2024/03/04 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にノイさんが現れました。
■ノイ > 広くはないが煌びやかなサロン。
身形や恰幅の良い数名の者達が、茶や酒を嗜みながら。世間話に鼻を咲かせている。
やれ、近頃の経済状況はどうだだの。隣国との戦況がどうなっているだの。
それ等だけを見たのなら。極一般的な、例えば貴族等の社交風景と思えるのだが――
彼等、彼女等は。足元に奴隷を這い蹲らせた者。首輪を繋ぎ引き回す者。肌も露わなそれ等を評してみせる者。
果ては…ゆったりとソファに身を沈めた侭、下半身への奉仕をさせている者も居る。
流石に直接姿は見えないが…もしかすれば。それ以上の事に及んでいる者も。
特に奴隷を連れていない者も、今からという事だろう。店の者がこの場へ連れて来る「商品」を品定め中。
此処は王都ではなく。奴隷市場都市の一角に存在する、上客向けの高級店なのだった。
ふわりふわり。そんなサロンを影の如く。少女の姿がたゆたっている。
『自分も親兄弟のように奴隷の一人位買っておこうか、愉しんでみようか』と考えたか。
もしくは『今日此処で奴隷を買おうとする位の欲望を、摘み食いしたい』という事か。
どちらにせよ。さも、談笑する人々の同類だというような顔をして。
「持ち物」を見せ合う者や、今買おうとしている者達。その中に入り込んでいた。
■ノイ > 「………? はい。えぇまぁ――今日は社会勉強です。こういうのも必要な事でしょう?
ほら、あぁいった子。身近に居てくれると退屈しませんし――…えぇ、えぇ。愉しみますよ?
男でも、女でも――手広い方が楽しいと。其方様も思われません?」
気付けば人々の中に入り込んでいる。違和感を感じさせない――そうした少女にも。
寧ろ単身で居るのなら、何処ぞ良い所の娘だとしても格好の獲物だとみなし。声を掛けて来る者も居る。
なかなかに上級である事を思わせる、貴族らしい男性の。物腰は柔らかだが、その裏に黒い物を滲ます問い掛けに。
丁度サロンの中央、商人が引き連れ回し、客達の間で品評されている若い奴隷――へ目を向ける。
自らをこそ狙われている。そんな気配は重々察知しているものの。
魔性の身には、向けられる欲の気配という物が。いっそ心地良くすらもあり。
だからその男性含め周囲には、まだ――今は。「何処かの娘が買い物に来た」といった態を演じておこう。
■ノイ > ――――そのようにして連れられてきた奴隷に対し。
手持ちの居る者居ない者関わらず。購入目的の客達が値段をつけ始める。
何でも元々は異国の令嬢であっただとか。客の為にきちんと初物の侭、しかし技術は仕込み済みだとか。
些か誇張された売り文句の嫌いは有るが…客層を考えれば。まるっきり騙している訳ではないのだろう。
早速買値が吊り上がっていく様に。この国の言葉が不確かなのか、押し黙って俯く奴隷当人。
彼女の様子に緩く笑み、立ち上がり。少女も競売へ加わっていく。
商人側の口上よりも。彼女の容姿や仕草が。なかなか魅力的だったから――出来るだけ。金を積んでみよう。
最終的に。その奴隷が誰に買われ、どのような運命を辿ったのかは――――)
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からノイさんが去りました。