2023/11/26 のログ
アドラー > 「謝らずとも大丈夫だ。私も一人で物悲しいと思っていたところだ」

隣に座る彼女を横目でちらと見ながら、次の肉を焼き始める。
一人寂しく夜空の星を数えるつもりだったが、数えた星の数を教える相手が出来て少し嬉しい気がして
微笑みながら、火と肉の管理をする。

「薬草集め、か。それにしては随分と遅い時間だが、モンスターなどに襲われはしなかったか?」

置かれた薬草に目をやりながら、この時間帯に?と疑問が残り、問いかける。
そして控えめに肉にかじりつく様子や、ちびちびと水を飲む行動に緊張をしているのか、遠慮をしているのか
いきなりこのような状況に立たされたら無理もないかと自己完結しつつ、無理にすすめるようなことはせずに。

「私はアドラー。アドラー・アリストテレス。
 冒険者をやっている者だ。よろしく、アルテミィ」

相手の自己紹介の後に真っすぐと彼女に視線を向け、胸に手を当て名乗りを上げる。
その後、右手を差し出して握手を求めて

アルテミィ > 「…えへへ、そう言っていただけると嬉しいです。」

もぐもぐ…、と、少し癖はあるものの柔らかい鹿肉を食べていく。
今日は野宿かな、と思っていた矢先に出会った男性。
話し相手ができたことは少女にとっても嬉しいことで。

「はい、お困りの方がいたようなので。
 それに私自身も薬草のストックが無くなりそうだったし…。
 あ、それは大丈夫です!逃げ足には自信がありますので!!!」

つまりは襲われかかったのだと。
かじ、かじ…、と、小さな口で鹿肉をほおばりつつ、
時折肉汁が滴りそうになればそれを指先でぬぐってぺろりとなめとる。

この少女も一応子供のころから冒険者やっているので、
多少ワイルドなことには慣れっこなようである。

「アドラーさん…、ですね。
 私も学生の傍ら冒険者をやっている身です。
 これからよろしくお願いいたしますね。」

右手が差し出されれば、ハンカチで手を拭いてから握手に応じた。
小さめな手で男性の手を握り返し、嬉しそうに上下に揺らし。

アドラー > 「ふふ、これも巡り合わせだ。少しゆっくりしようじゃないか」

相手が水筒を飲めば、こちらものどの渇きを潤すために水筒に口を付け水分を取る。
一人よりも二人。そうすれば寂しさも危険も減り、楽しさや安心は増えるだろう

「そうなのか。人の役に立てるよう行動するなんて立派だな。
 逃げ足が速いのは良いことだが、最低限戦える技術も持っているといざという時便利だぞ」

逃げる速さ、戦いを回避する技能を持っていることは素晴らしいが
逃げられない、逃げるわけにはいかない場合もある。そういう時に戦えるようにはしとくべき、というのが持論だ。
猫のように指先の肉汁をなめとる様子にふふっと笑みをこぼしながら、彼女の前に次の肉を用意しておいて。

「ただのアドラーでも良いが。
 学生、ということは王立学院の生徒か。
 二足の草鞋とは器用だな。依頼に勉学、両立は大変だろ?」

彼女の手をしっかりと握り、上下に揺らす。
学生という言葉を聞けば、学院のことが真っ先に浮かんで驚いたような表情を浮かべる。
確かに、冒険者をやりながら通学している生徒も居ると聞いたが、こんなところで邂逅するとは思わなかった。

アルテミィ > 「めぐり合わせ…、そういう考え方、素敵ですよね。」

ふふふ、と微笑みを浮かべ、少女もうなずいた。
どんなに鍛錬された冒険者とて、
寂しい気持ちもあれば、危険もある。
それが一人増えることで気持ちも楽になるもので。

「でも結果として代金はいただきますから。
 そこらへんは冒険者として当然だと思ってます。
 最低限の戦うすべ…ですか、そうですねぇ…。
 私はどちらかというと傷を癒したりする方が…。
 そういえば、アドラーさん、左手に包帯なさってますね、お怪我ですか?」

