2023/12/01 のログ
■アドラー > そういえばギルドで聞いたが、パーティーも場所によってはいざこざが絶えないらしい。
報酬金の分配や、人間関係。連携や役割分担などなど…
…やはり一人での方が気が楽かもしれない
「ん?」
サイクロプスの巨体から眼を取り出し、麻袋に入れたところで声と気配に気付く。
そちらを振り返ると薄紫の瞳の、以前酒場で出会った女性が居て
「ん、ノーマか。君もサイクロプス討伐の依頼を?」
表情が明るくなり、そちらの方へと近づいていく。
さきに倒してしまったよ、と微笑みながら遺体を指差す。
「元気だよ。君が左腕の処置をしてくれたお陰だ。」
包帯が取れ、しっかりと動かせるようになった左腕を示しながら
挨拶に対して返答をする。
■ノーマ > 「あー……んー……いや、実はただの見学。」
ははは、とから笑い。
他にも目的がないわけでもなかったが……さて、どうしようか。
「いや、でっかいねーサイクロプスっていうのは。
ああ、その目玉は証拠品かな? まあ、コレ全部持って帰るはきつそうだもんねー。
……ん? ってことは……残りは捨てちゃう?」
麻袋に何やら入れたのを確認して、問いかける。
捨てる、というよりは放置なのだろうがそんな奇妙な事を気にする。
「ま、なにはともあれ。腕の調子がいいならよかったねー。
今度はゴブリンどころかこんなでっかいのに勝ったようだしー?」
しげしげとサイクロプスの姿を見つめ直す。
うん、でっかいしなかなか物騒な感じがいい。
「……うーん」
女は少し、何がしかを考えていた。
■アドラー > 「そうなのか。見学だけにしては、よくこんな所まで来たな…」
森林地帯でもここはかなり奥の方。
戦いの音で野獣や小さいモンスターは散ったとはいえ来るのは一苦労だっただろう、と
「ん、その様子だと見たことないのか。
捨てるというか…骨や皮も持って帰って活用したいが、解体の技術も専用の道具も持っていないからな。
何かに使うなら好きにしてもいいぞ」
以前と変わらず、何を考えているかわからない女性。
左腕に施された“オマジナイ”から彼女の正体は魔女か何かなんじゃないかと最近では思い始めている。
それだったらこのサイクロプスを素材として薬か何か作るのだろうかなどと考える。
例え魔女でも、自分の左腕の痛みを除いてくれた恩人だから無下にすることはないが…
「あぁ、上々だ。
この前みたいな油断もないし、今は新しい武器がある。負けるわけにはいかない。
…どうした?」
腰にあるサーベルを自慢気に見せつけながら、サイクロプスに興味があるような女性
何か要望があるのだろうか、気になってそう問いかける。
■ノーマ >
「まあ、そこはほらー。うちってば冒険者だからねー、一応。
それくらいはまあ、できるし。興味はあったし? 一人パーティーだし?」
あれ、おかしかったかな?と一瞬反省。
ともあれ、なんかそれっぽいことをいってみるとする。
……あれ、コレ言わなくてもいいやつかな?
「そうそう。見たことないから見たかったわけー。
思ったよりも大きいねー」
見たことがないのか、と言われれば勿論ない。
とかく、知らないことは多いのだ。
「おやおや、武器自慢? でも、いい感じっぽそうだねー。
と。いや、今言ってくれたけどね。うん。ちょっとホシイなーって。
これ」
そういってサイクロプスを指す。
「ああ、そっかー。解体とか、苦手なのー?
なら、必要そうなの取り分けてもいいけどー」
ある程度のオコボレさえあれば、いい。
ソレにあまり部位も問わない。
目的は……だし
■アドラー > 「な、なるほど?
