2024/12/04 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にドリィさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にヴァーゲストさんが現れました。
■ドリィ > 迷宮より生還し、漸くの宿らしい宿への帰着─…残す道程は街道を往くのみである。
ギルド出張所にて何を為すより先に宿泊の部屋を取り、
真っ先に欲するは酒──といいたいところだが、其処は先ず湯浴みと睡眠であろう。
熱い湯を浴びて泥のように眠る。其処迄を終えて漸く、頭は帰還へとシフトするのだから。
故に、翌日。遅い目覚めを迎え、階下の酒場へと降り。
王都入りを前に、一足早い酒席と相成った───これはヒトツの冒険の終了、一歩手前。
「──────乾ッ杯!」
杯のかちあう音が響く。
探索での報酬精算及び反省会を兼ねた、ただの大酒飲みの、飲みたいだけの祝杯の場。
なんたって迷宮半ばで持ち込んだ酒を切らし、暫くの断酒を余儀なくされたのだ。
こんなに旨い酒もないだろうと。威勢よくぐびぐびと杯を傾け──ぷはぁ、と女は息を抜くのである。
「ンーー…、長かったァ!
もぉちょい早く戻れる算段だったのだけどー…まさか、彼処で転移魔方陣が使えないなんて思わないじゃない?」
女がパンを千切り、煮込みに浸しながら男へと話題を振り、早々に飲み干した酒をどぷどぷと注ぐ。
幕間でのトラブルも色々あったらしい。ともあれ──苦労を肴に飲む酒は旨いもので。
■ヴァーゲスト > 賞金稼ぎであれ冒険者であれ『一仕事』を終えた後は『これ』
達成感と満足感を肴に酒を飲む、これが最高なのだ。
普段なら賞金首の文字通り首をギルドに放り投げて、
血なまぐさい身体を何とかする間もなく酒に飛びつくのだが、今回は違う。
今回きりの相棒が女であるから気を使ってとか、
彼女のフォローで疲れてしまったからとか、
そんな理由ではなく、ただ単純に今回の『冒険』は疲れた。
正直言うと自分がフォローされた側だと思う。
罠とか罠とか戦闘含めた諸々は相棒がいなきゃ疲れたでは済まなかっただろう。
で、あの後更なる紆余曲折大冒険の後に何とか何処かの宿まで這いずるように帰還して、
宿でよさげな部屋を取り、湯を浴びて、ふっかふかのベッドに飛び込んで、
そしてそのまま大いびきをかいて大爆睡、……したはず。
何せ記憶がない。
相棒と共に漸く見つけた宿に飛び込んだまでは覚えている。
それ以降はシャワーを浴びたような?記憶がおぼろげにあり、
あとはベッドのふかふかした感触しか覚えてない。
まあ、それは割とどうでもいい。
大事なのは『今』である。
「乾杯ッ!!」
杯をかちあわせた後は……もう飲むしかない。
迷宮の中では酒を飲んだというか食ったというか、
なんとも複雑な気持ちになる火酒を味わった記憶しかないが、
今は違う、こうして久々に旨い酒を好きなだけ飲むことができるのだから。
「かぁーーーー!!旨い!!!」
最初の1杯は乾杯の後の最初の一口で空にして、
隻眼を細めてへらへら笑いながら腹の底から喜びに吠える。
充実感と疲れの残る身体に酒は染み渡る感覚。
これ、これこれ、この一杯の為に命をかけてるといっても過言ではない。
「あれはーしゃーないだろー………。
元々あの迷宮自体が古いしろもんだろ?
今思えばあるものが全て100%稼働するわきゃねぇよな。
オレとしちゃ出口付近で遭遇したミミックの方がヤバかったわ。
罠ってわかったからスルーしてやったら、荷袋に食いつきがやって、
あとちょっとで荷袋が破れて魔石がパーだったし?」
空になった己の杯に報酬として山分けするには屑に近しい、
小さな魔石の一つをカロンと落とし、
その上から次なる酒を並々と注ぐ、注げばその杯に落とした魔石に酒を絡ませるように、
ゆらんゆらんっとその杯を揺らしながら、自分でも驚くほど饒舌に苦労を語るのだ。
苦労は苦い酒の肴。
酸いも甘いも苦いもどれもが旨い酒の肴。
まっ一番は見目麗しき相棒様の貌と身体であるが。
■ドリィ > 「でもぉー…行きは稼働したんだから帰りも…って思うじゃなぁい?