逃げる足の速さはあるものの、戦いには不向きらしい。
いざというときにその場から癒したり、転移する道術があるくらいらしく、
少女も困ったように眉を寄せる。
それに対して男性はきっと強いんだろうなとチラ見。

「……ん、アドラー………さん。
 や、やっぱり、年上の方を呼び捨てにするのは難しいです。
 そ、そうですね、でも、依頼を受けつつ勉学しつつ、どちらも得る者は多いです。」

上下に揺れる握手は温かかった。
男性の驚いたような顔には、緩く微笑みつつ、
日々これ精進かつ勉強であると告げて。

アドラー > 「はは、ロマンチックとよく言われるよ。口説き文句としてはウケがいいらしい」

巡り合わせ、運命なんて言葉は異性へのウケがいいらしい。
そんなことを臆面もなく笑顔で述べながら、焚火の炎を眺める。

「なるほど、依頼で集めていたんだな。 
 そうだ。戦う術を知っていれば、守りたいものが危機に脅かされているとき、“自分に力があれば”と嘆く必要がなくなる。
 まぁ、無理に戦えとは言わないが。

 あぁ、これは依頼で戦った時のだな。…回復魔術でも使えるのか?」

てっきり見ず知らずの他人から頼まれて集めていたのかと思っていたが、そこはしっかりと依頼として集めていたようで。
相手の含みのある言葉と傷を癒すという単語。そして装備している杖に目が行く。
自分のように刃物で戦うタイプではなく、魔法・魔術に精通しているタイプなのだろう。
左腕の包帯を示しながら、問いかける。

「はは、無理して敬称を取る必要はない。
 君の自然な方を選んでくれ。
 …なるほど。器用だな。私なんて依頼でいっぱいいっぱいなのだが…」

どうしてもさん付けになる相手に笑顔のまま言葉を投げかける。
そして、器用にも両立出来ていることに、驚いたように口元に手を当てて、感心したようにつぶやく。

アルテミィ > 「確かにロマンティックですね。
 ふふふ、でも誰にでも言ってちゃ意味がないと思いますよ?」

クスクスと微笑みを浮かべつつ、
臆面もなく笑顔で言われれば冗談だとわかるので、
それはそれでよかったかもしれない。
あまりそういうことに慣れてないもので、
正面から言われたら恥ずかしくて相手の顔が見られなくなることだろう。

「ええ、依頼料が少ないとかで、ほかの冒険者さん方はあまり乗り気じゃないようだったのでつい…。
 そうですね……、そう思わされることはありますが…。
 今のところは逃げる方でどうにかなっていたのでそれで済ませていました。
 でもやっぱり戦うすべも知って得おいた方がいいでしょうね…。

 はい、なのでお礼がてら手当てができればと思ったのですが…、ご迷惑ですか?」

さすがに見ず知らずの自分にそれを頼む人もいないだろうと。
杖を片手に持って男性の左腕を見つめると小首をかしげる。
一飯の恩と言ってしまえばそれまでだが、目についた怪我ということもあり、
放っておくことができないようでソワソワしだしている。

「そ、そうですね、そう言っていただけると嬉しいです。
 勉強はもともと好きなので、学ぶことは嫌いじゃないんです。」

器用に、と言われればそれはまだまだだと首を左右に振る。

アドラー > 「誰にでもは言わないさ。言っても頬を叩かれなさそうな相手にしか言わない」

相手が笑っている様子に、こちらも微笑みを浮かべて冗談を述べる。
流石に初対面の相手に甘い言葉を吐けるほど、節操なしでも女たらしでもない。
むしろ、このような冗談を言うほうがこちらも相手も気が楽で楽しめるだろう。

「確かに薬草採取は、一部では草むしりなどと揶揄され軽視されがちだな。私も積極的にはやらない。
 …単なる私の持論だがな。ナイフの扱いくらいは、多少心得はある。
 いつか必要になったら教えよう。