あぁ、君も一人パーティーなのか。誰かと組みたくなる、とか思ったりしないのか?」
なんか引っかかるもの言いだが、これが彼女の平常運転だ。
最後の一人パーティーという言葉を聞いて、違和感を感じて眉間に皺を寄せる。
とりあえず、先ほど自分が考えていたことについて問いかけてみる。
「私も久しぶりに見たよ。これはまだ小さな個体だろうな。
種類によっては山よりも大きくなると聞く」
横たわっているのは全長5mほどの個体。
この個体でも一人で戦うにしては大きく、強力すぎる化け物だ。
これが二足歩行で棍棒を振るってくることを考えれば、それこそ此方も強力な武器が必要となる。
「懇意にしている武器防具店の店主が仕立ててくれたんだ。
実戦で使うのは初めてだったが、切れ味も耐久力もあって取り回しも効く。
中々使えるな」
鞘からサーベルを引き抜き、自慢げに語る。
黒い剣身は木漏れ日を黒く反射し、美しく存在感を増す。
実戦での使用は初めてだったが文句のない出来で、戦っている最中は感動すら覚えたほどだ。
「サイクロプスの解体は流石にやったことがないからな。
…私は別に必要ないし、君がこの遺体を使ってもいいが…何をする気だ?」
彼女が死体を欲しがる様子に、詮索はしないという気遣いと好奇心がせめぎ合って
好奇心の方が勝り、ついそのように問いかけてしまう。
「…ここは君と私だけだ。少しくらい、君のことを教えてくれもいいだろ?」
■ノーマ >
「ん。んー……まあ、そうね。パーティー組むって考えは、ないわけじゃないけどー。
いや、この辺きたばっかりだし知り合いも全然いないしねー。
こう、なんだろ。機会、とかそういうのがあんまりねぇ」
流石に、見ず知らずの相手と組むのはハードルが高い。
あまり考えなしではあるけれど、それくらいは考える。
ついでに、目の前の男も一人のようだけれど……トモダチ、いないのかな?
などと、実に失礼な発想をした。
「山……そりゃあ……倒すの大変そうだねー。
倒せても始末するのが大変そうだ。」
ソレ以前の大変さがあるはずだが、そこは完全に横においている。
まるで他人事である。
「なるほどねー……そういうのは、あんまり専門じゃないけどー。
ソレは、とてもキレイだ。それに、質が良さそうだ。」
見せびらかされたサーベルをしげしげと見つめながら感想を述べる。
割と真面目に考えて答えてるようにも見える。
「……ああ。えーっと……どうしようかなー」
だいぶあからさまに言葉を濁す。
何をする気、ときた。
ついでに、自分のことを教えろ、と。
さて……彼には恩もあるし、多少の信用はある。が……
真面目に話して、どこまで受け入れられるのか。
「……あー……うー……その、うん。
……食べる、ん、だけどー……」
当たり障りのなさそうなところを口にする。
いや、どうなんだろう。これ、セーフなんだろうか?
■アドラー > 「あぁ、なるほど。確かにそれは難易度が高いな。
地道に依頼をこなして、ギルドや同じ冒険者から名前を覚えてもらってからじゃないと厳しいかもしれない
ふふ、そういう機会中々ないものな。わかるぞ」
パーティーを組むうえで大事なのは実績と素性だ。
その点でいえば、自分は実績はあるが素性を明かさないから、不審に思う連中は一定数いる。
彼女に関しては…何らかの実績も聞いたことなければ、素性もわからないから自分にとっても謎の存在だ。
「できれば出会いたくもないな。
そのような相手は英雄や勇者サマがやるんじゃないか?少なくとも、一人で相手取りたくない」
大型の敵を相手にするのは慣れているが、流石にそこまでの物は手に余る。
そういうのはもっと世界を救うような英雄がやる仕事だろう。
「武器は良い。君も何かしらの武器を使ってるんじゃないか?
…持ってみるか?」
相手の服装を見て問いかける。以前の自分と同じように武器を外套内に格納しているタイプだろう。
しげしげとサーベルを見る様子に、柄を差し出しながら問いかけてみる。
「食べる、のか。
それはなんでだ?食べ物に困っているという訳でもないんだろ。
食べることで、こいつの力を蓄える、とかか?」
食べるという回答にやや言葉に詰まりながらも、追加の問いかけをしてみる。
ここまで来たら、核心に迫る部分まで聞きたいがどうだろうか。
目を細めながら相手を見据える。
■ノーマ >
「おお、わかってもらえるー?
