2024/12/17 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」にアルブスさんが現れました。
■アルブス > 王都からいくらか離れた平野部。
川が流れる傍の開けた場所、小屋などが整備されたわけではないものの、人の手が入った跡がある野営跡地。
そこを使って火を起こして一人の少年が野営の準備中。
冷える季節だが、寒さには幸い耐性もあり、能力的にもなんとかなると考えている。
魔獣除け、虫除けの術に香も使い、一人用の簡易な天幕も張って準備万端と一人満足げに頷いて。
「さって、後は首尾よく見つけられたらってとこかな」
冬の夜間にだけ花を咲かせ、薬効を強める薬花を採取する依頼。
駆け出しには野営の準備が厳しい季節であることと、ベテランには報酬がやや物足りない事と。
そんな理由で残りがちな依頼を、寒さに強い自分ならと請け負っての野営。
どんな花かと特徴は聞いたが実際に見るのも楽しみでもあるし。
単に野営というだけでもちょっとした非日常に心躍らせて。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」にタピオカさんが現れました。
■タピオカ > 王都からやや離れたその平野部の反対側から。
歩いてくる小さな人影があった。
冬特有の澄んだ夜空の星で方向を確認しながら、懐にある封蠟のついた手紙をそっと確認する。
所属している冒険者ギルドにて、手紙の配達依頼を受けたのだった。
目的地まで、歩いて2日ほど。
夜通し歩くほどの急ぎの依頼ではないため、どこか適当な場所で冷え込む夜をしのごうと適当な場所を探している。
その歩みが止まったのは、野営跡地らしき場所に火の立ち上る煙を見つけたからだ。
遠くからそっと確認したところ、一人用の天幕が見える。
野党類ではなさそうだ。うまくいけば焚き火を貸してもらえるかもしれない。冬用装備がまとめられた背嚢を背負い直し。警戒されないようにゆっくりと、それでいて足音がするように歩いていき。
「寒い夜にこんばんは!旅人さん!」
相手からも自分の姿が見える程度の距離で、片手を上げて。
笑み交じりに声をかける。
「僕は、タピオカ。冒険者だよ!
ギルドの依頼を受けて移動してるとこなんだけど、このあたりで野営しようと思ってて。良かったらその焚き火、一緒にあたらせてくれない?
邪魔はしないからさ!」
先に名乗って、マントの裾を上げて。腰に武器を帯びた冒険者だと自分から知らせておく。
旅は道連れ、野営の友となりたがり。
■アルブス > 日に鍋をかけ、水の入った革袋から中身を移す。
保存の魔法のかけられた鞄から手際よく処理済みの野菜と肉を取り出して。
採った山菜やら捕えた獲物を捌いて、というのもやってみたいが今日は一夜のみの予定だから、
仕込みを済ませてきたそれらを放り込んでは調味用の香草、香料で手早く味付け。
小さく鼻歌まで零しながらそうしていれば人の近付く気配と、聞こえてくる足音と。
そちらに意識を向けるのと、声がかかるのは同時で。
「……こんばんは。ギルドの登録証か、依頼の受注書の控えとかある?」
挨拶を返しながらも、まずは彼女の言葉の真偽を確認。同時に探索の魔術を使う。
近場に他の気配がなければ、盗賊なりの先触れということはなさそうかと。
かといって人畜無害そうな手合いでもあっさり信用するほどのお人よしというまでではない。
周囲に人がいるような酒場やら街中やらならともかく、ここは余人の目の届きにくいところだから、
警戒しているぞ、と、示すように自身の佩いたファルシオンの柄に手を触れさせて。
■タピオカ > 「ふふ。旅慣れてるんだね!
ギルドの登録証はこれ。所属ギルドは緋色の風だよ。王都にもダイラスにも支店があるから、名前くらいは知ってるよね。
依頼の受注書の控えは無いけど、ギルドマスターのサインの入った証文と身分保証書はこれだね」
小さく笑うと、その場から動かず。所属しているギルドがメンバーに配る緋色の羽根がついた腕輪を外套の内側から見せる。続けて、丸められた羊皮紙を広げてみせ。溶かした蝋に印を押した公文書と、それとは別に漂白されたパピルス紙を見せる。
「こんな感じで納得できそうかな?
それともー。そのファルシオンでお手合わせして、実力で冒険者かどうか確かめてみる?」
ひとまずできる限りの身分証明をして、マントの前を合わせる。白い息吐いて。
付け加えた言葉は戯れ交じりなもの。冗句めかして。
■アルブス > 目の前の少女が距離を保ったまま見せてくる登録証と証文。
それを注意深く見ては、野営する冒険者一人騙すために用意するには手が込んでいるものだと。
つまりは、本物なのだろうと判断をする。
語るギルドも聞いたことがある、ある程度の規模のものであれば、
そこのギルド員を騙ることのリスクと、精巧な偽造物を用意する手間と、それでやることが野党では釣り合わないだろうとも思い。
「おっけー。あと俺はそういう方向の実力至上主義でもないんで、お断りー」
意図的に空気を弛緩させるよう、気の抜いた緩い返事で了解を返す。
得物からは指を離し、鍋を混ぜるのを再開させて。
冒険者にもちろん最低限の腕っぷしは欲しいところだろうが、それがなくても出来る仕事はある。
そういう考え方の持ち主だからと腕試しは冗句であってもお断りというふうに肩を竦めた。
■タピオカ > もちろん、本気で手合わせをするつもりはなく。
彼が肩を竦めるとくすくす、自分も肩を震わす。
そんな風に一夜は過ぎていき――。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」からタピオカさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 野営地」からアルブスさんが去りました。