 私としては願ってもない申し出だが、いいのか?」

薬草採取は初心者の依頼、とよく言われていることを思い出す。
かくいう自分も今回の左腕しかり、負傷や不調がある場合には請け負ったりするが
そういう草を見分けるのが苦手ということもあって積極的には選択しない。

そして、相手がそわそわと自分の怪我を見ている様子に
むしろ良いのかと問いかける

「そうなのか…特にどの学問に注力しているんだ?
 魔法や魔術についてであれば、是非とも助言を得たい」

最近は自分も魔術を学んでいる最中だが、独力じゃ限界がある。
杖を持っている少女であれば、その分野に精通しているだろうと思って問いかけてみる。

アルテミィ > 「ふふふ、それならいいんですが。
 あんまりそんなこと言ってると本命の方に言っても信じてもらえなくなっちゃいますからね。」

クスクスと笑いながら、
それって自分が舐められているとも受け止められそうだが、
目の前の男性の言うことならばそういうわけではないだろうと。
何となく、出会ったはかりだがそんなふうに思わされた。

「でも、結果としては人の助けになりますし、
 観察眼を鍛えることにもなると思いますし、
 私自身も薬草のストックがなくなりそうでしたからね。
 ついでに自分の懐も潤わせていただいているということです。
 …ん、そうですね…、ナイフですか…。
 そ、その時が来たら是非、よろしくお願いします。

 もちろんです!美味しいお肉をご馳走になりましたし、お近づきの印にもなりますし。
 魔力が残っていて良かったです。あ、でも念のために今夜は無理させないでくださいね?」

ほっとした様子で呟くと、
タクト状の杖を手に取り空中にシェンヤンの文字を書いていく。
キラキラと輝く文字がやがて男性の左腕に集まっていけば、
すぅ…、と傷の痛みが引いていくことだろう。

「私、シェンヤンの方の出身なので、此方の方の魔術には疎いんです。
 だからそちらに関して勉強できればなと思っていまして…。
 あ、もちろん、私で教えられることでしたら。」

緩く笑みを浮かべつつ、男性の言葉には頷きを返す。
まずは魔術、道術の基礎を簡単にかみ砕いて圧していくことだろう。

アドラー > 「はは、本気で狙っている相手は今は居ないからな。
 もしもそんな相手が出来たら、少しはこういう冗談も控える必要があるな」

今は夢中になり、常に情熱を一心に向ける相手はおらず、気ままに生きている。
そういう相手がもしも現れるならば、今の言動も見直さなければと笑いながら発する。

こう見えても勘は鋭く、相手が不快と感じるであろう言葉は避けているつもりだ。
職業柄、貴族を相手にすることがある。
そういう相手とのコネクションには興味はないが、嫌われるのは相応に厄介なのだ。

「その心意気は尊敬する。私も見習わないとな。
 あくまで君の気が向いたら、だな。その時は任せてくれ

 …これは…素晴らしいな。完全に治ったようだ」

依頼に対する心構えに、むしろこっちが感心させられて、胸に手を置いて尊敬の念を抱く。
そして、杖を振って虚空に文字が描かれれば、それが左腕に集中。
すると力を入れても、振っても、痛みはない。
いつか酒場で出会った冒険者が施した“オマジナイ”も相まって、傷は完全に治ったようだ。

「シェンヤン、あの北方の大都市か。
 王都まで来るのは中々苦労したんじゃないか?
 …今は様々な人物の知見が欲しいところだ。君が持っている知識を教えてくれないか」

王都を凌ぐとさえ言われている北の大帝国。
そこから来るのは、道のりとして考えても大変だっただろうと察する。
魔術や道術に関しては、彼女の持っている知識を頭に入れ、より深くそれらに対する知見を得るだろうか。

アルテミィ > 「じゃあ、そういう方ができた時は言わなくなるんですね。
 それはそれは、そんな方ができたら一目瞭然で分かりそうです。:

