2024/01/11 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にコルボさんが現れました。
■コルボ > ズボンのポケットに手を突っこみながら街並みを一人歩いていく。
都市のギルドで仕事にありつく、ありふれた姿の冒険者がふと、道端で聖句を唱える教父へ近づいていく。
「よう神父さん、調子はどうよ?」
『ようこそ迷える子羊よ。神は貴方のような者でも等しくお救いくださいます。』
「そういうんじゃなくてさ、常套句より面白い話とかないのかよ」
『はは、そうは申されましてもこれが我々の神へ捧げる責務。
一日たりとも神へ顔を背け、私情に走るわけにも参りませんので』
微笑みを絶やさぬ教父。落ち着いた神々しい佇まいさえも気づかぬように、
教父と神父の区別もつかず冒険者は絡み続ける。
「そうは言ってもたまには女とか酒とか恋しくなる時はあるだろうよ?」
『いえいえ。ああでも年の境にいただいたシュトーレンは、時に迷いを産むほどに気を引かれることがありますね』
「はは、甘党かよ神父さん。だったら向こうの大通りの屋台で売ってるドーナツなんか下手な女より厄介そうだ。
あそこのチョコレートドーナツは俺も目がなくてなぁ」
『ああいけませんね。それは確かにいけません。ですがそうですね。
たまには孤児院の子供達にも美味しいものを食べさせてあげたくもなります』
「だったら買っていってやれよたまにはさ。
……そういや昔、まとめて20個買ったら割引してくれる店もあったなぁ。」
『ああ。今は引退されたそうで……。よく教会にもお祈りを捧げに来る敬虔な方でした。』
「そっかぁ。残念だな……。ま、俺ぁ食いたくなったからいただいてくるとするかね。
じゃあな神父さん、頑張れよー」
……神聖都市に点在する諜報機関の表の顔、それと暗号でやり取りを終えて、
調査した魔族の潜伏先を記したリストの隠し場所を伝え、当分戻らないこと。
下手をしたら二度と帰ってこれないかもしれないことを告げて冒険者は立ち去る。
さて、話をしていたら本当にドーナツが食べたくなってきたが、どうしようか。
それにしても、腹が減った。
飯でも食いに行こうか。
■コルボ > 豆のスープ。チーズ。ワイン。
神聖都市の腐敗した側面で得られる美食に比べれば簡素だが、
それでも清貧な側面にあっても中々に旨い店はいくつもある。
それは厳格な異端審問官の顔を食してる間は人のそれに戻すほどのもの。
たまに会っては言葉を交わすベルナデッタなどに教えてもらった穴場をいくつも心得てるとはいえ、
たまには自分で開拓したくもあるが……、外れの店が多いのも事実。
「さってどこにすっかなあ……。」
……難易度は高いし情報屋の自分としては何の下調べもなしに挑む分の悪い賭けだが、
何のリスクもない。
たまには負け戦に勤しむのもいいだろうかと思いながらぶらついて。