似た者同士かもしれないねー。ふふふ」
珍しく、面白そうに笑う。
流石に、自分の浮き具合はわかっているからこそ、共感はある種の安心なのだ。
「ま、そうだねー。
さもなきゃ、"そういうの"専門で作られた何かが相手するか、だ。
あんまり考えたくない話だねホント。」
勇者サマの仕事、と言われればそれに賛同する。
本当に心底、関わりたくなさそうな声である。
「ああ、武器。うん、まあ……隠しても意味ないか。
そりゃ、流石に使ってるよー。って、いいの?
大事な武器じゃないのー?」
自分はよくは知らないが、武器は命、というやつではないだろうか。
仮にそうでなかったとしても、仕立ててもらっただの初めて使っただのいうものが大事ではないことはないだろう。
まさかそんな気軽に差し出されるとは……
「……む、ぅー。
うーん。そこまで考えちゃって聞いちゃうかー。」
食べる、という回答から導き出された相手の考え。
正確なことを言えば少し違うが、当たらずといえども遠からず、な線まできている。
……これ、変に誤魔化しちゃったらまずい、か?
記憶に従えば、ヨワミヲニギラレル、というのはよくなさそう、ではあるんだけど。
さて、少しだけ真面目に必死に、かつそうとは気づかせないように記憶を探ってみるか
「まあ……うーん。それ、答えてもいいけどさー。
女の秘密、ばっかり言わせるのズルくなーい?」
そうして探って出た対応は、そんな言葉だった。
……こういう言い方で合っているんだろうか?
■アドラー > 「君と似た者か。はは、否定はできないな」
周りから見たら自分も彼女のように掴み処のない男なのかもしれない
一緒にされるのは嫌な気分はせず、こちらも釣られて笑う。
「そうだな。考えたくないし、考えてもしかたない」
その手の依頼は自分には関与せずに蚊帳の外だ。
相手の言葉に同意するように、ため息交じりで
「へぇ、どんなものを使っているか聞いても?
私の隙をついて武器を盗む、なんてこと君はしないだろ。」
武器は確かに命だ。信頼していない相手には触らせることも、場合によっては見せることもしない。
でも、相手は盃を交わし、共に飯を食らった同業の冒険者。
未だに正体は知らぬが、“大事な武器ではないか”と自身に問いかける部分がより信頼できる。
「確かに、そうだな。
私が質問ばかりするのは不公平か。何か私に聞きたいことはあるか?
…とはいっても、私のことなんて聞いてもあまり君のためにはならなそうだが…」
相手の言葉はこの男には効果的であったようで、質問を一回止める
とはいえ、目の前の少女が自分のことを知りたがっているとは思えないが…
■ノーマ >
「ハグレモノ同士って感じかな。
いっそ、ここでパーティー組んでもいいかもねー」
本気なのか冗談なのか、いつも通りの口調で口にする。
「んー……まあ、そりゃ盗んで恨まれるのもヤだしねー。
ああ。そんな大したものじゃないよ、うちが使うのは。
針とか、鉤爪とか……そんな感じのやつ。」
これもまあ、隠し武器みたいなやつだけれど手の内というほどでもないしいいだろう。
それなりに信用のできる相手だ。
なんなら、その武器を相手に向ける時は来てほしくない。
「ははは、それはそう。
でも、お互い様じゃない? うちのこと聞いて、なんかためになるー?