アレが無かったら、もぉ2日は縮められたと思うのよねぇ…。」
とはいえ、転送を使用せぬ道程となった代わり、魔物の巣より多少の追加報酬はせしめたつもり。
あとはそう、男が告げる出口間際のミミックだとか。
煮込み肉を一欠片乗せたパンを口中に放り込みつつに、女は男に視線をくれる。
「彼処でミミックに荷袋食いつかれてたらぁ… まぁ、この祝杯はナシですよねぇー…。
なんたって今回の一番のお目当てはー…、目も当てられないくらいに粉々ですし?」
揶揄るよに視線を据えては、また、ぐぃと酒を呷る。
あの魔石核を持ち帰れなかったのは痛手だが、正直彼処までのシロモノだと持て余す。
まぁ、持ち帰れた魔石だってかなりのものだし、
女一人だとアレだけの量を運び出せはしなかっただろう。そう思えば重畳である。
実際、戦力としては充分男は役に立った。──その分、やらかしもしてくれたけども。
「んーーーッ♡、 それにしても、漸く生き返ったってカンジ。
お湯を浴びてグッスリ寝てぇー… 美味しいご飯とお酒よねぇ…。」
言葉通り、女は浴びるように飲んだ。
早々に酒瓶を空け、もう一本を頼み。酒に濡れ潤った唇を舌先で舐め、
今度はフォークで肉を摘まみ、オリーブを摘まむ。
冒険疲れなぞ、一夜を寝ればリカバリ完了とばかり。お肌も勿論、艶々に磨かれて。
「で、相棒殿の報酬だけどぉー…魔石を王都で分ければいいかしら?
あたしが換金してー…後日渡してもイイけれどー……」
■ヴァーゲスト > まあ、ほんとそれはそう。
行きに使った際に無事稼働したら、帰りだって稼働する。
そう思うのが普通だし、実際それを目の当たりにするまで、
オレだって思ってた――…が、結果は、まあ言わずもがな。
「まっお陰様で遠回りにゃなったけどさ。
その分プラスで財布が重くなったからセーフって奴さ。」
言葉の〆は二杯目の酒で。
魔石の欠片を浸して混ぜた酒を杯を持ち上げてまた一口ぐびり、
喉を焼くようなアルコールの熱に加えて、落とした魔石に含まれている魔力が低いせいか、
ほんのりじわじわーっと身体の中から魔力が染みわたるようで、これはこれで悪くはない。
混ぜてこれだから、あんとき相棒が言ってたように、
じっくりと漬けたら、それはそれで面白そうなのは間違いない。
が、コフッ、と盛大に咽た。
――…我が一度限りの相棒はなかなか手厳しい。
ごまかせたと思ったのに。
「…………そのせつはたいへんもうしわけありませんでした。」
隻眼の視線をつい~っと相棒の夕暮色の瞳より外し、
遥か彼方と未来へと視線を逃がしながら、とりあえず言葉だけでも謝罪をした、するしかなかった。
あれは間違いなく己が悪いゆえに謝罪しかない。
でも、いい女を前にしたら男って奴は格好つけるもんだ。
特に切り札を見せるときはなるべくスマートに格好よく。
んで、きゃーっといわれたい、男ならだれだったそう、俺だってそう。
ごめんなさい、心の中でも多大に反省しております。
「だなー……漸く一呼吸って感じだ。
まだ王都に帰るにゃ少し距離はあるが、それでもまあ
後は散歩道みたいなもんだしな。」
また一口、また一口と酒を飲む。
肉に料理に手を付けないのはアレだ今は調理された肉よりも、
血の滴る生肉を食いたい気分なので、それをまあ相棒の前で
やるには少々憚られる。
だから酒、何よりも酒。
血肉が足りない分は酒で補う。
魔力もまた酒で補う。
魔石を入れた酒はほんと最高である。
「へいへい相棒殿、その件につきましては異論はねぇでございます。
オレの場合、ほら、こうして使うし?」
何杯目の酒か。
また酒の杯に魔石の破片の屑を落として、杯を揺らして酒をかき混ぜ、
見せつけるように杯を掲げて、また一口ぐびり。
で、酒の肴は酒で湿った色っぽい相棒の唇。
そして何より冒険中はなかなか楽しむ余裕のなかった相棒の肌を隻眼で眺め楽しむ、こいつは重畳。
