2024/08/05 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にシトリーさんが現れました。
シトリー > 王都から数刻ほど歩いた森の中
街道からは離れてはいるものの、旅人がよく使う抜け道なのだろう。
踏み均された地面は、森の中であっても迷わずに済む。
森に棲む少女からすれば、そんな道がなくとも迷うようなことはないのだけれど。

そんな道を辿っていけば、きらきらと日差しを反射する川面に出る。
川幅は広くとも、水深はさほど深くはなさそうで、時折、魚が跳びはねる様子も見え。

「ふぅ……川辺はやっぱり涼しいです。」

ぱしゃり、と水面に手を浸すと、冷たい水の感覚が心地良く感じられ。
鞄から取り出したタオルを川の流れに漂わせてから、ぎゅっと絞って顔を拭くと、一息ついて。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」にメアさんが現れました。
メア > 不意にガサガサと茂みを揺らす音が少し遠くから聞こえてくる。
聞こえる先は、少女ならわかるだろう踏み慣らされていない、人も通りそうもない場所からで。
その音はゆっくりと、しかし確実に少女の居る川へと向かうものか、徐々に近付いていた。

だけど、時々それに交じって聞こえてくるのは、踏み進む音とは違う、何かが倒れるような音。
それが何の音なのかは、そう難しいものではないのかもしれない。
明らかに道なき道を進み、足を取られて転んでいる音なのだから。

そうした音が聞こえている少女が、どんな反応を示すのか、どんな行動を取るのか。
少なくとも何かしらの警戒をしたりするのなら、十分にそれが姿を現すまでの準備時間がある事だろう。

シトリー > 不意に茂みを揺らす音が聞こえてくれば、いつでも対応できるようにと立ち上がって身構える。
けれど、それはどう聞いても、獣が近づいてくるような音ではない。
かと言って、魔獣の類かと言えば、もっと違う。
強いて言えば、茂みを闇雲に突き進んでいる音とといえるだろうか。
しばらく呆気に取られていたものの、腰に差していた杖を手に取って、音の方へと一振りして。

「メアさん、先に様子を見てるって言ってたのに、なんでそんな方から戻ってくるんですか?」

杖の動きに合わせて、目の前の茂みがまるで生き物のようにひとりでに道を開ける。
そうすれば、そこには、つい先日パーティを組んだばかりの少女の姿が見えるだろうか。
生傷の絶えない少女のことだから、もしもまた怪我をしているようなら、すぐに癒しの奇跡を施すことで。

メア > 慣れというのは怖いもので、本来はこんな森の中を迷えば、獣道でも探し進むものだ。
しかし、メアという少女は違う。
道なき道を進む事に慣れてしまっている少女は、切り傷擦り傷を作ろうと突き進む。
小さな傷ぐらいなら後ですぐ治せるという事もあれば、より一層に無謀な行動となるもので。

「わ、わっ…!?」

まだ先に茂みはあるだろうか、そう思って掻き分けようとする手が空を薙ぐ。
同行した少女によって茂みが広がり道となって開けたからだ。
そのまま空振った手の勢いのまま、コロコロと転がり少女の前でやっと止まる。

「ふわー…世界がまわーるまわるー…
あ、シトリー、だいじょーぶ、だいじょーぶ」

衣服や装備で覆われていない素肌の部分に小さな傷を複数作っている少女。
ペタンと座り込んだまま、グルグル回る頭にフラフラと体を揺らす。

シトリー > 「あー、もぅ……なんで、そうやって突っ込んでいっちゃうんですか……
 こんなに傷だらけになっちゃって……」

地面が平らであればまだしも、森の中は木の根や岩やらで凸凹している。
さすがの聖樹の加護でも、茂みの枝を動かすので精一杯。
木の根を退かすとなれば相当の魔力を消費してしまうわけで。
転がってきた少女に駆け寄ると、土を払って傷の具合を確かめる。