誰かに夢中になる、それは自分も覚えのないこと。
自分も同じようにそういう人ができたら言葉を選ぶようになるのだろうかと。

どうやら男性は勘も鋭いよう。
此方が不快となるようなことをこれッぽっちも言わない様子を見れば、
ふふふ、と緩く笑う。
シェンヤン出身というだけで色眼鏡で見られることもあるが、
どうやらそれも無いようなら安堵した様子で。

「そうでしょうか。
 でも根っこは生きるためですし、
 褒められていいのかわからないですが。
 その時はぜひ、私、体術の方はからっきしなので。

 ………ふう…、良かった、これでお礼できましたぁ…。」

依頼に向けての意思は人それぞれであろうと、
それを改めて自分でも言葉にする形で思い。
ふわ、と舞った光の粒が男性の左腕に集まり、
暫くは動かしたり振ったりしている様子をじっと見つめる。
そして痛みも残っていない様子を見れば下腹部を抑えてほっとした様子。
これで魔力の残量は空っぽになったものの、
少女としてはお礼も兼ねられて良かったと思った様子で。

「はい。
 でも、師匠と一緒だったのでそこまで大変じゃなかったですよ。
 ふふふ、もちろん、恩人のお願いとあらば何でもお教えしますとも。」

男性の言葉に緩く微笑みを浮かべ、
一応だが連れが居たので大丈夫だったことを知らせつつ、
…もちろん途中で奴隷になった苦い記憶もあるが。
それらをおいても今の状況はとても楽しいもので。
男性に魔術のイロハを教えることも楽しそうで。

アドラー > 「くく、そうかもな。そんな時は私の恋を応援してくれ。
 逆に君の恋愛も私がサポートする」

むしろ自分より、年頃の相手の方が恋愛に夢中になる時期だろう。学院に通っているなら特にだ。
その時は大人として、多少のサポートをしようか。主に根回しとか。

「こういう時は素直にお褒めの言葉を受け取っておくべきだ、アルテミィ。
 わかった。人に教えるのは初めてだが、任せてくれ。

 ……なんというか、そんなに美味しかったのか?単なる鹿肉を焼いただけだが」

見慣れない術とその効果には素直に驚かざるを得ない。やや長い期間苛まれていた痛みが消え去るとほっとしたように息を吐く。
彼女が下腹部を抑えることにやや違和感を覚えるも、野暮なことは言わずに。
むしろやたらと鹿肉に対して恩義を感じていることへの疑問が勝ってしまう。

「あぁ、師と共に来たのか。
 それならば多少は楽に来れただろうか。
 そんなに大それたことはしていないがな。有難く、魔術のことを教えてもらおうか」

師匠の存在を知り、一人旅ではないことを知ると納得したように頷く。
複数人での旅は困難を乗り越える手段が増えるし、何より旅の辛さを分かち合える存在がいるのは精神的に大きな恩恵をもたらす。
決して簡単ではない魔術のイロハも、彼女から教えてもらえればすんなりと頭に入っていき、そうこうしている内に夜は更けていって―――

アルテミィ > 「そうですね、応援させていただきますよ、もちろん。」

でもあまり恋愛に興味がないのだが…。
それでも興味が出る日が来るのだろうか。
はぐ、と鹿肉をほおばりながらぼんやりと思った。

「そ、そうでしょうか…。
 なんていうか、自分の意欲の末で受けてることにおほめいただくのは申し訳ないですが。

 ん、はい、美味しかったです。お腹減ってましたし…。」

ふわりと痛みが消える様子に驚いた様子の男性にニコリと笑いつつ、
これは明日明後日当たり誰かに魔力を注いでもらわないとと思いつつ、
にへら、と緩く笑い顔を浮かべた。

「ええ。
 私、元々、生贄になる予定だったんですが、
 そこを師匠に助けていただいて…。
 おかげでこの年まで生きていられました。」

ふふふと笑いながら少女は何でもないことのように告げる。
そして男性の言葉のままに、自分が知る限りの魔術の基礎を教えていくことだろう。
それこそどちらかが眠くなるまで…。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からアルテミィさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からアドラーさんが去りました。