宥めているものが居て女は微かに笑ってしまう。

「―――ごめんごめん。
 向こうで少し休んでから、出ようね」

兵士たちから馬と共に遠ざかって
すこし場違いな女と馬は夜半前に、陣地から姿を消しているだろう。

ご案内:「ハテグの主戦場」からナランさんが去りました。