ああ、そうだ。それを聞いてみたいかな?」
男の想像通り。女は男に対して聞きたいような質問はなかった。
より正確には、好奇心や興味自体はもっているが、そもそもナニを聞いていいかがわからない。
だから、そんな質問を投げてみた。
■アドラー > 「はは、それもいいかもしれないが
背中を預けるにしては君のことを知らなすぎる」
背中を任せて刺されるなんてことは考えてはいないが
相手が倒せなかった敵が自分の隙を突くということは避けたい。
彼女の能力も、戦闘スタイルも知らない。厳しいようだが戦場で安心して任せるにはまだ早い
「なるほど、暗器というものだろうか。
私もこのサーベルと併用してナイフをよく使っているよ」
針や鉤爪と聞けば、それに似たナイフを話題に出してみる。
こちらも全ての手の内を明かすわけではないが、彼女と協働することもあるかもしれない
ある程度のことは話しておいて
「ふふ、そうだな。
友人である君ともっと親睦を深めるため、とでも言っておこうか」
武器を渡そうとしたり、自分の武器や戦い方を示したり。普通はどうでもいい、信用できない相手にはしない。
自分の腕を治してくれた相手とはもっと仲良くしたいし、いずれは共に働きたいとも思ってる。
相手がどんな者なのか知らなければ、仲よくしようもないと、微笑みながら恥ずかしげもなく述べる。
■ノーマ >
「うん、まあそれはそう。
言ってみただけだから、あんまり真面目に取らなくても大丈夫だからねー」
特に落胆した様子もなく、相変わらずの口調で答える。
少なくとも、表立ってはそう見える。
「まあ、そんな感じかな。
サーベル、まではいかないけれど刃の類もなくはないけどね。」
暗器、位は流石に知っているのでそう答える。
隠し武器のようなものだから嘘はいっていない、と思う。
ついでだから、ちらりとだけ刃の先を袖の下からのぞかせて見せる。
勿論、危なくないように、だが。
それにしても隠していることはあるだろうけれど、だいぶあけすけに話してくれる男だな、と思う。
「んー……なるほど。さっきの知らなすぎるー、にもつながるわけねー。
なるほど、なるほど……んん……」
少し考えるような素振りをする。
こういうときのさばき方は……記憶の中には大して存在しない。
しかし、信用を寄せてもらえていることはなんとなく察するところだ。
であれば、ぶっつけ本番で当たっても行ける……と、信じたい。
「まあ、それならまあ……いいか。
じゃあこっちが答える番ね。想像通り。
食べることで、力を蓄える……まあ、そんな感じだよ。」
ここまできて、濁しても逆に信用を失うだけだろう。
それはあまりお得ではない、と思ってとりあえず表面的には肯定を示す。
確かにその想像が大体あっている、のであるから。
■アドラー > 「ふふ、そうもいかない。
丁度一人パーティーだと限界を感じていたところだし、何より美人の君からの誘いだ。
もっとお互いを知ってから組むというのはどうだろうか?」
一度は断ったものの、こちらとしては都合のいい提案だ。
美人と余計なことを付け加えながらも、パーティーを組むことには前向き。
もう少し、お互いのことを知ってから、協働することを提案してみる。
「なるほど…なんだか私たち、はぐれ者だし、得物も似ているし
共通点、多いかもしれないな…」
ちらりと袖から見える刃にジト目になる。きっと彼女も暗殺なども得意としてそうで
パーティーを組むことを前向きに考えてはいたが、相性的に自分が戦闘スタイルを変える必要が出てくるかもしれない。
例えば…大きな盾を持つとか。
「左腕を治してくれた恩人だからな。君を知らなければ、喜ぶお礼も用意できないだろ?」
左腕の礼もまだ渡せていない。
このサイクロプスをお礼として渡しても良いが、それだと余りにもいい加減な気がする。
友人ならばそれ相応の贈り物を用意したいというのがこの男の信条のようで。
「なるほど、やはりそうか。
話してくれてありがとう。サイクロプスの死体は好きなように食べてくれ」
濁さずに話してくれた相手に握手を求めるように手を差し伸べる。
たとえ相手が人間だろうがそうでなかろうが関係ない。
何かを食べて力を得る、などはよく聞く話だし、さして驚かずに、むしろ話してくれたことに感謝を述べる。
■ノーマ >
「おやおや、色々慣れてそうなアドラー殿でも限界を感じるんだね―。
うん、そういうことなら別に悪くはないか。
いやっていう理由もないから、いずれ組もう、は別にいいよー?」
お互いのことを知る――なるほど、そんな儀式もあるのか、と思う。
ある程度の信がおければいいか、と割とゆるく考えていた女としては感心する他ない。
話自体も、まあ悪いことではない。
イロイロと自分ではわからないことのフォローも効きそうだし。
「そんなに似てる? まあ、似てるならそれはそれでいいのかもねー。
まあ、合わせるのは……多分得意だから、うん。いや、まだやったことないけどさー」
色々と一人でやってきたから、他者と合わせる、はやったことはない。
とはいえ、できることは多いので合わせるくらいはなんとでもなろう。
そこは本能にも期待、というところだ。
「ああ、そんなことー?