「大丈夫じゃないです。黴菌が入って化膿したらどうするんですか。」

苦言とともに、ふわりと若草色の燐光が少女の身体を包み込むと、たちどころに傷は消えていき。
傷がちゃんと治ったことを確認して、肩の力を抜き。

「やっぱりメアさん一人で行かせるんじゃなかったです。」

安堵した反動か、ぷぅーっと頬を膨らませ。

メア > 「おっかしーなー、大丈夫だと思ったんだけどねー?
そう!もうちょっとできっと道に出てたんだよ、ちょっとだけずれちゃったんだよ。
今回だけはちょっとだけ失敗って事で、ね?ね?」

土を払って貰い、傷を治して貰い、そこまでされたところで意識が戻ったのだろう。
うーん?とちょっと思い出すような仕草をしてから、あれこれと手振り身振りを加えて説明をしだす。
が、明らかに現れたのは、進むべき道から大きく外れた方向で。
必死な説明は間違いなく言い訳以外のなにものでもないとわかるか。

「うー…そんな事いわないで?私だって、ちゃんと出来る時は出来るんだから、ね?」

安堵するも、次いで頬を膨らませる少女の頬にペタッと両手を当てながら、ニコッと笑顔を向けてみる。
組んでから、きっと何度目かのやり取り…となっているのかもしれない。

シトリー > 身振り手振りを交えて説明する少女は、それだけ見れば微笑ましいもの。
問題があるとすれば、今回だけと言いながら、似たようなやらかしが既に何度かということだろう。
それを思えば、表情も渋いものにならざるを得ないのだけれど、少女の無邪気な笑顔には弱く。

「むぅ、またそんなことを言って……メアさんの方が先輩なんですからね?」

膨らんだ頬を抑え込みに掛かる少女に、ちゃんとしてください。と言外に告げて。
とりあえず、この話はそれでおしまいと気を取り直す。

「それでどうでした?
 コボルトのいる洞窟は見つかりましたか?」

暑い中、森まで来たのは何も避暑のためではなく。
少女が受けた討伐依頼を達成するためで。
巣を見つければ、あとは罠でもしかけて一網打尽といったところ。
それが無理でも情報を持ち帰るだけでも、十分街の安全には寄与できるはず。
――のだけれど、あれだけ盛大に物音を立てていたのだから、近くに巣があれば向こうにも見つかっていることで。

メア > なんだかんだで大きな問題は出さない、だからこそ許される笑顔だろうか。
それとも少女が人が良過ぎるのか…または、その両方か。
強く叱られずに事が済めば、少女へと笑顔を向けたままで。

「うん、よーっくわかってる、わかってる。
だから、私が先行役を頑張ったんだよー?」

コクコクと少女の言葉に何度も頷くも、反省の色は、きっと窺えない。
それが本当にちゃんと出来ているのなら、繰り返したりはしないのだから。
厄介なのは少女が常に全力投球で、失敗もすべてわざとではないからだろう。

「あ、洞窟はちゃんと見付けてきたよ?
ほら、ここにしっかりとメモを……えっと…メモを…ほら、ココに!」

さて、そうして先行役をこなした少女の結果といえば、ゴソゴソとポケットから取り出したメモ書きだ。
ただ、ポケットに入れてのあんな状態だったからか、そのメモ書きは丸まっていて。
広げてみれば、何とか書き記されている道筋が読み取れる…程度のものだった。
そんなものでも確かな情報だからか、それを広げてみせる少女はドヤ顔を浮かべてみせていた。

シトリー > 「はい、はい。メアさんが頑張り屋さんなのは認めてます。」

わんこのような少女の頭を撫でる。
失敗ばかりといっても、今のところは生傷くらいで済んでいるのだから、
頑張ったと自認する少女を、ぎゅっと抱き締めてあげたくなるけれど、そこは自重して。

「すごいじゃないですか。よく見つけられ………
 うん。後で場所を教えてください。一緒に行きましょう。」

広げられてもくしゃくしゃなメモに書きつけられたそれはまるで何かの暗号で。
期待して覗き込んだのだけれど、それは解読不可能な代物だった。
もしかしたら本人には読めるのかもしれないのだけれど……。
ドヤ顔を見せる少女をもう一度撫でてあげてから、そう切り出して。

「それで……私たちでどうにか出来そうな数でしょうか?」

戦闘となれば、こちらは前衛と後衛のふたりきり。
数で押されてしまえば、さすがに少女が手練れでも厳しいだろう。
そのためにも罠を張るのが重要なのだけれど、それでも相手の規模によってはそれにも限度があるわけで。