相棒がつまんだ肉よりも柔らかそうな肉に視線も興味津々も注いでしまうのは、
余裕のできた際によみがえった男の性って奴である。
■ドリィ > 「ま。大きな失態のツケはぁー…
いつかまた、その分を稼ぐのにお付き合い願うとしてー…♡」
男の謝罪に肩を竦め、語尾にきっちりと♡マークを添えつつに、女は宣った。
「かァんぱい?」等と軽く男へ杯を翳す真似事をして。
ほら、相棒の手綱を握っておくのも、今後を円滑に運ぶ処世術だからして。
実は魔石核の粉末に関しては、少しばかり瓶に採取して持ち帰ってきた。
使い道は王都に戻ってから考えるとしてー… それはさておき。
「そぅそぅ。ココまで戻ればもぉ、庭みたいなもんでしょ。
なんなら王都行きの馬車も出てるしー?…どぉせなら楽して帰ろうかしらー。」
それも悪くないやも知れぬ、と女は独り言ちる。
一度宿という微温湯に甘んじてしまえば、これ以上の消耗は回避したい気にもなる。
優雅に──…というにはむさ苦しいギルド発の乗合馬車旅だが。
そんなことを考えながら、既に何杯目かも知れぬ杯を傾け、飲み干した。
己の杯に酒を注ごうとして、不意に───…
隻眼の男の手の内の杯に眼差しがとまる。
頬杖突きつつ、根菜をフォークに刺しながら。
厚ぼったく艶やかな唇を、思案という愛嬌にピヨピヨと動かし乍らに、
「ヴァーゲスト君。ヴァーゲスト君。」
ちょいちょい、と白い繊指が男を拱く。正しくは──男の持つ杯。
魔石屑の沈む、少しばかり興味深い酒を。女の夕暮彩の双眸が三日月に笑い。
「ソレ、一口ちょぉだい♡」
■ヴァーゲスト > 「へいへい、またいつか、付き合ってやるよ。」
その提案は中々悪くはない。
正直相棒のトラップ解除の技術や戦闘の技能は悪くない。
何より相棒は己好みだし、その尻を追うのも中々。
流石に鼻の下を伸ばしてハイヨロコンデとは言わずに、
適当に聞き流すような言葉を返しながら、表情は自然と満更でもない顔をし、
それをごまかす様にまた「へいへい」と言葉を零し、ちょっと甘ったるい乾杯の言葉に応えて酒をぐびりと呷る。
賞金稼ぎが主体であるが、こうして誰かと冒険も悪くない。
冒険者って奴に転向する程の魅力はまだまだ感じてないが。
こんな相棒が四六時中って環境になる未来がありゃそん時は、だ。
「馬車かー……馬車もいいよなー………。
楽して帰るだけの小遣いは稼げてるし。」
それもまた悪くない。
寧ろ一度疲れを感じてしまった身体は堕落を求めている。
出来れば楽で、出来れば快適に、王都へ帰りたいものだ。
ん、相棒の美味しそうな唇が嫌な感じに動いている。
悪いことを考えている顔か?と隻眼はそれを見逃さない。
「なんでしょドリィちゃんっと……。」
艶やかなる相棒の唇が名を呼ぶ声に少々警戒しながら、
首を傾げてかけたが、その相棒の好奇心が我が杯に向かうなら、
首をかしげるのを止めて、ちょっとだけ「えー……。」と、
三十過ぎの男に似合わぬ声を返す。
おまえの酒はおまえのもの
おれの酒はおれのもの
なので全面的に断りたいが、まあ相棒なので無碍にもできない。
――…しかし、屑石とは言え魔力の篭る酒である。
魔族である己には程よくても、相棒はどうだろう。
でもまあ飲んだら死ぬってこともないだろうし、
魔族でなきゃ味なんて普通の酒とかわらないだろうし、
まっいいか!
「いいぜ?けど、たぶん普通の酒とかわらんぞ?」
わざわざ自分は魔族だからとは口にはしないが。
飲みかけ酒がまだ残る杯をテーブルに置いて、指先ですーっと相棒の方へと押す。
魔族である己には魔力を補うという意味も含めて、
美味しい酒ではあるが、魔族ではない女には果たして……。
そのうえ男が女に差し出したその酒は何杯目かの酒であり、
徐々に落とした魔石の純度は上がり、酒に溶け込む魔力も当然……。