あれはあれでうちのお礼だったんだから気にしなくてもいいのにさー。
えーっと、なんだっけ……律儀?ってやつ?」
ちょっと考えてそんな単語を引っ張り出した。
あのオマジナイ、は対価でやったことである。
そうでもなければ、あんなことはしない。
それだけリスクも有ることなのだし。
なんともまあ、気にしいだなあ、と女は思う。
「ん、じゃあ遠慮なく……
……? ああ、そっか。えっと……こうか」
食べてくれ、と言われたので迷わずもらうことにする。
のだけれど、差し出された手に一瞬だけ困惑する。
ああ、これが握手、というやつか。
記憶から引き出して確認し、袖の奥から白い手を差し出す。
「んー……そういえば。うちが聞くのもなんだけどさー。
アドラーって、冒険者のベテラン? それとも、前はなにかやってたりとかするの?」
そんなことを、本当にただふと思いついたように口にする。
組む、ということを考えた時に色々慣れてそうだしな、と思ったことがきっかけではある。
■アドラー > 「一人で出来ることに限界は必ずある。だから、人は寄り添って街や国を作ってるんだ。
私も所詮、一個人にしか過ぎない。一人じゃ大層なことはできないさ
では決まりだな。まだ実際組んだわけではないが、よろしく頼む、ノーマ」
相手の持ち上げる発言には笑顔ながらも謙遜する。
でも自分ひとりでは何か大事を成し遂げるのは困難だし、小さな依頼での見落としをすべて拾うことも難しい。
そういうのをフォローしあるのも良い経験になるだろう。
彼女のわからないことをフォローする役割の方が多くなることは今はまだ知らずに。
「やったことないのなら得意と言わないほうがいいんじゃないか…?」
こちらも一人で戦ってきた時間が長かったからか、相手と合わせるのはぶっつけ本番だと難しい。
相手に期待したいところだが…この様子だと、期待しすぎるのも良くないだろう。
「色々と教えただけであの“オマジナイ”だとしたら釣り合っていないだろう。
律儀でも何でもいいが、こういうのは最初は大丈夫でも、積み重なると遺恨を残す場合もある。
それと、取引の時に物の価値がわからないと、搾取されてしまうこともある。覚えておいたほうがいい、ノーマ」
お節介焼きと思われるだろうが、この国で生きるのに大事な知識を彼女に教える。
取引や恩の貸し借りは特にトラブルを招きやすい。
そういうのを回避するための術を彼女へと助言してみて。
「…口うるさいようで悪いが、握手もスムーズに出来るよう練習しとこう」
差す出された手に困惑する様子に、ため息交じりに告げる。
単に手を差し出しただけで困惑されるといかんともし難い感情に襲われる
彼女の白い手を握り力強く握手を交わして
「殉職率の高い冒険者を約4、5年間近くやっていると考えると、ベテランなのかもしれないな。
それ以前は旧友と旅をしていた」
冒険者としての経験値は豊富な方で、他の国などでの活動期間も含めるとそれくらいになる。
それでもしっかりとした固定のパーティーを組めなかったのは、男の方に原因があるとも思えなくもない。
■ノーマ >
「……ああ。小さな群れ、か。それならよくわかる。
うんうん、じゃあ未来に頼むーってことで。」
ヒトは寄り添う、と。なるほど、それは群れとしての形だ、と思えば納得がいく。
そう噛み砕けば、よくわかった。なら、ますます悪い話ではない。
少しだけ機嫌よく、応じる。
「んー……まあ、そこはほら。根拠のない自信というかー?」
だいぶとぼけた物言いだが、一種の予感めいた自信があるのは確かである。
言葉通り、根拠というものはまったくないわけではあるが。
ただ、こと戦闘、という一面だけなら……ある程度の働きができるはずだ。
「ん、んー……そっかー。」
釣り合っていない、と言われればそういうものか、と思う。