メア > 「えへへー、そうでしょ?うん、シトリーはよくわかってるね♪」

座り込んだ格好のまま、伸びて来る少女の手が頭を撫でる。
目を閉じて気持ち良さそうに撫でられる姿は、確かに少女が思うようなところはあるだろう。
もし尻尾があったなら、間違いなく嬉しそうに振っている雰囲気なのだから。

「うん、わかった、向かう事はすぐに出来るよ?
数も多くはないから、ちょっと誘き出して罠とか仕掛けて数を減らせば十分にいけると思う」

広げるメモ書きに対する少女の反応に、小さく首を傾げて不思議そうにするのだけれど。
再び撫でられる感触に改めて気持ち良さそうにそれを受けながら、聞かれた事に素直に答える。
そうした見定めに関してはそれなりに正確だ、安心出来る答えだろう。

「ただ、向かうにしても今日は無理しない方が良いかな。
向かって、倒して、帰って来る事を考えると日を挟んじゃうかもしれないよ?
討伐を終えて安全に戻るまでを考えたら、途中に安全に休めそうな場所があったから。
そこでゆっくり次の日に備えての準備を整えて、休んでから向かうのが良いかも?」

んーっと思い出すような仕草をしながら、少女へと続けてそう伝えた。
そうなったのは、先行して無駄に時間を掛けた自分の責任もかなりあるのだが。
同行する少女の事も考えての意見、というのはわかるだろう。

シトリー > しっかり者を装ってはいても、討伐依頼自体は初めて。
それどころか冒険者になってからも日が浅い駆け出しでしかない。
いざ、これから討伐だとなれば、緊張が滲むのも当然だと言え。

だからこそ、こういう時に冷静な先輩は本当に頼りになる。
少女の提案には、疑問を挟むこともなく素直に頷いて。

「分かりました。メアさんにお任せします。
 今日はそこまで行って休みましょうか。」

初めての討伐で、陽が暮れてからの戦闘はかなり厳しいものがあるだろう。
少女がこちらのことを気遣ってくれているのが分かると、少し面映ゆく感じて。
それに今日のところはまだ戦闘にはならないと判ると、僅かに緊張も抜ける。
頭を撫でられて嬉しそうな少女にぎゅっと抱きついて。
ほんの少し癒しと気力を充電させてもらおうと。

「罠のほうは、私もいくつか用意できますけど……
 でも戦闘のほうは、メアさん頼りですからね。」

魔法で攻撃もできなくはないものの、そこは経験の差が物を言う。
甘えるようにぐりぐりと頭を寄せたのちに、お願いしますね、と告げて。

メア > 「……シトリーは討伐初めてだっけ?
でもほら、相手はコボルトなんだから、もっとリラックスリラックス、ね?」

普段は頼りなくはあるも、それでも気構えたりしないのが良い意味にも働くのか。
緊張の見える少女を目にすれば、安心させるようにポンポンと背中を優しく叩きそう伝えて。

「うん、このメアちゃんにまっかせなさーい♪
っとと、それじゃあ向かおっか?…わぷっ」

グッとガッツポーズを取ってみせるも、そこで少女に抱き締められれば大人しくそれは受け。
それで安心出来るならと少女がしたいようにさせておくのだった。

「罠さえ上手くいけば、私1人でも軽く相手を出来るレベルなんだから大丈夫。
ちょっとミスったって頑張れば倒せると思うし、シトリーには向かわせないから安心して?」

無理は禁物だけど、相手がコボルトだけにそう悪い方向に転がっても大きな危険はない。
こればっかりは経験の差もあるから、そうした事はちゃんと教えておいてあげようと。
甘えられながらも、少女と抱き合う感触に気持ち良さそうに自分からも擦り寄りながら、説明を。

そうして罠の配置等の取り決めも向かいながら決められるから、その場を後に休憩地点へと向かうのだ。
ただ、少女はわかっていない部分もあるだろう。
メアという少女と共に一夜を過ごす、そこに潜む隠された意味がある、という事を。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」からシトリーさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 川辺」からメアさんが去りました。