2024/03/06 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にロシェルさんが現れました。
■ロシェル > 「……困りましたねえ。」
目の前に立ち塞がる岩壁を眺めながら、溜息交じりに呟く女が一人。
魔法で生み出した明かりを動かして、突き当りとなってしまった通路を照らす。
そこそこ長い距離を進んできたが、途中には枝分かれした路はなかったように思う。
無論、周辺にだって、隠し扉のようなものも見当たらない。
「――――……戻りますか。」
再び、溜息が落ちる。
救いなのは、そう入り組んだ場所では無い、と言うこと位だろうか。
元来た道を戻るべく、身を反転させ。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にバランガさんが現れました。
■バランガ > 「参ったのう……」
一人洞窟内を彷徨うのは中年男。
少なくとも一人で彷徨えるような猛者ではないのは格好や体格から推して知れるところだ。
「まさか斥候が罠を踏み抜くたァ思わんわ、どうにか入口まで戻らんとアカンわ」
ゴブリンだの程度であれば自衛も出来るが、それ以上や大量となると苦しい。
残った足跡やら痕跡を手繰りながら道を模索して、左右に分かれた道を右に曲がり少々進んだ頃合いで向こう側からやってくる気配に気づく。
「……おう、人間さんやと助かるんじゃがなあ…?」
■ロシェル > 一本道であるが故、戻りは幾分か安全だ。
これまでに罠が仕掛けられていない事は確認済みなのだから、敵影に注意を払う事を主にすれば良い。
然し、暫くも歩けば誰かの気配が遠巻きに。
ぎゅ、とメイスを握り締めながら、明かりで相手の輪郭が窺える距離まで、警戒をしながら詰めて行き―――
「あら……?」
視界に捉えたのは魔物の類ではなく、恐らく人。
数度、瞬きを繰り返しては距離を保った儘に緩く頭を傾げ。
「ええと――……冒険者の方、でしょうか?」
■バランガ > 結果的に言えば女と行き会うのだからこの道の先は行き止まり。
少々歩いた行程は無駄ということになるが、一人気弱に歩き続けるより人間に会えた事が幸運と言えて。
「いんや、冒険者の…雇い主の方や。雇った斥候が罠踏み抜きおってな。
そんでバラッバラに転移してもうてな。…はーっ、ここで聖職者様に会えたんは神の導きやな」
ここはひとつ、助けると思うて出口まで一緒に行ってくれんか、と頼み込むことにする。
勿論外に出れれば礼もすると頭を下げて頼み込むのは、一人の危険性が大きいから。
……勿論、目の前の聖職者が目を見張るくらいの美貌と肢体をしているのも、大きな要因であるのもまた事実なのだが。
■ロシェル > 相手の話を聞けば、分かりやすく表情が憂いに崩れる。
何せ、己も似たような状況だ。
「それは大変でしたねえ……。
まだまだ未熟物ではありますが、私で良ければ同行させて下さい。」
とは言え、出口へと続く道も分からぬ現状。
今は残された道を進む位しか出来ないのだが。
周囲を照らしていた明かりを、もう一方の道の方へとほんの少しばかり先行させ。
「とりあえずは、こちらの道に行きましょう。」
■バランガ > 「ほんまか!えらい助かるわ。自衛くらいは出来っけどよ、流石に本職に比べれば見劣りするからなあ…」
同行を許可されれば心底ほっとした、というような表情を見せる。
命の危険というのはこの状態では明確にあった、それが薄れたのだからこの感謝は本物で。
「ワシはさっきこっちの道からきたからよ、せやからあっちの道が正解やと思うわ」
明かりに先導してもらいながら、時折自分のここまでの経路に基づいて意見を伝える。
女の斜め後ろをついて歩きながら、たわわに実って歩くたびに揺れる豊満な乳肉やむっちりと張り出した尻肉を視線で堪能し。
同時に、出口へと向かっているようであれば、こっそりと手持ちの魔法石を砕いて、放出するのは催淫、魅了といった魔法。
