2024/10/25 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」にアルマさんが現れました。
アルマ > メグメール喜びヶ原森林地帯
今宵は空に薄雲が広がり、星の瞬きもなく、月の輝きもなく、鬱蒼とした森が濃く深い闇に包まれていた。

一片の光のないその闇の中を悠々と闊歩するのは、夜空を思わせる青くも黒くも見える妖しい色の毛並みと、見るもの全てを吸い込むような深い蒼色の眼を持った1頭の魔獣だ。

魔獣の名はアルマ。
オオカミをベースに様々な生物の因子を組み込んで製造されたキメラ型の魔獣であり、同時に生きた兵装であり兵器である。

高い知性と圧倒的な戦闘力。
場面に応じて肉体を変化させる適応力。
主人と認めた人間に対しての忠誠心と、その人物に見合った武装へと姿をかける希少なキメラ型の魔獣なのだが、同時にとても危険な魔獣でもあった。

なぜ危険なのか
それは主人のないアルマは魔獣としてではなく生きた兵器として活動するからである。

単独で街や村へ入り込み、そこで生活する住民を襲い、孕ませて苗床とし、産ませ増えることで、制圧していく魔獣兵器なのだ。

そのうえ、代を重ねることで戦闘力や適応力を増していくから性質が悪い。


――…しかし、それは遥か過去のこと。

今、闇の中を闊歩しているこのアルマは既に兵器としての本能を失い、生きた兵器などではなくただの魔獣に成り下がった個体で、森林地帯を彷徨っている理由もその地域を制圧なんて大層なものではなくて、ただ巣にこもっているのに飽きただけ、あとは――…そう久しぶりに湧き上がり昂る本能を吐き出す為の肉が欲しかっただけである。

アルマ > 魔獣はこうして再び活動を始めた。

行く先は肉の匂いがする方へ。
街道へ、或いは村の方へ。

魔獣は闇の中へ溶け込むようにして消えて……。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からアルマさんが去りました。