自分にとっては知識は値千金、というやつだが、そういうことでもないらしい。
なんならそれで争いのもとになる、と。ヒトって難しいね。
「……搾取? なるほど、それは――困る、かもねー。うん。
覚えておく。」
搾取。その言葉に、一瞬だけ記憶が刺激される。
それは確かに、よくないことだ。
「あははー、ごめんね。やり慣れてないからねー。
今のうちに、経験しとくよ」
男がいうのはそういうことではないはずだが。
女はそういってのんびりと握手を堪能(?)する。
握り返すのは細腕にしては強い力の手。
「じゃあ、ベテランだ。で、前は旧友と、か。なるほどねー」
じゃあその旧友は?と一瞬思うが……今いない、ということはそこには何かあったのだろう。
流石にソレは想像できる。聞いていいものかいまいち判断がつかないので横に投げておく。
「いや、なんか結局色々教わってるねー。ありがと。」
ただ、紡いだのはソレだけの言葉
■アドラー > 「…そうだな。
そういえば、君は王都で暮らしているのか?」
群れと人間に使うには違和感のある単語。
やはり相手は人間とは違う何かであることは想像できたが、深くは踏み込まず。
それよりも此れからつるむことも増えるだろう。住んでいる場所を聞いておく。
「一番信用されないぞそれ…」
根拠のない自信と言われれば、目を細める。
相手がどれだけ戦闘に得手があるかはわからないが、そこは次の機会の楽しみにしておこう。
「あぁ、友人である君が不幸な目に遭っているのは、私としても気分が良くない
頼んだぞ、ノーマ」
覚えておくという言葉に、安心したように微笑む。
一瞬、相手の雰囲気が変わったような気もするが、きっと何かの経験があったのだろう。
そういうのは彼女と過ごしている内にいずれ知ることは出来る故、今は深堀せずに。
「ん、その方がいい。力加減もな」
細腕にしてはやや強い力に吃驚としながらも笑顔で頷いて。
「気にしなくていい。
ともかく、これからよろしくな、ノーマ」
感謝の言葉に対して笑顔になりながら、耳を傾けると森がざわめき出す。
サイクロプスを倒して相応の時間が経ったからか、野獣やモンスターが戻りつつあるようだ。
「…ではそろそろ私は行くよ。見られながらだと食べるのも集中できないだろ?
また酒場などで会おう、じゃあな」
このままでは囲まれて面倒なことになる。
彼女に関しては…あの巨体の力を取り込むのならば、きっと切り抜けられるだろう。
そういって、彼女に手を振り、林の中へ消えて行った―――
■ノーマ >
「ああ、うん。
住まいっていうのは少しおかしいけれど、王都でだいたい過ごしてるよ。
まあたまに、こんな感じで外に出てたりとかはするけれど、ねー。」
といっても今日は気まぐれ。一応依頼をやらないと胡散臭い目で見られそうだから小さいやつはこなしているけれど。
此処まで遠出は初めてかもしれない。
「うんうん、またよろしくね。
ははは、そういうところも気を使ってくれるんだ。」
諸々の礼を、たった一言にまとめて。
そして、笑って男を送り出す。
■ノーマ >
「さて――」
なにやら気配が戻ってきていることを感じる。
このサイクロプス、みたいなのがたくさんいると面倒そうだけれど流石にソレはなさそうだ。
それなら、ゆっくりと味わったところで”何も問題はない”だろう。
「じゃあ――」
■ノーマ >
「いただきます」
■ノーマ >
ぞぶり……
と異様な咀嚼音が、響いた
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からアドラーさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からノーマさんが去りました。