2023/11/03 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にゲルバさんが現れました。
■ゲルバ > 「へっ……へへへっ」
曇天のバフート。こもった性臭と下卑た野次、嘆声と嬌声が建ち並ぶ檻と娼館、そして公開調教のための舞台を彩る背徳の奴隷市場都市。饐えた欲望が熟し香るその場所に、男は今日もいた。
右手にモップ、左手にバケツ。誰にも顧みられない、一日雇用の清掃夫として生活の糧を得る男の目はしかし、誰よりも暗く澱んでいた。
「ああ、ああ……いいもんだ。何時かはワシもなぁ……ひひっ!」
舞台を見上げる。どこかの姫だか凛々しい麗人かが裸に剥かれ、薬で発情させられ、鞭打たれながら悦がっている様に、下品な笑みがこぼれる。性欲だけは人一倍どころか人十倍もある男が欲情しているのは、奴隷にだけではない。
何せここは奴隷市都市バフート。どんな災難が立派な人物を性処理道具に堕とすか分かったものではない。だからこそ、男はこの掃きだめで暮らしているのだ。思いがけない出来事が起き、自身の所有物となる相手と出会えるかもしれない、と。
愚かで卑しい夢だが、そういった不幸な出来事が起きないとも限らないのがこの都市、否、この国と言えるだろう。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にニルさんが現れました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にドルチェさんが現れました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からドルチェさんが去りました。
■ニル > バフートの往来を、桃色の髪を揺らしながら駆け抜けていく。
明らかに子供と分かる見てくれではあるが、己の姿を見慣れている住人達には、そこまで警戒する必要はない。
それもその筈、自分の雇い主である奴隷商の男が厄介だからだ。
その雇い主から頼まれた、何時ものお使い――の名目の、お楽しみタイムの為の厄介払い。
適当な食べ物やら消耗品やらを買って、適当に時間を潰して、館へ帰る必要がある。
舞台の上へと見世物よろしく、並べられた彼女たちを横目に眺めながら、どう時間を潰すかを考えていれば、どん、と鈍い衝撃。
「わぶ……っ、とと、ごめんなさい!」
どうやらよそ見をしていた所為で、相手へとぶつかってしまったらしい。
その場で踏鞴を踏みつつ、焦った様子で頭を下げ。
■ゲルバ > 「おっと!へっ、へへへっ! いいえぇとんでもない!わたくしめこそ、貴方様のお邪魔になってしまい、誠に……」
相手も状況も見もせず、太った小男はへつらい笑いを浮かべて謝罪しようとする。暴力と欲望が支配する場において、自身の権利や正当性などチリほどの価値もないと理解しているからだ。
が、ぶつかってきた相手を見て言葉を止める。彼女、否彼を目にしたのは今日が初めてではない。周りが手を出そうとしない理由も知っている。しかし、美女ばかりでなく美少年にも欲情するこの小男にはある予感があった。
「……おやあ、これはこれは。大旦那のところのお坊ちゃま!夕刻というのにご精が出ますなあ」
にんまりとした笑顔はそのまま、へりくだりながらじっとりと美少年の肢体を眺め回す。柔らかそうなピンク髪やふっくらした頬、そして腰から尻にかけてのなだらかな曲線。
間違いない。「付いていても」美味しいのではない。「付いているからこそ」美味しい相手だ。舌なめずりしつつ揉み手する。
「沢山お買い物をなさったようで。この……へへっ、このゲルバめにお手伝いできることがあれば、何でもお申しつけ下さいまし」
■ニル > このバフートにおいて、物腰が丁寧であったり柔らかであったりする住民は、大きく分けて2通りだと思っている。
とんでもなく地位が高くって鷹揚であるか、そうしないと酷い目に遭うかのどちらかだ。
相手の反応に、きょとん、と目を丸くしたのも束の間。
続けられた言葉を聞けば、相手が住人である事や、己が何処に所属している者なのかを分かっているだろう事にも理解が至る。
力の抜けたような、緩めた笑みを浮かべ。
「これから晩ご飯なのにねえ、お使いなんてひどいよね!」
怒っています、みたいな風を装いはするものの、何時もの事であれば然程気にもならない。
彼にぶつかってしまった衝撃で紙袋から飛び出た中身をしゃがみ込んで拾いつつ。
「ええ…? んん――それは助かるけど……でも、お仕事中じゃない? 怒られたりしない?」
じ、と相手を見上げて問う表情は、迷惑に思っている、と言うものではなく、何処となく心配気なもの。
■ゲルバ > 「えへへ、ごもっともで……お坊ちゃまのような良い方と寝食を共に出来る大旦那様は、幸せな御方でございますよねえ……」
嫌な湿度を持った笑顔で少年にお追従を言う小男。将来あの大商人の右腕となるだろうと目されている彼だが、その地位は男娼として毎晩抱かれた結果得たものだというのが専らの噂だ。
あの奴隷商人がこの桃色髪を撫で、きめ細かな雪肌に頬ずりし、小振りな尻に……などと考える男は、笑みを浮かべながら歯を噛み締めていた。
「何を仰います。お坊ちゃまをお手伝いするということは、大旦那様をお手伝いするということ。ゲルバめが叱られるなど取るに足らぬもので……さ、お供いたしますぞ」
自分の後ろに転がった商品を袋に入れた後、少年が持つ荷物に向かって手を差し伸べつつ、にんまりと笑った。
■ニル > 「ううーん……うーん……?」
己の雇い主が幸せ者か、については、思わず唸ってしまった。