共に歩いているから距離は近く、だからこそじわり、じわりとすぐ傍の女をテリトリーに取り込んだ状態で少しずつ女の精神状態をハックしていく。
■ロシェル > 安堵の色を見せるその様子には、疑う事もなく柔らかな笑みが浮かぶ。
幾らか警戒を解いた様子で、僅かばかり取っていた距離を縮めれば、彼の助言に頷いて、慎重な足取りで進み始めた。
「承知致しました。」
明かりを先行させているとは言え、範囲はそこそこ広め。
無論、距離が離れれば離れる程薄明りにはなるが、互いの輪郭やらを視認するには十二分だ。
魔法の維持やら歩きながらの周囲への警戒やら、そちらに意識が向いてしまっていれば、
向けられる視線や気付かぬ間に受ける魔法による侵蝕にも、中々気付けやしない。
「――――そう言えば、お名前をお聞きしても?」
ふと、思い出したように問う。
その頃には、ほんのりと呼吸が疎らになり始めているのに相手も気付くやもしれず。
■バランガ > 明らかに戦闘に向かない以上後衛につくのは当然のこと。
だから周囲への警戒を主とする前衛の女がこちらの視線や思惑に気付かぬのもやむを得ないことで。
じわり、じわり…じわっじわぁ…と少しずつ少しずつ、侵食を進めていく。
移動する間も多少の会話は場を円滑にするために必要なこと。
魔法による侵食が進んでいくと、自然初対面の男には話さないようなこともぽろりと話してしまうそんな塩梅で。
「こりゃアカン、名前を名乗ってすら居らんかったわ…大変失礼したのう。
ワシは宝石職人のバランガ、っちゅうもんじゃ、ここには珍しい鉱石を探しにきとったんじゃよ」
そっちはどういう理由でここに居るんじゃ?と名前やら目的やらを聞き出すように返す。
呼吸が疎らに、そして明らかに変質しつつある雰囲気が漂い始めた頃合いで、休憩に使えそうなちょっとした横穴を発見して。
「…先がどないなっとるかわからへんし、ちっと休憩して進まんかい?」
■ロシェル > 「バランガさん、ですね。なるほど、宝石職人……。
私はロシェルと申します。今日はギルドの依頼で魔鉱石の採取に来ていたんですが――まあ、お察し、と言う所です。」
普段から、必要最低限の物以外を持たぬ身には装飾の類、少しばかり縁遠く――些か憧れもするもの。
仄かに眼を輝かせ羨望にも似た眼差しを注いでは、五指を揃えた手を胸元へと添え、浅い会釈を返す。
それから、続けた言葉は紡いでも問題はないような、当たり障りの無い応え。
侵蝕には気付けずとも、腐ってもバフやデバフ、回復を扱う聖職者、と言った無意識の抵抗が残っていた。
――それも、結局の所無いようなものになってしまうのだろうが。
「そう――……ですね、この先に休める場所があるかも、分かりませんものね。」
その証拠とばかり、徐々に上がり始めた身体の熱を逃がすよう、紡ぐ言葉にそれが乗る。
緩やかに頷いては鈍り始める思考で横穴へと、明かりの行き先を変えた。
本来の道筋から逸れる影がこの後どうなるのか、今は知れず――――。
■バランガ > 「この洞窟は良質な魔鉱石が出るゆうて有名やさかいなあ…なんやお互い大変なこったったなあ」
お察し、と言われれば似たような境遇だったかと笑う。
初対面ではあるが協力する者同士の会話は重要。
当たり障りのない会話であれ、会話のキャッチボールを続けることが大事。
聖職者相手に簡単に術が効くとは思っていない、だから効くまで掛け続けるのだ。
「よし、偽装しとけば外からは分からんやろ。少しは気を休めんと、出口までどんくらいあるかわからへんからなあ」
そういって横道へと逸れて行く。
こののちがどうなるかは、今はようとして知れないことなのだが。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」からバランガさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」からロシェルさんが去りました。