噂については己も知る所ではある。実際、毎晩とはいかずとも、抱かれてもいる。
その理由は、己が他者の精気を糧にしている淫魔で、客から得る分では成長に足りぬから、と言うのが主だ。
何より、睦言を貰うよりも拳骨を食らった回数の方が多いだろう。
――さておきではあるが。
夢の中でもなければ、相手の思考など分かるはずも無く、向けられる笑みとて色を読み取るには経験の浅い身。
袋へと入れてくれた商品を視界に、差し伸べられた手を”善意”だと受け取れば、心配気な表情を再び笑顔へと変えて相手へと紙袋を預けるのだろう。
「んへへ…ありがとう。 それじゃあね、次は雑貨屋さん!」
■ゲルバ > 「はいはい。ええ、どこへでも……」
モップとバケツを脇に置き、両手に紙袋を抱えた小男が桃色髪の美少年の後をついていく。
今日一日彼を雇った別の奴隷商はこの職務放棄に激怒するだろうが、「誰がサボったか」については認識阻害能力のおかげで覚えていない。叱られても良い、と小男は言ったが、「叱られるほど個として覚えられていない」というのが実情である。
「ところで、坊ちゃまのようなお美しい方だと、言い寄る女達にも事欠きませんでしょ? いやあ、お羨ましい限り……大旦那様の後を継がれた後は、異国の姫君や気高い女騎士を雌奴隷に堕として、大儲けなさるんでしょうなぁ」
相手が自分より年老いていようと若かろうと、人目があるうちは呼吸するようにおべっかを使うのがこの男である。雑貨屋へと続く道すがら、小柄な後姿と揺れる羽、そして尻尾を見つつそう言った。
■ニル > 「姐さん達は優しくしてくれるから好きー! お金もねえ、あればあるだけいいよねっ」
相手の言葉に悪気なしにまろび出る、ある意味、夢に溢れた言葉。
異国の姫君も、気高い女騎士も、商品になってしまえば、己等からは等しく奴隷でしかない。
きゃらきゃらと、楽しげに浮いた声音で同意を示す。
普段は人間として暮らしていれば、淫魔の証である羽や尾は隠匿しているもの。少年の身で男娼をしている、と言う倒錯さで幻視が見えたのやもしれず。
代わり、ゆったりとしたスカートに隠れた小ぶりな尻が、歩む度にその丸みを浮き上がらせているのだろう。
舞台を離れて大通りをある程度進めば、近道とばかり、細路地の方へと進行方向が変わり。
「こっちこっちー」
■ゲルバ > 「へへっ仰る通りで。それにお坊ちゃまはその……」
人離れした羽と尻尾が、と言いかけた男が口を噤む。紙袋を抱えたまま瞬きしてみた。どちらも、ない。彼への陰口である「淫魔」から、少しばかり想像をたくましくさせ過ぎたのだろうか。咳払いして、自身も路地裏へ。
周囲の人通りのなさを確かめた男が舌なめずりする。
「おお、こんな道が……おっとっと」
わざとらしく声を上げて立ち止まった後、丁度置いてあった木箱の上に荷物を置いて、その場で前かがみに。大きく息を吐き出しつつ、両手を膝の上に乗せた。
■ニル > 言葉が途切れるのに、肩越しに振り返って不思議そうに見やる。
けれど、先が紡がれる事はないのだろう。それ以上の言及がなければ問い詰める事もせず、馴染みの店までの近道を案内しようと。
「うん? だいじょぶ?」
して、背後から上がる声に歩みが止まる。
相手の方を見てみれば、何処となく疲労が滲んでいるようにも見える体勢。
先導するのに少しばかり離れていた距離を詰め、相手の様子を確かめるべく覗き込み。
■ゲルバ > 「ふう、ふう……いやぁ、この年になると……」
美少年が近付く中、そんなことを言いながら時間を稼ぐ小男。そして表情を覗き込まれた瞬間、両手を伸ばして華奢な腕を掴んだ。
「……この年になると、美味そうなオスガキ相手に、我慢が効かなくなるもんでなぁ……」
下卑た笑みとともにがらりと口調を変え、くぐもった水音が男の両手から上がる。美少年の腕を掴んだまま五指の先が変形し、生白い触手と化してびゅるびゅると小柄な身体を取り巻く。
2本は相手の足首に巻き付き、もう2本は2本はメイド服のロングスカートの中へ潜り込んで、太股を這いあがっていった。
■ニル > 「!」
突然掴まれる腕。
様子が一変した相手に驚きを隠せぬ儘、反射的に体が逃げを打つ。
然し、当然、抜け出す事も逃げ出す事も出来ない。
「わ、わ……っ!? なに、や……!」
そうこうしている内に這い伸びてくる、白い触手。
同僚である娼婦からお遊びで着せられた衣装は、普段履いているサルエル以上に真下が無防備だ。
素肌を上ってくる触手から逃れようと足を藻掻かせ。
■ゲルバ > 「ひひっ思った通り良い肌だぁ、吸い付いてくるぞ……この太股を見せつけて、毎晩股を開いてあの金持ちを誘っとるんだろうが?んん?」
細い目を見開き、分厚い唇を舐めて濡らす醜い小男が、感覚を共有する触手で美少年の内股を撫で回す。血走った目は支配欲と性欲で満ち満ちており、淫魔でなくとも劣情が見て取れるだろう。
「なぁ、なぁ良いだろうが?構わんだろうが?どうせ毎日、奴にケツを掘らせてるんだろうに。し、心配するな。痛くはせんからな。へへっそうさ。誰も、最後は痛がらなくなる……ひっ、ひひひひっ!」
ついに触手の先端が下着にまで辿りついてしまい、先端の肉ドリルが股布の中へ這いずり込む。この後、メイド姿の美少年が無事逃げ果せるか、醜い小男の毒牙にかかるかは、まさに運次第だろう。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からニルさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からゲルバさんが去りました。